第十一條 左ノ各號ニ該當スル所得ニハ分類所得稅ヲ課セズ
四 郵便貯金ノ利子及命令ヲ以テ定ムル當座預金ノ利子
五 元本三千圓ヲ超エザル銀行貯蓄預金、產業組合貯金其ノ他命令ヲ以テ定ムル預金ノ利子
六 乙種ノ事業所得中營利ヲ目的トスル繼續的行爲ヨリ生ジタルニ非ザル一時ノ所得
七 日本ノ國籍ヲ有セザル者ノ本法施行地外ニ於ケル資產、營業又ハ職業ヨリ生ズル所得
第十二條 分類所得稅ヲ課スベキ所得ハ左ノ各號ノ規定ニ依リ之ヲ算出ス
一 不動產所得ハ前年中ノ總收入金額ヨリ必要ノ經費(收入ヲ得ルニ必要ナル負債ノ利子ヲ含ム以下同ジ)ヲ控除シタル金額
二 甲種ノ配當利子所得ハ其ノ支拂ヲ受クベキ金額但シ法人ヨリ受クル利益若ハ利息ノ配當又ハ剩餘金ノ分配ハ支拂ヲ受クベキ金額ヨリ其ノ十分ノ一ヲ控除シタル金額
三 乙種ノ配當利子所得中法人ヨリ受クル利益若ハ利息ノ配當又ハ剩餘金ノ分配ハ前年三月一日ヨリ其ノ年二月末日迄ノ、其ノ他ハ前年中ノ收入金額(無記名株式ノ配當竝ニ無記名ノ公債及社債ノ利子ニ付テハ支拂ヲ受ケタル金額)
四 事業所得ハ前年中ノ總收入金額ヨリ必要ノ經費ヲ控除シタル金額但シ水產業ノ所得ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前三年間每年ノ總收入金額ヨリ必要ノ經費ヲ控除シタル金額ノ平均ニ依リ算出シタル金額
七 山林ノ所得ハ前年中ノ總收入金額ヨリ必要ノ經費ヲ控除シタル金額
八 甲種ノ退職所得ハ其ノ支拂ヲ受クベキ金額ヨリ支拂者ヲ異ニスル每ニ一萬圓ヲ控除シタル金額
九 乙種ノ退職所得ハ前年中ノ收入金額ヨリ支拂者ヲ異ニスル每ニ一萬圓ヲ控除シタル金額
所得稅及臨時利得稅ハ前項第一號、第四號及第七號ノ必要ノ經費ニ之ヲ算入セズ
營業利得ニ對スル臨時利得稅額ハ當該臨時利得稅ヲ課セラルベキ年分ノ甲種ノ事業所得金額ヨリ之ヲ控除ス
所得稅ヲ課スベキ甲種ノ事業所得ト其ノ他ノ甲種ノ事業所得トヲ有スル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依リ控除スベキ臨時利得稅ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ計算ス
不動產所得、配當利子所得及山林ノ所得ニ付テハ被相續人ノ所得ハ之ヲ相續人ノ所得ト看做シ事業所得ニ付テハ相續シタル資產又ハ事業ハ相續人ガ引續キ之ヲ有シタルモノト看做シテ其ノ所得ヲ計算ス
第十三條 公債又ハ社債ニ付元本ノ所有者ニ非ザル者ガ利子ノ支拂ヲ受クルトキハ乙種ノ配當利子所得ノ計算上元本ノ所有者ガ支拂ヲ受クルモノト看做ス但シ利子ノ生ズル期間中ニ元本ノ所有者ニ異動アリタルトキハ最後ノ所有者ヲ以テ利子ノ支拂ヲ受クル者ト看做ス
第十四條 不動產所得ハ二百五十圓ニ滿タザルトキハ分類所得稅ヲ課セズ
戶主及其ノ同居家族ノ不動產所得ハ之ヲ合算シ其ノ總額ニ付前項ノ規定ヲ適用ス戶主ト別居スル二人以上ノ同居家族ノ不動產所得ニ付亦同ジ
第十五條 乙種ノ配當利子所得ハ百圓ニ滿タザルトキハ分類所得稅ヲ課セズ
第十六條 甲種ノ勤勞所得ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ年七百二十圓ノ割合ニ依リ給與ノ支給期間ニ應ジテ算出シタル金額ヲ其ノ給與ヨリ控除ス
同一ノ支拂者ヨリ賞與又ハ賞與ノ性質ヲ有スル給與ト其ノ他ノ給與トヲ併セ受クル者ニ在リテハ前項ノ控除ハ先ヅ賞與及賞與ノ性質ヲ有スル給與以外ノ給與ニ付之ヲ爲シ不足アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ賞與又ハ賞與ノ性質ヲ有スル給與ニ及ブ
二以上ノ支拂者ヨリ甲種ノ勤勞所得ヲ受クル者ニ付テハ前二項ノ規定ニ依ル控除ハ命令ノ定ムル所ニ依ル
第十七條 事業所得及乙種ノ勤勞所得ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ所得ヨリ左ノ金額ヲ控除ス
二 乙種ノ勤勞所得ニ付テハ七百二十圓事業所得ト乙種ノ勤勞所得トヲ有スル者ノ事業所得ニ付テハ前項第一號ノ規定ニ依ル控除ハ之ヲ爲サズ但シ乙種ノ勤勞所得ガ七百二十圓ニ滿タザルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ五百圓ト乙種ノ勤勞所得ノ七・二分ノ五ニ相當スル金額トノ差額ヲ事業所得ヨリ控除ス
第十八條 前年中ニ甲種ノ勤勞所得ニ付第十六條第一項ノ規定ニ依ル控除ヲ受ケタル者ノ事業所得又ハ乙種ノ勤勞所得ニ付テハ前條ノ規定ニ依ル控除ハ之ヲ爲サズ但シ前年中ニ甲種ノ勤勞所得ニ付第十六條第一項ノ規定ニ依リ控除シタル金額ガ七百二十圓ニ滿タザルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ所得ヨリ左ノ金額ヲ控除ス
一 事業所得ニ付テハ五百圓ト第十六條第一項ノ規定ニ依リ控除シタル金額ノ七・二分ノ五ニ相當スル金額トノ差額
二 乙種ノ勤勞所得ニ付テハ七百二十圓ト第十六條第一項ノ規定ニ依リ控除シタル金額トノ差額
三 前二號ノ所得ヲ併セ有スルトキハ其ノ所得ニ付テハ命令ノ定ムル金額
第十九條 同居ノ戶主及其ノ家族中二人以上ノ者ガ事業所得ヲ有スル場合ニ於テ前二條ノ規定ニ依リ其ノ事業所得ヨリ控除スベキ金額ハ總額ニ於テ五百圓ヲ超ユルコトヲ得ズ戶主ト別居スル二人以上ノ同居家族ノ事業所得ニ付亦同ジ
前項ノ規定ヲ適用スル場合ニ於テハ前二條ノ規定ニ依リ控除スベキ金額ハ命令ノ定ムル所ニ依リ納稅義務者ノ一人又ハ數人ノ所得ヨリ之ヲ控除ス
第二十條 山林ノ所得ニ付テハ其ノ所得ヨリ五百圓ヲ控除ス
第二十一條 分類所得稅ハ左ノ稅率ニ依リ之ヲ賦課ス
第六 退職所得
所得金額ヲ支拂者ノ異ナル每ニ左ノ各級ニ區分シ遞次ニ各稅率ヲ適用ス
銀行貯蓄預金、產業組合貯金其ノ他命令ヲ以テ定ムル預金ノ利子及產業組合、工業組合、商業組合等命令ヲ以テ定ムル法人ヨリ受クル剩餘金ノ分配ニ付テハ前項中配當利子所得甲種第三號ニ規定スル稅率百分ノ十ハ之ヲ百分ノ五トス
第十七條又ハ第十八條ノ規定ニ依ル控除前ノ事業所得ノ金額ガ千圓以下ナルトキハ第一項中甲種及乙種ノ事業所得ニ付規定スル稅率百分ノ八・五及百分ノ七・五ハ各之ヲ百分ノ六トス
戶主及其ノ同居家族ノ事業所得ハ之ヲ合算シ其ノ總額ニ付前項ノ規定ヲ適用ス戶主ト別居スル二人以上ノ同居家族ノ事業所得ニ付亦同ジ
第二十二條 第一條ノ規定ニ該當セザル個人又ハ本法施行地ニ本店若ハ主タル事務所ヲ有セザル法人ノ甲種ノ配當利子所得ニ對スル分類所得稅ハ前條ノ規定ニ拘ラズ左ノ稅率ニ依リ之ヲ賦課ス
三 前條第二項ニ規定スル預金ノ利子及剩餘金ノ分配 百分ノ十
第一條ノ規定ニ該當セザル個人ノ本法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ヨリ受クル利益又ハ剩餘金ノ處分タル賞與又ハ賞與ノ性質ヲ有スル給與ニ對スル分類所得稅ハ前條ノ規定ニ拘ラズ百分ノ十五ノ稅率ニ依リ之ヲ賦課ス
第二十三條 信託會社ガ其ノ引受ケタル合同運用信託ノ信託財產ニ付納付シタル甲種ノ配當利子所得ニ對スル分類所得稅額ハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該合同運用信託ノ利益ニ對スル分類所得稅額ヨリ之ヲ控除ス
前項ノ場合ニ於テ控除スベキ甲種ノ配當利子所得ニ對スル分類所得稅ハ甲種ノ配當利子所得ノ計算上當該合同運用信託ノ利益ニ之ヲ加算ス
第二十四條 甲種ノ勤勞所得ニ對スル分類所得稅ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ年一月一日現在ノ扶養家族一人ニ付年百五十圓ノ割合ニ依リ給與ノ支給期間ニ應ジテ算出シタル金額ノ百分ノ八ニ相當スル金額ヲ分類所得稅額ヨリ控除ス
同一ノ支拂者ヨリ賞與又ハ賞與ノ性質ヲ有スル給與ト其ノ他ノ給與トヲ併セ受クル者ニ在リテハ前項ノ控除ハ先ヅ賞與及賞與ノ性質ヲ有スル給與以外ノ給與ニ對スル分類所得稅ニ付之ヲ爲シ不足アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ賞與又ハ賞與ノ性質ヲ有スル給與ニ對スル分類所得稅ニ及ブ
二以上ノ支拂者ヨリ甲種ノ勤勞所得ヲ受クル者ニ付テハ前二項ノ規定ニ依ル控除ハ命令ノ定ムル所ニ依ル
第一項ノ扶養家族ガ前年中ニ甲種ノ勤勞所得ヲ有シ又ハ其ノ年分ノ事業所得、乙種ノ勤勞所得若ハ山林ノ所得ヲ有スル場合ニ於テ第十六條第一項、第十七條、第十八條又ハ第二十條第一項ノ規定ニ依リ此等ノ所得ヨリ控除スル金額ガ總額ニ於テ百五十圓ヲ超ユルトキハ其ノ扶養家族ニ付テハ第一項ノ規定ニ依ル控除ハ之ヲ爲サズ
第一項ノ扶養家族ニ付第二十五條第一項ノ規定ニ依ル控除ヲ爲ストキハ其ノ扶養家族ニ付テハ第一項ノ規定ニ依ル控除ハ之ヲ爲サズ
甲種ノ勤勞所得ヲ有スル者綜合所得稅ノ賦課ヲ受クル者ナルトキハ賦課ヲ受クル年ノ七月一日ヨリ翌年六月三十日迄ニ受クル給與ニ付テハ第一項ノ規定ニ依ル控除ハ之ヲ爲サズ
第二十五條 不動產所得、事業所得、乙種ノ勤勞所得又ハ山林ノ所得ニ對スル分類所得稅ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ年一月一日現在ノ扶養家族一人ニ付百五十圓ノ百分ノ八ニ相當スル金額ヲ分類所得稅額ヨリ控除ス
第一項ノ扶養家族ニ付前條第一項ノ規定ニ依ル控除ヲ爲ストキハ其ノ扶養家族ニ付テハ第一項ノ規定ニ依ル控除ハ之ヲ爲サズ
戶主及其ノ同居家族ノ分類所得稅ハ之ヲ合算シ其ノ總額ニ付第一項ノ規定ヲ適用ス戶主ト別居スル二人以上ノ同居家族ノ分類所得稅ニ付亦同ジ
前項ノ場合ニ於テ控除スベキ金額ハ命令ノ定ムル所ニ依リ納稅義務者ノ一人又ハ數人ノ分類所得稅額ヨリ之ヲ控除ス
第一項ノ所得ヲ有スル者綜合所得稅ノ賦課ヲ受クル者ナルトキハ同項ノ規定ニ依ル控除ハ之ヲ爲サズ
第二十六條 本法ニ於テ扶養家族トハ當該所得ヲ有スル者ノ同居ノ妻竝ニ同居ノ戶主及家族中年齡十八歲未滿若ハ六十歲以上又ハ不具癈疾ノ者ヲ謂フ
第二十六條ノ二 自己若ハ家族又ハ其ノ相續人ヲ保險金受取人トスル生命保險契約ノ爲ニ拂込ミタル保險料アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ保險料中年額二百圓以內ニ於テ命令ヲ以テ定ムル金額ノ百分ノ六ニ相當スル金額ヲ不動產所得、事業所得、勤勞所得又ハ山林ノ所得ニ對スル分類所得稅額ヨリ控除ス
第二十七條 第二十四條、第二十五條及前條ノ規定ハ第二條ノ規定ニ依ル納稅義務者ニハ之ヲ適用セズ