(牧野管理規程の作成)
第三條 地方公共団体は、その管理に属する牧野であつて政令で定めるものにつき、当該牧野が立地その他の諸條件に応じて最も効率的に利用されるように牧野管理規程を定めなければならない。
2 地方公共団体は、前項の規定により牧野管理規程を定めようとするときは、あらかじめ、牧野管理規程案を十日間公示しなければならない。
3 当該牧野の利用者、所有者その他利害関係のある者で、当該牧野管理規程案に不服のあるものは、前項の公示期間満了後二十日以内に、当該地方公共団体に異議を申し立てることができる。
4 前項の規定による異議の申立があつたときは、当該地方公共団体は、同項の期間満了後二十日以内に、公聴会を開き、当該牧野の利用者、所有者その他利害関係のある者の意見を聞かなければならない。
5 地方公共団体は、牧野管理規程を定めたときは、遲滯なく、左の各号の区分に従い、それぞれ、農林大臣又は都道府県知事の認可を申請しなければならない。
二 市町村(その組合及び財産区を含む。)にあつては、都道府県知事
6 農林大臣又は都道府県知事は、前項の規定による認可の申請があつた場合において、当該牧野管理規程が、当該牧野を最も効率的に利用させるのに適当であると認めるときは、これを認可しなければならない。
7 農林大臣又は都道府県知事は、第五項の規定による認可の申請を却下するときは、その理由を明示しなければならない。
8 牧野管理規程の変更については、前六項の規定を準用する。
(牧野管理規程の内容)
第四條 牧野管理規程には、少くとも左の事項を記載しなければならない。
三 放牧地にあつては放牧期間、家畜の種類別認容頭数及び放牧方法、採草地にあつては採草期間、採草回数及び採草量
五 有害な植物及び障害物の除去並びに害虫の駆除に関する事項
2 前項第三号の認容頭数は、家畜の食草量に応じ牛又は馬に換算して定めることができる。この場合の換算の方法は、農林省令で定める。
(牧野管理規程の遵守)
第五條 地方公共団体は、牧野管理規程に従つて当該牧野を利用させなければならない。
第六條 農林大臣又は都道府県知事は、牧野の改良及び保全に関し專門的知識を有する職員に、それぞれ、その認可した牧野管理規程のある牧野に立ち入らせ、当該牧野が最も効率的に利用されているかどうかを検査させることができる。
2 前項の検査の結果、牧野管理規程に違反する事実があると認めるときは、農林大臣又は都道府県知事は、当該牧野の管理者に対し、牧野管理規程を遵守し、又はその利用者をしてこれを遵守させるために必要な措置をとるべき旨を指示することができる。
3 第一項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帶し、且つ、関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。
4 第一項の立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(権利関係の調整)
第七條 第三條第六項の規定により牧野管理規程の認可のあつた牧野につき、地方公共団体と当該牧野の利用者との間に、当該牧野の使用又は收益に関する契約がある場合において、その牧野管理規程を遵守するために必要があるときは、地方公共団体は、契約の條件にかかわらず、その必要の限度において、当該契約を変更することができる。
2 地方公共団体は、前項の規定により契約を変更する場合において、当該牧野の利用者が二人以上あるときは、各利用者の利益を公平に考慮しなければならない。
第八條 前條第一項の規定による契約の変更により不利益を受けた当該牧野の利用者は、契約の條件にかかわらず、小作料、賃借料その他その利用の対価につき、相当の減額又は相当の拂戻を請求することができる。但し、契約の変更の通知があつた日から三十日を経過したときは、この限りでない。