第一條 本法ニ於テ牧野ト稱スルハ牛馬ノ生產飼育ノ爲放牧又ハ採草ヲ爲スヲ目的トスル土地ヲ謂フ
第二條 地方公共團體ハ其ノ所有スル牧野ニ付命令ノ定ムル所ニ依リ管理方法ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ認可ヲ受ケタル管理方法ヲ廢止又ハ變更セントスルトキ亦同ジ
行政官廳必要アリト認ムルトキハ前項ノ管理方法ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第三條 牧野ノ荒廢防止、害蟲ノ驅除豫防其ノ他牧野ノ保護ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條 命令ヲ以テ規定シタル者ヲ除クノ外牧野ニ於テ放牧又ハ採草ヲ爲ス者ハ協同シテ牧野ノ維持又ハ改良ヲ圖ル目的ヲ以テ牧野組合ヲ設立スルコトヲ得
第六條 牧野組合ハ其ノ名稱中ニ牧野組合ナル文字ヲ用フベシ
牧野組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ牧野組合タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第八條 牧野組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フコトヲ得
六 前各號ニ揭グルモノノ外牧野ノ維持又ハ改良ヲ圖ルニ必要ナル施設
第九條 政府ハ牧野組合ニ對シ豫算ノ範圍內ニ於テ奬勵金ヲ交付スルコトヲ得牧野ノ改良ニ關スル施設ヲ爲ス地方公共團體、畜產組合、畜產組合聯合會又ハ主務大臣ノ指定スル團體ニ付亦同ジ
第十條 牧野組合ヲ設立セントスルトキハ組合ノ地區タルベキ牧野ニ付組合員タル資格ヲ有スル者三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ定款ヲ作成シ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十一條 牧野組合成立シタルトキハ其ノ地區タル牧野ニ付組合員タル資格ヲ有スル者ハ總テ之ヲ組合員トス但シ特別ノ事由ニ依リ行政官廳ノ認可ヲ受ケタル者ハ此ノ限ニ在ラズ
第十二條 牧野組合ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ
七 牧野ノ利用統制ノ定ヲ爲ス組合ニ在リテハ之ニ關スル規定
十一 存立時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
前項ニ規定スルモノノ外定款ニ定ムルコトヲ要スベキ事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十三條 牧野組合ハ第十條ノ認可ヲ受ケタルトキハ設立ノ登記ヲ爲スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ
一 前條第一項第一號乃至第三號、第十號及第十一號ニ揭グル事項
第十四條 牧野組合ノ理事ハ總會ニ於テ組合員中ヨリ之ヲ選任ス但シ特別ノ事由アルトキハ組合員ニ非ザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得
理事ハ何時ニテモ總會ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
第十六條第一項及第二項ノ規定ハ理事ノ選任又ハ解任ニ之ヲ準用ス
第十五條 牧野組合ハ牧野ノ改良事業ヲ行ハントスルトキハ其ノ改良計畫ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ認可ヲ受ケタル改良計畫ヲ廢止又ハ變更セントスルトキ亦同ジ
第十六條 牧野組合ノ定款ノ變更ハ總會ニ於テ總組合員半數以上出席シ出席者ノ議決權ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ決ス
定款ノ變更ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
定款ノ變更ガ地區ノ增減ニ關スルトキハ第一項ノ規定ニ依ル決議ノ外新ニ編入セラレ又ハ削除セラルベキ地區タル牧野ニ付組合員タル資格ヲ有スル者又ハ組合員ノ三分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第十七條 牧野組合ノ組合員ハ定款ノ定ムル所ニ依リ總會ニ於テ書面又ハ代理人ヲ以テ議決權ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ之ヲ出席者ト看做ス但シ組合員ニ非ザレバ代理人タルコトヲ得ズ
第十八條 牧野組合ノ總會ノ決議ニ依ル解散ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十九條 行政官廳ハ牧野組合ニ對シ業務ニ關スル報吿ヲ爲サシメ、書類帳簿、業務ノ執行又ハ財產ノ狀況ヲ檢查シ、定款又ハ經費ノ分擔方法ノ變更ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル命令又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第二十條 牧野組合ノ總會ノ招集ノ手續又ハ決議ノ方法ガ法令又ハ定款ノ規定ニ違反スルトキハ組合員ハ決議ノ日ヨリ一月以內ニ其ノ決議ノ無效ノ宣吿ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
前項ノ場合ニハ商法第百六十三條第二項第三項及第百六十三條ノ四ノ規定ヲ準用ス
第二十一條 牧野組合ノ行爲又ハ總會ノ決議ガ法令又ハ定款ニ違反シ其ノ他公益ヲ害スルノ虞アルトキハ行政官廳ハ其ノ決議ヲ取消シ、理事、監事若ハ淸算人ヲ解任シ、組合ノ業務ヲ停止シ又ハ組合ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
第二十二條 民法第四十四條、第四十五條、第四十六條第二項、第四十七條、第四十八條、第五十條乃至第六十四條、第六十五條第一項第三項、第六十六條、第六十八條乃至第七十條、第七十二條乃至第七十五條、第七十七條乃至第八十一條及第八十三條竝ニ非訟事件手續法第三十五條第一項、第百十七條、第百十九條乃至第百二十二條、第百三十六條乃至第百三十八條、第百四十二條乃至第百五十七條、第百七十五條、第百七十六條及第百九十五條ノ二ノ規定ハ牧野組合ニ之ヲ準用ス但シ民法第四十五條、第四十六條第二項、第四十八條及第七十七條中一週間トアルハ之ヲ二週間トス
第二十三條 牧野組合ガ本法ニ基キテ爲ス登記ニ付テハ登錄稅ヲ課セズ
第二十四條 牧野組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款違反者ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第二十五條 第十五條ノ規定ハ牧野ヲ設置スル畜產組合、畜產組合聯合會及主務大臣ノ指定スル團體ニ之ヲ準用ス
第二十六條 左ノ場合ニ於テハ牧野組合ノ理事、監事又ハ淸算人ヲ五圓以上二百圓以下ノ過料ニ處ス
一 本法ニ依リ行政官廳ノ認可ヲ受ケテ爲スベキ事項ヲ之ヲ受ケズシテ爲シタルトキ
三 行政官廳又ハ總會ニ對シ不實ノ申立ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
四 本法ニ依リ行政官廳ノ徵スル報吿ヲ差出サズ又ハ其ノ檢查ヲ拒ミ其ノ他行政官廳ノ命令若ハ處分ニ從ハザルトキ
七 本法ニ依リ事務所ニ備ヘ置クベキ書類ヲ備ヘズ、其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲シ又ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ閱覽ヲ拒ミタルトキ
九 本法ニ依ル公吿ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿ヲ爲シタルトキ
十 淸算ノ場合ニ於テ本法ニ違反シテ辨濟ヲ爲シ又ハ組合財產ノ分配ヲ爲シタルトキ
第二十七條 牧野ヲ設置スル畜產組合若ハ畜產組合聯合會ノ役員又ハ牧野ヲ設置スル主務大臣ノ指定スル團體ノ代表者第二十五條ノ規定ニ依リ準用スル第十五條ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケザルトキハ五圓以上二百圓以下ノ過料ニ處ス
第二十八條 非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前二條ノ過料ニ之ヲ準用ス