日本原子力研究所法
法令番号: 法律第92号
公布年月日: 昭和31年5月4日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

原子力開発は将来のエネルギー資源確保、学術進歩、産業振興、国民生活向上に重要な意義を持つ。政府は原子力基本法制定後、原子力委員会と原子力局を発足させた。研究開発機関については、諸外国の状況や米国との濃縮ウラン受入協定に対応するため、財団法人として原子力研究所を設立したが、これは暫定措置であった。原子力開発には高度な技術と広範な協力体制が必要なため、民間出資も認めつつ政府の監督下に置く特殊法人として、日本原子力研究所を設立することとした。本法案は、原子力基本法に基づき、原子力の研究開発を総合的かつ効率的に行い、その利用促進に寄与することを目的とする。

参照した発言:
第24回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第9号

審議経過

第24回国会

衆議院
参議院
(昭和31年3月8日)
衆議院
参議院
(昭和31年3月13日)
衆議院
(昭和31年3月15日)
参議院
(昭和31年4月24日)
(昭和31年4月26日)
(昭和31年4月27日)
(昭和31年4月28日)
(昭和31年4月30日)
衆議院
(昭和31年6月3日)
参議院
(昭和31年6月3日)
日本原子力研究所法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年五月四日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第九十二号
日本原子力研究所法
目次
第一章
総則(第一条―第九条)
第二章
役員、顧問及び職員(第十条―第二十一条)
第三章
業務(第二十二条―第二十四条)
第四章
財務及び会計(第二十五条―第三十五条)
第五章
監督(第三十六条・第三十七条)
第六章
雑則(第三十八条・第三十九条)
第七章
罰則(第四十条―第四十二条)
附則
第一章 総則
(設立の目的)
第一条 日本原子力研究所は、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)に基き、原子力の開発に関する研究等を総合的かつ効率的に行い、原子力の研究、開発及び利用の促進に寄与することを目的として設立されるものとする。
(法人格)
第二条 日本原子力研究所(以下「研究所」という。)は、法人とする。
(事務所)
第三条 研究所は、主たる事務所を東京都に置く。
2 研究所は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(資本金)
第四条 研究所の資本金は、二億五千万円と研究所の設立に際し政府以外の者が出資する額の合計額とする。
2 政府は、研究所の設立に際し前項の二億五千万円を出資するものとする。
3 研究所は、必要があるときは、内閣総理大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
4 政府は、前項の規定により研究所がその資本金を増加するときは、研究所に出資することができる。
5 政府の出資額は、常時、研究所の資本金の額の二分の一以上に当る額でなければならない。
6 政府は、研究所に出資するときは、土地又は建物その他の土地の定着物(以下この条において「土地等」という。)をもつて出資の目的とすることができる。
7 前項の規定により出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
8 前項に規定する評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(出資証券)
第五条 研究所は、出資に対し出資証券を発行する。
2 出資証券は、記名式とする。
3 前項に規定するもののほか、出資証券に関し必要な事項は、政令で定める。
(定款)
第六条 研究所は、定款をもつて次の事項を規定しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 資本金、出資及び資産に関する事項
五 役員及び会議に関する事項
六 業務及びその執行に関する事項
七 会計に関する事項
八 公告に関する事項
九 定款の変更に関する事項
2 定款の変更は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(登記)
第七条 研究所は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(名称使用の制限)
第八条 研究所でない者は、日本原子力研究所という名称又はこれに類似する名称を用いてはならない。
(民法の準用)
第九条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、研究所について準用する。
第二章 役員、顧問及び職員
(役員)
第十条 研究所に、役員として、理事長一人、副理事長一人、理事五人以内及び監事二人以内を置く。
(役員の職務及び権限)
第十一条 理事長は、研究所を代表し、その業務を総理する。
2 副理事長は、定款で定めるところにより、研究所を代表し、理事長を補佐して研究所の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 理事は、定款で定めるところにより、研究所を代表し、理事長及び副理事長を補佐して研究所の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行う。
4 監事は、研究所の業務を監査する。
(役員の任命)
第十二条 理事長は、原子力委員会の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2 副理事長及び理事は、理事長及び原子力委員会の意見をきいて、内閣総理大臣が任命する。
3 監事は、原子力委員会の意見をきいて、内閣総理大臣が任命する。
(役員の任期)
第十三条 理事長、副理事長及び理事の任期は、四年とし、監事の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十四条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 国務大臣、国会議員、政府職員(人事院が指定する非常勤の者を除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員
二 政党の役員
三 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者で研究所と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
四 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
(役員の解任)
第十五条 内閣総理大臣は、役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 内閣総理大臣は、役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、理事長にあつては原子力委員会の同意を得て、副理事長及び理事にあつては理事長及び原子力委員会の意見をきいて、監事にあつては原子力委員会の意見をきいて、これらの者を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
(役員の兼職禁止)
第十六条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
(代表権の制限)
第十七条 研究所と理事長、副理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が研究所を代表する。
(代理人の選任)
第十八条 理事長、副理事長及び理事は、研究所の職員のうちから、研究所の業務の一部に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(顧問)
第十九条 研究所に、その業務の運営に関する重要事項に参画させるため、顧問を置くことができる。
2 顧問は、学識経験がある者のうちから、原子力委員会の意見をきいて、内閣総理大臣が任命する。
(職員の任命)
第二十条 研究所の職員は、理事長が任命する。
(役員、顧問及び職員の公務員たる性質)
第二十一条 役員、顧問及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務
(業務の範囲)
第二十二条 研究所は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 原子力に関する基礎的研究を行うこと。
二 原子力に関する応用の研究を行うこと。
三 原子炉の設計、建設及び操作を行うこと。
四 原子力に関する研究者及び技術者の養成訓練を行うこと。
五 放射性同位元素の輸入、生産及び頒布を行うこと。
六 原子力に関する資料の収集を行うこと。
七 第一号から第三号までに掲げる業務に係る成果を普及すること。
八 前各号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するため必要な業務を行うこと。
2 研究所は、前項第八号に掲げる業務を行おうとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
(研究の協力)
第二十三条 研究所は、内閣総理大臣の認可を受けて、前条第一項第一号から第四号まで及び第八号に掲げる業務に関し、研究の委託を受け、又は研究を委託することができる。
(業務運営の基準)
第二十四条 研究所の業務は、原子力委員会の議決を経て内閣総理大臣が定める原子力の開発及び利用に関する基本計画に基いて行われなければならない。
第四章 財務及び会計
(事業年度)
第二十五条 研究所の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。
(予算等の認可)
第二十六条 研究所は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、事業年度開始前に内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(決算)
第二十七条 研究所は、毎事業年度の決算を翌年度の七月三十一日までに完結しなければならない。
(財務諸表)
第二十八条 研究所は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条及び次条において「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後二月以内に内閣総理大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 研究所は、前項の規定により財務諸表を内閣総理大臣に提出するときは、これに予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書を添附し、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見をつけなければならない。
(書類の送付)
第二十九条 研究所は、第二十六条又は前条第一項の規定による認可又は承認を受けたときは、当該認可又は承認に係る予算、事業計画及び資金計画に関する書類又は財務諸表を、研究所に出資した者(以下次条において「出資者」という。)のうち政府以外のものに送付しなければならない。
(利益及び損失の処理)
第三十条 研究所は、毎事業年度、経営上利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額に政令で定める率を乗じた額以上の額を積み立てなければならない。
2 研究所は、前項の規定による積立を行つた後、なお残余があるときは、内閣総理大臣の認可を受けて、その残余の額を出資者の出資に対し分配することができる。
3 研究所は、前項の規定による分配をすることができる額(以下この条において「分配可能額」という。)が政府以外の出資者の出資額の合計額に対し千分の五十の割合に達するまでは、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第一条の規定にかかわらず、分配可能額を政府以外の出資者の出資に対しそれぞれその出資額に応じて分配するものとし、政府の出資に対しては分配することを要しない。
4 研究所は、分配可能額が政府以外の出資者の出資額の合計額に対し千分の五十の割合をこえ資本金の額に対し千分の七十五の割合に達するまでは、分配可能額のうち政府以外の出資者の出資額の合計額の千分の五十に相当する額を前項の例により分配し、残余の額を出資者の出資に対しそれぞれその出資額に応じて分配する。この場合において、残余の額の政府の出資に対する分配については、政府の出資額の三倍の額を政府の出資額とみなす。
5 研究所は、分配可能額が資本金の額に対し千分の七十五の割合をこえる場合には、分配可能額を出資者の出資に対しそれぞれその出資額に応じて分配する。
6 研究所は、前五項の規定にかかわらず、その成立の日の属する事業年度から成立後五年を経過する日の属する事業年度までは、毎事業年度、経営上利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
7 研究所は、毎事業年度、経営上損失を生じたときは、第一項又は前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
(借入金)
第三十一条 研究所は、内閣総理大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、内閣総理大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。
(補助金)
第三十二条 政府は、予算の範囲内において、研究所に対し、その業務に要する経費の一部を補助することができる。
(余裕金の運用)
第三十三条 研究所は、業務上の余裕金については、銀行への預金又は郵便貯金にするほか、これを他に運用してはならない。
(財産の処分等の制限)
第三十四条 研究所は、総理府令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
(総理府令への委任)
第三十五条 この法律及びこれに基く命令に規定するもののほか、研究所の財務及び会計に関し必要な事項は、総理府令で定める。
第五章 監督
(監督)
第三十六条 研究所は、内閣総理大臣が監督する。
2 内閣総理大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、研究所に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第三十七条 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、研究所に対して業務の状況に関し報告をさせ、又はその職員をして研究所の事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第六章 雑則
(解散)
第三十八条 研究所の解散については、別に法律で定める。
(大蔵大臣との協議)
第三十九条 内閣総理大臣は、次の場合には、あらかじめ大蔵大臣と協議しなければならない。
一 第四条第三項、第六条第二項、第二十六条、第三十条第二項、第三十一条第一項及び第二項ただし書並びに第三十四条の規定による認可をしようとするとき。
二 第二十八条第一項の規定による承認をしようとするとき。
三 第三十四条及び第三十五条の規定により総理府令を定めようとするとき。
第七章 罰則
(罰則)
第四十条 第三十七条第一項の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合においては、その違反行為をした研究所の役員又は職員を三万円以下の罰金に処する。
第四十一条 次の各号の一に該当する場合においては、その違反行為をした研究所の役員又は職員を三万円以下の過料に処する。
一 この法律により内閣総理大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第七条第一項の規定による政令に違反して登記することを怠つたとき。
三 第二十二条第一項に規定する業務以外の業務を行つたとき。
四 第三十三条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
五 第三十六条第二項の規定による内閣総理大臣の命令に違反したとき。
第四十二条 第八条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(研究所の設立)
第二条 内閣総理大臣は、第十二条第一項又は第三項の例により、研究所の理事長又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、研究所の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。
3 内閣総理大臣は、設立委員を命じて、研究所の設立に関する事務を処理させる。
4 設立委員は、定款を作成して、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。この場合において、内閣総理大臣が認可をしようとするときは、あらかじめ大蔵大臣と協議しなければならない。
5 設立委員は、前項の認可を受けたときは、政府以外の者に対し研究所に対する出資を募集しなければならない。
6 設立委員は、前項の募集が終つたときは、内閣総理大臣に対し設立の認可を申請しなければならない。
7 設立委員は、前項の認可を受けたときは、政府及び出資の募集に応じた政府以外の者に対し、出資金の払込又は出資の目的たる財産の給付を求めなければならない。
8 設立委員は、出資金の払込又は出資の目的たる財産の給付があつた日において、その事務を第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。
9 第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前項の事務の引継を受けた日において、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
10 研究所は、前項の規定による設立の登記をすることによつて成立する。
(財団法人原子力研究所からの引継)
第三条 昭和三十年十一月三十日に設立された財団法人原子力研究所(以下この条において「財団法人原子力研究所」という。)は、研究所の成立の時において解散し、その一切の権利及び義務は、その時において研究所が承継する。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。
2 前条第九項の規定により研究所の設立の登記がなされたときは、登記官吏は、職権で、財団法人原子力研究所の解散の登記をし、その登記用紙を閉鎖しなければならない。
3 研究所の成立の際現に財団法人原子力研究所に勤務する者は、研究所の成立の時に研究所の職員となるものとする。
(経過規定)
第四条 この法律の施行の際現に日本原子力研究所という名称又はこれに類似する名称を使用しているものは、この法律の施行後六月以内にその名称を変更しなければならない。
2 第八条の規定は、前項に規定する期間内は、同項に規定する者には適用しない。
第五条 研究所の最初の事業年度は、第二十五条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十二年三月三十一日に終るものとする。
第六条 研究所の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第二十六条中「事業年度開始前に」とあるのは、「研究所の成立後遅滞なく」と読み替えるものとする。
(登録税法の改正)
第七条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「石炭鉱業整備事業団」の下に「、日本原子力研究所」を、「石炭鉱業合理化臨時措置法」の下に「、日本原子力研究所法」を加える。
(地方税法の改正)
第八条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十三条の四第一項第一号中「及び鉱害復旧事業団」を「、鉱害復旧事業団及び日本原子力研究所」に改める。
第三百四十九条の三に次の二項を加える。
9 日本原子力研究所が設置する原子力の開発及び利用に関する研究設備並びに放射性廃棄物処理設備並びにこれらの設備を収容する家屋に対して課する固定資産税の課税標準は、前二条の規定にかかわらず、当該固定資産に対して新たに固定資産税が課されることとなつた年度から五年度分の固定資産税については、当該固定資産に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の三分の一の額とし、その後五年度分の固定資産税については、当該固定資産に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の三分の二の額とする。
10 重水の製造設備に対して課する固定資産税の課税標準は、前条の規定にかかわらず、当該設備に対して新たに固定資産税が課されることとなつた年度から三年度分の固定資産税に限り、当該設備の価格の二分の一の額とする。
第四百八十九条中第六項を第七項とし、第五項の次に次の一項を加える。
6 日本原子力研究所が直接その業務の用に供する電気又はガスで政令で定めるものに対しては、電気ガス税は課することができない。
(土地収用法の改正)
第九条 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第三条中第三十三号を第三十四号とし、第三十二号の次に次の一号を加える。
三十三 日本原子力研究所が研究の用に供する施設
(科学技術庁設置法の改正)
第十条 科学技術庁設置法(昭和三十一年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
第八条第八号中「原子力研究所」を「日本原子力研究所」に改める。
内閣総理大臣 鳩山一郎
法務大臣 牧野良三
大蔵大臣 一万田尚登
建設大臣 馬場元治