朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル商法中改正法律施行法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年四月四日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
外務大臣 廣田弘毅
海軍大臣 米內光政
司法大臣 鹽野季彥
陸軍大臣 杉山元
遞信大臣 永井柳太郞
大藏大臣 賀屋興宣
農林大臣 伯爵 有馬賴寧
商工大臣 吉野信次
鐵道大臣 中島知久平
拓務大臣 大谷尊由
文部大臣兼厚生大臣 侯爵 木戶幸一
內務大臣 末次信正
法律第七十三號
商法中改正法律施行法
第一條 本法ニ於テ新法トハ昭和十三年商法中改正法律ニ依ル改正規定ヲ謂ヒ舊法トハ從前ノ規定ヲ謂フ
第二條 新法ハ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外新法施行前ニ生ジタル事項ニモ亦之ヲ適用ス但シ舊法ニ依リテ生ジタル效力ヲ妨ゲズ
第三條 新法第八條ノ小商人トハ資本金額二千圓ニ滿タザル商人ニシテ會社ニ非ザル者ヲ謂フ
第四條 新法第十一條第二項ノ規定ハ新法施行前ニ登記シタル事項ニ付新法施行後公吿ヲ爲ス場合ニモ亦之ヲ適用ス
第五條 新法第十九條、第二十條第二項、第二十五條第一項及第五百二十七條第三項ニ揭グル市町村ハ市制又ハ町村制ヲ施行セザル地方ニ在リテハ之ニ準ズル區域トス
新法第十九條、第二十條第二項及第二十五條第一項ニ揭グル市ハ東京市、京都市、大阪市、橫濱市、神戶市及名古屋市ニ在リテハ其ノ各區トス
第六條 新法第二十二條ノ規定ハ新法施行前ニ商號ヲ使用シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第七條 新法第二十五條第二項ノ規定ノ適用ニ付テハ北海道及樺太ハ各之ヲ一府縣ト看做ス
第八條 新法第二十六條ノ規定ハ新法施行前ニ營業ノ讓渡アリタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第九條 新法第三十條ノ規定ハ商號ノ登記ヲ爲シタル者ガ新法施行前ヨリ商號ヲ使用セザル場合ニ於テハ新法施行ノ前後ノ期間ヲ通算シテ之ヲ適用ス
第十條 新法第五十八條第一項ノ規定ハ會社ガ新法施行前ヨリ開業ヲ爲サズ又ハ營業ヲ休止シタル場合ニ於テハ新法施行ノ前後ノ期間ヲ通算シテ之ヲ適用ス
第十一條 會社ガ新法施行前ニ成立シタル場合ニ於テハ其ノ設立ノ登記ニ付テハ舊法ヲ適用ス
前項ノ規定ハ新法施行前ニ支店ノ設置、本店若ハ支店ノ移轉、登記事項ノ變更又ハ會社ノ解散アリタル場合ノ登記ニ之ヲ準用ス
第十二條 新法施行前ニ舊法ニ依リテ設立ノ登記ヲ爲シタル會社ハ新法施行ノ日ヨリ六月內ニ、新法施行後舊法ニ依リテ設立ノ登記ヲ爲シタル會社ハ登記ノ日ヨリ六月內ニ會社ノ設立ニ付新法ニ依リ新ニ登記スベキモノト爲リタル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ會社ノ業務ヲ執行スル社員又ハ取締役ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第十三條 新法第八十六條乃至第八十八條ノ規定ハ新法施行前ニ生ジタル事由ニ基キ合名會社ノ社員ノ除名又ハ業務執行權若ハ代表權ノ喪失ノ宣吿ヲ請求スル場合ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ合資會社及株式合資會社ニ之ヲ準用ス
第十四條 新法第九十條及第九十一條ノ規定ハ新法施行前ニ合名會社ノ社員ノ持分ヲ差押ヘタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ合資會社及株式合資會社ニ之ヲ準用ス
第十五條 新法第九十五條又ハ第四百六條ノ規定ハ合名會社又ハ株式會社ガ新法施行前ニ解散シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ合資會社及株式合資會社ニ之ヲ準用ス
新法第九十七條ノ規定ハ合名會社ガ新法施行前ニ解散ノ登記ヲ爲シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ合資會社、株式會社及株式合資會社ニ之ヲ準用ス
第十六條 合併ヲ爲ス會社ノ全部ガ新法施行前ニ合併ノ決議ヲ爲シタル場合ニ於テハ其ノ合併ニ付テハ舊法ヲ適用ス
第十七條 新法第百條第一項若ハ第四百二十一條又ハ其ノ準用規定ニ依リ爲スベキ公吿ハ裁判所ガ爲スベキ登記事項ノ公吿ト同一ノ方法ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第十八條 新法施行前ニ爲シタル合併ニ付テハ新法施行ノ日ヨリ六月內ニ、新法施行後舊法ニ依リテ爲シタル合併ニ付テハ本店ノ所在地ニ於テ合併ニ關スル登記ヲ爲シタル日ヨリ六月內ニ限リ合併無效ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
第十九條 新法第百四條第三項、第百五條第三項第四項及第百六條乃至第百十一條ノ規定ハ新法第百四條第二項ニ揭グル者ガ新法施行前ニ提起シタル合併ノ無效確認ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス但シ其ノ訴ニ付爲シタル判決ガ新法施行前ニ確定シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ合資會社ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ハ新法第四百十五條ニ揭グル者ガ新法施行前ニ提起シタル合併ノ無效確認ノ訴ニ之ヲ準用ス
前二項ノ規定ハ株式合資會社ニ之ヲ準用ス
第二十條 合名會社ノ社員ガ新法施行前ニ會社ノ解散ヲ裁判所ニ請求シタル場合ニ於テモ新法施行後ハ裁判所ハ舊法ニ依リ會社ノ解散ニ代ヘテ或社員ヲ除名スルコトヲ得ズ
前項ノ規定ハ合資會社ニ之ヲ準用ス
第二十一條 合名會社、合資會社又ハ株式合資會社ガ新法施行前ニ組織變更ノ決議ヲ爲シタル場合ニ於テハ其ノ組織變更ニ付テハ舊法ヲ適用ス
第二十二條 會社ガ新法施行前ニ解散シタル場合ニ於テハ其ノ淸算ニ付テハ舊法ヲ適用ス
株式會社ノ解散ノ場合ニ於テ債權申出ノ期間ガ新法施行後ニ亙ルトキハ新法施行前ニ舊法ニ依リテ爲シタル手續ヲ除クノ外其ノ淸算ニ付テハ新法ヲ適用ス此ノ場合ニ於テハ淸算人ハ新法施行後遲滯ナク新法第四百十八條及策四百十九條第二項ニ定ムル手續ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ハ株式合資會社ニ之ヲ準用ス
第二十三條 前條第一項ノ場合ニ於テ業務ヲ執行スル社員又ハ取締役ガ淸算人ト爲リタルトキハ新法施行ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ新法第百二十三條第一項各號ニ揭グル事項ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ會社ノ業務ヲ執行スル社員又ハ取締役ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第二十四條 新法施行前ニ成立シタル會社ニ付テハ新法施行ノ日ヨリ六月內ニ限リ設立ノ無效又ハ取消ノ訴ヲ提起スルコトヲ得但シ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲シタル日ヨリ二年ノ期間ヲ經過セザルモノニ付テハ其ノ期間內ハ之ヲ提起スルコトヲ妨ゲズ
新法施行後舊法ニ依リテ成立シタル會社ニ付テハ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲シタル日ヨリ二年內ニ限リ設立無效ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
第二十五條 新法第百七條ノ規定ハ新法施行前ニ提起シタル合名會社ノ設立無效ノ訴ニモ亦之ヲ準用ス
前項ノ規定ハ合資會社、株式會社及株式合資會社ニ之ヲ準用ス
第二十六條 新法第百三十九條ノ規定ハ合名會社ノ設立ヲ無效トスル判決ガ新法施行前ニ確定シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ合資會社ニ之ヲ準用ス
第二十七條 新法第百四十九條第二項ノ規定ハ新法施行前ニ登記アリタル事項ニ付新法施行後公吿ヲ爲ス場合ニモ亦之ヲ適用ス
第二十八條 新法第百六十二條第一項但書ノ規定ハ合資會社ガ新法施行前ニ解散シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第二十九條 株式會社ガ新法第百六十六條第二項ニ定ムル公吿方法ト異ル定ヲ爲シタル場合ニ於テハ新法施行前ニ成立シタル會社ニ在リテハ新法施行ノ日ヨリ六月內ニ、新法施行後舊法ニ依リテ成立シタル會社ニ在リテハ成立ノ日ヨリ六月內ニ其ノ定款ヲ變更スルコトヲ要ス
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ會社ノ取締役ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第三十條 新法施行前ニ發起人ガ株式ノ總數ヲ引受ケ又ハ株式ノ募集ニ着手シタル場合ニ於テハ其ノ設立ニ付テハ舊法ヲ適用ス
新法施行前ニ發起人ガ株式ノ總數ヲ引受ケ又ハ株式ノ募集ニ着手シタルニ非ザル場合ニ於テハ新ニ新法ニ依リ定款ヲ作リ設立ノ手續ヲ爲スコトヲ要ス
第三十一條 新法第百九十一條ノ規定ハ株式會社ガ舊法ニ依リテ成立シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス但シ新法施行前ニ株式ノ引受ノ無效ヲ主張シ又ハ其ノ引受ヲ取消シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ舊法ニ依リテ爲シタル資本增加ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十二條 新法第百九十六條ノ規定ハ賠償責任ノ原因タル事實ガ新法施行前ニ生ジタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第三十三條 新法第百九十七條ノ規定ハ訴ノ原因タル事實ガ新法施行前ニ生ジタル場合ニモ亦之ヲ適用ス但シ訴提起ノ請求ハ新法施行ノ日ヨリ三月內ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
第四十三條ノ規定ハ新法施行前ニ發起人ニ對シテ提起シタル訴ニ之ヲ準用ス
第三十四條 新法第百九十八條ノ規定ハ新法施行前ニ同條ノ承諾アリタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第三十五條 新法第二百五條、第二百六條及第二百二十九條ノ規定ハ新法施行前ニ株券ヲ發行シタル株式ニモ亦之ヲ適用ス
第三十六條 新法第二百八條及第二百九條ノ規定ハ新法施行前ニ設定シタル質權ニモ亦之ヲ適用ス
第三十七條 新法施行前ニ自己ノ株式ヲ取得シ又ハ質權ノ目的トシテ之ヲ受ケタル株式會社ハ新法施行後遲滯ナク又ハ新法施行後相當ノ時期ニ於テ新法第二百十一條ノ規定ニ依ル株式失效ノ手續又ハ株式若ハ質權ノ處分ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ會社ノ取締役又ハ淸算人ヲ千圓以下ノ過料ニ處ス
第三十八條 株式會社ガ新法施行前ニ株金ノ拂込ヲ催吿シタル場合ニ於テハ其ノ拂込ニ關シテハ舊法第百五十二條第二項第三項及第百五十三條乃至第百五十四條ノ規定ヲ適用ス
前項ノ規定ハ新法第二百二十四條第三項ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ
第三十九條 新法第二百十九條第二項ノ規定ハ新法施行前ニ株式ヲ引受ケタル發起人ニハ之ヲ適用セズ
第四十條 新法第二百三十條第二項ノ規定ハ新法施行前ニ株券ヲ喪失シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第四十一條 新法第二百四十七條乃至第二百五十三條ノ規定ハ訴ノ原因タル事實ガ新法施行前ニ生ジタル場合ニモ亦之ヲ適用ス但シ新法第二百五十三條ノ訴ハ新法施行ノ日ヨリ一月內ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ創立總會ニ之ヲ準用ス
第四十二條 新法第二百五十一條又ハ第二百五十二條ノ規定ハ新法施行前ニ提起シタル決議無效又ハ決議無效確認ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス但シ其ノ訴ニ付爲シタル判決ガ新法施行前ニ確定シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ新法施行前ニ提起シタル創立總會ノ決議無效又ハ決議無效確認ノ訴ニ之ヲ準用ス
第四十三條 新法第二百六十七條第二項ノ規定ハ新法施行前ニ提起シタル訴ニモ亦之ヲ適用ス
第四十四條 新法第二百六十八條第一項ノ規定ハ新法施行前ニ株主總會ニ於テ取締役ニ對シテ訴ヲ提起スルコトヲ否決シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス此ノ場合ニ於テハ訴提起ノ請求ハ新法施行ノ日ヨリ三月內ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
新法第二百六十八條第三項ノ規定ハ新法施行前ニ提起シタル訴ニモ亦之ヲ適用ス
第四十五條 前二條ノ規定ハ監査役又ハ淸算人ニ對シテ提起スル訴ニ之ヲ準用ス
第四十六條 新法施行前ノ假處分ニ因リ新法施行ノ際職務ノ執行ヲ停止セラルル取締役又ハ其ノ職務ヲ代行スル者ニ付テハ新法第二百七十條第三項ノ規定ニ依リ其ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ハ新法施行ノ際職務ノ執行ヲ停止セラルル監査役若ハ淸算人又ハ其ノ職務ヲ代行スル者ニ之ヲ準用ス
第四十七條 新法第二百七十一條ノ規定ハ新法施行前ニ選任シタル取締役ノ職務代行者ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ淸算人ノ職務代行者ニ之ヲ準用ス
第四十八條 新法施行ノ際舊法第百八十四條第一項但書ノ規定ニ依リ取締役ノ職務ヲ行フ監査役ニ付テハ新法施行ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ新法第二百七十六條第二項ノ規定ニ依リ其ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ハ新法施行ノ際淸算人ノ職務ヲ行フ監査役ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ會社ノ取締役及其ノ職務ヲ行フ監査役ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス第二項ノ規定ニ違反シタルトキ其ノ會社ノ淸算人及其ノ職務ヲ行フ監査役ニ付亦同ジ
第四十九條 株式會社ノ財產目錄、貸借對照表及損益計算書ノ記載方法其ノ他ノ樣式ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十條 新法第二百八十一條又ハ第四百二十條ニ揭グル書類ハ新法施行前ニ株主總會招集ノ通知ヲ發シタル場合ニ於テハ舊法ニ依リ之ヲ提出スルヲ以テ足ル
第五十一條 新法第二百八十一條又ハ第四百二十條ニ揭グル書類及監査役ノ報吿書ハ新法施行前ニ株主總會招集ノ通知ヲ發シタル場合ニ於テハ舊法ニ依リ之ヲ備置クヲ以テ足ル
第五十二條 株式會社ガ新法施行前ニ新法第二百八十六條ニ揭グル金額又ハ稅額ヲ貸借對照表ノ資產ノ部ニ計上シタル場合ニ於テハ新法施行ノ日ヨリ五年內ニ、若シ新法施行後利息ノ配當ヲ止メタルトキハ之ヲ止メタル後五年內ニ同條ノ規定ニ依リ償却ヲ爲スコトヲ要ス
第五十三條 株式會社ガ新法施行前ニ新法第二百八十七條ノ差額又ハ新法第二百九十一條ノ配當金額ヲ貸借對照表ノ資產ノ部ニ計上シタル場合ニ於テハ新法第二百八十七條又ハ第二百九十一條第三項ノ規定ニ依リ償却ヲ爲スコトヲ要ス
第五十四條 新法第二百九十五條ノ規定ハ新法施行前ニ生ジタル債權ニモ亦之ヲ適用ス
第五十五條 株式會社ガ新法施行前ニ社債募集ノ決議ヲ爲シタル場合ニ於テハ其ノ社債ノ募集ニ付テハ舊法ヲ適用ス
第五十六條 銀行又ハ信託會社ニ非ザレバ社債募集ノ委託ヲ受ケ又ハ新法第三百十四條ノ事務承繼者ト爲ルコトヲ得ズ
前項ノ規定ハ新法施行前ニ社債募集ノ委託ヲ受ケタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第五十七條 新法第三百九條乃至第三百十四條ノ規定ハ新法施行前ニ社債募集ノ委託ヲ受ケタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第五十八條 新法第三百十六條ノ規定ハ新法施行前ニ生ジタル債權ニモ亦之ヲ適用ス
第五十九條 新法第二編第四章第五節第二款ノ規定ハ社債募集ノ委託ヲ受ケタル者ノ事務處理ニ關スルモノヲ除クノ外舊法ニ依リテ募集シタル社債ニモ亦之ヲ適用ス
第六十條 新法第三百二十條第四項若ハ第三百二十一條第二項又ハ其ノ準用規定ニ依リ爲スベキ供託ハ供託局ニ之ヲ爲サザル場合ニ於テハ司法大臣ノ指定スル銀行又ハ信託會社ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
第六十一條 社債權者集會ノ招集、償還額ノ支拂又ハ償還ニ關スル社債權者集會ノ決議ノ執行ニ當リ爲スベキ公吿ハ社債ヲ發行シタル會社ノ定款ニ定ムル公吿方法ニ依ルコトヲ要ス
第六十二條 新法施行前ニ資本增加ノ爲株式ノ募集ニ着手シタル場合ニ於テハ其ノ資本增加ニ付テハ舊法ヲ適用ス
第六十三條 株式會社ガ新法施行前ニ資本減少ノ決議ヲ爲シタル場合ニ於テハ其ノ資本減少ニ付テハ舊法ヲ適用ス
新法第三百七十六條第三項ノ規定ハ舊法ニ依ル資本ノ減少ニ於テ債權者ノ異議ヲ述ブベキ期間ガ新法施行後ニ亙ル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第六十四條 新法施行前ニ爲シタル資本ノ增加又ハ減少ニ付テハ新法施行ノ日ヨリ六月內ニ、新法施行後舊法ニ依リテ爲シタル資本ノ增加又ハ減少ニ付テハ本店ノ所在地ニ於テ資本ノ增加又ハ減少ノ登記ヲ爲シタル日ヨリ六月內ニ限リ其ノ無效ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
第六十五條 新法第三百七十二條乃至第三百七十四條又ハ第三百八十條第三項ノ規定ハ新法第三百七十一條第二項又ハ第三百八十條第二項ニ揭グル者ガ新法施行前ニ提起シタル資本ノ增加又ハ減少ノ無效確認ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス但シ其ノ訴ニ付爲シタル判決ガ新法施行前ニ確定シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第六十六條 第六十三條第二項ノ規定ハ株式會社ノ合併ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十七條 合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立シタル會社ニ新法施行ノ際合併ニ因リテ承繼シタル社債アルトキハ新法施行ノ日ヨリ一月內ニ新法第四百十四條第二項ノ規定ニ依リ社債ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ會社ノ取締役ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第六十八條 第二十九條乃至前條ノ規定ハ株式合資會社ニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テ取締役トアルハ業務ヲ執行スル社員トス
第六十九條 新法第四百七十一條ノ規定ハ株式合資會社ガ新法施行前ニ解散シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第七十條 新法第四百八十四條第一項ノ規定ハ外國會社ノ日本ニ於ケル支店ガ新法施行前ヨリ開業ヲ爲サズ又ハ營業ヲ休止シタル場合ニ於テハ新法施行ノ前後ノ期間ヲ通算シテ之ヲ適用ス
第七十一條 新法第四百八十五條ノ規定ハ新法施行前ニ外國會社ノ支店ニ對シテ其ノ閉鎖ヲ命ジ又ハ外國會社ガ其ノ支店ヲ閉鎖シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第七十二條 新法施行前ニ舊法第十八條第二項及第二編第七章ノ規定ヲ適用スベキ行爲アリタルトキハ新法施行後ト雖モ其ノ規定ヲ適用ス
新法施行後舊法ニ依ルベキ場合ニ於テ舊法第二編第七章ノ規定ヲ適用スベキ行爲アリタルトキハ新法第二編第七章ノ規定ヲ適用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
商法施行法第七條、第十四條、第十六條及第三十三條ノ規定ハ之ヲ削除ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル商法中改正法律施行法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年四月四日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
外務大臣 広田弘毅
海軍大臣 米内光政
司法大臣 塩野季彦
陸軍大臣 杉山元
逓信大臣 永井柳太郎
大蔵大臣 賀屋興宣
農林大臣 伯爵 有馬頼寧
商工大臣 吉野信次
鉄道大臣 中島知久平
拓務大臣 大谷尊由
文部大臣兼厚生大臣 侯爵 木戸幸一
内務大臣 末次信正
法律第七十三号
商法中改正法律施行法
第一条 本法ニ於テ新法トハ昭和十三年商法中改正法律ニ依ル改正規定ヲ謂ヒ旧法トハ従前ノ規定ヲ謂フ
第二条 新法ハ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外新法施行前ニ生ジタル事項ニモ亦之ヲ適用ス但シ旧法ニ依リテ生ジタル効力ヲ妨ゲズ
第三条 新法第八条ノ小商人トハ資本金額二千円ニ満タザル商人ニシテ会社ニ非ザル者ヲ謂フ
第四条 新法第十一条第二項ノ規定ハ新法施行前ニ登記シタル事項ニ付新法施行後公告ヲ為ス場合ニモ亦之ヲ適用ス
第五条 新法第十九条、第二十条第二項、第二十五条第一項及第五百二十七条第三項ニ掲グル市町村ハ市制又ハ町村制ヲ施行セザル地方ニ在リテハ之ニ準ズル区域トス
新法第十九条、第二十条第二項及第二十五条第一項ニ掲グル市ハ東京市、京都市、大阪市、横浜市、神戸市及名古屋市ニ在リテハ其ノ各区トス
第六条 新法第二十二条ノ規定ハ新法施行前ニ商号ヲ使用シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第七条 新法第二十五条第二項ノ規定ノ適用ニ付テハ北海道及樺太ハ各之ヲ一府県ト看做ス
第八条 新法第二十六条ノ規定ハ新法施行前ニ営業ノ譲渡アリタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第九条 新法第三十条ノ規定ハ商号ノ登記ヲ為シタル者ガ新法施行前ヨリ商号ヲ使用セザル場合ニ於テハ新法施行ノ前後ノ期間ヲ通算シテ之ヲ適用ス
第十条 新法第五十八条第一項ノ規定ハ会社ガ新法施行前ヨリ開業ヲ為サズ又ハ営業ヲ休止シタル場合ニ於テハ新法施行ノ前後ノ期間ヲ通算シテ之ヲ適用ス
第十一条 会社ガ新法施行前ニ成立シタル場合ニ於テハ其ノ設立ノ登記ニ付テハ旧法ヲ適用ス
前項ノ規定ハ新法施行前ニ支店ノ設置、本店若ハ支店ノ移転、登記事項ノ変更又ハ会社ノ解散アリタル場合ノ登記ニ之ヲ準用ス
第十二条 新法施行前ニ旧法ニ依リテ設立ノ登記ヲ為シタル会社ハ新法施行ノ日ヨリ六月内ニ、新法施行後旧法ニ依リテ設立ノ登記ヲ為シタル会社ハ登記ノ日ヨリ六月内ニ会社ノ設立ニ付新法ニ依リ新ニ登記スベキモノト為リタル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ会社ノ業務ヲ執行スル社員又ハ取締役ヲ五百円以下ノ過料ニ処ス
第十三条 新法第八十六条乃至第八十八条ノ規定ハ新法施行前ニ生ジタル事由ニ基キ合名会社ノ社員ノ除名又ハ業務執行権若ハ代表権ノ喪失ノ宣告ヲ請求スル場合ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ合資会社及株式合資会社ニ之ヲ準用ス
第十四条 新法第九十条及第九十一条ノ規定ハ新法施行前ニ合名会社ノ社員ノ持分ヲ差押ヘタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ合資会社及株式合資会社ニ之ヲ準用ス
第十五条 新法第九十五条又ハ第四百六条ノ規定ハ合名会社又ハ株式会社ガ新法施行前ニ解散シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ合資会社及株式合資会社ニ之ヲ準用ス
新法第九十七条ノ規定ハ合名会社ガ新法施行前ニ解散ノ登記ヲ為シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ合資会社、株式会社及株式合資会社ニ之ヲ準用ス
第十六条 合併ヲ為ス会社ノ全部ガ新法施行前ニ合併ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テハ其ノ合併ニ付テハ旧法ヲ適用ス
第十七条 新法第百条第一項若ハ第四百二十一条又ハ其ノ準用規定ニ依リ為スベキ公告ハ裁判所ガ為スベキ登記事項ノ公告ト同一ノ方法ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス
第十八条 新法施行前ニ為シタル合併ニ付テハ新法施行ノ日ヨリ六月内ニ、新法施行後旧法ニ依リテ為シタル合併ニ付テハ本店ノ所在地ニ於テ合併ニ関スル登記ヲ為シタル日ヨリ六月内ニ限リ合併無効ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
第十九条 新法第百四条第三項、第百五条第三項第四項及第百六条乃至第百十一条ノ規定ハ新法第百四条第二項ニ掲グル者ガ新法施行前ニ提起シタル合併ノ無効確認ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス但シ其ノ訴ニ付為シタル判決ガ新法施行前ニ確定シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ合資会社ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ハ新法第四百十五条ニ掲グル者ガ新法施行前ニ提起シタル合併ノ無効確認ノ訴ニ之ヲ準用ス
前二項ノ規定ハ株式合資会社ニ之ヲ準用ス
第二十条 合名会社ノ社員ガ新法施行前ニ会社ノ解散ヲ裁判所ニ請求シタル場合ニ於テモ新法施行後ハ裁判所ハ旧法ニ依リ会社ノ解散ニ代ヘテ或社員ヲ除名スルコトヲ得ズ
前項ノ規定ハ合資会社ニ之ヲ準用ス
第二十一条 合名会社、合資会社又ハ株式合資会社ガ新法施行前ニ組織変更ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テハ其ノ組織変更ニ付テハ旧法ヲ適用ス
第二十二条 会社ガ新法施行前ニ解散シタル場合ニ於テハ其ノ清算ニ付テハ旧法ヲ適用ス
株式会社ノ解散ノ場合ニ於テ債権申出ノ期間ガ新法施行後ニ亘ルトキハ新法施行前ニ旧法ニ依リテ為シタル手続ヲ除クノ外其ノ清算ニ付テハ新法ヲ適用ス此ノ場合ニ於テハ清算人ハ新法施行後遅滞ナク新法第四百十八条及策四百十九条第二項ニ定ムル手続ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ規定ハ株式合資会社ニ之ヲ準用ス
第二十三条 前条第一項ノ場合ニ於テ業務ヲ執行スル社員又ハ取締役ガ清算人ト為リタルトキハ新法施行ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間内ニ新法第百二十三条第一項各号ニ掲グル事項ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ会社ノ業務ヲ執行スル社員又ハ取締役ヲ五百円以下ノ過料ニ処ス
第二十四条 新法施行前ニ成立シタル会社ニ付テハ新法施行ノ日ヨリ六月内ニ限リ設立ノ無効又ハ取消ノ訴ヲ提起スルコトヲ得但シ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為シタル日ヨリ二年ノ期間ヲ経過セザルモノニ付テハ其ノ期間内ハ之ヲ提起スルコトヲ妨ゲズ
新法施行後旧法ニ依リテ成立シタル会社ニ付テハ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為シタル日ヨリ二年内ニ限リ設立無効ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
第二十五条 新法第百七条ノ規定ハ新法施行前ニ提起シタル合名会社ノ設立無効ノ訴ニモ亦之ヲ準用ス
前項ノ規定ハ合資会社、株式会社及株式合資会社ニ之ヲ準用ス
第二十六条 新法第百三十九条ノ規定ハ合名会社ノ設立ヲ無効トスル判決ガ新法施行前ニ確定シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ合資会社ニ之ヲ準用ス
第二十七条 新法第百四十九条第二項ノ規定ハ新法施行前ニ登記アリタル事項ニ付新法施行後公告ヲ為ス場合ニモ亦之ヲ適用ス
第二十八条 新法第百六十二条第一項但書ノ規定ハ合資会社ガ新法施行前ニ解散シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第二十九条 株式会社ガ新法第百六十六条第二項ニ定ムル公告方法ト異ル定ヲ為シタル場合ニ於テハ新法施行前ニ成立シタル会社ニ在リテハ新法施行ノ日ヨリ六月内ニ、新法施行後旧法ニ依リテ成立シタル会社ニ在リテハ成立ノ日ヨリ六月内ニ其ノ定款ヲ変更スルコトヲ要ス
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ会社ノ取締役ヲ五百円以下ノ過料ニ処ス
第三十条 新法施行前ニ発起人ガ株式ノ総数ヲ引受ケ又ハ株式ノ募集ニ着手シタル場合ニ於テハ其ノ設立ニ付テハ旧法ヲ適用ス
新法施行前ニ発起人ガ株式ノ総数ヲ引受ケ又ハ株式ノ募集ニ着手シタルニ非ザル場合ニ於テハ新ニ新法ニ依リ定款ヲ作リ設立ノ手続ヲ為スコトヲ要ス
第三十一条 新法第百九十一条ノ規定ハ株式会社ガ旧法ニ依リテ成立シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス但シ新法施行前ニ株式ノ引受ノ無効ヲ主張シ又ハ其ノ引受ヲ取消シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ旧法ニ依リテ為シタル資本増加ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十二条 新法第百九十六条ノ規定ハ賠償責任ノ原因タル事実ガ新法施行前ニ生ジタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第三十三条 新法第百九十七条ノ規定ハ訴ノ原因タル事実ガ新法施行前ニ生ジタル場合ニモ亦之ヲ適用ス但シ訴提起ノ請求ハ新法施行ノ日ヨリ三月内ニ之ヲ為スコトヲ要ス
第四十三条ノ規定ハ新法施行前ニ発起人ニ対シテ提起シタル訴ニ之ヲ準用ス
第三十四条 新法第百九十八条ノ規定ハ新法施行前ニ同条ノ承諾アリタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第三十五条 新法第二百五条、第二百六条及第二百二十九条ノ規定ハ新法施行前ニ株券ヲ発行シタル株式ニモ亦之ヲ適用ス
第三十六条 新法第二百八条及第二百九条ノ規定ハ新法施行前ニ設定シタル質権ニモ亦之ヲ適用ス
第三十七条 新法施行前ニ自己ノ株式ヲ取得シ又ハ質権ノ目的トシテ之ヲ受ケタル株式会社ハ新法施行後遅滞ナク又ハ新法施行後相当ノ時期ニ於テ新法第二百十一条ノ規定ニ依ル株式失効ノ手続又ハ株式若ハ質権ノ処分ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ会社ノ取締役又ハ清算人ヲ千円以下ノ過料ニ処ス
第三十八条 株式会社ガ新法施行前ニ株金ノ払込ヲ催告シタル場合ニ於テハ其ノ払込ニ関シテハ旧法第百五十二条第二項第三項及第百五十三条乃至第百五十四条ノ規定ヲ適用ス
前項ノ規定ハ新法第二百二十四条第三項ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ
第三十九条 新法第二百十九条第二項ノ規定ハ新法施行前ニ株式ヲ引受ケタル発起人ニハ之ヲ適用セズ
第四十条 新法第二百三十条第二項ノ規定ハ新法施行前ニ株券ヲ喪失シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第四十一条 新法第二百四十七条乃至第二百五十三条ノ規定ハ訴ノ原因タル事実ガ新法施行前ニ生ジタル場合ニモ亦之ヲ適用ス但シ新法第二百五十三条ノ訴ハ新法施行ノ日ヨリ一月内ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ創立総会ニ之ヲ準用ス
第四十二条 新法第二百五十一条又ハ第二百五十二条ノ規定ハ新法施行前ニ提起シタル決議無効又ハ決議無効確認ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス但シ其ノ訴ニ付為シタル判決ガ新法施行前ニ確定シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ新法施行前ニ提起シタル創立総会ノ決議無効又ハ決議無効確認ノ訴ニ之ヲ準用ス
第四十三条 新法第二百六十七条第二項ノ規定ハ新法施行前ニ提起シタル訴ニモ亦之ヲ適用ス
第四十四条 新法第二百六十八条第一項ノ規定ハ新法施行前ニ株主総会ニ於テ取締役ニ対シテ訴ヲ提起スルコトヲ否決シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス此ノ場合ニ於テハ訴提起ノ請求ハ新法施行ノ日ヨリ三月内ニ之ヲ為スコトヲ要ス
新法第二百六十八条第三項ノ規定ハ新法施行前ニ提起シタル訴ニモ亦之ヲ適用ス
第四十五条 前二条ノ規定ハ監査役又ハ清算人ニ対シテ提起スル訴ニ之ヲ準用ス
第四十六条 新法施行前ノ仮処分ニ因リ新法施行ノ際職務ノ執行ヲ停止セラルル取締役又ハ其ノ職務ヲ代行スル者ニ付テハ新法第二百七十条第三項ノ規定ニ依リ其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ規定ハ新法施行ノ際職務ノ執行ヲ停止セラルル監査役若ハ清算人又ハ其ノ職務ヲ代行スル者ニ之ヲ準用ス
第四十七条 新法第二百七十一条ノ規定ハ新法施行前ニ選任シタル取締役ノ職務代行者ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ清算人ノ職務代行者ニ之ヲ準用ス
第四十八条 新法施行ノ際旧法第百八十四条第一項但書ノ規定ニ依リ取締役ノ職務ヲ行フ監査役ニ付テハ新法施行ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間内ニ新法第二百七十六条第二項ノ規定ニ依リ其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ規定ハ新法施行ノ際清算人ノ職務ヲ行フ監査役ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ会社ノ取締役及其ノ職務ヲ行フ監査役ヲ五百円以下ノ過料ニ処ス第二項ノ規定ニ違反シタルトキ其ノ会社ノ清算人及其ノ職務ヲ行フ監査役ニ付亦同ジ
第四十九条 株式会社ノ財産目録、貸借対照表及損益計算書ノ記載方法其ノ他ノ様式ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十条 新法第二百八十一条又ハ第四百二十条ニ掲グル書類ハ新法施行前ニ株主総会招集ノ通知ヲ発シタル場合ニ於テハ旧法ニ依リ之ヲ提出スルヲ以テ足ル
第五十一条 新法第二百八十一条又ハ第四百二十条ニ掲グル書類及監査役ノ報告書ハ新法施行前ニ株主総会招集ノ通知ヲ発シタル場合ニ於テハ旧法ニ依リ之ヲ備置クヲ以テ足ル
第五十二条 株式会社ガ新法施行前ニ新法第二百八十六条ニ掲グル金額又ハ税額ヲ貸借対照表ノ資産ノ部ニ計上シタル場合ニ於テハ新法施行ノ日ヨリ五年内ニ、若シ新法施行後利息ノ配当ヲ止メタルトキハ之ヲ止メタル後五年内ニ同条ノ規定ニ依リ償却ヲ為スコトヲ要ス
第五十三条 株式会社ガ新法施行前ニ新法第二百八十七条ノ差額又ハ新法第二百九十一条ノ配当金額ヲ貸借対照表ノ資産ノ部ニ計上シタル場合ニ於テハ新法第二百八十七条又ハ第二百九十一条第三項ノ規定ニ依リ償却ヲ為スコトヲ要ス
第五十四条 新法第二百九十五条ノ規定ハ新法施行前ニ生ジタル債権ニモ亦之ヲ適用ス
第五十五条 株式会社ガ新法施行前ニ社債募集ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テハ其ノ社債ノ募集ニ付テハ旧法ヲ適用ス
第五十六条 銀行又ハ信託会社ニ非ザレバ社債募集ノ委託ヲ受ケ又ハ新法第三百十四条ノ事務承継者ト為ルコトヲ得ズ
前項ノ規定ハ新法施行前ニ社債募集ノ委託ヲ受ケタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第五十七条 新法第三百九条乃至第三百十四条ノ規定ハ新法施行前ニ社債募集ノ委託ヲ受ケタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第五十八条 新法第三百十六条ノ規定ハ新法施行前ニ生ジタル債権ニモ亦之ヲ適用ス
第五十九条 新法第二編第四章第五節第二款ノ規定ハ社債募集ノ委託ヲ受ケタル者ノ事務処理ニ関スルモノヲ除クノ外旧法ニ依リテ募集シタル社債ニモ亦之ヲ適用ス
第六十条 新法第三百二十条第四項若ハ第三百二十一条第二項又ハ其ノ準用規定ニ依リ為スベキ供託ハ供託局ニ之ヲ為サザル場合ニ於テハ司法大臣ノ指定スル銀行又ハ信託会社ニ之ヲ為スコトヲ要ス
第六十一条 社債権者集会ノ招集、償還額ノ支払又ハ償還ニ関スル社債権者集会ノ決議ノ執行ニ当リ為スベキ公告ハ社債ヲ発行シタル会社ノ定款ニ定ムル公告方法ニ依ルコトヲ要ス
第六十二条 新法施行前ニ資本増加ノ為株式ノ募集ニ着手シタル場合ニ於テハ其ノ資本増加ニ付テハ旧法ヲ適用ス
第六十三条 株式会社ガ新法施行前ニ資本減少ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テハ其ノ資本減少ニ付テハ旧法ヲ適用ス
新法第三百七十六条第三項ノ規定ハ旧法ニ依ル資本ノ減少ニ於テ債権者ノ異議ヲ述ブベキ期間ガ新法施行後ニ亘ル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第六十四条 新法施行前ニ為シタル資本ノ増加又ハ減少ニ付テハ新法施行ノ日ヨリ六月内ニ、新法施行後旧法ニ依リテ為シタル資本ノ増加又ハ減少ニ付テハ本店ノ所在地ニ於テ資本ノ増加又ハ減少ノ登記ヲ為シタル日ヨリ六月内ニ限リ其ノ無効ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
第六十五条 新法第三百七十二条乃至第三百七十四条又ハ第三百八十条第三項ノ規定ハ新法第三百七十一条第二項又ハ第三百八十条第二項ニ掲グル者ガ新法施行前ニ提起シタル資本ノ増加又ハ減少ノ無効確認ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス但シ其ノ訴ニ付為シタル判決ガ新法施行前ニ確定シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第六十六条 第六十三条第二項ノ規定ハ株式会社ノ合併ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十七条 合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立シタル会社ニ新法施行ノ際合併ニ因リテ承継シタル社債アルトキハ新法施行ノ日ヨリ一月内ニ新法第四百十四条第二項ノ規定ニ依リ社債ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ其ノ会社ノ取締役ヲ五百円以下ノ過料ニ処ス
第六十八条 第二十九条乃至前条ノ規定ハ株式合資会社ニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テ取締役トアルハ業務ヲ執行スル社員トス
第六十九条 新法第四百七十一条ノ規定ハ株式合資会社ガ新法施行前ニ解散シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第七十条 新法第四百八十四条第一項ノ規定ハ外国会社ノ日本ニ於ケル支店ガ新法施行前ヨリ開業ヲ為サズ又ハ営業ヲ休止シタル場合ニ於テハ新法施行ノ前後ノ期間ヲ通算シテ之ヲ適用ス
第七十一条 新法第四百八十五条ノ規定ハ新法施行前ニ外国会社ノ支店ニ対シテ其ノ閉鎖ヲ命ジ又ハ外国会社ガ其ノ支店ヲ閉鎖シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第七十二条 新法施行前ニ旧法第十八条第二項及第二編第七章ノ規定ヲ適用スベキ行為アリタルトキハ新法施行後ト雖モ其ノ規定ヲ適用ス
新法施行後旧法ニ依ルベキ場合ニ於テ旧法第二編第七章ノ規定ヲ適用スベキ行為アリタルトキハ新法第二編第七章ノ規定ヲ適用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
商法施行法第七条、第十四条、第十六条及第三十三条ノ規定ハ之ヲ削除ス