企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法
法令番号: 法律第142号
公布年月日: 昭和29年6月1日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

政府は、企業の資本構成や経理の実情を踏まえ、一定規模以上の会社に資産再評価を義務付けるとともに、一定限度以上の再評価実施者に対して再評価税及び固定資産税を軽減する措置を講じることとした。これにより、企業資本の充実を促進し、経営の安定と経理の健全化を図ることを目的としている。

参照した発言:
第19回国会 衆議院 大蔵委員会 第28号

審議経過

第19回国会

衆議院
(昭和29年3月25日)
参議院
(昭和29年3月25日)
衆議院
(昭和29年4月13日)
参議院
(昭和29年4月13日)
衆議院
(昭和29年4月16日)
参議院
(昭和29年4月16日)
衆議院
(昭和29年4月28日)
(昭和29年5月7日)
参議院
(昭和29年5月19日)
(昭和29年5月21日)
(昭和29年5月25日)
(昭和29年5月26日)
(昭和29年5月29日)
(昭和29年5月30日)
衆議院
(昭和29年5月31日)
(昭和29年6月15日)
参議院
(昭和29年6月15日)
企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十九年六月一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百四十二号
企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法
目次
第一章
総則(第一条―第五条)
第二章
再評価及びこれに関する経理の特例等(第六条―第十八条)
第三章
再評価税及び固定資産税の減免等(第十九条―第三十四条)
第四章
雑則(第三十五条―第四十二条)
第五章
罰則(第四十三条―第四十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、一定規模以上の株式会社(以下「会社」という。)について資産の再評価を強制するとともに、一定限度以上の再評価を行つた企業に対して再評価税及び固定資産税を軽減する等の措置を講ずることにより、資産の再評価及び資本組入れを促進し、あわせて必要な減価償却を行わせ、もつて企業の資本構成の是正に寄与し、その経営の安定と経理の健全化を図るとともに、これを通じてわが国の経済の正常な運営と発展とに資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「再評価」、「再評価額」、「再評価日」、「減価償却資産」、「旧再評価」又は「旧再評価税」とは、資産再評価法(昭和二十五年法律第百十号。以下「再評価法」という。)第二条第二項、第三項、第四項、第六項又は第十三項に規定する再評価、再評価額、再評価日、減価償却資産、旧再評価又は旧再評価税をいう。
2 この法律において「事業年度」とは、法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第七条(事業年度)に規定する事業年度をいい、再評価法第十三条第二項(みなす事業年度)に規定する法人の事業年度が六月をこえる場合においては、第十六条から第十八条まで、第三十五条、第三十六条及び第四十条の規定を適用する場合を除く外、同項の規定により一事業年度とみなされる期間をいう。
3 この法律において「帳簿価額」とは、法人又は個人が有する資産についての評価額(当該資産について減価償却又は評価額の減額をした場合において、当該償却又は減額をした額のうちに法人税法又は所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されなかつた、又は算入されるべきでなかつた金額があるときは、当該金額を加算した金額)をいう。
4 この法律において「再評価限度額」とは、減価償却資産について再評価法第三章(再評価の基準)(第十七条第一項但書(耐用年数が短縮された資産の限度額)及び第三十五条(陳腐化した資産等の限度額)を除く。)の規定により計算した再評価額の限度額と当該計算を行う日における当該資産の帳簿価額(その日において当該資産について再評価を行つたときは、その再評価の直前の帳簿価額。第七条、第十条、第十二条、第十五条、第十六条、第十九条第三項及び第四項、第二十一条、第二十三条、第三十二条、第三十五条、第三十九条並びに第四十九条を除き以下同じ。)とのうちいずれか多い金額をいう。
5 この法律において「要再評価資産」とは、法人又は個人が昭和二十八年一月一日において有する減価償却資産(再評価法第三条各号(基準日の特例)の規定に該当するもの(以下「基準日の特例資産」という。)及び同法第七条(帳簿価額のない資産の再評価)の規定により再評価を行うことができないものを除く。)をいう。
6 この法律において「要再評価会社」とは、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)において現に存する会社で同日において資本の額が五千万円以上であるもの及び資本の額が三千万円以上五千万円未満であつて同日を含む事業年度開始の日において当該会社が有する要再評価資産の当該開始の日における再評価限度額の合計額が一億円以上であるもの(左の各号に掲げるものを除く。)をいう。
一 昭和二十八年一月一日後設立した会社
二 施行日から昭和二十九年七月二十日まで引き続き休業中であつて、同年七月三十一日までにその旨を納税地(再評価法第九十条(納税地)に規定する納税地をいう。以下同じ。)の所轄国税局長(以下「所轄国税局長」という。)に届け出た会社
三 施行日において破産手続、和議手続、会社の整理手続又は会社の更生手続中である会社(これらの手続の開始決定前の会社を除く。)
四 施行日において清算中の会社
7 この法律において「旧再評価法」とは、資産再評価法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百七十五号。以下「再評価法の一部改正法」という。)による改正前の再評価法をいう。
8 この法律において「再評価差額」とは、再評価法第四十条(法人の資産についての課税標準)又は第四十二条(個人の資産についての課税標準)に規定する再評価差額をいう。
(再評価法の原則的適用)
第三条 この法律において別段の定がある場合を除く外、再評価法の規定は、この法律に基いて行われる再評価について適用する。
(資本の額が三千万円以上の会社の申告)
第四条 施行日において資本の額が三千万円以上である会社は、昭和二十九年七月三十一日までに、その名称及び資本の額その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を、納税地の所轄税務署長(以下「所轄税務署長」という。)を経由して、所轄国税局長に提出しなければならない。但し、要再評価会社が同日までに第八条第一項、第九条第一項若しくは第十二条第一項に規定する申告書を所轄税務署長に提出した場合、第二条第六項第二号に掲げる会社が同日までに同号の規定による届出をした場合又は第十三条第一項の規定に該当する会社が同日までに同条第二項の規定による申告書を提出した場合においては、この限りでない。
2 施行日において資本の額が三千万円以上五千万円未満である会社(第二条第六項各号に掲げるものを除く。)が前項本文の規定により提出する申告書には、同項に規定する事項の外、当該会社が要再評価会社であるかどうかの別及び当該会社が同日を含む事業年度開始の日において有する要再評価資産の当該開始の日における再評価限度額の合計額を記載しなければならない。
3 前項に規定する会社が第一項の規定により提出する申告書には、前項に規定する要再評価資産の再評価限度額及びその算出に関し必要な事項その他大蔵省令で定める事項を記載した明細書を添付しなければならない。
4 法人が施行日後昭和三十五年三月三十一日前に合併した場合において、合併法人(合併に因り設立した法人又は合併後存続する法人をいう。以下同じ。)又は被合併法人(合併に因り消滅した法人をいう。以下同じ。)が要再評価会社であるときは、合併法人は、合併の日から一月以内(合併の日が昭和二十九年六月三十日前であるときは、同年七月三十一日まで)に、その名称、資本の額及び被合併法人の名称その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を、所轄税務署長を経由して、所轄国税局長に提出しなければならない。
5 再評価法第四十五条第三項(合併法人の申告書の提出)及び第四十九条(申告書提出期限の延長)の規定は、第一項又は前項の申告書の提出について準用する。
(資本の額が三千万円以上である会社の申告書の修正)
第五条 前条第二項に規定する会社が同条第一項の規定により提出した申告書に記載した再評価限度額の合計額又は当該申告書に添付した明細書に記載した再評価限度額の計算に誤がある場合において、その誤がある事項の修正に因り再評価限度額の合計額が一億円以上となるに至るときは、昭和二十九年十二月三十一日までに、当該申告書又は明細書の記載事項のうち修正すべき事項その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を、所轄税務署長を経由して、所轄国税局長に提出しなければならない。
2 前項の申告書には、大蔵省令で定めるところにより、再評価限度額の修正に関し必要な事項を記載した明細書を添付しなければならない。
3 再評価法第四十八条第五項(合併法人の修正申告書の提出)及び第四十九条(申告書の提出期限の延長)の規定は、第一項の申告書の提出について準用する。
第二章 再評価及びこれに関する経理の特例等
(再評価の強制)
第六条 要再評価会社は、施行日から昭和二十九年十二月三十一日までに開始する事業年度開始の日のいずれか一の日現在において、再評価法第二章(再評価資産の範囲及び再評価の時期)及び第三章(再評価の基準)で定めるところにより、当該会社が有する要再評価資産について再評価を行わなければならない。この場合において、再評価日における要再評価資産(その日以前に基準日の特例資産について再評価を行つているときは、当該資産を含む。以下同じ。)の再評価後簿価総額(その日において再評価を行つた資産の再評価額とその日において再評価を行わなかつた資産のその日における帳簿価額との合計額をいう。以下同じ。)は、要再評価資産の再評価限度額の合計額の百分の八十に相当する額(以下「最低再評価限度額」という。)を下つてはならない。
2 要再評価会社が昭和二十九年一月一日以後施行日前に開始する事業年度開始の日現在において要再評価資産について再評価を行つている場合において、その再評価を行つた日における再評価後簿価総額が同日における最低再評価限度額に満たないときは、当該会社は、再評価法第十三条第一項本文(法人の再評価の時期)の規定にかかわらず、施行日から同年十二月三十一日までに開始する事業年度開始の日のいずれか一の日現在において、要再評価資産について再評価を行うことができる。
3 第一項の規定は、昭和二十八年一月一日以後施行日前に開始する事業年度開始の日のいずれか一の日現在において要再評価資産について再評価を行つた要再評価会社で当該再評価を行つた日における要再評価資産の再評価後簿価総額が最低再評価限度額以上であつたものが第八条第一項又は第九条第一項に規定する申告書をその提出期限内に提出した場合については、適用しない。
4 要再評価会社は、第一項の規定により再評価を行う場合において、その再評価を行う日において有する陳腐化資産等(再評価法第三十五条第一項(陳腐化した資産等)の規定に該当する資産で同日における価額又は帳簿価額のうちいずれか多い金額が当該資産の再評価限度額の百分の八十に相当する金額に満たないものをいう。以下同じ。)の同日における同条第一項に基く再評価額の限度額又は帳簿価額のうちいずれか多い金額(以下「陳腐化資産等限度額」という。)の合計額に、陳腐化資産等以外の要再評価資産の同日における再評価限度額(同日における価額又は帳簿価額のうちいずれか多い金額が再評価限度額に満たない資産については、当該価額又は帳簿価額のうちいずれか多い金額)の合計額を加算した金額が同日における最低再評価限度額に満たないときは、その満たない金額に相当する金額の範囲内において、当該陳腐化資産等について、同項の規定にかかわらず、陳腐化資産等限度額をこえて再評価を行うことができる。この場合においては、陳腐化資産等の再評価額は、当該資産の再評価限度額の百分の八十に相当する金額をこえてはならない。
5 前項の規定により再評価を行つた陳腐化資産等については、当該資産の再評価限度額の百分の八十に相当する金額をその再評価額の限度額とみなして、再評価法第四十八条(修正申告書)、第六十五条(再評価額等の更正)及び第百二十五条(限度額をこえた再評価についての罰則)の規定を適用する。
(最低再評価限度額以上の再評価を行つたものとみなす場合)
第七条 昭和二十八年又は昭和二十九年中に開始する事業年度開始の日のいずれか一の日において、要再評価会社が有する要再評価資産の帳簿価額の合計額が同日における最低再評価限度額以上となるに至つた場合においては、そのなるに至つた日において前条第一項の規定による再評価を行つていない場合においても、同日において同項の規定による再評価を行つたものとみなす。
(再評価の申告の特例)
第八条 第六条第一項の規定により再評価を行つた要再評価会社又は同条第三項に規定する会社(以下「再評価実施会社」と総祢する。)が施行日以後最初に再評価法第四十五条第一項(法人の再評価の申告)の規定により提出する申告書には、同項に規定する事項の外、当該申告に係る再評価を行つた日に再評価を行わなかつた要再評価資産の同日における再評価限度額の合計額及び帳簿価額の合計額、要再評価資産の再評価後簿価総額、最低再評価限度額並びに第二十条の規定により免除される再評価税額その他大蔵省令で定める事項を記載しなければならない。
2 再評価実施会社が再評価法第四十五条第二項の規定により前項に規定する申告書に添附する明細書には、同条第二項に規定する事項の外、左に掲げる事項を記載しなければならない。
一 再評価法第十七条第一項但書(耐用年数が短縮された資産の限度額)の規定により再評価限度額をこえて再評価を行つた要再評価資産の再評価限度額及び同項但書の規定により計算した再評価額の限度額並びにこれらの額の算出に関し必要な事項
二 第六条第四項の規定により陳腐化資産等限度額をこえて再評価を行つた陳腐化資産等の陳腐化資産等限度額及び再評価額並びにこれらの額の算出に関し必要な事項
三 再評価を行わなかつた要再評価資産の再評価限度額及び帳簿価額並びに当該限度額の算出に関し必要な事項
四 第二十条の規定により免除される再評価税額及び第十五条の規定による申請をしようとするときは、当該申請に係る事項の承認があつたものとした場合に第二十一条の規定により免除されることとなる再評価税額の算出に関し必要な事項
3 再評価法第四十八条(修正申告書)の規定は、前二項に規定する申告書又は明細書にこれらの項の規定により記載した事項に誤がある場合について準用する。
(再評価の申告書の再提出)
第九条 再評価実施会社のうち第六条第三項に規定するものが施行日前に再評価法第四十五条第一項(法人の再評価の申告)の規定による申告書を提出している場合においては、昭和二十九年七月三十一日までに、前条第一項に規定する事項及び当該申告書に記載した事項のうち第三章の規定の適用に因り修正すべき事項その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書並びに同条第二項に規定する事項を記載した明細書を所轄税務署長に提出しなければならない。
2 再評価法第四十五条第三項(合併法人の申告書の提出)、第四十八条(修正申告書)及び第四十九条(申告書提出期限の延長)の規定は、前項の申告書について準用する。
(追加再評価を行うことができる場合)
第十条 要再評価会社で昭和二十九年一月一日以後開始する事業年度開始の日のいずれか一の日において要再評価資産について再評価を行つたものが提出した第八条第一項又は前条第一項に規定する申告書に記載した再評価後簿価総額又は最低再評価限度額の計算に誤がある場合において、第八条第三項又は前条第二項において準用する再評価法第四十八条(修正申告書)の規定により修正申告書を提出してこれらの額を修正したことに因り、当該修正後の再評価後簿価総額が最低再評価限度額に達しないこととなるときは、その達しないこととなる金額の範囲内において、同法第十三条第一項本文(法人の再評価の時期)の規定にかかわらず、当該修正申告書を提出した日を含む事業年度開始の日現在において、要再評価資産について再評価を行うことができる。第六条第四項及び第五項の規定は、この場合について準用する。
2 前項の規定による再評価(以下「追加再評価」という。)を昭和三十年一月一日以後行う場合においては、追加再評価を行う要再評価資産の再評価額は、再評価法第三章(再評価の基準)の規定にかかわらず、昭和二十九年一月一日現在において当該資産について同章の規定により計算した再評価額の限度額から、当該資産を同日において当該限度額に相当する金額により取得したものとした場合における同日以後同年十二月三十一日までの期間に応ずる普通償却範囲額(法人税法及び同法に基く命令の規定により計算される減価償却資産の償却範囲額(租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)第五条の六(指定機械等の割増償却)、第五条の八(合理化機械の特別償却)、第七条の二(海外支店用設備等の特別償却)、第七条の四(満期保険に附した漁船の増加償却)、第七条の九(探鉱用機械等の特別償却)又は第二十一条第二項(貸家の割増償却)の規定の適用がある資産については、これらの規定の適用に因り増加することとなる減価償却の額を含まないで計算した金額)をいう。以下同じ。)に相当する金額を控除した金額をこえることができない。
3 第一項に規定する要再評価会社が同項の規定により追加再評価を行つた場合において、同項に規定する修正後の再評価後簿価総額に追加再評価に係る再評価差額の合計額を加算した金額が当該修正前の申告に係る再評価を行つた日における最低再評価限度額に達したときは、同日において当該会社が第六条第一項の規定による再評価を行つたものとみなして、第十五条から第十八条まで、第三章(第二十六条を除く。)、第三十五条、第四十条及び第四十八条の規定を適用する。
4 前三項の規定は、第三十七条第一項又は再評価法第六十五条(再評価額等の更正)若しくは第六十七条(再評価額等の再更正)の規定による更正(以下第十二条第五項において「更正」という。)があつた場合において、当該更正に因り、再評価後簿価総額が最低再評価限度額を下ることとなる場合について準用する。この場合において、第一項中「当該修正申告書を提出した日」とあるのは、「更正の通知があつた日」と読み替えるものとする。
(追加再評価の申告)
第十一条 前条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により追加再評価を行つた要再評価会社は、同条第一項に規定する修正申告書の提出に際し(同条第四項において準用する同条第一項の規定により追加再評価を行う場合においては、更正の通知があつた日から二月以内に)、追加再評価に係る再評価差額の合計額及び同条第一項の規定により追加再評価を行うことができる範囲額その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。
2 前項の規定により提出する申告書には、追加再評価を行つた要再評価資産の再評価額、再評価限度額及び当該追加再評価に係る再評価差額並びにこれらの額の算出に関し必要な事項を記載した明細書を添附しなければならない。
3 再評価法第四十五条第三項(合併法人の申告書の提出)、第四十九条(申告書提出期限の延長)及び第五十条(再評価の失効)の規定は、第一項の申告書について準用する。
(再評価を行つたものとみなされる会社の申告等)
第十二条 第七条の規定により第六条第一項の規定による再評価を行つたものとみなされる要再評価会社は、その再評価を行つたものとみなされる日を含む事業年度終了の日から二月以内(当該事業年度終了の日が昭和二十九年五月三十一日前であるときは、同年七月三十一日まで)に、当該再評価を行つたものとみなされる日において当該会社が有する要再評価資産の同日における帳簿価額の合計額及び最低再評価限度額その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。
2 前項の申告書には、要再評価資産の帳簿価額、再評価限度額及びその算出に関し必要な事項を記載した明細書を添附しなければならない。
3 第一項に規定する要再評価会社が同項の申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合においては、第七条の規定にかかわらず、第十六条から第十八条まで、第三章(第二十六条を除く。)、第三十五条、第四十条及び第四十八条の規定の適用については、第六条第一項の規定による再評価を行わなかつたものとみなす。
4 再評価法第四十五条第三項(合併法人の申告書の提出)、第四十八条(修正申告書)及び第四十九条(申告書提出期限の延長)の規定は、第一項の申告書について準用する。
5 第十条第一項から第三項まで及び前条の規定は、第一項の規定により提出した申告書に記載した帳簿価額の合計額又は最低再評価限度額の計算に誤がある場合において、前項において準用する再評価法第四十八条の規定により修正申告書を提出してこれらの額を修正したこと又はこれらの額について更正があつたことに因り、当該修正又は更正後の帳簿価額の合計額が最低再評価限度額に達しないこととなるとき(同法第十三条第一項本文(法人の再評価の時期)の規定により当該修正申告書を提出した日又は当該更正の通知があつた日を含む事業年度開始の日以後において要再評価資産について再評価を行うことができる場合を除く。)について準用する。この場合において、第十条第一項中「当該修正申告書を提出した日」とあるのは「修正申告書を提出した日又は更正の通知があつた日」と、前条第一項中「(同条第四項において準用する場合を含む。)」とあるのは「(第十二条第五項において準用する場合を含む。)」と、「同条第四項において準用する同条第一項」とあるのは「第十二条第五項において準用する第十条第一項」と読み替えるものとする。
(要再評価会社に関する規定を適用しないこととなる場合)
第十三条 要再評価会社について施行日の翌日から昭和二十九年十二月三十一日までに破産手続、和議手続、会社の整理手続若しくは会社の更生手続の開始決定がされた場合又は要再評価会社が解散した場合(解散後継続する場合を除く。)その他政令で定める場合においては、これらの場合に該当することとなつた日以後は、第六条第一項、第十七条、第十八条、第三十五条、第三十六条及び第四十条の規定は、その該当することとなつた会社については、適用しない。
2 前項に規定する場合に該当することとなつた要再評価会社は、同項の規定に該当するに至つたこと及びその理由その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書をその該当するに至つた日から一月以内に、所轄税務署長を経由して、所轄国税局長に提出しなければならない。
3 再評価法第四十五条第三項(合併法人の申告書の提出)及び第四十九条(申告書提出期限の延長)の規定は、前項の申告書の提出について準用する。
(要再評価会社が昭和二十九年中に合併した場合)
第十四条 法人が施行日後昭和二十九年十二月三十一日以前に合併した場合において、合併法人又は被合併法人が要再評価会社であるときは、合併法人は、左の各号の一に該当するときを除く外、合併の日又は同日後同年中に開始する事業年度開始の日のいずれか一の日現在において、要再評価資産(被合併法人が有していた要再評価資産で合併法人が合併に因り取得したものを含む。以下同じ。)について第六条第一項の規定による再評価を行わなければならない。
一 合併に因り会社が設立された場合において、被合併法人のいずれもが再評価実施会社(第七条の規定により第六条第一項の規定による再評価を行つたものとみなされる会社を含む。以下同じ。)であるとき、又は被合併法人の一方が再評価実施会社であり、且つ、他方が要再評価会社以外の法人であるとき。
二 合併をする法人の一方が合併後存続する場合において、合併前において合併法人が再評価実施会社であり、且つ、被合併法人が再評価実施会社であり、又は要再評価会社以外の法人であるとき。
2 前項の規定により第六条第一項の規定による再評価を行わなければならない合併法人に対する同条(第三項を除く。)から第八条まで及び第十条から前条までの規定の適用について必要な事項は、政令で定める。
(陳腐化資産等についての評価減の制限)
第十五条 第六条第四項(第十条第一項(同条第四項及び第十二条第五項において準用する場合を含む。以下同じ。)において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により陳腐化資産等限度額をこえて再評価を行つた陳腐化資産等については、当該資産の再評価額と陳腐化資産等限度額との差額に相当する額をこえて帳簿価額の減額(減価償却を除く。以下同じ。)をすることができない。但し、当該資産について再評価を行つた日後生じた事由に因り当該減額をする場合においては、この限りでない。
2 前項に規定する資産について同項に規定する差額に相当する額の範囲内で帳簿価額の減額をしようとする会社は、当該減額について大蔵大臣の承認を受けなければならない。
3 前項の承認を受けようとする会社は、第八条第一項又は第十一条第一項に規定する申告書を提出すると同時に、陳腐化資産等について帳簿価額の減額をしようとする額、当該減額をしようとする資産の再評価額、陳腐化資産等限度額及びこれらの額の算出に関し必要な事項その他大蔵省令で定める事項を記載した申請書を、所轄税務署長を経由して、大蔵大臣に提出しなければならない。
4 前項の規定による申請書の提出があつた場合において、左の各号の一に該当するときは、大蔵大臣は、その申請に係る帳簿価額の減額の全部又は一部を承認しないことができる。
一 当該申請書を提出した会社が当該申請書の提出と同時に提出した第八条又は第十一条に規定する申告書又は明細書に記載した事項に誤があることに因り第六条第四項の規定による再評価を行うことができないものと認められるとき。
二 当該申請書に記載された事項に誤があるとき。
三 当該申請書に記載された帳簿価額の減額の額が第二項に規定する範囲をこえているとき。
5 大蔵大臣は、前項の規定により帳簿価額の減額の全部又は一部を承認しない決定をしようとするときは、政令で定めるところにより、全国資産再評価調査会又は地方資産再評価調査会に諮問しなければならない。
6 大蔵大臣は、第四項の規定による申請に係る帳簿価額の減額の全部を承認する決定をしたときは、その旨、一部を承認する決定又はその全部を承認しない決定をしたときは、その旨及び理由を当該申請をした会社に通知しなければならない。
7 第三項に規定する申請書の提出があつた場合において、当該申請書の提出があつた日から一年を経過した日までに大蔵大臣が前項の通知を発しないときは、当該申請に係る減額の全部の承認があつたものとみなす。
8 陳腐化資産等について第一項又は第二項の規定に違反してその帳簿価額の減額を行つた場合においては、当該減額を行つた会社は、第六条第四項の規定による再評価を行つた日にさかのぼつて同条第一項の規定による再評価を行わなかつたものとみなす。
(再評価日後生じた事由による評価減の制限)
第十六条 再評価実施会社が第六条第一項の規定による再評価を行つた日(同条第三項に規定する会社については、施行日とし、第七条の規定により第六条第一項の規定による再評価を行つたものとみなされる会社については、その再評価を行つたものとみなされる日又は施行日のうちいずれかおそい日とする。)から昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度終了の日までに、要再評価資産について帳簿価額の減額をしようとする場合(陳腐化資産等について前条の規定により帳簿価額の減額をする場合を除く。)においては、大蔵大臣の承認を受けなければならない。但し、第六条第一項の規定による再評価を行つた日(同条第三項に規定する会社については、同項に規定する再評価を行つた日。以下第三項において同じ。)における当該減額をしようとする資産の帳簿価額(以下「再評価日簿価」という。)から当該資産の再評価日簿価に第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合を乗じて得た金額(以下「減額後残存相当額」という。)を控除した金額の合計額が同日における再評価後簿価総額から最低再評価限度額を控除した金額をこえない場合においては、この限りでない。
一 帳簿価額の減額をしようとする要再評価資産について当該減額をした場合における当該減額後の帳簿価額
二 当該資産の帳簿価額の減額をしようとする日における帳簿価額
2 前項の承認を受けようとする会社は、帳簿価額の減額をしようとする資産の帳簿価額、減額をしようとする額及び要再評価資産について既に帳簿価額の減額をしているときは、当該減額の額の合計額その他大蔵省令で定める事項を記載した申請書を、所轄税務署長を経て、大蔵大臣に提出しなければならない。
3 要再評価資産について帳簿価額の減額をしようとする場合において、第六条第一項の規定による再評価を行つた日以後当該資産について既に帳簿価額の減額をし、又は前項の申請書を提出しているときは、第一項但書中「当該資産の再評価日簿価」とあるのは、「当該資産について既に行つた減額又は減額の申請(当該減額又は申請が二回以上行われているときは、直近の減額又は申請)に係る減額後残存相当額」と読み替えて同項但書の規定を適用する。
4 前条第四項(第一号及び第三号を除く。)及び第六項から第八項までの規定は、第一項の帳簿価額の減額について準用する。
5 再評価実施会社が施行日以後昭和三十五年三月三十一日前に合併した場合における前条及び前四項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(最低再評価限度額まで再評価を行わなかつた場合の利益配当)
第十七条 昭和二十九年十二月三十一日を含む事業年度開始の日までに要再評価会社が第六条第一項の規定に違反して再評価を行わなかつた場合においては、当該事業年度から昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度までの各事業年度において、当該会社の当該事業年度における資本の額の平均額(当該事業年度開始の日における発行済株式の発行価額の総額(商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百八十八条ノ二第一号又は第二号(資本準備金)に掲げる金額があるときは、当該金額を控除した金額。以下この項において同じ。)に対応する額をいい、当該事業年度中に資本の増加又は減少に因り発行済株式の発行価額の総額が増加し、又は減少した場合においては、当該資本の増加又は減少に因る発行済株式の発行価額の総額の増加額又は減少額に当該資本の増加又は減少があつた日から当該事業年度終了の日までの日数の当該事業年度の日数に対する割合を乗じて算出した金額を、当該開始の日における発行済株式の発行価額の総額に加算し、又はこれから控除して得た額をいう。以下同じ。)の百分の十五に相当する金額に当該事業年度の月数を乗じて十二で除して得た金額に相当する金額をこえる利益の配当を行つてはならない。
2 前項の規定は、同族会社(法人税法第七条の二(同族会社の定義)に規定する同族会社をいう。以下第十八条及び第四十条において同じ。)については、適用しない。
(資本組入れ又は減価償却が一定限度以下である場合の利益配当)
第十八条 再評価実施会社(同族会社を除く。)は、昭和三十二年三月三十一日を含む事業年度から昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度までの各事業年度において左の各号の一に該当するときは、当該事業年度における資本の額の平均額の百分の十五に相当する金額に当該事業年度の月数を乗じて十二で除して得た金額に相当する金額をこえる利益の配当を行つてはならない。
一 再評価法第百九条(再評価積立金の資本への組入れ)及び株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律(昭和二十六年法律第百四十三号)の規定により当該事業年度終了の日までに資本に組み入れた再評価積立金の額(同法第三条第一項(資本組入れの場合の新株の発行)の規定により発行した株式の同項に規定する発行価額の総額をいう。)が、再評価法第百二条(再評価積立金の積立)、第百八条(合併の場合の再評価積立金の承継)若しくは第百十条(更正の場合の経理)(第三十七条第五項において準用する場合を含む。以下この号及び第四十条第二項において同じ。)又は第三十八条の規定により再評価積立金として積み立て、又はこれに組み入れた金額の合計額から、同法第百三条(再評価税の納付の場合の取くずし)、第百四条第一項若しくは第二項(譲渡損等の場合の取くずし)、第百五条(調整勘定を設けている金融機関が行う取くずし)、第百七条第一項第三号(損失をてん補する場合の取くずし)又は第百十条の規定により当該事業年度終了の日までに取りくずした金額の合計額に同日後納付すべき再評価税額(旧再評価税額を含む。)を加算した金額を控除して算出した金額の百分の三十に満たない場合(同日における再評価積立金の額が資本の額の百分の二十五に相当する金額以下である場合を除く。)
二 当該事業年度において減価償却資産について行つた減価償却の額の合計額が当該事業年度の減価償却資産の普通償却範囲額(法人税法に基く命令で定める償却不足額があるときは、これを含まないで計算した金額とする。)の合計額の百分の九十に相当する金額に満たない場合
2 租税特別措置法第五条の十一第二項(公益事業を行う法人の償却範囲額)は、前項第二号の普通償却範囲額の計算について準用する。
3 要再評価会社が施行日後に合併した場合における合併法人に対する前条及び前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章 再評価税及び固定資産税の減免等
(減免を受ける法人又は個人)
第十九条 法人又は個人が最低限度以上の再評価を行つた場合においては、この章で定めるところにより、当該最低限度以上の再評価を行つた法人又は個人が減価償却資産について行つた再評価又は旧再評価に係る再評価税又は旧再評価税及び当該法人又は個人が再評価を行つた償却資産(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百四十一条第四号(固定資産税に関する用語の意義)に規定する償却資産をいう。以下第三十三条及び第三十四条において同じ。)に対する固定資産税を減免する。
2 この章において「最低限度以上の再評価」とは、法人又は個人が再評価法及びこの法律の規定により要再評価資産について再評価を行い、且つ、当該再評価を行つた日における要再評価資産の再評価後簿価総額が同日における最低再評価限度額以上となるに至つた場合における当該再評価をいう。
3 昭和二十八年又は昭和二十九年中に開始する事業年度開始の日のうちいずれか一の日において法人が有する要再評価資産の帳簿価額の合計額が同日における最低再評価限度額以上となるに至つた場合においては、当該法人がその日において最低限度以上の再評価を行つた場合を除く外、当該法人がその日において最低限度以上の再評価を行つたものとみなして、この章の規定を適用する。
4 昭和二十八年一月一日又は昭和二十九年一月一日において個人が有する要再評価資産の帳簿価額の合計額がその日における最低再評価限度額以上となるに至つた場合においては、当該個人がその日において最低限度以上の再評価を行つた場合を除く外、当該個人がその日において最低限度以上の再評価を行つたものとみなして、この章の規定を適用する。
5 法人が昭和二十八年又は昭和二十九年中に合併した場合における合併法人に対するこの章の規定の適用について必要な事項は、政令で定める。
6 第六条第二項、第四項及び第五項、第十条並びに第十一条の規定は、この章の規定の適用を受けようとする法人(要再評価会社を除く。以下この項において同じ。)又は個人がその有する要再評価資産について再評価を行う場合について、第十五条(第五項を除く。)及び第十六条の規定は、最低限度以上の再評価を行つた法人又は個人が再評価を行つた減価償却資産の帳簿価額の減額をする場合について準用する。
7 前項において準用するこの法律の規定の適用について必要な技術的読替は、政令で定める。
(最低限度以上の再評価を行つた場合の再評価税の免除)
第二十条 法人が最低限度以上の再評価を行つた場合においては、当該法人が最低限度以上の再評価を行つた日以前に減価償却資産について行つた再評価に係る再評価差額の合計額に対して再評価法の規定により課した、又は課すべき再評価税の合計額のうち、第一号に掲げる金額の百分の六に相当する金額と第二号に掲げる金額の百分の三に相当する金額との合計額に相当する金額の再評価税を免除する。
一 当該法人が最低限度以上の再評価を行つた日における要再評価資産の再評価後簿価総額から、同日における要再評価資産の再評価限度額の合計額の百分の六十五に相当する金額を控除した金額(当該金額が同日以前に減価償却資産について当該法人が行つた再評価に係る再評価差額の合計額をこえる場合においては、当該再評価差額の合計額)
二 当該法人が最低限度以上の再評価を行つた日以前に減価償却資産について行つた再評価に係る再評価差額の合計額から前号に掲げる金額を控除した金額
2 法人が最低限度以上の再評価を行つた場合において、当該法人がこの項の規定により再評価税の免除を受ける旨の選択をしたときは、前項の規定にかかわらず、当該法人が最低限度以上の再評価を行つた日以前に減価償却資産について行つた再評価に係る再評価差額の合計額に対して再評価法の規定により課した、又は課すべき再評価税の合計額のうち、同日以前に再評価を行つた減価償却資産で昭和二十五年一月一日以後取得したものに係る再評価差額(最低限度以上の再評価を行つた日以前に二回以上再評価を行つた資産については、同日以前に当該資産について行つた再評価に係る再評価差額の合計額。以下この項において同じ。)の合計額の百分の六に相当する金額と、最低限度以上の再評価を行つた日以前に再評価を行つた減価償却資産で昭和二十五年一月一日前に取得したものについて第一号に掲げる金額の百分の六に相当する金額に第二号に掲げる金額の百分の三に相当する金額を加算して算出した金額の合計額との合算額に相当する再評価税を免除する。
一 昭和二十五年一月一日前に取得した減価償却資産の再評価額(最低限度以上の再評価を行つた日以前に当該資産について二回以上再評価を行つたときは、最後に行つた再評価に係る再評価額)から、当該資産の昭和二十五年一月一日における旧再評価法第三章(旧再評価の基準)の規定による再評価額の限度額から当該資産を同日において当該限度額に相当する金額により取得したものとみなした場合において同日以後当該資産について再評価を行つた日(最低限度以上の再評価を行つた日以前に二回以上再評価を行つた資産については、最後に再評価を行つた日)までの期間につき法人税法の規定による所得の計算上損金に算入されることとなる普通償却範囲額の累計額を控除した金額(以下「旧再評価限度相当額」という。)を控除した金額(当該金額が当該資産に係る再評価差額をこえるときは、当該再評価差額)
二 当該資産に係る再評価差額から前号に掲げる金額を控除した金額
3 第一項の規定により再評価税の免除を受けた法人が最低限度以上の再評価を行つた日後に減価償却資産(次項の規定に該当する資産を除く。)について超過再評価(最低限度以上の再評価を行つた日後に減価償却資産について行う再評価をいう。以下同じ。)を行つた場合においては、当該資産についての超過再評価に係る再評価差額の合計額に対して再評価法の規定により課すべき再評価税については、その全額を免除する。
4 第一項の規定により再評価税の免除を受けた法人が基準日の特例資産(最低限度以上の再評価を行つた日以前に再評価を行つたものを除く。以下この項において同じ。)について超過再評価を行つた場合においては、当該資産についての超過再評価に係る再評価差額の合計額に対して再評価法の規定により課すべき再評価税の合計額のうち、第一号に掲げる金額の百分の六に相当する金額と第二号に掲げる金額の百分の三に相当する金額との合計額に相当する金額の再評価税を免除する。
一 当該法人が超過再評価を行つた基準日の特例資産の再評価額の合計額から、当該超過再評価を行つた日における当該資産の再評価限度額の合計額の百分の六十五に相当する金額を控除した金額(当該金額が当該資産についての超過再評価に係る再評価差額の合計額をこえる場合は、当該再評価差額の合計額)
二 当該資産についての超過再評価に係る再評価差額の合計額から前号に掲げる金額を控除した金額
5 第二項の規定により再評価税の免除を受けた法人が減価償却資産について超過再評価を行つた場合においては、当該超過再評価に係る再評価差額の合計額に対して再評価法の規定により課すべき再評価税のうち、左の各号に掲げる金額の合計額に相当する金額の再評価税を免除する。
一 超過再評価を行つた減価償却資産のうち、昭和二十五年一月一日前に取得したものでその超過再評価を行つた日における帳簿価額が同日における旧再評価限度相当額以上であるもの及び昭和二十五年一月一日以後取得したものについての超過再評価に係る再評価差額の合計額の百分の六に相当する金額
二 超過再評価を行つた減価償却資産のうち前号の規定に該当しないものについて当該資産の再評価額から当該資産の超過再評価を行つた日における旧再評価限度相当額を控除した金額の百分の六に相当する金額に旧再評価限度相当額から同日における当該資産の帳簿価額を控除した金額の百分の三に相当する金額を加算して算出した金額(再評価額が旧再評価限度相当額以下である資産については、当該資産の超過再評価に係る再評価差額の百分の三に相当する金額)の合計額
6 法人が超過再評価を二回以上行つた場合においては、超過再評価を行つた再評価日の異なるごとに各別に前三項の規定を適用する。
7 第一項から前項までの規定は、個人(その相続人を含む。以下同じ。)が減価償却資産について最低限度以上の再評価を行つた場合又は個人が超過再評価を行つた場合において当該個人が再評価又は超過再評価を行つた減価償却資産につき課した、又は課すべき再評価税の免除について準用する。
8 第一項から第五項まで(前項において準用する場合を含む。)の規定は、最低限度以上の再評価を行つた法人又は個人が第八条第一項、第九条第一項、第十一条第一項、第十二条第一項又は第二十四条第一項若しくは第三項に規定する申告書をその提出期限内に提出した場合に限り適用する。
(陳腐化資産等の評価減を行つた場合の再評価税の追加免除)
第二十一条 最低限度以上の再評価を行つた法人で前条第一項の規定により再評価税の免除を受けたものが第六条第四項(第十条第一項及び第十九条第六項において準用する場合を含む。以下この章及び第四章において同じ。)の規定により再評価を行つた陳腐化資産等について第十五条(第十九条第六項において準用する場合を含む。以下この章及び第四章において同じ。)の規定による承認を経て帳簿価額の減額をして再評価法第百四条(評価減の場合の再評価積立金の取くずし)の規定により再評価積立金を取りくずした場合において、その減額の額の合計額が前条第一項第一号に掲げる金額をこえるときは、当該法人が最低限度以上の再評価を行つた日以前に再評価を行つた減価償却資産について再評価法の規定により課した、又は課すべきであつた再評価税の税額から同条第一項の規定により免除された再評価税額を控除した金額のうち、そのこえる金額の百分の三に相当する金額の再評価税を免除する。
2 最低限度以上の再評価を行つた法人で前条第二項の規定により再評価税の免除を受けたものが第六条第四項の規定により再評価を行つた陳腐化資産等のうち昭和二十五年一月一日前に取得したものについて第十五条の規定による承認を経て帳簿価額の減額をして再評価法第百四条の規定により再評価積立金を取りくずした場合において、その減額の額が当該減額をした資産の再評価額から最低限度以上の再評価を行つた日における旧再評価限度相当額を控除した金額をこえるときは、当該資産について再評価法の規定により課した、又は課すべきであつた再評価税の税額から前条第二項の規定により当該資産について計算された再評価税の免除額を控除した金額のうち、そのこえる金額の百分の三に相当する金額の再評価税を免除する。
3 前二項の規定は、最低限度以上の再評価を行つた個人が再評価を行つた減価償却資産について第十五条の規定による承認を経て帳簿価額の減額をした場合について準用する。
4 再評価法第八十四条(再評価積立金を取りくずした場合の再評価税の免除)の規定は、最低限度以上の再評価を行つた法人が第六条第四項の規定により再評価を行つた陳腐化資産等について第十五条の規定による承認を経て帳簿価額の減額をして同法第百四条の規定により再評価積立金を取りくずした場合については、適用しない。
5 第一項又は第二項(第三項において準用する場合を含む。)の規定は、最低限度以上の再評価を行つた法人又は個人が第二十四条第四項に規定する申告書をその提出期限内に提出した場合に限り適用する。
(最低限度以上の再評価を行つた場合の旧再評価税の減税)
第二十二条 法人が最低限度以上の再評価を行つた場合において、当該法人が再評価法の一部改正法附則第三項(旧再評価についての適用法令)又は租税特別措置法第十三条の二(法人の旧再評価税の納付の特例)の規定により施行日を含む事業年度以後の各事業年度終了の日から二月以内に納付すべき減価償却資産についての旧再評価税額(再評価法第五十六条(法人の再評価税の延納)の規定により当該期間において納付すべき旧再評価税額を含み、再評価法の一部改正法附則第三項の規定に基き旧再評価法第五十一条第四項(譲渡等があつた場合の法人の旧再評価税の納付)の例により施行日を含む事業年度終了の日から二月以内に納付すべき旧再評価税を除く。)があるときは、当該法人については、当該旧再評価税額の合計額の二分の一に相当する旧再評価税を免除する。
2 個人が最低限度以上の再評価を行つた場合において、当該個人が再評価法の一部改正法附則第三項又は租税特別措置法第十三条(個人の旧再評価税の納付の特例)の規定により昭和三十年以後の各年の二月十六日から三月十五日までの間に納付すべき減価償却資産についての旧再評価税額(再評価法第五十八条(個人の再評価税の延納)の規定により当該期間において納付すべき旧再評価税額を含み、再評価法の一部改正法附則第三項の規定に基き旧再評価法第五十三条第三項(減価償却資産の譲渡等があつた場合の個人の旧再評価税の納付)の例により昭和三十年二月十六日から三月十五日までの間に納付すべき旧再評価税を除く。)があるときは、当該個人については、当該旧再評価税額の合計額の二分の一に相当する旧再評価税を免除する。
3 前二項の規定は、最低限度以上の再評価を行つた法人又は個人が第二十四条第五項に規定する申告書をその提出期限内に提出した場合に限り適用する。
(再評価を行つた資産の譲渡等があつた場合の課税)
第二十三条 第二十条第一項、第三項若しくは第四項又は第二十一条第一項の規定により再評価税の免除を受けた法人が再評価を行つた減価償却資産を最低限度以上の再評価を行つた日から昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度終了の日までの期間内に譲渡し、又は贈与した場合においては、当該法人については、再評価法の規定により課した再評価税(第二十条又は第二十一条の規定により免除したものを除く。)の外、第一号に掲げる金額に第二号に掲げる割合を乗じて算出した金額に相当する再評価税を課する。
一 当該資産の再評価を行つた法人が第二十条第一項、第三項若しくは第四項又は第二十一条第一項の規定により免除された再評価税額の合計額
二 当該資産に係る再評価差額(最低限度以上の再評価を行つた日から当該譲渡又は贈与があつた日までの間に当該資産について帳簿価額の減額をして再評価積立金を取りくずしたときは、その取りくずした金額を控除した金額)の当該法人が再評価を行つたすべての減価償却資産に係る再評価差額の合計額(最低限度以上の再評価を行つた日から当該譲渡又は贈与があつた日までの間に減価償却資産について帳簿価額の減額をして再評価積立金を取りくずしたときは、その取りくずした金額の合計額を控除した金額)に対する割合
2 第二十条第二項若しくは第五項又は第二十一条第二項の規定により再評価税の免除を受けた法人がこれらの規定により再評価税の全部又は一部を免除された減価償却資産を前項に規定する期間内に譲渡し、又は贈与した場合においては、当該法人については、再評価法の規定により課した再評価税(第二十条又は第二十一条の規定により免除したものを除く。)の外、当該資産について第二十条第二項若しくは第五項又は第二十一条第二項の規定により免除された再評価税額に相当する金額(最低限度以上の再評価を行つた日から当該譲渡又は贈与があつた日までの間に当該資産について帳簿価額の減額をして再評価積立金を取りくずしたときは、その取りくずした金額の百分の六に相当する金額を控除した金額)の再評価税を課する。
3 前条第一項の規定により旧再評価税の免除を受けた法人が旧再評価を行つた減価償却資産を施行日を含む事業年度終了の日から昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度終了の日までの間に譲渡し、又は贈与した場合においては、当該法人については、再評価法又は旧再評価法の規定により課した再評価税又は旧再評価税(前三条の規定により免除したものを除く。)の外、第一号に掲げる金額に第二号に掲げる割合を乗じて算出した金額に相当する金額の再評価税を課する。
一 前条第一項の規定により免除された旧再評価税額の合計額
二 当該資産について旧再評価法の規定により課された旧再評価税額の当該法人が旧再評価を行つたすべての減価償却資産について同法の規定により課された旧再評価税額の合計額に対する割合
4 第一項又は第二項の規定は、第二十条第七項において準用する同条第一項から第五項まで又は第二十一条第三項において準用する同条第一項若しくは第二項の規定により再評価税の免除を受けた個人が再評価を行つた減価償却資産について、当該個人が最低限度以上の再評価を行つた日から昭和三十五年三月三十一日までの間に譲渡、贈与又は遺贈(包括遺贈及び被相続人の相続人に対する遺贈を除く。以下同じ。)があつた場合について準用する。
5 第三項の規定は、前条第二項の規定により旧再評価税の免除を受けた個人が旧再評価を行つた減価償却資産について昭和三十年一月一日から昭和三十五年三月三十一日までの間に譲渡、贈与又は遺贈があつた場合について準用する。
(免除を受ける者等の申告)
第二十四条 第二十条の規定による再評価税の免除を受けようとする法人又は個人は、第八条第一項、第九条第一項、第十一条第一項又は第十二条第一項に規定する申告書を提出すべき場合及び第三項に規定する場合を除く外、施行日以後再評価法第四十五条(法人の再評価の申告)又は第四十六条(個人の再評価の申告)の規定により提出すべき申告書に、これらの規定に規定する事項の外、第二十条第一項から第五項まで(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定により免除される再評価税の合計額(以下「再評価税の免除額」という。)、第十五条の規定による承認を受けようとする場合においては、当該承認があつたものとした場合に第二十一条の規定により免除されることとなる再評価税の合計額(以下「追加免除額」という。)及び当該再評価税の免除額又は追加免除額の計算に関し必要な事項その他大蔵省令で定める事項を記載しなければならない。
2 第八条第二項の規定は、前項に規定する法人(再評価実施会社を除く。)又は個人が再評価法第四十五条又は第四十六条の規定により提出する申告書に添付すべき明細書の記載事項について準用する。
3 第一項に規定する法人又は個人が施行日前に最低限度以上の再評価を行い、且つ、当該再評価を行つた資産について同日前に再評価法第四十五条又は第四十六条の規定により申告書を提出している場合においては、当該法人又は個人は、第九条第一項又は第十二条第一項に規定する申告書を提出すべき場合を除く外、同日から昭和二十九年七月三十一日までに、施行日前に提出した申告書の記載事項のうち第二十条の規定の適用に因り修正すべき事項、同条の規定による再評価税の免除額及びその計算に関し必要な事項その他大蔵省令で定める事項を記載した修正申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。
4 第二十一条第一項又は第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による再評価税の免除を受けようとする法人又は個人は、法人については、第十五条に規定する承認の通知があつた日(同条第七項の規定により承認があつたものとみなされる場合においては、そのみなされる日。以下この章及び第四章において同じ。)の属する事業年度終了の日から二月以内に、個人については、同条に規定する承認の通知があつた日から二月以内に、再評価税の追加免除額及びその計算に関し必要な事項その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。
5 第二十二条の規定による旧再評価税の免除を受けようとする法人又は個人は、法人については、最低限度以上の再評価を行つた日(その日が施行日前であるときは、同日)を含む事業年度終了の日から二月以内(当該終了の日が昭和二十九年五月三十一日前であるときは、当該終了の日から同年七月三十一日まで)に、個人については、最低限度以上の再評価を行つた日の属する年の翌年二月十六日から三月十五日まで(当該再評価を行つた日の属する年が昭和二十八年であるときは、施行日から昭和二十九年七月三十一日まで)に、同条第一項又は第二項の規定により免除される旧再評価税の合計額(以下「旧再評価税の免除額」という。)及びその計算に関し必要な事項その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。
6 前条の規定の適用を受ける法人又は個人は、再評価法第六十二条(再評価資産の譲渡等の場合の届出)に規定する届出の期限までに、前条の規定により課される再評価税額及びその計算に関し必要な事項その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。
7 再評価法第四十五条第三項(合併法人の申告書の提出)、第四十六条第五項及び第六項(相続人等の申告)、第四十八条(修正申告書)及び第四十九条(申告書提出期限の延長)の規定は、第一項又は第三項から前項までの申告書について準用する。
(法人の再評価税の納付の特例)
第二十五条 第二十条第一項又は第二項の規定により再評価税の免除を受ける法人が減価償却資産について最低限度以上の再評価を行う前に減価償却資産について再評価を行つている場合(次項に規定する場合を除く。)においては、第二十七条の規定に該当する場合を除く外、当該法人が最低限度以上の再評価を行つた日を含む事業年度終了の日後に納付すべき減価償却資産についての再評価税(超過再評価に係る再評価税及び第二十三条の規定により課される再評価税を除く。)については、再評価法第五十一条第一項及び第二項(法人の減価償却資産についての再評価税の納付)の規定にかかわらず、当該再評価を行つた日を含む事業年度から同日以後五年を経過した日の前日を含む事業年度までの各事業年度終了の日から二月以内を同条第一項の納期とみなし、当該法人が減価償却資産について納付すべき再評価税(超過再評価に係る再評価税及び第二十三条の規定により課される再評価税を除く。)の合計額から当該再評価日を含む事業年度終了の日までに減価償却資産について納付した、又は納付すべきであつた再評価税額(利子税額、過少申告加算税額、過少納付加算税額、重加算税額及び延滞加算税額(以下「利子税額等」という。)に相当する税額を除く。)を控除した金額に相当する税額を当該各事業年度の月数に応じ政令で定めるところにより均分して計算した金額をその各納期において同項の規定により納付すべき税額とみなして、同法の規定を適用する。
2 第二十条第一項から第五項までの規定により再評価税の免除を受ける法人が施行日を含む事業年度開始の日前に終了した事業年度において最低限度以上の再評価を行つた場合においては、第二十七条の規定に該当する場合を除く外、当該法人が施行日を含む事業年度終了の日後に納付すべき減価償却資産についての再評価税(当該終了の日後に行う超過再評価に係る再評価税及び第二十三条の規定により課される再評価税を除く。)については、再評価法第五十一条第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該事業年度から施行日以後五年を経過した日の前日を含む事業年度までの各事業年度終了の日から二月以内を同条第一項の納期とみなし、当該法人が減価償却資産について納付すべき再評価税(施行日を含む事業年度終了の日後に行う超過再評価に係る再評価税及び第二十三条の規定により課される再評価税を除く。)の合計額から施行日を含む事業年度終了の日までに減価償却資産について納付した、又は納付すべきであつた再評価税額(利子税額等に相当する税額を除く。)を控除した金額に相当する税額を当該各事業年度の月数に応じ政令で定めるところにより均分して計算した金額をその各納期において同項の規定により納付すべき税額とみなして、同法の規定を適用する。
3 第二十三条第一項から第三項までの規定により再評価税を課される法人は、これらの規定に規定する資産を譲渡し、又は贈与した日を含む事業年度終了の日から二月以内に、これらの規定により課された再評価税を国に納付しなければならない。
4 前項の規定により納付すべき再評価税は、再評価法第五十一条第三項(譲渡等があつた場合の法人の再評価税の納付)の規定により納付すべき再評価税とみなして、同法の規定を適用する。
(個人の再評価税の納付の特例)
第二十六条 第二十条第七項において準用する同条第一項又は第二項の規定により再評価税の免除を受ける個人が減価償却資産について最低限度以上の再評価を行う前に減価償却資産について再評価を行つている場合(次項に規定する場合を除く。)においては、第二十七条の規定に該当する場合を除く外、当該個人が最低限度以上の再評価を行つた日の属する年の翌年二月十六日以後において減価償却資産について納付すべき再評価税(超過再評価に係る再評価税及び第二十三条の規定により課される再評価税を除く。)については、再評価法第五十三条第一項及び第二項(個人の減価償却資産についての再評価税の納付)の規定にかかわらず、当該再評価を行つた日の属する年の翌年から五年間の各年の二月十六日から三月十五日までを同条第一項の納期とみなし、当該個人が減価償却資産について納付すべき再評価税(超過再評価に係る再評価税及び第二十三条の規定により課される再評価税を除く。)の合計額から当該個人が当該再評価を行つた日の属する年の翌年二月十五日までに納付した、又は納付すべきであつた減価償却資産についての再評価税額(利子税額等に相当する税額を除く。)を控除した金額に相当する税額を政令で定めるところにより当該各年に均分して計算した金額をその各納期において納付すべき税額とみなして、同法の規定を適用する。
2 第二十条第七項において準用する同条第一項から第五項までの規定により再評価税の免除を受ける個人が昭和二十八年中に最低限度以上の再評価を行つた場合には、第二十七条の規定に該当する場合を除く外、当該個人が昭和三十年二月十六日以後納付すべき減価償却資産についての再評価税(同年一月一日以後行う超過再評価に係る再評価税及び第二十三条の規定により課される再評価税を除く。)については、再評価法第五十三条第一項及び第二項の規定にかかわらず、昭和三十年から昭和三十四年までの各年の二月十六日から三月十五日までを同条第一項の納期とみなし、当該個人が減価償却資産について納付すべき再評価税(昭和三十年一月一日以後行う超過再評価に係る再評価税及び第二十三条の規定により課される再評価税を除く。)の合計額から当該個人が昭和三十年二月十五日までに減価償却資産について納付した、又は納付すべきであつた再評価税額(利子税額等に相当する税額を除く。)を控除した金額に相当する税額を政令で定めるところにより当該各年に均分して計算した金額をその各納期において納付すべき税額とみなして、同法の規定を適用する。
3 第二十三条第四項又は第五項において準用する同条第一項から第三項までの規定により再評価税を課される個人は、再評価法第五十三条第三項第一号又は第二号(減価償却資産の譲渡等があつた場合の個人の再評価税の納期)に掲げる期間内に、当該再評価税を国に納付しなければならない。
4 前項の規定により納付すべき再評価税は、再評価法第五十三条第三項の規定により納付すべき再評価税とみなして、同法の規定を適用する。
(過納となつた再評価税の申告等)
第二十七条 第二十条第一項から第五項まで(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定により再評価税の免除を受ける法人又は個人が、法人については、最低限度以上の再評価を行つた日(その日が施行日前であるときは、同日)を含む事業年度終了の日、個人については、最低限度以上の再評価を行つた日の属する年の翌年二月十五日(当該再評価を行つた日の属する年が昭和二十八年であるときは、施行日の前日)までに減価償却資産についての再評価税を納付した、又は納付すべき場合において、これらの項の規定の適用に因り、当該納付した、又は納付すべき税額(利子税額等に相当する税額を除く。以下この条において「再評価税の既納付額」という。)が当該法人又は個人が減価償却資産について納付すべき再評価税の合計額をこえることとなるときは、法人については、最低限度以上の再評価を行つた日(その日が施行日前であるときは、同日)を含む事業年度終了の日から二月以内(当該終了の日が昭和二十九年五月三十一日前であるときは、当該終了の日から同年七月三十一日まで)に、個人については、最低限度以上の再評価を行つた日の属する年の翌年二月十六日から三月十五日まで(当該再評価を行つた日の属する年が昭和二十八年であるときは、施行日から昭和二十九年七月三十一日まで)に、そのこえることとなる部分の税額(以下「再評価税の超過納付額」という。)、再評価税の免除額及び既納付額並びに超過納付額の計算に関し必要な事項その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。
2 再評価税の既納付額のうち再評価税の超過納付額に相当する金額は、国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)第三章ノ三(充当及び還付加算金)の規定の適用については、前項の申告書の提出があつた日において過納に係る国税となつたものとみなす。
(旧再評価税の納付の特例)
第二十八条 第二十二条第一項の規定により旧再評価税の免除を受ける法人が、施行日を含む事業年度以後の各事業年度終了の日から二月以内の各納期において再評価法の一部改正法附則第三項(旧再評価についての適用法令)又は租税特別措置法第十三条の二(法人の旧再評価税の納付の特例)の規定により納付すべき減価償却資産についての旧再評価税額(利子税額等に相当する税額、再評価法の一部改正法附則第三項の規定に基き旧再評価法第五十六条(法人の旧再評価税の延納)の例により、又は再評価法第五十六条第三項(法人の再評価税の延納)の規定により当該各納期において納付すべき旧再評価税に相当する税額及び再評価法の一部改正法附則第三項の規定に基き旧再評価法第五十一条第四項(譲渡等があつた場合の法人の再評価税の納付)の例により施行日を含む事業年度終了の日から二月以内に納付すべき税額を除く。)は、当該各納期においてこれらの規定により納付すべき税額の二分の一に相当する税額とする。
2 前項に規定する法人が施行日を含む事業年度開始の日前に終了した各事業年度終了の日から二月以内において旧再評価法第五十一条第一項、再評価法の一部改正法附則第三項又は租税特別措置法第十三条の二の規定により納付すべきであつた減価償却資産についての旧再評価税額(利子税額等に相当する税額を除く。)のうち再評価法の一部改正法附則第三項の規定に基き旧再評価法第五十六条の例により、又は再評価法第五十六条第三項の規定により、施行日を含む事業年度終了の日から二月以内の納期において納付すべき減価償却資産についての旧再評価税額は、当該法人が第二十二条第一項の規定に該当しないものとした場合に当該納期において再評価法の一部改正法附則第三項の規定に基き旧再評価法第五十六条の例により、又は再評価法第五十六条第三項の規定により納付すべきこととなる減価償却資産についての旧再評価税額の二分の一に相当する税額とする。
3 第二十二条第一項の規定に該当する法人が施行日を含む事業年度終了の日後に最低限度以上の再評価を行つたことに因り、施行日を含む事業年度終了の日から最低限度以上の再評価を行つた日を含む事業年度終了の日までの期間内に納付した、又は納付すべき減価償却資産についての旧再評価税額の合計額(利子税額等に相当する税額を除く。以下この条において「旧再評価税の既納付額」という。)が当該期間内において前二項の規定により納付すべき旧再評価税額の合計額をこえる場合においては、当該法人は、第二十四条第五項に規定する申告書に、そのこえる部分の税額(以下「旧再評価税の超過納付額」という。)、旧再評価税の既納付額及び旧再評価税の超過納付額の計算に関し必要な事項を記載しなければならない。
4 旧再評価税の超過納付額は、政令で定めるところにより、前項に規定する法人が最低限度以上の再評価を行つた日を含む事業年度終了の日後納付すべき旧再評価税額(第三十条第一項の規定により徴収を猶了されている旧再評価税額を含む。以下この項において同じ。)から控除する。この場合において、当該超過納付額が同日後納付すべき旧再評価税額の合計額をこえる場合におけるそのこえる金額又は同日後納付すべき旧再評価税額がない場合における当該超過納付額については、前項に規定する申告書の提出があつた日において過納に係る国税となつたものとみなして、国税徴収法第三章ノ三(充当及び還付加算金)の規定を適用する。
5 第二十二条第二項の規定により旧再評価税の免除を受ける個人が昭和三十年以後の各年の二月十六日から三月十五日までの各納期において再評価法の一部改正法附則第三項又は租税特別措置法第十三条(個人の旧再評価税の納付の特例)の規定により納付すべき減価償却資産についての旧再評価税額(利子税等に相当する税額、再評価法の一部改正法附則第三項の規定に基き旧再評価法第五十八条(個人の旧再評価税の延納)の例により、又は再評価法第五十八条第三項(個人の再評価税の延納)の規定により当該各納期において納付すべき旧再評価税に相当する税額及び再評価法の一部改正法附則第三項の規定に基き旧再評価法第五十三条第三項(減価償却資産の譲渡等があつた場合の旧再評価税の納付)の例により昭和三十年二月十六日から三月十五日までの間に納付すべき税額を除く。)は、当該各納期においてこれらの規定により納付すべき税額の二分の一に相当する税額とする。
6 前項に規定する個人が昭和二十九年以前の各年の二月十六日から三月十五日までに旧再評価法第五十三条第一項(個人の減価償却資産についての旧再評価税の納付)、再評価法の一部改正法附則第三項又は租税特別措置法第十三条の規定により納付すべきであつた減価償却資産についての旧再評価税額(利子税額等に相当する税額を除く。)のうち再評価法の一部改正法附則第三項の規定に基き旧再評価法第五十八条の例により、又は再評価法第五十八条第三項の規定により昭和三十年二月十六日から三月十五日までの納期において納付すべき減価償却資産についての旧再評価税額は、当該個人が第二十二条第二項の規定に該当しないものとした場合に当該納期において再評価法の一部改正法附則第三項の規定に基き旧再評価法第五十八条の例により、又は再評価法第五十八条第三項の規定により納付すべきこととなる減価償却資産についての旧再評価税額の二分の一に相当する税額とする。
(追加免除額の処理)
第二十九条 第二十一条第一項又は第二項の規定により再評価税の免除を受ける法人が第二十四条第四項に規定する申告書を提出した場合において、当該法人が第十五条に規定する承認の通知があつた日の属する事業年度終了の日後に納付すべき再評価税額(旧再評価税額及び第三十条第二項の規定により徴収を猶予されている再評価税額を含む。以下この条において同じ。)があるときは、当該申告書に記載された追加免除額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該事業年度以後の各事業年度終了の日から二月以内に納付すべき再評価税額から控除する。
2 前項の場合において、追加免除額が第十五条の規定による承認の通知があつた日の属する事業年度終了の日後に納付すべき再評価税額をこえる場合におけるそのこえる金額又は当該法人が同日後に納付すべき再評価税額がない場合における追加免除額については、同項に規定する申告書の提出があつた日において過納に係る国税となつたものとみなして、国税徴収法第三章ノ三(充当及び還付加算金)の規定を適用する。
3 第二十一条第三項において準用する同条第一項又は第二項の規定により再評価税の免除を受ける個人が第二十四条第四項に規定する申告書を提出した場合において、当該個人が当該申告書を提出した日以後に納付すべき再評価税額があるときは、当該申告書に記載された追加免除額に相当する金額は、政令で定めるところにより、同日以後納付すべき再評価税額から控除する。
4 前項の場合において、追加免除額が同項に規定する申告書を提出した日以後に納付すべき再評価税額をこえる場合におけるそのこえる金額又は当該個人が同日以後納付すべき再評価税額がない場合における追加免除額については、同日において過納に係る国税となつたものとみなして、国税徴収法第三章ノ三の規定を適用する。
(再評価税等の徴収猶予)
第三十条 施行日前に最低限度以上の再評価を行つていない要再評価会社については、税務署長は、当該会社の申請により、同日を含む事業年度終了の日から昭和二十九年中に最後に開始する事業年度(当該会社が当該事業年度開始の日前に最低限度以上の再評価を行つたときは、当該再評価を行つた日を含む事業年度)の終了の日から二月を経過した日までの間に限り、政令で定めるところにより、当該会社が当該期間内に納付すべき減価償却資産についての再評価税額又は旧再評価税額の全部又は一部の徴収を猶予することができる。
2 法人又は個人が最低限度以上の再評価を行つた日以後減価償却資産についての再評価税額を納付すべき場合において、当該法人又は個人が第十五条の規定による申請書を提出しているときは、税務署長は、当該法人又は個人の申請により、法人については、同条の規定による承認に関する通知があつた日の属する事業年度終了の日から二月を経過した日まで、個人については、同条の規定による承認に関する通知があつた日から二月を経過した日までの間、政令で定めるところにより、当該税額のうち当該承認があつたものとした場合に第二十一条の規定により生ずることとなる追加免除額に相当する金額の範囲内において、当該再評価税額の全部又は一部の徴収を猶予することができる。
3 前二項の規定による徴収猶予を申請した法人又は個人が第二十条から第二十二条までの規定に該当するに至つた場合においては、これらの項の規定により徴収を猶予した再評価税額又は旧再評価税額のうち再評価税若しくは旧再評価税の免除額又は再評価税の追加免除額に相当する金額に達するまでの金額については、再評価法第七十七条(利子税額)の規定は、適用しない。
(延納期間の特例)
第三十一条 再評価法第五十六条第四項(法人の再評価税の延期の終期)及び第五十八条第四項(個人の再評価税の延納の終期)の規定は、最低限度以上の再評価を行つた法人及び個人については、適用しない。
(評価減により再評価積立金を取りくずした場合の再評価税又は旧再評価税の免除の特例)
第三十二条 第二十条又は第二十一条の規定により再評価税の免除を受けた法人が再評価を行つた減価償却資産(第三項に規定する資産を除く。)について帳簿価額の減額(第十五条の規定による承認を経てした減額を除く。以下この条において同じ。)をした場合における再評価法第八十四条(再評価積立金を取りくずした場合の再評価税の免除)の規定の適用については、同条第一項に規定する百分の六の割合は、百分の六の割合に第一号に掲げる金額の第二号に掲げる金額に対する割合を乗じて算出した割合とする。
一 当該法人が当該免除を受けなかつたものとした場合において、当該法人が再評価を行つた減価償却資産について再評価法の規定により課されることとなる再評価税の合計額から当該免除を受けた再評価税の合計額を控除した金額
二 当該法人が当該免除を受けなかつたものとした場合において、当該法人が再評価を行つた減価償却資産について再評価法の規定により課されることとなる再評価税の合計額
2 第二十二条の規定により旧再評価税の免除を受けた法人が旧再評価を行つた減価償却資産(次項に規定する資産を除く。)について帳簿価額の減額をした場合における再評価法の一部改正法附則第三項(旧再評価についての滴用法令)の規定によりなお従前の例による旧再評価法第八十四条(再評価積立金を取りくずした場合の旧再評価税の免除)の規定の適用については、同条第一項に規定する百分の六の割合は、百分の六の割合に第一号に掲げる金額の第二号に掲げる金額に対する割合を乗じて算出した割合とする。
一 当該法人が旧再評価を行つた減価償却資産について旧再評価法の規定により課された旧再評価税の合計額から当該免除を受けた旧再評価税の合計額を控除した金額
二 当該法人が旧再評価を行つた減価償却資産について旧再評価法の規定により課された旧再評価税の合計額
3 第二十条又は第二十一条の規定により再評価税の免除を受けた法人が再評価及び旧再評価を行つた減価償却資産について帳簿価額の減額をした場合における再評価法第八十四条の規定の適用については、同条第一項に規定する百分の六の割合は、百分の六の割合に第一号に掲げる金額の第二号に掲げる金額に対する割合を乗じて算出した割合とする。
一 第一項第一号に掲げる金額に前項第二号に掲げる金額(当該法人が第二十二条の規定により旧再評価税の免除を受けているときは、前項第一号に掲げる金額)を加算した金額
二 第一項第二号に掲げる金額に前項第二号に掲げる金額を加算した金額
(固定資産税の課税標準の特例)
第三十三条 法人又は個人が最低限度以上の再評価を行つた場合において、当該法人又は個人が再評価を行つた償却資産に対する昭和三十年度から昭和三十二年度までの各年度分の固定資産税の賦課期日のいずれか一の日における当該資産の価額が当該資産に対する昭和二十九年度分(昭和二十八年十二月三十一日までに再評価を行つた資産で当該資産の再評価額が昭和二十九年度分の固定資産税の課税標準の基礎となつたものについては、昭和二十八年度分。以下この条において同じ。)の固定資産税の課税標準の基礎となつた価格をこえるときは、当該資産に対して当該法人又は個人に課するその日に係る年度分の固定資産税の課税標準の基礎となるべき価格は、地方税法第三百八十九条第一項(道府県知事又は自治庁長官による価格の決定)、第四百八条第二項(固定資産評価員による評価)、第四百十条第一項及び第二項(市町村長による価格の決定)、第四百十四条(固定資産の価格の最低限度)並びに第七百四十三条第一項(大規模の償却資産の価格の決定)の規定にかかわらず、当該資産に対する昭和二十九年度分の固定資産税の課税標準の基礎となつた価格とする。
2 法人又は個人が再評価を行つた償却資産で前項の規定の適用を受けるものに対し同項に規定する各年度分の固定資産税を課する場合において、当該資産に対する昭和二十九年度分の固定資産税の課税標準の基礎となつた価格が重大な錯誤に因り、又は特別の事由に因る軽減に因り、他の類似の償却資産の同年度分の固定資産税の課税標準の基礎となつた価格に比して明らかに、且つ、著しく低いと認められるときは、同項の規定にかかわらず、あらかじめ自治庁長官に届け出て、その低いと認められる価格をこえ、当該再評価を行つた償却資産の昭和二十七年十二月三十一日における旧再評価限度相当額(昭和二十五年一月一日以後取得した償却資産については、当該資産の昭和二十七年十二月三十一日における帳簿価額)以下の価格により当該資産に対して課する固定資産税の課税標準の基礎となるべき価格を決定することができる。
3 第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする法人又は個人が次条の規定による申告をその期限内にした場合に限り適用する。
(固定資産税の軽減についての申告)
第三十四条 最低限度以上の再評価を行つた法人又は個人が再評価を行つた償却資産に対する固定資産税について前条の規定による軽減を受けようとするときは、総理府令で定めるところにより、昭和三十年から昭和三十二年までの各年の一月一日から一月三十一日までに地方税法第三百八十三条第一項(償却資産の申告)(第七百四十五条(道府県が課する固定資産税の賦課徴収等)において準用する場合を含む。)又は第三百九十四条(道府県知事又は自治庁長官によつて評価される固定資産の申告)の規定による申告をする際に、これらの規定に規定する事項の外、最低限度以上の再評価を行つた旨及び当該再評価を行つた日その他当該軽減に関し必要な事項を市町村長、道府県知事又は自治庁長官に申告しなければならない。
第四章 雑則
(再評価実施状況の公示)
第三十五条 会社(施行日において資本の額が五百万円に満たないものを除く。以下この条及び次条第一項において同じ。)の取締役が昭和二十九年十二月三十一日を含む事業年度(当該会社が施行日後当該事業年度開始の日前に最低限度以上の再評価を行つている場合においては、当該再評価を行つた日を含む事業年度とし、施行日前に当該再評価を行つた場合においては、施行日を含む事業年度とする。)終了の日以後昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度終了の日前に、商法第二百八十三条第一項(計算書類の承認)の規定により株主総会に提出する貸借対照表及び同条第二項(貸借対照表の公告)の規定により公告する貸借対照表には、最低限度以上の再評価を行つた会社については、当該再評価を行つた旨並びに当該再評価を行つた日における要再評価資産の再評価後簿価総額及び再評価限度額の合計額を、昭和二十九年十二月三十一日を含む事業年度開始の日までに最低限度以上の再評価を行わなかつた会社については、同日における要再評価資産の帳簿価額の合計額及び再評価限度額の合計額を附記しなければならない。
2 陳腐化資産等について第六条第四項の規定により陳腐化資産等限度額をこえて再評価を行つた会社で当該資産について第十五条の規定による帳簿価額の減額の承認を申請したものが前項の規定により提出し、又は公告する貸借対照表には、当該承認に関する通知があつた日を含む事業年度開始の日前に終了する事業年度については、当該申請に係る帳簿価額の減額の額の合計額を附記し、当該通知があつた日を含む事業年度以後の事業年度については、再評価後簿価総額に代え、当該総額から当該承認を経て帳簿価額の減額をした額の合計額を控除した額を附記するものとする。
3 前二項の規定は、有限会社(施行日において資本の総額が五百万円に満たないものを除く。以下次条第二項において同じ。)の取締役が有限会社法(昭和十三年法律第七十四号)第四十六条(会社の計算に関する商法の規定の準用)において準用する商法第二百八十三条第一項の規定により社員総会に提出する貸借対照表について準用する。
(償却実施状況の総会への報告)
第三十六条 会社の取締役が商法第二百八十三条第一項(計算書類の承認)の規定により株主総会に提出する損益計算書で前条第一項又は第二項に規定する事項を附記した貸借対照表とともに提出するものには、当該損益計算書に係る事業年度の減価償却資産の普通償却範囲額の合計額及び当該事業年度において減価償却資産について行つた減価償却の額の合計額(翌事業年度に繰り越される償却不足額がある場合においては、当該合計額及び当該不足額)を附記しなければならない。
2 前項の規定は、有限会社の取締役が有限会社法第四十六条(会社の計算に関する商法の規定の準用)において準用する商法第二百八十三条第一項の規定により社員総会に提出する損益計算書について準用する。
(限度額の更正等)
第三十七条 第四条、第五条、第八条、第九条、第十一条、第十二条、第二十四条又は第二十七条に規定する申告書又は明細書に記載された要再評価資産の再評価限度額若しくはその合計額、最低再評価限度額、陳腐化資産等限度額、再評価税額、再評価税若しくは旧再評価税の免除額若しくは超過納付額又は再評価税の追加免除額の計算に誤があると認める場合においては、所轄国税局長又は所轄税務署長は、その調査により、再評価限度額若しくはその合計額、最低再評価限度額、陳腐化資産等限度額、再評価税額、再評価税若しくは旧再評価税の免除額若しくは超過納付額又は再評価税の追加免除額を更正する。
2 第二十四条第六項の規定による申告書を提出すべき法人又は個人が当該申告書を提出しなかつた場合においては、所轄国税局長又は所轄税務署長は、その調査により、第二十三条の規定により課すべき再評価税額を決定する。
3 再評価法第六十七条から第七十一条まで(再評価税等の再更正、更正又は決定の権限、更正又は決定の通知、更正の期限、追徴税額の徴収及び納付)の規定は、前二項の規定による更正又は決定について、同法第七十八条から第八十三条まで(過少申告加算税額等の徴収、免除及び通知)の規定は、第二十四条第六項に規定する申告書に記載された再評価税額に誤がある場合、当該申告書の提出がなかつた場合又は第八条、第九条、第十一条、第十二条、第二十四条若しくは第二十七条に規定する申告書若しくは明細書に記載された再評価税若しくは旧再評価税の免除額若しくは超過納付額若しくは再評価税の追加免除額が過大である場合について準用する。
4 再評価法第八章(審査及び訴訟)の規定は、第一項の規定による更正(前項において準用する同法第六十七条(再評価額等の再更正)の規定による更正を含む。以下次項において同じ。)若しくは第二項の規定による決定に係る事項又は前項において準用する同法第八十三条(加算税額の通知)の規定により通知を受けた事項に対して異議がある場合について準用する。
5 再評価法第百十条(更正の場合の経理)の規定は、第一項の規定による更正についての通知を受けた法人の再評価積立金への組入れ又は再評価積立金の取くずし若しくは積立について準用する。
(充当又は還付の場合の再評価積立金の積立)
第三十八条 法人が納付した再評価税額又は旧再評価税額のうち第三章の規定の適用に因り過納となつた金額がある場合において、当該金額の全部又は一部が国税徴収法第三章ノ三(充当及び還付加算金)の規定により再評価税及び旧再評価税以外の未納の国税若しくは滞納処分費に充当され、又は還付されたときは、当該法人は、その充当又は還付があつた日において、その充当され、又は還付された金額に相当する金額を再評価積立金に組み入れ、又は再評価積立金として積み立てなければならない。
(陳腐化資産等についての償却額の計算の特例等)
第三十九条 第十五条の規定により帳簿価額の減額の承認を申請した陳腐化資産等については、第六条第四項の規定により当該資産について再評価を行つた日から当該承認に関する通知があつた日までの間は、当該資産の再評価額から当該申請に係る帳簿価額の減額の額を控除して算出した額を当該資産の再評価額とみなして、再評価法第百二十一条(再評価資産についての償却額の計算)の規定を適用する。
2 個人が第十五条又は第十六条の規定による承認を経て帳簿価額の減額をした減価償却資産については、当該減額をした日以後においては、当該減額後の帳簿価額を当該資産の再評価額とみなして、再評価法第百二十一条の規定を適用する。
(利益配当等の報告)
第四十条 第六条第一項の規定の適用がある要再評価会社(同族会社を除く。)で同項の規定による再評価を行わなかつたものは、昭和二十九年十二月三十一日を含む事業年度から昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度までの各事業年度終了の日から二月以内に、大蔵省令で定めるところにより、当該事業年度について行う利益配当の額及び当該事業年度における当該会社の資本の額の平均額を記載した報告書を大蔵大臣に提出しなければならない。
2 再評価実施会社(同族会社を除く。)は、昭和三十二年三月三十一日を含む事業年度から昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度までの各事業年度終了の日から二月以内に、大蔵省令で定めるところにより、当該事業年度について行う利益配当の額、当該事業年度における資本の額の平均額、当該事業年度終了の日までに資本に組み入れた再評価積立金の額、再評価法第百二条(再評価積立金の積立)、第百八条(合併の場合の再評価積立金の承継)若しくは第百十条(更正の場合の経理)又は第三十八条の規定により再評価積立金として積み立て、若しくはこれに組み入れた金額の合計額から、同法第百三条(再評価税の納付の場合の取くずし)、第百四条第一項若しくは第二項(譲渡損等の場合の取くずし)、第百五条(調整勘定を設けている金融機関が行う取くずし)、第百七条第一項第三号(損失をてん補した場合の取くずし)又は第百十条の規定により当該事業年度終了の日までに取りくずした金額の合計額に同日後納付すべき再評価税額(旧再評価税額を含む。)を加算した金額を控除して算出した金額、当該事業年度の減価償却資産の普通償却範囲額の合計額及び当該事業年度において減価償却資産について行つた減価償却の額の合計額を記載した報告書を大蔵大臣に提出しなければならない。
(当該職員の質問検査権)
第四十一条 当該職員は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、要再評価会社、要再評価会社であると認められる会社、第二十条から第二十二条までの規定により再評価税の免除を受けようとする者又は第二十三条の規定により再評価税を納付する義務がある者若しくはその義務があると認められる者に質問し、又はこれらの者の資産若しくはその資産に関する帳簿書類を検査することができる。
2 当該職員は、前項の規定により質問し、又は検査する場合においては、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(評価減の承認に関する権限の委任)
第四十二条 大蔵大臣は、政令で定めるところにより、第十五条又は第十六条の規定による承認に関する権限の一部を国税庁長官又は国税局長に委任することができる。
第五章 罰則
第四十三条 詐偽その他不正の行為により第二十三条の規定により課される再評価税を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の免れた再評価税額が五百万円をこえるときは、情状に因り、同項の罰金は、五百万円をこえ、その免かれた再評価税額に相当する金額以下とすることができる。
第四十四条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第三十七条において準用する再評価法第百十条(更正の場合の経理)又は第三十八条の規定に違反して再評価積立金への組入れ又は再評価積立金の積立若しくは取くずしをしなかつた者
二 第四十一条第一項の規定による質問に答弁せず、又は虚偽の答弁をした者
三 第四十一条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
四 第四十一条第一項の規定による検査に際し虚偽の記載をした帳簿書類を呈示した者
第四十五条 左の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。但し、情状に因りその刑を免除することができる。
一 正当な事由がなくて第四条又は第五条の規定による申告書を提出しなかつた者
二 正当な事由がなくて第二十四条第六項の規定による申告書を提出しなかつた者
三 第三十五条又は第三十六条の規定に違反して貸借対照表又は損益計算書にこれらの規定に規定する事項を附記しなかつた者
四 第四十条の規定による報告書を提出しなかつた者
第四十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は資産に関して前三条の違反行為をしたときは、その行為者を罰する外、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第四十七条 第四十三条の罪を犯した者には、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四十八条第二項(併合罪)、第六十三条(従犯の刑の減軽)及び第六十六条(情状に因る刑の減軽)の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
第四十八条 要再評価会社が左の各号の一に該当する場合においては、その違反行為をした会社の取締役を三十万円以下の過料に処する。
一 第六条第一項の規定に違反して再評価を行わなかつた場合
二 第十七条又は第十八条の規定に違反して利益の配当を行つた場合
2 前項第二号の規定に該当する場合(他の法令又は定款の規定に違反する場合を除く。)においては、商法第四百八十九条第三号(法令に違反する利益配当等についての罰則)の規定は、適用しない。
第四十九条 第十五条第一項若しくは第二項(第十九条第六項において準用する場合を含む。)又は第十六条第一項(第十九条第六項において準用する場合を含む。)の規定に違反して要再評価資産について帳簿価額の減額をした場合におけるその行為者は、十万円以下の過料に処する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 資産再評価法の一部を次のように改正する。
第九十三条第三項中「第七十三条第二項」の下に「又は企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法(昭和二十九年法律第百四十二号)第十五条第五項」を、「第七章」の下に「又は企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法第三十七条」を加える。
第百七条第一項中「(金融機関再建整備法の規定による調整勘定を設けている金融機関の再評価積立金については、第一号及び第三号)」を削り、同項第五号の次に次の一号を加える。
六 株式の消却又は資本の減少をした法人が当該消却又は減少に因り金銭その他の財産を支払い、又は交付する場合
第百八条中「再評価積立金の額に相当する金額」の下に「(合併に因り合併法人が被合併法人の株主、社員又は出資者に対して交付し、又は支払う株式、金銭その他の財産のうち被合併法人の再評価積立金に対応する部分に相当する金額を除く。)」を加える。
第百九条第三項中「及び再評価税」を削り、同条第六項を削り、同条第七項中「第一項から第五項まで」を「前五項」に改め、同項を同条第六項とする。
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 小笠原三九郎