商法中左ノ通改正ス
目次第一編及第二編ヲ左ノ如ク改メ第四編ヲ削リ第五編ヲ第四編トス
第一編及第二編(第一條乃至第二百六十二條ノ三)ヲ左ノ如ク改メ第四編ヲ削リ第五編ヲ第四編トス
第一編 總則
第一章 法例
第一條 商事ニ關シ本法ニ規定ナキモノニ付テハ商慣習法ヲ適用シ商慣習法ナキトキハ民法ヲ適用ス
第二條 公法人ノ商行爲ニ付テハ法令ニ別段ノ定ナキトキニ限リ本法ヲ適用ス
第三條 當事者ノ一方ノ爲ニ商行爲タル行爲ニ付テハ本法ヲ雙方ニ適用ス
當事者ノ一方ガ數人アル場合ニ於テ其ノ一人ノ爲ニ商行爲タル行爲ニ付テハ本法ヲ其ノ全員ニ適用ス
第二章 商人
第四條 本法ニ於テ商人トハ自己ノ名ヲ以テ商行爲ヲ爲スヲ業トスル者ヲ謂フ
店舖其ノ他之ニ類似スル設備ニ依リテ物品ノ販賣ヲ爲スヲ業トスル者又ハ鑛業若ハ砂鑛業ヲ營ム者ハ商行爲ヲ爲スヲ業トセザルモ之ヲ商人ト看做ス第五十二條第二項ノ會社亦同ジ
第五條 未成年者又ハ妻ガ前條ノ營業ヲ爲ストキハ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第六條 會社ノ無限責任社員ト爲ルコトヲ許サレタル未成年者又ハ妻ハ社員タル資格ニ基ク行爲ニ關シテハ之ヲ能力者ト看做ス
第七條 法定代理人ガ親族會ノ同意ヲ得テ無能力者ノ爲ニ第四條ノ營業ヲ爲ストキハ登記ヲ爲スコトヲ要ス
法定代理人ノ代理權ニ加ヘタル制限ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第八條 本法中商業登記、商號及商業帳簿ニ關スル規定ハ小商人ニハ之ヲ適用セズ
第三章 商業登記
第九條 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ當事者ノ請求ニ依リ其ノ營業所ノ所在地ヲ管轄スル裁判所ニ備ヘタル商業登記簿ニ之ヲ登記ス
第十條 本店ノ所在地ニ於テ登記スベキ事項ハ本法ニ別段ノ定ナキトキハ支店ノ所在地ニ於テモ亦之ヲ登記スルコトヲ要ス
第十一條 登記シタル事項ハ裁判所ニ於テ遲滯ナク之ヲ公吿スルコトヲ要ス
公吿ガ登記ト相違スルトキハ公吿ナカリシモノト看做ス
第十二條 登記スベキ事項ハ登記及公吿ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ登記及公吿ノ後ト雖モ第三者ガ正當ノ事由ニ因リテ之ヲ知ラザリシトキ亦同ジ
第十三條 支店ノ所在地ニ於テ登記スベキ事項ヲ登記セザリシトキハ前條ノ規定ハ其ノ支店ニ於テ爲シタル取引ニ付テノミ之ヲ適用ス
第十四條 故意又ハ過失ニ因リ不實ノ事項ヲ登記シタル者ハ其ノ事項ノ不實ナルコトヲ以テ善意ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第十五條 登記シタル事項ニ變更ヲ生ジ又ハ其ノ事項ガ消滅シタルトキハ當事者ハ遲滯ナク變更又ハ消滅ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第四章 商號
第十六條 商人ハ其ノ氏、氏名其ノ他ノ名稱ヲ以テ商號ト爲スコトヲ得
第十七條 會社ノ商號中ニハ其ノ種類ニ從ヒ合名會社、合資會社、株式會社又ハ株式合資會社ナル文字ヲ用フルコトヲ要ス
第十八條 會社ニ非ズシテ商號中ニ會社タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フルコトヲ得ズ會社ノ營業ヲ讓受ケタルトキト雖モ亦同ジ
第十九條 他人ガ登記シタル商號ハ同市町村內ニ於テ同一ノ營業ノ爲ニ之ヲ登記スルコトヲ得ズ
第二十條 商號ノ登記ヲ爲シタル者ハ不正ノ競爭ノ目的ヲ以テ同一又ハ類似ノ商號ヲ使用スル者ニ對シテ其ノ使用ヲ止ムベキコトヲ請求スルコトヲ得但シ損害賠償ノ請求ヲ妨ゲズ
同市町村內ニ於テ同一ノ營業ノ爲ニ他人ノ登記シタル商號ヲ使用スル者ハ不正ノ競爭ノ目的ヲ以テ之ヲ使用スルモノト推定ス
第二十一條 何人ト雖モ不正ノ目的ヲ以テ他人ノ營業ナリト誤認セシムベキ商號ヲ使用スルコトヲ得ズ
前項ノ規定ニ違反シテ商號ヲ使用スル者アルトキハ之ニ因リテ利益ヲ害セラルル虞アル者ハ其ノ使用ヲ止ムベキコトヲ請求スルコトヲ得但シ損害賠償ノ請求ヲ妨ゲズ
第二十二條 不正ノ競爭ノ目的ヲ以テ第二十條第一項ノ商號ヲ使用シタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス前條第一項ノ規定ニ違反シタル者亦同ジ
第二十三條 自己ノ氏、氏名又ハ商號ヲ使用シテ營業ヲ爲スコトヲ他人ニ許諾シタル者ハ自己ヲ營業主ナリト誤認シテ取引ヲ爲シタル者ニ對シ其ノ取引ニ因リテ生ジタル債務ニ付其ノ他人ト連帶シテ辨濟ノ責ニ任ズ
第二十四條 商號ハ營業ト共ニスル場合又ハ營業ヲ廢止スル場合ニ限リ之ヲ讓渡スコトヲ得
商號ノ讓渡ハ其ノ登記ヲ爲スニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第二十五條 營業ヲ讓渡シタル場合ニ於テ當事者ガ別段ノ意思ヲ表示セザリシトキハ讓渡人ハ同市町村及隣接市町村內ニ於テ二十年間同一ノ營業ヲ爲スコトヲ得ズ
讓渡人ガ同一ノ營業ヲ爲サザル特約ヲ爲シタルトキハ其ノ特約ハ同府縣及隣接府縣內且三十年ヲ超エザル範圍內ニ於テノミ其ノ效力ヲ有ス
讓渡人ハ前二項ノ規定ニ拘ラズ不正ノ競爭ノ目的ヲ以テ同一ノ營業ヲ爲スコトヲ得ズ
第二十六條 營業ノ讓受人ガ讓渡人ノ商號ヲ續用スル場合ニ於テハ讓渡人ノ營業ニ因リテ生ジタル債務ニ付テハ讓受人モ亦其ノ辨濟ノ責ニ任ズ
前項ノ規定ハ營業ノ讓渡後遲滯ナク讓受人ガ讓渡人ノ債務ニ付責ニ任ゼザル旨ヲ登記シタル場合ニハ之ヲ適用セズ營業ノ讓渡後遲滯ナク讓渡人及讓受人ヨリ第三者ニ對シ其ノ旨ノ通知ヲ爲シタル場合ニ於テ其ノ通知ヲ受ケタル第三者ニ付亦同ジ
第二十七條 前條第一項ノ場合ニ於テ讓渡人ノ營業ニ因リテ生ジタル債權ニ付讓受人ニ爲シタル辨濟ハ辨濟者ガ善意ニシテ且重大ナル過失ナカリシトキニ限リ其ノ效力ヲ有ス
第二十八條 營業ノ讓受人ガ讓渡人ノ商號ヲ續用セザル場合ニ於テモ讓渡人ノ營業ニ因リテ生ジタル債務ヲ引受クル旨ヲ廣吿シタルトキハ債權者ハ其ノ讓受人ニ對シテ辨濟ノ請求ヲ爲スコトヲ得
第二十九條 營業ノ讓受人ガ第二十六條第一項又ハ前條ノ規定ニ依リ讓渡人ノ債務ニ付責ニ任ズル場合ニ於テハ讓渡人ノ責任ハ營業ノ讓渡又ハ前條ノ廣吿ノ後二年內ニ請求又ハ請求ノ豫吿ヲ爲サザル債權者ニ對シテハ二年ヲ經過シタルトキ消滅ス
第三十條 商號ノ登記ヲ爲シタル者ガ正當ノ事由ナクシテ二年間其ノ商號ヲ使用セザルトキハ商號ヲ廢止シタルモノト看做ス
第三十一條 商號ノ廢止又ハ變更アリタル場合ニ於テ其ノ商號ノ登記ヲ爲シタル者ガ廢止又ハ變更ノ登記ヲ爲サザルトキハ利害關係人ハ其ノ登記ノ抹消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
第五章 商業帳簿
第三十二條 商人ハ帳簿ヲ備ヘ之ニ日日ノ取引其ノ他財產ニ影響ヲ及ボスベキ一切ノ事項ヲ整然且明瞭ニ記載スルコトヲ要ス但シ家事費用ハ一月每ニ其ノ總額ヲ記載スルヲ以テ足ル
小賣ノ取引ハ現金賣ト掛賣トヲ分チ日日ノ賣上總額ノミヲ記載スルコトヲ得
第三十三條 商人ハ開業ノ時及每年一囘一定ノ時期ニ於テ動產、不動產、債權、債務其ノ他ノ財產ノ總目錄及貸方借方ノ對照表ヲ作ルコトヲ要ス
會社ニ在リテハ成立ノ時及每決算期ニ前項ノ書類ヲ作ルコトヲ要ス
財產目錄及貸借對照表ハ之ヲ編綴シ又ハ特ニ設ケタル帳簿ニ之ヲ記載スルコトヲ要ス
財產目錄及貸借對照表ニハ作成者之ニ署名スルコトヲ要ス
第三十四條 財產目錄ニハ動產、不動產、債權其ノ他ノ財產ニ價額ヲ附シテ之ヲ記載スルコトヲ要ス其ノ價額ハ財產目錄調製ノ時ニ於ケル價格ヲ超ユルコトヲ得ズ
營業用ノ固定財產ニ付テハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ取得價額又ハ製作價額ヨリ相當ノ減損額ヲ控除シタル價額ヲ附スルコトヲ得
第三十五條 裁判所ハ申立ニ依リ又ハ職權ヲ以テ訴訟ノ當事者ニ商業帳簿又ハ其ノ一部分ノ提出ヲ命ズルコトヲ得
第三十六條 商人ハ十年間其ノ商業帳簿及其ノ營業ニ關スル重要書類ヲ保存スルコトヲ要ス
前項ノ期間ハ商業帳簿ニ付テハ其ノ帳簿閉鎖ノ時ヨリ之ヲ起算ス
第六章 商業使用人
第三十七條 商人ハ支配人ヲ選任シ本店又ハ支店ニ於テ其ノ營業ヲ爲サシムルコトヲ得
第三十八條 支配人ハ營業主ニ代リテ其ノ營業ニ關スル一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
支配人ハ番頭、手代其ノ他ノ使用人ヲ選任又ハ解任スルコトヲ得
支配人ノ代理權ニ加ヘタル制限ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第三十九條 商人ハ數人ノ支配人ガ共同シテ代理權ヲ行使スベキ旨ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ支配人ノ一人ニ對シテ爲シタル意思表示ハ營業主ニ對シテ其ノ效力ヲ生ズ
第四十條 支配人ノ選任及其ノ代理權ノ消滅ハ之ヲ置キタル本店又ハ支店ノ所在地ニ於テ營業主之ヲ登記スルコトヲ要ス前條第一項ニ定ムル事項及其ノ變更亦同ジ
第四十一條 支配人ハ營業主ノ許諾アルニ非ザレバ營業ヲ爲シ、自己若ハ第三者ノ爲ニ營業主ノ營業ノ部類ニ屬スル取引ヲ爲シ又ハ會社ノ無限責任社員、取締役若ハ他ノ商人ノ使用人ト爲ルコトヲ得ズ
支配人ガ前項ノ規定ニ違反シテ自己ノ爲ニ取引ヲ爲シタルトキハ營業主ハ之ヲ以テ自己ノ爲ニ爲シタルモノト看做スコトヲ得
前項ニ定ムル權利ハ營業主ガ其ノ取引ヲ知リタル時ヨリ二週間之ヲ行使セザルトキハ消滅ス取引ノ時ヨリ一年ヲ經過シタルトキ亦同ジ
第四十二條 本店又ハ支店ノ營業ノ主任者タルコトヲ示スベキ名稱ヲ附シタル使用人ハ之ヲ其ノ本店又ハ支店ノ支配人ト同一ノ權限ヲ有スルモノト看做ス但シ裁判上ノ行爲ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ相手方ガ惡意ナリシ場合ニハ之ヲ適用セズ
第四十三條 番頭、手代其ノ他營業ニ關スル或種類又ハ特定ノ事項ノ委任ヲ受ケタル使用人ハ其ノ事項ニ關シ一切ノ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
第四十四條 物品ノ販賣ヲ目的トスル店舖ノ使用人ハ其ノ店舖ニ在ル物品ノ販賣ニ關スル權限ヲ有スルモノト看做ス
第四十五條 本章ノ規定ハ營業主ト商業使用人トノ間ノ雇傭關係ニ付民法ヲ適用スルコトヲ妨ゲズ
第七章 代理商
第四十六條 代理商トハ使用人ニ非ズシテ一定ノ商人ノ爲ニ平常其ノ營業ノ部類ニ屬スル取引ノ代理又ハ媒介ヲ爲ス者ヲ謂フ
第四十七條 代理商ガ取引ノ代理又ハ媒介ヲ爲シタルトキハ遲滯ナク本人ニ對シテ其ノ通知ヲ發スルコトヲ要ス
第四十八條 代理商ハ本人ノ許諾アルニ非ザレバ自己若ハ第三者ノ爲ニ本人ノ營業ノ部類ニ屬スル取引ヲ爲シ又ハ同種ノ營業ヲ目的トスル會社ノ無限責任社員若ハ取締役ト爲ルコトヲ得ズ
第四十一條第二項及第三項ノ規定ハ代理商ガ前項ノ規定ニ違反シタル場合ニ之ヲ準用ス
第四十九條 物品ノ販賣又ハ其ノ媒介ノ委託ヲ受ケタル代理商ハ賣買ノ目的物ノ瑕疵又ハ數量ノ不足其ノ他賣買ノ履行ニ關スル通知ヲ受クル權限ヲ有ス
第五十條 當事者ガ契約ノ期間ヲ定メザリシトキハ各當事者ハ二月前ニ豫吿ヲ爲シテ其ノ契約ノ解除ヲ爲スコトヲ得
當事者ガ契約ノ期間ヲ定メタルト否トヲ問ハズ已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ各當事者ハ何時ニテモ其ノ契約ノ解除ヲ爲スコトヲ得
第五十一條 代理商ハ取引ノ代理又ハ媒介ヲ爲シタルニ因リテ生ジタル債權ガ辨濟期ニ在ルトキハ其ノ辨濟ヲ受クル迄本人ノ爲ニ占有スル物又ハ有價證券ヲ留置スルコトヲ得但シ別段ノ意思表示アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二編 會社
第一章 總則
第五十二條 本法ニ於テ會社トハ商行爲ヲ爲スヲ業トスル目的ヲ以テ設立シタル社團ヲ謂フ
營利ヲ目的トスル社團ニシテ本編ノ規定ニ依リ設立シタルモノハ商行爲ヲ爲スヲ業トセザルモ之ヲ會社ト看做ス
第五十三條 會社ハ合名會社、合資會社、株式會社及株式合資會社ノ四種トス
第五十五條 會社ハ他ノ會社ノ無限責任社員ト爲ルコトヲ得ズ
合併ヲ爲ス會社ノ一方又ハ雙方ガ株式會社又ハ株式合資會社ナルトキハ合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立スル會社ハ株式會社又ハ株式合資會社ナルコトヲ要ス
合併ニ因リテ會社ヲ設立スル場合ニ於テハ定款ノ作成其ノ他設立ニ關スル行爲ハ各會社ニ於テ選任シタル設立委員共同シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
第九十八條第一項、第三百四十三條及第四百六十七條ノ規定ハ前項ノ選任ニ之ヲ準用ス
第五十七條 會社ハ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立ス
第五十八條 會社ガ正當ノ事由ナクシテ其ノ成立後一年內ニ開業ヲ爲サズ又ハ一年以上營業ヲ休止シタルトキハ裁判所ハ利害關係人若ハ檢事ノ請求ニ依リ又ハ職權ヲ以テ其ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
會社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役又ハ監査役ガ法令又ハ公ノ秩序若ハ善良ノ風俗ニ反スル行爲ヲ爲シタル場合ニ於テ會社ノ存立ヲ許スベカラザル事由アルトキ亦前項ニ同ジ
前二項ノ場合ニ於テハ裁判所ハ解散ノ命令前ト雖モ利害關係人若ハ檢事ノ請求ニ依リ又ハ職權ヲ以テ管理人ノ選任其ノ他會社財產ノ保全ニ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第五十九條 利害關係人ガ前條第一項又ハ第二項ノ請求ヲ爲シタルトキハ會社ノ請求ニ依リ相當ノ擔保ヲ供スルコトヲ要ス
第六十條 利害關係人ノ爲シタル第五十八條第一項又ハ第二項ノ請求ガ却下セラレタル場合ニ於テ其ノ者ニ惡意又ハ重大ナル過失アリタルトキハ會社ニ對シ連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
第六十一條 本編ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ニシテ官廳ノ許可ヲ要スルモノハ其ノ許可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第二章 合名會社
第一節 設立
第六十二條 合名會社ヲ設立スルニハ定款ヲ作ルコトヲ要ス
第六十三條 合名會社ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載シ各社員之ニ署名スルコトヲ要ス
第六十四條 合名會社ノ設立ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
三 存立時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
四 社員ノ出資ノ目的、財產ヲ目的トスル出資ニ付テハ其ノ價格及履行ヲ爲シタル部分
五 社員ニシテ會社ヲ代表セザル者アルトキハ會社ヲ代表スベキ者ノ氏名
六 數人ノ社員ガ共同シ又ハ社員ガ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
會社ハ設立ノ登記ヲ爲シタル後二週間內ニ支店ノ所在地ニ於テ前項ニ揭グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
第六十五條 會社ノ成立後支店ヲ設ケタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間內ニ支店ヲ設ケタルコトヲ登記シ其ノ支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ前條第一項ニ揭グル事項ヲ登記シ他ノ支店ノ所在地ニ於テハ同期間內ニ其ノ支店ヲ設ケタルコトヲ登記スルコトヲ要ス
本店又ハ支店ノ所在地ヲ管轄スル登記所ノ管轄區域內ニ於テ新ニ支店ヲ設ケタルトキハ其ノ支店ヲ設ケタルコトヲ登記スルヲ以テ足ル
第六十六條 會社ガ其ノ本店ヲ移轉シタルトキハ舊所在地ニ於テハ二週間內ニ移轉ノ登記ヲ爲シ新所在地ニ於テハ三週間內ニ第六十四條第一項ニ揭グル事項ヲ登記シ其ノ支店ヲ移轉シタルトキハ舊所在地ニ於テハ三週間內ニ移轉ノ登記ヲ爲シ新所在地ニ於テハ四週間內ニ第六十四條第一項ニ揭グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
同一ノ登記所ノ管轄區域內ニ於テ本店又ハ支店ヲ移轉シタルトキハ其ノ移轉ノ登記ヲ爲スヲ以テ足ル
第六十七條 第六十四條第一項ニ揭グル事項中ニ變更ヲ生ジタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ變更ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第二節 會社ノ內部ノ關係
第六十八條 會社ノ內部ノ關係ニ付テハ定款又ハ本法ニ別段ノ定ナキトキハ組合ニ關スル民法ノ規定ヲ準用ス
第六十九條 社員ガ債權ヲ以テ出資ノ目的ト爲シタル場合ニ於テ債務者ガ辨濟期ニ辨濟ヲ爲サザリシトキハ社員ハ其ノ辨濟ノ責ニ任ズ此ノ場合ニ於テハ其ノ利息ヲ支拂フ外尙損害ノ賠償ヲ爲スコトヲ要ス
第七十條 各社員ハ定款ニ別段ノ定ナキトキハ會社ノ業務ヲ執行スル權利ヲ有シ義務ヲ負フ
第七十一條 支配人ノ選任及解任ハ特ニ業務執行社員ヲ定メタルトキト雖モ社員ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス
第七十二條 定款ノ變更其ノ他會社ノ目的ノ範圍內ニ在ラザル行爲ヲ爲スニハ總社員ノ同意アルコトヲ要ス
第七十三條 社員ハ他ノ社員ノ承諾アルニ非ザレバ其ノ持分ノ全部又ハ一部ヲ他人ニ讓渡スコトヲ得ズ
第七十四條 社員ハ他ノ社員ノ承諾アルニ非ザレバ自己若ハ第三者ノ爲ニ會社ノ營業ノ部類ニ屬スル取引ヲ爲シ又ハ同種ノ營業ヲ目的トスル他ノ會社ノ無限責任社員若ハ取締役ト爲ルコトヲ得ズ
社員ガ前項ノ規定ニ違反シテ自己ノ爲ニ取引ヲ爲シタルトキハ他ノ社員ハ過半數ノ決議ニ依リ之ヲ以テ會社ノ爲ニ爲シタルモノト看做スコトヲ得
前項ニ定ムル權利ハ他ノ社員ノ一人ガ其ノ取引ヲ知リタル時ヨリ二週間之ヲ行使セザルトキハ消滅ス取引ノ時ヨリ一年ヲ經過シタルトキ亦同ジ
第七十五條 社員ハ他ノ社員ノ過半數ノ決議アリタルトキニ限リ自己又ハ第三者ノ爲ニ會社ト取引ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ民法第百八條ノ規定ヲ適用セズ
第三節 會社ノ外部ノ關係
第七十六條 業務ヲ執行スル社員ハ各自會社ヲ代表ス但シ定款又ハ總社員ノ同意ヲ以テ業務執行社員中特ニ會社ヲ代表スベキ者ヲ定ムルコトヲ妨ゲズ
第七十七條 會社ハ定款又ハ總社員ノ同意ヲ以テ數人ノ社員ガ共同シ又ハ社員ガ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スベキ旨ヲ定ムルコトヲ得
第七十八條 會社ヲ代表スベキ社員ハ會社ノ營業ニ關スル一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
民法第四十四條第一項及第五十四條ノ規定ハ合名會社ニ之ヲ準用ス
第七十九條 會社ガ社員ニ對シ又ハ社員ガ會社ニ對シ訴ヲ提起スル場合ニ於テ其ノ訴ニ付會社ヲ代表スベキ社員ナキトキハ他ノ社員ノ過半數ノ決議ヲ以テ之ヲ定ムルコトヲ要ス
第八十條 會社財產ヲ以テ會社ノ債務ヲ完濟スルコト能ハザルトキハ各社員連帶シテ其ノ辨濟ノ責ニ任ズ
會社財產ニ對スル强制執行ガ其ノ效ヲ奏セザルトキ亦前項ニ同ジ
前項ノ規定ハ社員ガ會社ニ辨濟ノ資力アリ且執行ノ容易ナルコトヲ證明シタルトキハ之ヲ適用セズ
第八十一條 社員ハ會社ニ屬スル抗辯ヲ以テ會社ノ債權者ニ對抗スルコトヲ得
會社ガ其ノ債權者ニ對シ相殺權、取消權又ハ解除權ヲ有スル場合ニ於テハ社員ハ其ノ者ニ對シ債務ノ履行ヲ拒ムコトヲ得
第八十二條 會社ノ成立後加入シタル社員ハ其ノ加入前ニ生ジタル會社ノ債務ニ付テモ亦責任ヲ負フ
第八十三條 社員ニ非ザル者ニ自己ヲ社員ナリト誤認セシムベキ行爲アリタルトキハ其ノ者ハ誤認ニ基キテ會社ト取引ヲ爲シタル者ニ對シ社員ト同一ノ責任ヲ負フ
第四節 社員ノ退社
第八十四條 定款ヲ以テ會社ノ存立時期ヲ定メザリシトキ又ハ或社員ノ終身間會社ノ存續スベキコトヲ定メタルトキハ各社員ハ營業年度ノ終ニ於テ退社ヲ爲スコトヲ得但シ六月前ニ其ノ豫吿ヲ爲スコトヲ要ス
會社ノ存立時期ヲ定メタルト否トヲ問ハズ已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ各社員ハ何時ニテモ退社ヲ爲スコトヲ得
第八十五條 前條及第九十一條第一項ニ定ムル場合ノ外社員ハ左ノ事由ニ因リテ退社ス
第八十六條 社員ニ付左ノ事由アルトキハ會社ハ他ノ社員ノ過半數ノ決議ヲ以テ其ノ社員ノ除名又ハ業務執行權若ハ代表權ノ喪失ノ宣吿ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
三 業務ヲ執行スルニ當リ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ權利ナクシテ業務ノ執行ニ干與シタルコト
四 會社ヲ代表スルニ當リ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ權利ナクシテ會社ヲ代表シタルコト
社員ガ業務ヲ執行シ又ハ會社ヲ代表スルニ著シク不適任ナルトキハ會社ハ前項ノ規定ニ從ヒ其ノ社員ノ業務執行權又ハ代表權ノ喪失ノ宣吿ヲ請求スルコトヲ得
社員ノ除名又ハ業務執行權若ハ代表權ノ喪失ノ判決確定シタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第八十七條 除名セラレタル社員ト會社トノ間ノ計算ハ除名ノ訴ヲ提起シタル時ニ於ケル會社財產ノ狀況ニ從ヒテ之ヲ爲シ且其ノ時ヨリ法定利息ヲ附スルコトヲ要ス
第八十八條 第八十六條ノ訴ハ本店ノ所在地ノ地方裁判所ノ管轄ニ專屬ス
第八十九條 退社員ハ勞務又ハ信用ヲ以テ出資ノ目的ト爲シタルトキト雖モ其ノ持分ノ拂戾ヲ受クルコトヲ得但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第九十條 社員ノ持分ノ差押ハ社員ガ將來利益ノ配當及持分ノ拂戾ヲ請求スル權利ニ對シテモ亦其ノ效力ヲ有ス
第九十一條 社員ノ持分ヲ差押ヘタル債權者ハ營業年度ノ終ニ於テ其ノ社員ヲ退社セシムルコトヲ得但シ會社及其ノ社員ニ對シ六月前ニ其ノ豫吿ヲ爲スコトヲ要ス
前項但書ノ豫吿ハ社員ガ辨濟ヲ爲シ又ハ相當ノ擔保ヲ供シタルトキハ其ノ效力ヲ失フ
第九十二條 會社ノ商號中ニ退社員ノ氏又ハ氏名ヲ用ヒタルトキハ退社員ハ其ノ氏又ハ氏名ノ使用ヲ止ムベキコトヲ請求スルコトヲ得
第九十三條 退社員ハ本店ノ所在地ニ於テ退社ノ登記ヲ爲ス前ニ生ジタル會社ノ債務ニ付責任ヲ負フ
前項ノ責任ハ前項ノ登記後二年內ニ請求又ハ請求ノ豫吿ヲ爲サザル會社ノ債權者ニ對シテハ登記後二年ヲ經過シタルトキ消滅ス
第五節 解散
第九十五條 前條第一號又ハ第二號ノ場合ニ於テハ社員ノ全部又ハ一部ノ同意ヲ以テ會社ヲ繼續スルコトヲ得但シ同意ヲ爲サザリシ社員ハ退社シタルモノト看做ス
前條第四號ノ場合ニ於テハ新ニ社員ヲ加入セシメテ會社ヲ繼續スルコトヲ得
第九十六條 會社ガ解散シタルトキハ合併及破產ノ場合ヲ除クノ外本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ解散ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第九十七條 會社ハ本店ノ所在地ニ於テ解散ノ登記ヲ爲シタル後ト雖モ第九十五條ノ規定ニ從ヒテ會社ヲ繼續スルコトヲ妨ゲズ此ノ場合ニ於テハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ繼續ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第九十八條 會社ガ合併ヲ爲スニハ總社員ノ同意アルコトヲ要ス
解散後ノ會社ハ存立中ノ會社ヲ存續スル會社トスル場合ニ限リ合併ヲ爲スコトヲ得
第九十九條 會社ガ合併ノ決議ヲ爲シタルトキハ其ノ決議ノ日ヨリ二週間內ニ財產目錄及貸借對照表ヲ作ルコトヲ要ス
第百條 會社ハ前條ノ期間內ニ其ノ債權者ニ對シ合併ニ異議アラバ一定ノ期間內ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ公吿シ且知レタル債權者ニハ各別ニ之ヲ催吿スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ二月ヲ下ルコトヲ得ズ
債權者ガ前項ノ期間內ニ異議ヲ述ベザリシトキハ合併ヲ承認シタルモノト看做ス
債權者ガ異議ヲ述ベタルトキハ會社ハ辨濟ヲ爲シ若ハ相當ノ擔保ヲ供シ又ハ債權者ニ辨濟ヲ受ケシムルコトヲ目的トシテ信託會社ニ相當ノ財產ヲ信託スルコトヲ要ス
第百一條 會社ガ合併ヲ爲シタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ合併後存續スル會社ニ付テハ變更ノ登記、合併ニ因リテ消滅スル會社ニ付テハ解散ノ登記、合併ニ因リテ設立シタル會社ニ付テハ第六十四條ニ定ムル登記ヲ爲スコトヲ要ス
第百二條 會社ノ合併ハ合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立シタル會社ガ其ノ本店ノ所在地ニ於テ前條ノ登記ヲ爲スニ因リテ其ノ效力ヲ生ズ
第百三條 合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立シタル會社ハ合併ニ因リテ消滅シタル會社ノ權利義務ヲ承繼ス
第百四條 會社ノ合併ノ無效ハ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
前項ノ訴ハ各會社ノ社員、淸算人、破產管財人又ハ合併ヲ承認セザル債權者ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
第百五條 前條第一項ノ訴ハ合併ノ日ヨリ六月內ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
口頭辯論ハ前項ノ期間ヲ經過シタル後ニ非ザレバ之ヲ開始スルコトヲ得ズ
數個ノ訴ガ同時ニ繫屬スルトキハ辯論及裁判ハ併合シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
訴ノ提起アリタルトキハ會社ハ遲滯ナク其ノ旨ヲ公吿スルコトヲ要ス
第百六條 債權者ガ第百四條第一項ノ訴ヲ提起シタルトキハ會社ノ請求ニ依リ相當ノ擔保ヲ供スルコトヲ要ス
第百七條 第百四條第一項ノ訴ノ提起アリタル場合ニ於テ合併ノ無效ノ原因タル瑕疵ガ補完セラレタルトキ又ハ會社ノ現況其ノ他一切ノ事情ヲ斟酌シテ合併ヲ無效トスルコトヲ不適當ト認ムルトキハ裁判所ハ請求ヲ棄却スルコトヲ得
第百八條 合併ヲ無效トスル判決ガ確定シタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ合併後存續スル會社ニ付テハ變更ノ登記、合併ニ因リテ設立シタル會社ニ付テハ解散ノ登記、合併ニ因リテ消滅シタル會社ニ付テハ囘復ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第百九條 合併ヲ無效トスル判決ハ第三者ニ對シテモ其ノ效力ヲ有ス
原吿ガ敗訴シタル場合ニ於テ惡意又ハ重大ナル過失アリタルトキハ會社ニ對シ連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
第百十條 合併ヲ無效トスル判決ハ合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立シタル會社、其ノ社員及第三者ノ間ニ生ジタル權利義務ニ影響ヲ及ボサズ
第百十一條 合併ヲ無效トスル判決ガ確定シタルトキハ合併ヲ爲シタル會社ハ合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立シタル會社ガ合併後負擔シタル債務ニ付連帶シテ辨濟ノ責ニ任ズ
合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立シタル會社ガ合併後取得シタル財產ハ合併ヲ爲シタル會社ノ共有ニ屬ス
前二項ノ場合ニ於テハ各會社ノ負擔部分又ハ持分ハ其ノ協議ヲ以テ之ヲ定ム協議調ハザルトキハ裁判所ハ請求ニ依リ合併ノ時ニ於ケル各會社ノ財產ノ額其ノ他一切ノ事情ヲ斟酌シテ之ヲ定ム
第百十二條 已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ各社員ハ會社ノ解散ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
第八十八條及第百九條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百十三條 合名會社ハ總社員ノ同意ヲ以テ或社員ヲ有限責任社員ト爲シ又ハ新ニ有限責任社員ヲ加入セシメテ之ヲ合資會社ト爲スコトヲ得
前項ノ規定ハ第九十五條第二項ノ規定ニ依リ會社ヲ繼續スル場合ニ之ヲ準用ス
第百十四條 合名會社ガ前條ノ規定ニ依リ其ノ組織ヲ變更シタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ合名會社ニ付テハ解散ノ登記、合資會社ニ付テハ第百四十九條第一項ニ定ムル登記ヲ爲スコトヲ要ス
第百十五條 第百十三條第一項ノ場合ニ於テ從前ノ社員ニシテ有限責任社員ト爲リタルモノハ本店ノ所在地ニ於テ前條ノ登記ヲ爲ス前ニ生ジタル會社ノ債務ニ付テハ無限責任社員ノ責任ヲ免ルルコトナシ
第六節 淸算
第百十六條 會社ハ解散ノ後ト雖モ淸算ノ目的ノ範圍內ニ於テハ仍存續スルモノト看做ス
第百十七條 解散ノ場合ニ於ケル會社財產ノ處分方法ハ定款又ハ總社員ノ同意ヲ以テ之ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ解散ノ日ヨリ二週間內ニ財產目錄及貸借對照表ヲ作ルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ會社ガ第九十四條第四號又ハ第六號ノ事由ニ因リテ解散シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第一項ノ場合ニ於テ社員ノ持分ヲ差押ヘタル者アルトキハ其ノ者ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第百十八條 會社ガ前條第三項ノ規定ニ違反シテ其ノ財產ヲ處分シタルトキハ會社ノ債權者ハ其ノ處分ノ取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但シ其ノ處分ガ會社ノ債權者ヲ害セザルモノナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
民法第四百二十四條第一項但書、第四百二十五條及第四百二十六條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百十九條 會社ガ第百十七條第四項ノ規定ニ違反シテ其ノ財產ヲ處分シタルトキハ社員ノ持分ヲ差押ヘタル者ハ會社ニ對シ其ノ持分ニ相當スル金額ノ支拂ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前條ノ規定ヲ準用ス
第百二十條 第百十七條第一項ノ規定ニ依リテ會社財產ノ處分方法ヲ定メザリシトキハ合併及破產ノ場合ヲ除クノ外第百二十一條乃至第百三十五條ノ規定ニ從ヒテ淸算ヲ爲スコトヲ要ス
第百二十一條 淸算ハ業務執行社員之ヲ爲ス但シ社員ノ過半數ヲ以テ別ニ淸算人ヲ選任シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第百二十二條 會社ガ第九十四條第四號又ハ第六號ノ事由ニ因リテ解散シタルトキハ裁判所ハ利害關係人若ハ檢事ノ請求ニ依リ又ハ職權ヲ以テ淸算人ヲ選任ス
第百二十三條 業務執行社員ガ淸算人ト爲リタルトキハ解散ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ三週間、支店ノ所在地ニ於テハ四週間內ニ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
二 淸算人ニシテ會社ヲ代表セザル者アルトキハ會社ヲ代表スベキ者ノ氏名
三 數人ノ淸算人ガ共同シテ會社ヲ代表スベキ定アルトキハ其ノ規定
淸算人ノ選任アリタルトキハ其ノ淸算人ハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ前項ニ揭グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
會社ヲ代表スベキ淸算人ハ前項ノ職務ニ關スル一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
第百二十五條 會社ハ辨濟期ニ至ラザル債權ト雖モ之ヲ辨濟スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ無利息債權ニ付テハ辨濟期ニ至ル迄ノ法定利息ヲ加算シテ其ノ債權額ニ達スベキ金額ヲ辨濟スルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ利息附債權ニシテ其ノ利率ガ法定利率ニ達セザルモノニ之ヲ準用ス
第一項ノ場合ニ於テハ條件附債權、存續期間ノ不確定ナル債權其ノ他價額ノ不確定ナル債權ニ付テハ裁判所ノ選任シタル鑑定人ノ評價ニ從ヒテ之ヲ辨濟スルコトヲ要ス
第百二十六條 會社ニ現存スル財產ガ其ノ債務ヲ完濟スルニ不足ナルトキハ淸算人ハ辨濟期ニ拘ラズ社員ヲシテ出資ヲ爲サシムルコトヲ得
第百二十七條 淸算人ガ會社ノ營業ノ全部又ハ一部ヲ讓渡スニハ社員ノ過半數ノ決議アルコトヲ要ス
第百二十八條 淸算人數人アルトキハ淸算ニ關スル行爲ハ其ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス
第百二十九條 第七十六條及第七十七條ノ規定ハ淸算人ニ之ヲ準用ス
業務執行社員ガ淸算人ト爲リタル場合ニ於テハ從前ノ定ニ從ヒテ會社ヲ代表ス
裁判所ガ數人ノ淸算人ヲ選任スル場合ニ於テハ會社ヲ代表スベキ者ヲ定メ又ハ數人ガ共同シテ會社ヲ代表スベキ旨ヲ定ムルコトヲ得
第百三十條 淸算人ハ就職ノ後遲滯ナク會社財產ノ現況ヲ調査シ財產目錄及貸借對照表ヲ作リ之ヲ社員ニ交付スルコトヲ要ス
淸算人ハ社員ノ請求ニ依リ每月淸算ノ狀況ヲ報吿スルコトヲ要ス
第百三十一條 淸算人ハ會社ノ債務ヲ辨濟シタル後ニ非ザレバ會社財產ヲ社員ニ分配スルコトヲ得ズ但シ爭アル債務ニ付其ノ辨濟ニ必要ト認ムル財產ヲ留保シテ殘餘ノ財產ヲ分配スルコトヲ妨ゲズ
第百三十二條 社員ガ選任シタル淸算人ハ何時ニテモ之ヲ解任スルコトヲ得此ノ解任ハ社員ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス
重要ナル事由アルトキハ裁判所ハ利害關係人ノ請求ニ依リ淸算人ヲ解任スルコトヲ得
第百三十三條 淸算人ノ任務ガ終了シタルトキハ淸算人ハ遲滯ナク計算ヲ爲シテ各社員ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
前項ノ計算ニ對シ社員ガ一月內ニ異議ヲ述ベザリシトキハ之ヲ承認シタルモノト看做ス但シ淸算人ニ不正ノ行爲アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第百三十四條 淸算ガ結了シタルトキハ淸算人ハ前條ノ承認アリタル後本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ淸算結了ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第百三十五條 第七十五條、第七十八條第二項、第二百五十四條第二項及第二百六十六條ノ規定ハ淸算人ニ之ヲ準用ス
第百三十六條 會社ノ設立ノ無效ハ其ノ成立ノ日ヨリ二年內ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
第八十八條、第百五條第三項第四項、第百七條、第百九條及第百十條ノ規定ハ第一項ノ訴ニ之ヲ準用ス
第百三十七條 設立ヲ無效トスル判決ガ確定シタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第百三十八條 設立ヲ無效トスル判決ガ確定シタルトキハ解散ノ場合ニ準ジテ淸算ヲ爲スコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ裁判所ハ利害關係人ノ請求ニ依リ淸算人ヲ選任ス
第百三十九條 設立ヲ無效トスル判決ガ確定シタル場合ニ於テ其ノ無效ノ原因ガ或社員ノミニ付存スルトキハ前條ノ規定ニ拘ラズ他ノ社員ノ一致ヲ以テ會社ヲ繼續スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ無效ノ原因ノ存スル社員ハ退社ヲ爲シタルモノト看做ス
第九十五條第二項及第九十七條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百四十條 會社ノ設立ノ取消ハ訴ヲ以テノミ之ヲ請求スルコトヲ得
第百四十一條 社員ガ其ノ債權者ヲ害スルコトヲ知リテ會社ヲ設立シタルトキハ債權者ハ其ノ社員及會社ニ對スル訴ヲ以テ會社ノ設立ノ取消ヲ請求スルコトヲ得
第百四十二條 第八十八條、第百五條第三項第四項、第百九條、第百十條、第百三十六條第一項及第百三十七條乃至第百三十九條ノ規定ハ前二條ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百四十三條 會社ノ帳簿竝ニ其ノ營業及淸算ニ關スル重要書類ハ第百十七條ノ場合ニ在リテハ本店ノ所在地ニ於テ解散ノ登記ヲ爲シタル後、其ノ他ノ場合ニ在リテハ淸算結了ノ登記ヲ爲シタル後十年間之ヲ保存スルコトヲ要ス其ノ保存者ハ社員ノ過半數ヲ以テ之ヲ定ム
第百四十四條 社員ガ死亡シタル場合ニ於テ其ノ相續人數人アルトキハ淸算ニ關シテ社員ノ權利ヲ行使スベキ者一人ヲ定ムルコトヲ要ス
第百四十五條 第八十條ニ定ムル社員ノ責任ハ本店ノ所在地ニ於テ解散ノ登記ヲ爲シタル後五年內ニ請求又ハ請求ノ豫吿ヲ爲サザル會社ノ債權者ニ對シテハ登記後五年ヲ經過シタルトキ消滅ス
前項ノ期間經過ノ後ト雖モ分配セザル殘餘財產仍存スルトキハ會社ノ債權者ハ之ニ對シテ辨濟ヲ請求スルコトヲ得
第三章 合資會社
第百四十六條 合資會社ハ有限責任社員ト無限責任社員トヲ以テ之ヲ組織ス
第百四十七條 合資會社ニハ本章ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外合名會社ニ關スル規定ヲ準用ス
第百四十八條 合資會社ノ定款ニハ第六十三條ニ揭グル事項ノ外各社員ノ責任ノ有限又ハ無限ナルコトヲ記載スルコトヲ要ス
第百四十九條 合資會社ノ設立ノ登記ニ在リテハ第六十四條第一項ニ揭グル事項ノ外各社員ノ責任ノ有限又ハ無限ナルコトヲ登記スルコトヲ要ス
有限責任社員ニ付テハ登記シタル事項ノ公吿ニハ其ノ員數及出資ノ總額ヲ揭グルヲ以テ足ル變更ノ登記アリタルトキ亦同ジ
第百五十條 有限責任社員ハ金錢其ノ他ノ財產ノミヲ以テ其ノ出資ノ目的ト爲スコトヲ得
第百五十一條 各無限責任社員ハ定款ニ別段ノ定ナキトキハ會社ノ業務ヲ執行スル權利ヲ有シ義務ヲ負フ
無限責任社員數人アルトキハ會社ノ業務執行ハ其ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス
第百五十二條 支配人ノ選任及解任ハ特ニ業務執行社員ヲ定メタルトキト雖モ無限責任社員ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス
第百五十三條 有限責任社員ハ營業年度ノ終ニ於テ營業時間內ニ限リ會社ノ財產目錄及貸借對照表ノ閱覽ヲ求メ且會社ノ業務及財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
重要ナル事由アルトキハ有限責任社員ハ何時ニテモ裁判所ノ許可ヲ得テ會社ノ業務及財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
第百五十四條 有限責任社員ハ無限責任社員全員ノ承諾アルトキハ其ノ持分ノ全部又ハ一部ヲ他人ニ讓渡スコトヲ得持分ノ讓渡ニ伴ヒ定款ノ變更ヲ生ズルトキト雖モ亦同ジ
第百五十五條 有限責任社員ガ自己若ハ第三者ノ爲ニ會社ノ營業ノ部類ニ屬スル取引ヲ爲シ又ハ同種ノ營業ヲ目的トスル他ノ會社ノ無限責任社員若ハ取締役ト爲ルニハ他ノ社員ノ承諾アルコトヲ要セズ
第百五十六條 有限責任社員ハ會社ノ業務ヲ執行シ又ハ會社ヲ代表スルコトヲ得ズ
第百五十七條 有限責任社員ハ其ノ出資ノ價額ヲ限度トシテ會社ノ債務ヲ辨濟スル責ニ任ズ但シ旣ニ會社ニ對シ履行ヲ爲シタル出資ノ價額ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項但書ノ規定ノ適用ニ付テハ會社ニ利益ナキニ拘ラズ配當ヲ受ケタル金額ハ之ヲ控除シテ其ノ出資ノ價額ヲ定ム
第百五十八條 有限責任社員ハ出資ノ減少後ト雖モ本店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ爲ス前ニ生ジタル會社ノ債務ニ付テハ從前ノ責任ヲ免ルルコトナシ
第百五十九條 有限責任社員ニ自己ヲ無限責任社員ナリト誤認セシムベキ行爲アリタルトキハ其ノ社員ハ誤認ニ基キテ會社ト取引ヲ爲シタル者ニ對シ無限責任社員ト同一ノ責任ヲ負フ
前項ノ規定ハ有限責任社員ニ其ノ責任ノ限度ヲ誤認セシムベキ行爲アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第百六十條 第八十二條ノ規定ハ有限責任社員ガ無限責任社員ト爲リタル場合、第九十三條ノ規定ハ無限責任社員ガ有限責任社員ト爲リタル場合ニ之ヲ準用ス
第百六十一條 有限責任社員ガ死亡シタルトキハ其ノ相續人之ニ代リテ社員ト爲ル
第二百三條ノ規定ハ死亡シタル有限責任社員ノ相續人數人アル場合ニ之ヲ準用ス
有限責任社員ハ禁治產ノ宣吿ヲ受クルモ之ニ因リテ退社セズ
第百六十二條 合資會社ハ無限責任社員又ハ有限責任社員ノ全員ガ退社シタルトキハ解散ス但シ殘存スル社員ノ一致ヲ以テ新ニ無限責任社員又ハ有限責任社員ヲ加入セシメテ會社ヲ繼續スルコトヲ妨ゲズ
有限責任社員ノ全員ガ退社シタル場合ニ於テハ無限責任社員ノ一致ヲ以テ合名會社トシテ會社ヲ繼續スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ合資會社ニ付テハ解散ノ登記、合名會社ニ付テハ第六十四條ニ定ムル登記ヲ爲スコトヲ要ス
第百六十三條 合資會社ハ總社員ノ同意ヲ以テ其ノ組織ヲ變更シテ之ヲ合名會社ト爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前條第三項ノ規定ヲ準用ス
第百六十四條 淸算ハ業務執行社員之ヲ爲ス但シ無限責任社員ノ過半數ヲ以テ別ニ淸算人ヲ選任シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第四章 株式會社
第一節 設立
第百六十五條 株式會社ノ設立ニハ七人以上ノ發起人アルコトヲ要ス
第百六十六條 發起人ハ定款ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載シテ署名スルコトヲ要ス
會社ノ公吿ハ官報又ハ時事ニ關スル事項ヲ揭載スル日刊新聞紙ニ揭ゲテ之ヲ爲スコトヲ要ス
第百六十七條 定款ハ公證人ノ認證ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ有セズ
第百六十八條 左ノ事項ハ之ヲ定款ニ記載スルニ非ザレバ其ノ效力ヲ有セズ
四 發起人ガ受クベキ特別ノ利益及之ヲ受クベキ者ノ氏名
五 現物出資ヲ爲ス者ノ氏名、出資ノ目的タル財產、其ノ價格竝ニ之ニ對シテ與フル株式ノ種類及數
六 會社ノ成立後ニ讓受クルコトヲ約シタル財產、其ノ價格及讓渡人ノ氏名
七 會社ノ負擔ニ歸スベキ設立費用及發起人ガ受クベキ報酬ノ額
第百六十九條 各發起人ハ書面ニ依リテ株式ノ引受ヲ爲スコトヲ要ス
第百七十條 發起人ガ株式ノ總數ヲ引受ケタルトキハ遲滯ナク各株ニ付第一囘ノ拂込ヲ爲シ且取締役及監査役ヲ選任スルコトヲ要ス
前項ノ選任ハ發起人ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス此ノ場合ニ於テハ第二百四十一條第一項ノ規定ヲ準用ス
第百七十一條 株式發行ノ價額ハ券面額ヲ下ルコトヲ得ズ
額面以上ノ價額ヲ以テ株式ヲ發行シタルトキハ其ノ額面ヲ超ユル金額ハ第一囘ノ拂込ト同時ニ之ヲ拂込ムコトヲ要ス
第百七十二條 現物出資者ハ第一囘ノ拂込ノ期日ニ出資ノ目的タル財產ノ全部ヲ給付スルコトヲ要ス但シ登記、登錄其ノ他權利ノ設定又ハ移轉ヲ以テ第三者ニ對抗スル爲必要ナル行爲ハ會社成立後ニ之ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
第百七十三條 取締役ハ其ノ選任後遲滯ナク第百六十八條第一項第四號乃至第七號ニ揭グル事項竝ニ前三條ノ規定ニ依ル拂込及現物出資ノ給付アリタルヤ否ヤヲ調査セシムル爲檢査役ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス
裁判所ハ檢査役ノ報吿ヲ聽キ第百六十八條第一項第四號乃至第七號ニ揭グル事項ヲ不當ト認メタルトキハ之ニ變更ヲ加ヘテ各發起人ニ通吿スルコトヲ得
前項ノ變更ニ服セザル發起人ハ其ノ株式ノ引受ヲ取消スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ定款ヲ變更シテ設立ニ關スル手續ヲ續行スルコトヲ妨ゲズ
通吿後二週間內ニ株式ノ引受ヲ取消シタル者ナキトキハ定款ハ通吿ニ從ヒ變更セラレタルモノト看做ス
第百七十四條 發起人ガ株式ノ總數ヲ引受ケザルトキハ株主ヲ募集スルコトヲ要ス
第百七十五條 株式ノ申込ヲ爲サントスル者ハ株式申込證二通ニ其ノ引受クベキ株式ノ數及住所ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
株式申込證ハ發起人之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 定款ノ認證ノ年月日及其ノ認證ヲ爲シタル公證人ノ氏名
二 第百六十六條第一項及第百六十八條第一項ニ揭グル事項
五 株式ノ讓渡ノ制限、株券ノ裏書ノ禁止又ハ株主ノ議決權ノ制限ヲ定メタルトキハ其ノ規定
六 株金ノ拂込ヲ取扱フベキ銀行又ハ信託會社及其ノ取扱ノ場所
七 一定ノ時期迄ニ創立總會ガ終結セザルトキハ株式ノ申込ヲ取消スコトヲ得ベキコト
數種ノ株式ヲ發行スル場合ニ於テハ株式申込人ハ株式申込證ニ其ノ引受クベキ株式ノ種類ヲ記載シ額面以上ノ價額ヲ以テ株式ヲ發行スル場合ニ於テハ其ノ引受價額ヲ記載スルコトヲ要ス
民法第九十三條但書ノ規定ハ株式ノ申込ニハ之ヲ適用セズ
第百七十六條 株式ノ申込ヲ爲シタル者ハ發起人ノ割當テタル株式ノ數ニ應ジテ拂込ヲ爲ス義務ヲ負フ
第百七十七條 株式總數ノ引受アリタルトキハ發起人ハ遲滯ナク各株ニ付第一囘ノ拂込ヲ爲サシムルコトヲ要ス
前項ノ拂込ハ株式申込證ニ記載シタル株金拂込ノ取扱場所ニ於テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第百七十一條及第百七十二條ノ規定ハ第一項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百七十八條 株金ノ拂込ヲ取扱フ銀行若ハ信託會社ヲ變更シ又ハ拂込金ノ保管替ヲ爲スニハ裁判所ノ許可ヲ得ルコトヲ要ス
第百七十九條 株式引受人ガ第百七十七條ノ規定ニ依ル拂込ヲ爲サザルトキハ發起人ハ期日ヲ定メ其ノ期日迄ニ拂込ヲ爲サザルトキハ其ノ權利ヲ失フベキ旨ヲ其ノ株式引受人ニ通知スルコトヲ得但シ其ノ通知ハ期日ノ二週間前ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
發起人ガ前項ノ通知ヲ爲シタルモ株式引受人ガ拂込ヲ爲サザルトキハ其ノ權利ヲ失フ此ノ場合ニ於テ發起人ハ其ノ者ガ引受ケタル株式ニ付更ニ株主ヲ募集スルコトヲ得
前二項ノ規定ハ株式引受人ニ對スル損害賠償ノ請求ヲ妨ゲズ
第百八十條 第百七十七條ノ規定ニ依ル拂込及現物出資ノ給付アリタルトキハ發起人ハ遲滯ナク創立總會ヲ招集スルコトヲ要ス
創立總會ニハ株式引受人ノ半數以上ニシテ資本ノ半額以上ヲ引受ケタル者出席シ其ノ議決權ノ過半數ヲ以テ一切ノ決議ヲ爲ス
第二百三十二條第一項第二項、第二百三十三條、第二百三十九條第三項第四項、第二百四十條、第二百四十一條第一項、第二百四十三條、第二百四十四條、第二百四十七條乃至第二百五十三條及第三百四十五條ノ規定ハ創立總會ニ之ヲ準用ス
第百八十一條 定款ヲ以テ第百六十八條第一項第四號乃至第七號ニ揭グル事項ヲ定メタルトキハ發起人ハ之ニ關スル調査ヲ爲サシムル爲檢査役ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス
前項ノ檢査役ノ報吿書ハ之ヲ創立總會ニ提出スルコトヲ要ス
第百八十二條 發起人ハ會社ノ創立ニ關スル事項ヲ創立總會ニ報吿スルコトヲ要ス
第百八十三條 創立總會ニ於テハ取締役及監査役ヲ選任スルコトヲ要ス
第百八十四條 取締役及監査役ハ左ノ事項ヲ調査シ之ヲ創立總會ニ報吿スルコトヲ要ス
二 第百七十七條ノ規定ニ依ル拂込及現物出資ノ給付アリタルヤ否ヤ
取締役及監査役ハ第百八十一條第二項ノ報吿書ヲ調査シ創立總會ニ其ノ意見ヲ報吿スルコトヲ要ス
取締役及監査役中發起人ヨリ選任セラレタル者アルトキハ創立總會ハ特ニ檢査役ヲ選任シ前二項ノ調査及報吿ヲ爲サシムルコトヲ得
第百八十五條 創立總會ニ於テ第百六十八條第一項第四號乃至第七號ニ揭グル事項ヲ不當ト認メタルトキハ之ヲ變更スルコトヲ得
第百七十三條第三項及第四項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百八十六條 前條ノ規定ハ發起人ニ對スル損害賠償ノ請求ヲ妨ゲズ
第百八十七條 創立總會ニ於テハ定款ノ變更又ハ設立ノ廢止ノ決議ヲモ爲スコトヲ得
前項ノ決議ハ招集ノ通知ニ其ノ旨ノ記載ナカリシトキト雖モ之ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
第百八十八條 株式會社ノ設立ノ登記ハ發起人ガ株式ノ總數ヲ引受ケタルトキハ第百七十三條ノ手續終了ノ日、發起人ガ株式ノ總數ヲ引受ケザリシトキハ創立總會終結ノ日又ハ第百八十五條ノ手續終了ノ日ヨリ二週間內ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 第百六十六條第一項第一號乃至第四號及第六號ニ揭グル事項
三 存立時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
四 數種ノ株式ヲ發行シタルトキハ其ノ各種ノ株式ノ內容及數
六 株式ノ讓渡ノ制限又ハ株券ノ裏書ノ禁止ヲ定メタルトキハ其ノ規定
七 開業前ニ利息ヲ配當スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
八 株主ニ配當スベキ利益ヲ以テ株式ヲ消却スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
十 取締役ニシテ會社ヲ代表セザル者アルトキハ會社ヲ代表スベキ者ノ氏名
十一 數人ノ取締役ガ共同シ又ハ取締役ガ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
第六十四條第二項及第六十五條乃至第六十七條ノ規定ハ株式會社ニ之ヲ準用ス
第百八十九條 株金ノ拂込ヲ取扱ヒタル銀行又ハ信託會社ハ發起人又ハ取締役ノ請求ニ依リ拂込金ノ保管ニ關シ證明ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ銀行又ハ信託會社ハ其ノ證明シタル拂込金額ニ付拂込ナカリシコト又ハ其ノ返還ニ關スル制限ヲ以テ會社ニ對抗スルコトヲ得ズ
第百九十條 株式ノ引受ニ因ル權利ノ讓渡ハ會社ニ對シ其ノ效力ヲ生ゼズ
第百九十一條 株式ヲ引受ケタル者ハ會社ノ成立後ハ錯誤若ハ株式申込證ノ要件ノ欠缺ヲ理由トシテ其ノ引受ノ無效ヲ主張シ又ハ詐欺若ハ强迫ヲ理由トシテ其ノ引受ヲ取消スコトヲ得ズ創立總會ニ出席シテ其ノ權利ヲ行使シタルトキ亦同ジ
第百九十二條 引受ナキ株式又ハ第百七十條、第百七十一條若ハ第百七十七條ノ規定ニ依ル拂込ノ未濟ナル株式アルトキハ發起人ハ連帶シテ其ノ株式ノ引受又ハ拂込ヲ爲ス義務ヲ負フ株式ノ申込ガ取消サレタルトキ亦同ジ
第百九十三條 發起人ガ會社ノ設立ニ關シ其ノ任務ヲ怠リタルトキハ其ノ發起人ハ會社ニ對シ連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
發起人ニ惡意又ハ重大ナル過失アリタルトキハ其ノ發起人ハ第三者ニ對シテモ亦連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
第百九十四條 會社ガ成立セザル場合ニ於テハ發起人ハ會社ノ設立ニ關シテ爲シタル行爲ニ付連帶シテ其ノ責ニ任ズ
前項ノ場合ニ於テ會社ノ設立ニ關シテ支出シタル費用ハ發起人ノ負擔トス
第百九十五條 取締役又ハ監査役ガ第百八十四條第一項及第二項ニ定ムル任務ヲ怠リタルニ因リ會社又ハ第三者ニ對シテ損害賠償ノ責ニ任ズベキ場合ニ於テ發起人モ亦其ノ責ニ任ズベキトキハ其ノ取締役、監査役及發起人ハ之ヲ連帶債務者トス
第百九十六條 發起人、取締役又ハ監査役ガ會社ノ設立ニ關シ會社ニ對シテ損害賠償ノ責ニ任ズベキ場合ニ於テハ其ノ責任ハ會社成立ノ日ヨリ三年ヲ經過シタル後ニ於テ第三百四十三條ニ定ムル決議ニ依ルニ非ザレバ之ヲ免除スルコトヲ得ズ
第百九十七條 株主總會ニ於テ發起人ニ對シテ訴ヲ提起スルコトヲ決議シタルトキ又ハ之ヲ否決シタル場合ニ於テ會日ノ三月前ヨリ引續キ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル株式ヲ有スル株主ガ訴ノ提起ヲ取締役ニ請求シタルトキハ會社ハ決議又ハ請求ノ日ヨリ一月內ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
第二百六十七條第二項、第二百六十八條第二項乃至第五項及第二百七十七條第一項但書第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百九十八條 發起人ニ非ズシテ株式申込證、目論見書、株式募集ノ廣吿其ノ他株式募集ニ關スル文書ニ自己ノ氏名及會社ノ設立ヲ贊助スル旨ノ記載ヲ爲スコトヲ承諾シタル者ハ自己ヲ發起人ナリト誤認シテ株式ノ申込ヲ爲シタル者ニ對シ發起人ト同一ノ責任ヲ負フ
第二節 株式
第百九十九條 株式會社ノ資本ハ之ヲ株式ニ分ツコトヲ要ス
第二百條 株主ノ責任ハ其ノ引受ケ又ハ讓受ケタル株式ノ金額、額面以上ノ價額ヲ以テ株式ヲ發行シタル場合ニ於テハ引受價額ヲ限度トス
株主ハ株金ノ拂込ニ付相殺ヲ以テ會社ニ對抗スルコトヲ得ズ
第二百一條 假設人ノ名義ヲ以テ株式ヲ引受ケ又ハ讓受ケタル者ハ株式引受人又ハ株主タル責任ヲ負フ他人ノ承諾ヲ得ズシテ其ノ名義ヲ以テ株式ヲ引受ケ又ハ讓受ケタル者亦同ジ
他人ト通ジテ其ノ名義ヲ以テ株式ヲ引受ケ又ハ讓受ケタル者ハ其ノ他人ト連帶シテ株金ノ拂込ヲ爲ス義務ヲ負フ
株式ノ金額ハ五十圓ヲ下ルコトヲ得ズ但シ一時ニ株金ノ全額ヲ拂込ムベキ場合ニ限リ之ヲ二十圓迄ニ下スコトヲ得
第二百三條 株式ガ數人ノ共有ニ屬スルトキハ共有者ハ株主ノ權利ヲ行使スベキ者一人ヲ定ムルコトヲ要ス
株主ノ權利ヲ行使スベキ者ナキトキハ共有者ニ對スル會社ノ通知又ハ催吿ハ其ノ一人ニ對シテ之ヲ爲スヲ以テ足ル
共有者ハ會社ニ對シ連帶シテ株金ノ拂込ヲ爲ス義務ヲ負フ
第二百四條 株式ハ之ヲ他人ニ讓渡スコトヲ得但シ定款ヲ以テ其ノ讓渡ノ制限ヲ定ムルコトヲ妨ゲズ
株券ノ發行前ニ爲シタル株式ノ讓渡ハ會社ニ對シ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二百五條 記名株式ノ讓渡ハ株券ノ裏書ニ依リテ之ヲ爲スコトヲ得但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
手形法第十二條、第十三條及第十四條第二項ノ規定ハ株券ノ裏書ニ之ヲ準用ス
第二百六條 株券ノ裏書ニ依ル記名株式ノ移轉ハ取得者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載スルニ非ザレバ之ヲ以テ會社ニ對抗スルコトヲ得ズ
前項ノ場合ヲ除クノ外記名株式ノ移轉ハ取得者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載シ且其ノ氏名ヲ株券ニ記載スルニ非ザレバ之ヲ以テ會社其ノ他ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
株金ノ滯納アル株式ニ付テハ會社ハ前二項ノ名義書換ヲ拒ムコトヲ得
第二百七條 記名株式ヲ以テ質權ノ目的ト爲スニハ株券ヲ交付スルコトヲ要ス
質權者ハ繼續シテ株券ヲ占有スルニ非ザレバ其ノ質權ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第二百八條 株式ノ消却、併合又ハ轉換アリタルトキハ從前ノ株式ヲ目的トスル質權ハ消却、併合又ハ轉換ニ因リテ株主ガ受クベキ金錢又ハ株式ノ上ニ存在ス
第二百十四條第一項又ハ第二百十五條第二項ノ規定ニ依ル株式ノ處分アリタルトキハ其ノ株式ヲ目的トスル質權ハ從前ノ株主ガ第二百十四條第二項ノ規定ニ依リテ拂戾ヲ受クベキ金錢ノ上ニ存在ス
第二百九條 記名株式ヲ以テ質權ノ目的ト爲シタル場合ニ於テ會社ガ質權設定者ノ請求ニ依リ質權者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載シ且其ノ氏名ヲ株券ニ記載シタルトキハ質權者ハ會社ヨリ利益若ハ利息ノ配當、殘餘財產ノ分配又ハ前條ノ金錢ノ支拂ヲ受ケ他ノ債權者ニ先チテ自己ノ債權ノ辨濟ニ充ツルコトヲ得
民法第三百六十七條第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ質權者ハ會社ニ對シ前條第一項ノ株主ノ受クベキ株券ノ引渡ヲ請求スルコトヲ得
第二百十條 會社ハ左ノ場合ヲ除クノ外自己ノ株式ヲ取得シ又ハ質權ノ目的トシテ之ヲ受クルコトヲ得ズ
三 會社ノ權利ノ實行ニ當リ其ノ目的ヲ達スル爲必要ナルトキ
第二百十一條 前條第一號ノ場合ニ於テハ會社ハ遲滯ナク株式失效ノ手續ヲ爲シ第二號及第三號ノ場合ニ於テハ相當ノ時期ニ株式又ハ質權ノ處分ヲ爲スコトヲ要ス
第二百十二條 株式ハ資本減少ノ規定ニ從フニ非ザレバ之ヲ消却スルコトヲ得ズ但シ定款ノ規定ニ基キ株主ニ配當スベキ利益ヲ以テスル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三百七十七條ノ規定ハ株式ヲ消却スル場合ニ之ヲ準用ス
第二百十三條 株金ノ拂込ハ其ノ期日ノ二週間前ニ之ヲ各株主ニ催吿スルコトヲ要ス
株主ガ拂込ヲ爲サザルトキハ會社ハ更ニ期日ヲ定メ其ノ期日迄ニ拂込ヲ爲サザルトキハ會社ニ於テ株式ヲ處分スベキ旨ヲ其ノ株主及株主名簿ニ記載アル質權者ニ通知スルコトヲ得但シ其ノ通知ハ期日ノ二週間前ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テハ會社ハ其ノ株主ノ氏名及住所、株券ノ番號竝ニ通知事項ヲ公吿スルコトヲ要ス
第二百十四條 會社ガ前條第一項及第二項ニ定ムル手續ヲ踐ミタルモ株主ガ拂込ヲ爲サザルトキハ會社ハ株式ヲ競賣スルコトヲ要ス但シ裁判所ノ許可ヲ得テ他ノ方法ニ依リ之ヲ賣却スルコトヲ妨ゲズ
會社ハ株式ノ處分ニ依リテ得タル金額ヨリ滯納金額及定款ヲ以テ定メタル違約金ノ額ヲ控除シタル金額ヲ從前ノ株主ニ拂戾スコトヲ要ス
株式ノ處分ニ依リテ得タル金額ガ滯納金額ニ滿タザル場合ニ於テハ會社ハ從前ノ株主ニ對シ不足額ノ辨濟ヲ請求シ若シ從前ノ株主ガ二週間內ニ之ヲ辨濟セザルトキハ讓渡人ニ對シテ其ノ辨濟ヲ請求スルコトヲ得
第二百十五條 會社ハ前條第一項ノ處分ニ著手スル日ノ二週間前ニ株式ノ讓渡人ニシテ第二百十九條ノ規定ニ依リテ責任ヲ負フ者ニ對シ其ノ處分ヲ爲スベキ旨ノ通知ヲ發スルコトヲ要ス
讓渡人ガ株式ノ處分ニ先チ滯納金額及定款ヲ以テ定メタル違約金ノ額以上ノ金額ヲ提供シテ株式ノ買受ヲ申出デタルトキハ會社ハ其ノ讓渡人ニ對シ申出價額ヲ以テ株式ヲ讓渡スコトヲ要ス
第二百十六條 第二百十四條第一項ノ規定ニ依リ株式ノ競賣ヲ爲シタルモ其ノ結果ヲ得ザルトキハ會社ハ資本減少ノ規定ニ從ヒテ其ノ株式ヲ消却スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第二百十四條第三項ノ規定ヲ準用ス
第二百十七條 前三條ノ規定ハ會社ガ損害賠償及定款ヲ以テ定メタル違約金ノ請求ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
第二百十八條 株主ガ第二百十三條第二項ノ期日迄ニ株金ノ拂込ヲ爲サザルトキハ會社ハ其ノ株主及株主名簿ニ記載アル質權者ニ對シ二週間內ニ株券ヲ會社ニ提出スベキ旨ヲ通知スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ提出ナキ株券ハ其ノ效力ヲ失フ
前項ノ場合ニ於テハ會社ハ遲滯ナク失效シタル株券ノ番號竝ニ其ノ株主ノ氏名及住所ヲ公吿スルコトヲ要ス
第二百十九條 第二百十四條第三項ニ定ムル讓渡人ノ責任ハ株式ノ讓渡ヲ株主名簿ニ記載シタル後二年內ニ會社ガ第二百十三條第一項ノ規定ニ依リ拂込ノ催吿ヲ發シタル株金ニ關スルモノニ限ル
發起人ガ會社ノ設立ニ際シテ引受ケタル株式ニ付會社ノ成立後五年內ニ拂込ノ催吿ヲ發シタル株金ニ關シテハ發起人ハ前項ノ規定ニ拘ラズ第二百十四條第三項ニ定ムル讓渡人ノ責任ヲ負フ
第二百二十條 株式ノ讓渡人ガ第二百十四條第三項ノ不足額ヲ辨濟シタルトキハ株券又ハ株主名簿ニ記載アル後者全員ニ對シ償還ノ請求ヲ爲スコトヲ得
發起人ガ前條第二項ノ規定ニ依リテ不足額ヲ辨濟シタルトキハ其ノ後者中前條第一項ノ規定ニ依リテ責任ヲ負フ者及其ノ後者全員ニ對シテノミ前項ノ請求ヲ爲スコトヲ得
償還ヲ爲シタル讓渡人ハ更ニ自己ノ後者全員ニ對シ償還ノ請求ヲ爲スコトヲ得
第二百二十一條 株金ノ拂込期日後ニ株式ヲ讓渡シタル者ハ會社ニ對シ株主ト連帶シテ其ノ株金ノ拂込ヲ爲ス義務ヲ負フ
第二百二十二條 會社ガ數種ノ株式ヲ發行スル場合ニ於テハ利益若ハ利息ノ配當又ハ殘餘財產ノ分配ニ付株式ノ種類ニ從ヒ格別ノ定ヲ爲スコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ定款ニ定ナキトキト雖モ資本ノ增加若ハ減少又ハ會社ノ合併ノ決議ニ於テ新株ノ引受、株式ノ併合若ハ消却又ハ合併ニ因ル株式ノ割當ニ關シ株式ノ種類ニ從ヒ格別ノ定ヲ爲スコトヲ得
第二百二十三條 株主名簿ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
五 無記名式ノ株券ヲ發行シタルトキハ其ノ數、番號及發行ノ年月日
第二百二十四條 會社ノ株主ニ對スル通知又ハ催吿ハ株主名簿ニ記載シタル株主ノ住所又ハ其ノ者ガ會社ニ通知シタル住所ニ宛ツルヲ以テ足ル
前項ノ通知又ハ催吿ハ通常其ノ到達スベカリシ時ニ到達シタルモノト看做ス
前二項ノ規定ハ株式申込人、株式引受人、從前ノ株主、株式ノ讓渡人又ハ質權者ニ對スル通知又ハ催吿ニ之ヲ準用ス
第二百二十五條 株券ニハ左ノ事項及番號ヲ記載シ取締役之ニ署名スルコトヲ要ス
六 株式ノ讓渡ノ制限又ハ株券ノ裏書ノ禁止ヲ定メタルトキハ其ノ規定
一時ニ株金ノ全額ヲ拂込マシメザル場合ニ於テハ拂込アル每ニ其ノ金額ヲ株券ニ記載スルコトヲ要ス
第二百二十六條 株券ハ會社ノ成立後ニ非ザレバ之ヲ發行スルコトヲ得ズ
前項ノ規定ニ違反シテ發行シタル株券ハ無效トス但シ株券ヲ發行シタル者ニ對スル損害賠償ノ請求ヲ妨ゲズ
第二百二十七條 無記名式ノ株券ハ定款ニ定アル場合ニ限リ株金全額ノ拂込アリタル株式ニ付之ヲ發行スルコトヲ得
株主ハ何時ニテモ其ノ無記名式ノ株券ヲ記名式ト爲スコトヲ請求スルコトヲ得
第二百二十八條 無記名式ノ株券ヲ有スル者ハ株券ヲ會社ニ供託スルニ非ザレバ株主ノ權利ヲ行使スルコトヲ得ズ
第二百二十九條 小切手法第二十一條ノ規定ハ株券ニ之ヲ準用ス
株主名簿ニ記載アル株主ノ爲シタル裏書ガ眞正ナラザル場合ニ於テ會社ニ就キ調査ヲ爲サバ其ノ眞僞ヲ判別スルコトヲ得ベカリシモノナルトキハ前項ノ規定ヲ適用セズ
第二百三十條 株券ハ公示催吿ノ手續ニ依リテ之ヲ無效ト爲スコトヲ得
株券ヲ喪失シタル者ハ除權判決ヲ得ルニ非ザレバ其ノ再發行ヲ請求スルコトヲ得ズ
第三節 會社ノ機關
第一款 株主總會
第二百三十一條 總會ハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外取締役之ヲ招集ス
第二百三十二條 總會ヲ招集スルニハ會日ヨリ二週間前ニ各株主ニ對シテ其ノ通知ヲ發スルコトヲ要ス
前項ノ通知ニハ會議ノ目的タル事項ヲ記載スルコトヲ要ス
會社ガ無記名式ノ株券ヲ發行シタル場合ニ於テハ會日ヨリ三週間前ニ總會ヲ開クベキ旨及會議ノ目的タル事項ヲ公吿スルコトヲ要ス
第二百三十三條 總會ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外本店ノ所在地又ハ之ニ隣接スル地ニ之ヲ招集スルコトヲ要ス
第二百三十四條 定時總會ハ每年一囘一定ノ時期ニ之ヲ招集スルコトヲ要ス
年二囘以上利益ノ配當ヲ爲ス會社ニ在リテハ每決算期ニ總會ヲ招集スルコトヲ要ス
第二百三十五條 臨時總會ハ必要アル場合ニ隨時之ヲ招集ス
臨時總會ハ監査役モ亦之ヲ招集スルコトヲ得此ノ總會ニ於テハ會社ノ業務及財產ノ狀況ヲ調査セシムル爲特ニ檢査役ヲ選任スルコトヲ得
第二百三十六條 取締役又ハ監査役ガ總會ヲ招集スルニハ各其ノ過半數ノ決議アルコトヲ要ス
第二百三十七條 資本ノ十分ノ一以上ニ當ル株主ハ會議ノ目的タル事項及招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ取締役ニ提出シテ總會ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
前項ノ請求アリタル後二週間內ニ取締役ガ總會招集ノ手續ヲ爲サザルトキハ請求ヲ爲シタル株主ハ裁判所ノ許可ヲ得テ其ノ招集ヲ爲スコトヲ得
前二項ノ規定ニ依リテ招集シタル總會ニ於テハ招集ノ費用ハ請求ヲ爲シタル株主ノ負擔トスル旨ヲ定ムルコトヲ得
第二百三十八條 總會ハ取締役ノ提出シタル書類及監査役ノ報吿書ヲ調査セシムル爲特ニ檢査役ヲ選任スルコトヲ得
第二百三十九條 總會ノ決議ハ本法又ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出席シタル株主ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲ス
無記名式ノ株券ヲ有スル者ハ會日ヨリ一週間前ニ株券ヲ會社ニ供託スルコトヲ要ス
株主ハ代理人ヲ以テ其ノ議決權ヲ行使スルコトヲ得但シ代理人ハ代理權ヲ證スル書面ヲ會社ニ差出ダスコトヲ要ス
總會ノ決議ニ付特別ノ利害關係ヲ有スル者ハ議決權ヲ行使スルコトヲ得ズ
第二百四十條 前條第四項ノ規定ニ依リテ行使スルコトヲ得ザル議決權ノ數ハ同條第一項ノ議決權ノ數ニ之ヲ算入セズ
第二百四十一條 各株主ハ一株ニ付一個ノ議決權ヲ有ス但シ定款ヲ以テ十一株以上ヲ有スル株主ノ議決權ヲ制限シ又ハ株式ノ讓受ヲ株主名簿ニ記載シタル後六月ヲ超エザル株主ニ議決權ナキモノトスルコトヲ得
第二百四十二條 會社ガ數種ノ株式ヲ發行スル場合ニ於テハ定款ヲ以テ其ノ或種類ノ株式ニ付株主ニ議決權ナキモノトスルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ定款ヲ以テ其ノ種類ノ株式ヲ有スル株主ニ第百九十七條第一項、第二百三十七條第一項第二項、第二百四十五條第二項、第二百六十八條第一項、第二百七十九條第一項、第二百九十四條第一項、第四百二十六條第二項及第四百三十條第二項ノ權利ナキモノトスルコトヲ妨ゲズ
前項ノ株式ノ株金總額ハ資本ノ四分ノ一ヲ超ユルコトヲ得ズ
第二百四十三條 總會ニ於テハ延期又ハ續行ノ決議ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第二百三十二條ノ規定ヲ適用セズ
第二百四十四條 總會ノ議事ニ付テハ議事錄ヲ作ルコトヲ要ス
議事錄ニハ議事ノ經過ノ要領及其ノ結果ヲ記載シ議長竝ニ出席シタル取締役及監査役之ニ署名スルコトヲ要ス
第二百四十五條 會計ガ左ノ行爲ヲ爲スニハ第三百四十三條ニ定ムル決議ニ依ルコトヲ要ス
二 營業全部ノ賃貸、其ノ經營ノ委任、他人ト營業上ノ損益全部ヲ共通ニスル契約其ノ他之ニ準ズル契約ノ締結、變更又ハ解約
四 第二百六十六條又ハ第二百八十條ノ規定ニ依ル取締役又ハ監査役ノ責任ノ免除
第二百六十八條又ハ第二百七十九條ノ規定ハ前項第四號ノ決議アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第二百四十六條 前條第一項ノ規定ハ會社ガ其ノ成立後二年內ニ其ノ成立前ヨリ存在スル財產ニシテ營業ノ爲ニ繼續シテ使用スベキモノヲ資本ノ二十分ノ一以上ニ當ル對價ヲ以テ取得スル契約ヲ爲ス場合ニ之ヲ準用ス
第二百四十七條 總會招集ノ手續又ハ其ノ決議ノ方法ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ著シク不公正ナルトキハ株主、取締役又ハ監査役ハ訴ヲ以テ決議ノ取消ヲ請求スルコトヲ得決議ガ第三百四十三條ノ規定ニ違反シテ爲サレタルトキ亦同ジ
第八十八條、第百五條第三項第四項及第百九條ノ規定ハ前項ノ訴ニ之ヲ準用ス
第二百四十八條 決議取消ノ訴ハ決議ノ日ヨリ一月內ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
口頭辯論ハ前項ノ期間ヲ經過シタル後ニ非ザレバ之ヲ開始スルコトヲ得ズ
第二百四十九條 株主ガ決議取消ノ訴ヲ提起シタルトキハ會社ノ請求ニ依リ相當ノ擔保ヲ供スルコトヲ要ス但シ其ノ株主ガ取締役又ハ監査役ナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二百五十條 決議シタル事項ノ登記アリタル場合ニ於テ決議取消ノ判決ガ確定シタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第二百五十一條 決議取消ノ訴ノ提起アリタル場合ニ於テ決議ノ內容、會社ノ現況其ノ他一切ノ事情ヲ斟酌シテ其ノ取消ヲ不適當ト認ムルトキハ裁判所ハ請求ヲ棄却スルコトヲ得
第二百五十二條 第八十八條、第百五條第三項第四項、第百九條、第二百四十九條及第二百五十條ノ規定ハ總會ノ決議ノ內容ガ法令又ハ定款ニ違反スルコトヲ理由トシテ決議ノ無效ノ確認ヲ請求スル訴ニ之ヲ準用ス
第二百五十三條 株主ガ第二百三十九條第四項ノ規定ニ依リ議決權ヲ行使スルコトヲ得ザリシ場合ニ於テ決議ガ著シク不當ニシテ其ノ株主ガ議決權ヲ行使シタルトキハ之ヲ阻止スルコトヲ得ベカリシモノナルニ於テハ其ノ株主ハ訴ヲ以テ決議ノ取消又ハ變更ヲ請求スルコトヲ得
第八十八條、第百五條第三項第四項、第百九條及第二百四十八條乃至第二百五十條ノ規定ハ前項ノ訴ニ之ヲ準用ス
第二款 取締役
第二百五十六條 取締役ノ任期ハ三年ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ定款ヲ以テ任期中ノ最終ノ決算期ニ關スル定時總會ノ終結ニ至ル迄其ノ任期ヲ伸長スルコトヲ妨ゲズ
第二百五十七條 取締役ハ何時ニテモ株主總會ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得但シ任期ノ定アル場合ニ於テ正當ノ事由ナクシテ其ノ任期ノ滿了前ニ之ヲ解任シタルトキハ其ノ取締役ハ會社ニ對シ解任ニ因リテ生ジタル損害ノ賠償ヲ請求スルコトヲ得
第二百五十八條 法律又ハ定款ニ定メタル取締役ノ員數ヲ缺クニ至リタル場合ニ於テハ任期ノ滿了又ハ辭任ニ因リテ退任シタル取締役ハ新ニ選任セラレタル取締役ノ就職スル迄仍取締役ノ權利義務ヲ有ス
前項ノ場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ監査役其ノ他利害關係人ノ請求ニ依リ一時取締役ノ職務ヲ行フベキ者ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ本店及支店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第二百五十九條 定款ヲ以テ取締役ノ有スベキ株式ノ數ヲ定メタル場合ニ於テ別段ノ定ナキトキハ取締役ハ其ノ員數ノ株券ヲ監査役ニ供託スルコトヲ要ス
第二百六十條 會社ノ業務執行ハ定款ニ別段ノ定ナキトキハ取締役ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス支配人ノ選任及解任亦同ジ
前項ノ規定ハ定款若ハ株主總會ノ決議ヲ以テ會社ヲ代表スベキ取締役ヲ定メ、數人ノ取締役ガ共同シ若ハ取締役ガ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スベキコトヲ定メ又ハ定款ノ規定ニ基キ取締役ノ互選ヲ以テ會社ヲ代表スベキ取締役ヲ定ムルコトヲ妨ゲズ
第三十九條第二項及第七十八條ノ規定ハ取締役ニ之ヲ準用ス
第二百六十二條 社長、副社長、專務取締役、常務取締役其ノ他會社ヲ代表スル權限ヲ有スルモノト認ムベキ名稱ヲ附シタル取締役ノ爲シタル行爲ニ付テハ會社ハ其ノ者ガ代表權ヲ有セザル場合ト雖モ善意ノ第三者ニ對シテ其ノ責ニ任ズ
第二百六十三條 取締役ハ定款及總會ノ議事錄ヲ本店及支店ニ、株主名簿及社債原簿ヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
株主及會社ノ債權者ハ營業時間內何時ニテモ前項ニ揭グル書類ノ閱覽ヲ求ムルコトヲ得
第二百六十四條 取締役ハ株主總會ノ認許アルニ非ザレバ自己若ハ第三者ノ爲ニ會社ノ營業ノ部類ニ屬スル取引ヲ爲シ又ハ同種ノ營業ヲ目的トスル他ノ會社ノ無限責任社員若ハ取締役ト爲ルコトヲ得ズ
取締役ガ前項ノ規定ニ違反シテ自己ノ爲ニ取引ヲ爲シタルトキハ株主總會ハ之ヲ以テ會社ノ爲ニ爲シタルモノト看做スコトヲ得
前項ニ定ムル權利ハ監査役ノ一人ガ其ノ取引ヲ知リタル時ヨリ二月間之ヲ行使セザルトキハ消滅ス取引ノ時ヨリ一年ヲ經過シタルトキ亦同ジ
第二百六十五條 取締役ハ監査役ノ承認ヲ得タルトキニ限リ自己又ハ第三者ノ爲ニ會社ト取引ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ民法第百八條ノ規定ヲ適用セズ
第二百六十六條 取締役ガ其ノ任務ヲ怠リタルトキハ其ノ取締役ハ會社ニ對シ連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
取締役ガ法令又ハ定款ニ違反スル行爲ヲ爲シタルトキハ株主總會ノ決議ニ依リタル場合ト雖モ其ノ取締役ハ第三者ニ對シ連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
第二百六十七條 株主總會ニ於テ取締役ニ對シテ訴ヲ提起スルコトヲ決議シタルトキハ會社ハ決議ノ日ヨリ一月內ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
前項ノ訴ニ付テハ株主總會ノ決議ニ依ルニ非ザレバ取下、和解又ハ請求ノ抛棄ヲ爲スコトヲ得ズ
第二百六十八條 株主總會ニ於テ取締役ニ對シテ訴ヲ提起スルコトヲ否決シタル場合ニ於テ會日ノ三月前ヨリ引續キ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル株式ヲ有スル株主ガ訴ノ提起ヲ監査役ニ請求シタルトキハ會社ハ請求ノ日ヨリ一月內ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
前項ノ請求ハ總會終結ノ日ヨリ三月內ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
第一項ノ訴ニ付テハ訴提起ノ請求ヲ爲シタル株主ノ議決權ノ過半數ノ同意アルニ非ザレバ取下、和解又ハ請求ノ抛棄ヲ爲スコトヲ得ズ
第一項ノ請求ヲ爲シタル株主ハ監査役ノ請求ニ依リ相當ノ擔保ヲ供スルコトヲ要ス
會社ガ敗訴シタルトキハ請求ヲ爲シタル株主ハ會社ニ對シテノミ損害賠償ノ責ニ任ズ
第二百六十九條 取締役ガ受クベキ報酬ハ定款ニ其ノ額ヲ定メザリシトキハ株主總會ノ決議ヲ以テ之ヲ定ム
第二百七十條 取締役ノ選任決議ノ無效又ハ取消ノ訴ノ提起アリタル場合ニ於テハ本案ノ管轄裁判所ハ當事者ノ申立ニ依リ假處分ヲ以テ取締役ノ職務ノ執行ヲ停止シ又ハ之ヲ代行スル者ヲ選任スルコトヲ得本案ノ繫屬前ト雖モ急迫ナル事情アルトキ亦同ジ
裁判所ハ當事者ノ申立ニ依リ前項ノ假處分ヲ變更シ又ハ之ヲ取消スコトヲ得
前二項ノ處分アリタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第二百七十一條 前條ノ職務代行者ハ假處分命令ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外會社ノ常務ニ屬セザル行爲ヲ爲スコトヲ得ズ但シ特ニ本案ノ管轄裁判所ノ許可ヲ得タル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
職務代行者前項ノ規定ニ違反シタルトキト雖モ會社ハ善意ノ第三者ニ對シテ其ノ責ニ任ズ
第二百七十二條 急迫ナル事情アルトキハ第二百三十七條ノ規定ニ依リテ取締役ノ解任ヲ目的トスル總會ノ招集ヲ請求シタル者ハ其ノ取締役ノ職務ノ執行ノ停止又ハ職務代行者ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得取締役ノ解任ヲ目的トスル總會ヲ招集シタル取締役又ハ監査役亦同ジ
第二百七十條第二項第三項及前條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三款 監査役
第二百七十三條 監査役ノ任期ハ二年ヲ超ユルコトヲ得ズ
第二百七十四條 監査役ハ何時ニテモ取締役ニ對シテ營業ノ報吿ヲ求メ又ハ會社ノ業務及財產ノ狀況ヲ調査スルコトヲ得
第二百七十五條 監査役ハ取締役ガ株主總會ニ提出セントスル書類ヲ調査シ株主總會ニ其ノ意見ヲ報吿スルコトヲ要ス
第二百七十六條 監査役ハ取締役又ハ支配人ヲ兼ヌルコトヲ得ズ但シ取締役中ニ缺員アルトキハ取締役及監査役ノ協議ヲ以テ監査役中ヨリ一時取締役ノ職務ヲ行フベキ者ヲ定ムルコトヲ得
前項但書ノ場合ニ於テハ其ノ定ヲ爲シタル日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ其ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第一項ノ規定ニ依リテ取締役ノ職務ヲ行フ監査役ハ第二百八十三條第一項ノ規定ニ從ヒ株主總會ノ承認ヲ得ル迄ハ監査役ノ職務ヲ行フコトヲ得ズ
第二百七十七條 會社ガ取締役ニ對シ又ハ取締役ガ會社ニ對シ訴ヲ提起スル場合ニ於テハ其ノ訴ニ付テハ監査役會社ヲ代表ス但シ株主總會ハ他人ヲシテ之ヲ代表セシムルコトヲ得
第二百六十八條第一項ノ規定ニ依リ株主ガ取締役ニ對シテ訴ヲ提起スルコトヲ請求シタルトキハ特ニ代表者ヲ指定スルコトヲ得
第二百七十八條 監査役ガ會社又ハ第三者ニ對シテ損害賠償ノ責ニ任ズベキ場合ニ於テ取締役モ亦其ノ責ニ任ズベキトキハ其ノ監査役及取締役ハ之ヲ連帶債務者トス
第二百七十九條 株主總會ニ於テ監査役ニ對シテ訴ヲ提起スルコトヲ決議シタルトキ又ハ之ヲ否決シタル場合ニ於テ會日ノ三月前ヨリ引續キ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル株式ヲ有スル株主ガ訴ノ提起ヲ取締役ニ請求シタルトキハ會社ハ決議又ハ請求ノ日ヨリ一月內ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
第二百六十七條第二項、第二百六十八條第二項乃至第五項及第二百七十七條第一項但書第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百八十條 第二百五十四條、第二百五十六條但書、第二百五十七條、第二百五十八條、第二百六十六條、第二百六十九條、第二百七十條及第二百七十二條ノ規定ハ監査役ニ之ヲ準用ス
第四節 會社ノ計算
第二百八十一條 取締役ハ定時總會ノ會日ヨリ二週間前ニ左ノ書類ヲ監査役ニ提出スルコトヲ要ス
第二百八十二條 取締役ハ定時總會ノ會日ノ一週間前ヨリ前條ニ揭グル書類及監査役ノ報吿書ヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
株主及會社ノ債權者ハ營業時間內何時ニテモ前項ニ揭グル書類ノ閱覽ヲ求メ又ハ會社ノ定メタル費用ヲ支拂ヒテ其ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ求ムルコトヲ得
第二百八十三條 取締役ハ第二百八十一條ニ揭グル書類ヲ定時總會ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
取締役ハ前項ノ承認ヲ得タル後遲滯ナク貸借對照表ヲ公吿スルコトヲ要ス
第二百八十四條 定時總會ニ於テ前條第一項ノ承認ヲ爲シタル後二年內ニ別段ノ決議ナキトキハ會社ハ取締役又ハ監査役ニ對シテ其ノ責任ヲ解除シタルモノト看做ス但シ取締役又ハ監査役ニ不正ノ行爲アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二百八十五條 財產目錄ニ記載スル營業用ノ固定財產ニ付テハ其ノ取得價額又ハ製作價額ヲ超ユル價額、取引所ノ相場アル有價證券ニ付テハ其ノ決算期前一月ノ平均價格ヲ超ユル價額ヲ附スルコトヲ得ズ
第二百八十六條 第百六十八條第一項第七號ノ規定ニ依リ支出シタル金額及設立登記ノ爲ニ支出シタル稅額ハ之ヲ貸借對照表ノ資產ノ部ニ計上スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ會社成立ノ後、若シ開業前ニ利息ヲ配當スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ配當ヲ止メタル後五年內ニ每決算期ニ於テ均等額以上ノ償却ヲ爲スコトヲ要ス
第二百八十七條 社債權者ニ償還スベキ金額ノ總額ガ社債ノ募集ニ依リテ得タル實額ヲ超ユルトキハ其ノ差額ハ之ヲ貸借對照表ノ資產ノ部ニ計上スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ社債償還ノ期限內ニ每決算期ニ於テ均等額以上ノ償却ヲ爲スコトヲ要ス
第二百八十八條 會社ハ其ノ資本ノ四分ノ一ニ達スル迄ハ每決算期ノ利益ノ二十分ノ一以上ヲ準備金トシテ積立ツルコトヲ要ス
額面以上ノ價額ヲ以テ株式ヲ發行シタルトキハ其ノ額面ヲ超ユル金額ヨリ發行ノ爲ニ必要ナル費用ヲ控除シタル金額ハ前項ノ額ニ達スル迄之ヲ準備金ニ組入ルルコトヲ要ス
第二百八十九條 前條ノ準備金ハ資本ノ缺損ノ塡補ニ充ツル場合ヲ除クノ外之ヲ使用スルコトヲ得ズ
第二百九十條 會社ハ損失ヲ塡補シ且第二百八十八條第一項ノ準備金ヲ控除シタル後ニ非ザレバ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ得ズ
前項ノ規定ニ違反シテ配當ヲ爲シタルトキハ會計ノ債權者ハ之ヲ返還セシムルコトヲ得
第二百九十一條 會社ノ目的タル事業ノ性質ニ依リ會社ノ成立後二年以上其ノ營業全部ノ開業ヲ爲スコト能ハザルモノト認ムルトキハ會社ハ定款ヲ以テ其ノ開業前一定ノ期間內一定ノ利息ヲ株主ニ配當スベキ旨ヲ定ムルコトヲ得但シ其ノ利率ハ年五分ヲ超ユルコトヲ得ズ
第一項ノ規定ニ依リテ配當シタル金額ハ之ヲ貸借對照表ノ資產ノ部ニ計上スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ年六分ヲ超ユル利益ヲ配當スル每ニ其ノ超過額ト同額以上ノ金額ヲ償却スルコトヲ要ス
第二百九十二條 前條第一項ノ規定ニ依リテ利息ヲ配當スル會社ガ其ノ資本ヲ增加スル場合ニ於テハ新株ニ對シテモ亦利息ヲ配當スルコトヲ要ス但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ配當ヲ爲ス場合ニ於テハ配當期間ヲ伸長スルコトヲ得
第二百九十三條 利益又ハ利息ノ配當ハ定款ニ依リテ拂込ミタル株金額ノ割合ニ應ジテ之ヲ爲ス但シ第二百二十二條第一項ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ
第二百九十四條 會社ノ業務ノ執行ニ關シ不正ノ行爲又ハ法令若ハ定款ニ違反スル重大ナル事實アルコトヲ疑フベキ事由アルトキハ三月前ヨリ引續キ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル株式ヲ有スル株主ハ會社ノ業務及財產ノ狀況ヲ調査セシムル爲裁判所ニ檢査役ノ選任ヲ請求スルコトヲ得
檢査役ハ其ノ調査ノ結果ヲ裁判所ニ報吿スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ監査役ヲシテ株主總會ヲ招集セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第百八十一條第二項及第百八十四條第二項ノ規定ヲ準用ス
第二百九十五條 身元保證金ノ返還ヲ目的トスル債權其ノ他會社ト使用人トノ間ノ雇傭關係ニ基キ生ジタル債權ヲ有スル者ハ會社ノ總財產ノ上ニ先取特權ヲ有ス
前項ノ先取特權ノ順位ハ民法第三百六條第一號ニ揭グル先取特權ニ次グ
第五節 社債
第一款 總則
第二百九十六條 社債ハ第三百四十三條ニ定ムル決議ニ依ルニ非ザレバ之ヲ募集スルコトヲ得ズ
第二百九十七條 社債ノ總額ハ拂込ミタル株金額ヲ超ユルコトヲ得ズ
最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存スル純財產額ガ拂込ミタル株金額ニ滿タザルトキハ社債ノ總額ハ其ノ財產額ヲ超ユルコトヲ得ズ
舊社債償還ノ爲ニスル社債ノ募集ニ付テハ其ノ舊社債ノ額ハ社債ノ總額中ニ之ヲ算入セズ此ノ場合ニ於テハ拂込ノ期日、若シ數囘ニ分チテ拂込ヲ爲サシムルトキハ第一囘拂込ノ期日ヨリ六月內ニ舊社債ヲ償還スルコトヲ要ス
第二百九十八條 會社ハ前ニ募集シタル社債總額ノ拂込ヲ爲サシメタル後ニ非ザレバ更ニ社債ヲ募集スルコトヲ得ズ
第二百九十九條 各社債ノ金額ハ二十圓ヲ下ルコトヲ得ズ
同一種類ノ社債ニ在リテハ各社債ノ金額ハ均一ナルカ又ハ最低額ヲ以テ整除シ得ベキモノナルコトヲ要ス
第三百條 社債權者ニ償還スベキ金額ガ券面額ヲ超ユベキコトヲ定メタルトキハ其ノ超過額ハ各社債ニ付同率ナルコトヲ要ス
第三百一條 社債ノ募集ニ應ゼントスル者ハ社債申込證二通ニ其ノ引受クベキ社債ノ數及住所ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
社債申込證ハ取締役之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
七 數囘ニ分チテ社債ノ拂込ヲ爲サシムルトキハ其ノ拂込ノ金額及時期
九 債券ヲ記名式又ハ無記名式ニ限リタルトキハ其ノ旨
十一 最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存スル純財產額
十二 舊社債ノ償還ノ爲第二百九十七條第一項及第二項ノ制限ヲ超エテ社債ヲ募集スルトキハ其ノ旨
十三 前ニ社債ヲ募集シタルトキハ其ノ償還ヲ了ヘザル總額
十四 社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社アルトキハ其ノ商號
十五 社債ノ應募額ガ總額ニ達セザル場合ニ於テ前號ノ會社ガ其ノ殘額ヲ引受クベキコトヲ約シタルトキハ其ノ旨
社債發行ノ最低價額ヲ定メタル場合ニ於テハ社債應募者ハ社債申込證ニ應募價額ヲ記載スルコトヲ要ス
第三百二條 前條ノ規定ハ契約ニ依リ社債ノ總額ヲ引受クル場合ニハ之ヲ適用セズ社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ガ自ラ社債ノ一部ヲ引受クル場合ニ於テ其ノ一部ニ付亦同ジ
第三百三條 社債ノ募集ガ完了シタルトキハ取締役ハ遲滯ナク各社債ニ付其ノ全額又ハ第一囘ノ拂込ヲ爲サシムルコトヲ要ス
第三百四條 社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ハ自己ノ名ヲ以テ會社ノ爲ニ第三百一條第二項及前條ニ定ムル行爲ヲ爲スコトヲ得
第三百五條 會社ハ第三百三條ノ拂込アリタル日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ社債ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 第三百一條第二項第二號乃至第六號及第十四號ニ揭グル事項
外國ニ於テ社債ヲ募集シタル場合ニ於テ登記スベキ事項ガ外國ニ於テ生ジタルトキハ登記ノ期間ハ其ノ通知ノ到達シタル時ヨリ之ヲ起算ス
第三百六條 債券ハ社債全額ノ拂込アリタル後ニ非ザレバ之ヲ發行スルコトヲ得ズ
債券ニハ第三百一條第二項第一號乃至第六號、第九號及第十四號ニ揭グル事項竝ニ番號ヲ記載シ取締役之ニ署名スルコトヲ要ス
第三百七條 記名社債ノ移轉ハ取得者ノ氏名及住所ヲ社債原簿ニ記載シ且其ノ氏名ヲ債券ニ記載スルニ非ザレバ之ヲ以テ會社其ノ他ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第三百八條 社債權者ハ何時ニテモ其ノ記名式ノ債券ヲ無記名式ト爲シ又ハ其ノ無記名式ノ債券ヲ記名式ト爲スコトヲ請求スルコトヲ得但シ債券ヲ記名式又ハ無記名式ニ限ル旨ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三百九條 社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ハ社債權者ノ爲ニ社債ノ償還ヲ受クルニ必要ナル一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
前項ノ會社ガ社債ノ償還ヲ受ケタルトキハ遲滯ナク其ノ旨ヲ公吿シ且知レタル社債權者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ社債權者ハ債券ト引換ニ償還額ノ支拂ヲ請求スルコトヲ得
第三百十條 社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社二以上アルトキハ其ノ權限ニ屬スル行爲ハ共同シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
第三百十一條 社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社二以上アルトキハ社債權者ニ對シ連帶シテ償還額ノ支拂ヲ爲ス義務ヲ負フ
第三百十二條 社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ハ社債ヲ發行シタル會社及社債權者集會ノ同意ヲ得テ辭任スルコトヲ得已ムコトヲ得ザル事由アル場合ニ於テ裁判所ノ許可ヲ得タルトキ亦同ジ
第三百十三條 社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ガ其ノ事務ヲ處理スルニ不適任ナルトキ其ノ他正當ノ事由アルトキハ裁判所ハ社債ヲ發行シタル會社又ハ社債權者集會ノ請求ニ依リ之ヲ解任スルコトヲ得
第三百十四條 前二條ノ場合ニ於テ社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ナキニ至リタルトキハ社債ヲ發行シタル會社及社債權者集會ノ一致ヲ以テ其ノ事務ノ承繼者ヲ定ムルコトヲ得
已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ利害關係人ハ事務承繼者ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
第三百十五條 無記名社債ヲ償還スル場合ニ於テ欠缺セル利札アルトキハ之ニ相當スル金額ヲ償還額ヨリ控除ス但シ旣ニ支拂期ノ到來シタル利札ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ利札ノ所持人ハ何時ニテモ之ト引換ニ控除金額ノ支拂ヲ請求スルコトヲ得
第三百十六條 社債ノ償還請求權ハ十年ヲ經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
利息及前條第二項ノ請求權ハ五年ヲ經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
第三百十七條 社債原簿ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
三 第三百一條第二項第二號乃至第七號及第十四號ニ揭グル事項
七 無記名式ノ債券ヲ發行シタルトキハ其ノ數、番號及發行ノ年月日
第三百十八條 第二百二十四條第一項及第二項ノ規定ハ社債應募者又ハ社債權者ニ對スル通知及催吿ニ之ヲ準用ス
第二百三條ノ規定ハ社債ガ數人ノ共有ニ屬スル場合ニ之ヲ準用ス
第二款 社債權者集會
第三百十九條 社債權者集會ハ本法ニ規定アル場合ヲ除クノ外裁判所ノ許可ヲ得テ社債權者ノ利害ニ重大ナル關係ヲ有スル事項ニ付決議ヲ爲スコトヲ得
第三百二十條 社債權者集會ハ社債ヲ發行シタル會社又ハ社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社之ヲ招集ス
社債總額ノ十分ノ一以上ニ當ル社債權者ハ會議ノ目的タル事項及招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ前項ノ會社ニ提出シテ社債權者集會ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
第二百三十七條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
無記名式ノ債券ヲ有スル者ハ其ノ債券ヲ供託スルニ非ザレバ前二項ノ權利ヲ行使スルコトヲ得ズ
第三百二十一條 各社債權者ハ社債ノ最低額每ニ一個ノ議決權ヲ有ス
無記名式ノ債券ヲ有スル者ハ會日ヨリ一週間前ニ債券ヲ供託スルニ非ザレバ其ノ議決權ヲ行使スルコトヲ得ズ
第三百二十二條 社債ヲ發行シタル會社又ハ社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ハ其ノ代表者ヲ社債權者集會ニ出席セシメ又ハ書面ヲ以テ意見ヲ述ブルコトヲ得
社債權者集會ノ招集ハ前項ノ會社ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス
第二百三十二條第一項及第二項ノ規定ハ前項ノ通知ニ之ヲ準用ス
第三百二十三條 社債權者集會又ハ其ノ招集者ハ必要アリト認ムルトキハ社債ヲ發行シタル會社ニ對シ其ノ代表者ノ出席ヲ求ムルコトヲ得
第三百二十四條 第三百四十三條第一項乃至第三項及第三百四十四條第二項第三項ノ規定ハ社債權者集會ノ決議ニ之ヲ準用ス
第三百十二條乃至第三百十四條及前條ノ同意又ハ請求ハ前項ノ規定ニ拘ラズ出席シタル社債權者ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ決スルコトヲ得
第三百二十五條 社債權者集會ノ招集者ハ決議ノ日ヨリ一週間內ニ決議ノ認可ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス
第三百二十六條 裁判所ハ左ノ場合ニ於テハ社債權者集會ノ決議ヲ認可スルコトヲ得ズ
一 社債權者集會招集ノ手續又ハ其ノ決議ノ方法ガ法令又ハ社債募集ノ目論見書ノ記載ニ違反スルトキ
二 決議ガ不當ノ方法ニ依リテ成立スルニ至リタルトキ
前項第一號及第二號ノ場合ニ於テハ裁判所ハ決議ノ內容其ノ他一切ノ事情ヲ斟酌シテ決議ヲ認可スルコトヲ妨ゲズ
第三百二十七條 社債權者集會ノ決議ハ裁判所ノ認可ニ因リテ其ノ效力ヲ生ズ
社債權者集會ノ決議ハ總社債權者ニ對シ其ノ效力ヲ有ス
第三百二十八條 社債權者集會ノ決議ニ對シ認可又ハ不認可ノ決定アリタルトキハ社債ヲ發行シタル會社ハ遲滯ナク其ノ旨ヲ公吿スルコトヲ要ス
第三百二十九條 社債權者集會ハ社債總額ノ五百分ノ一以上ヲ有スル社債權者ノ中ヨリ一人又ハ數人ノ代表者ヲ選任シ其ノ決議スベキ事項ノ決定ヲ之ニ委任スルコトヲ得
代表者數人アルトキハ前項ノ決定ハ其ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲ス
第三百三十條 社債權者集會ノ決議ハ社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社、若シ社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ナキトキハ前條ノ代表者之ヲ執行ス但シ社債權者集會ノ決議ヲ以テ別ニ執行者ヲ定メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三百三十一條 第三百十條ノ規定ハ代表者又ハ執行者數人アル場合ニ之ヲ準用ス
第三百三十二條 第三百九條、第三百十一條及第三百十六條第二項ノ規定ハ代表者又ハ執行者ガ社債ノ償還ニ關スル決議ヲ執行スル場合ニ之ヲ準用ス
第三百三十三條 社債權者集會ハ何時ニテモ代表者若ハ執行者ヲ解任シ又ハ委任シタル事項ヲ變更スルコトヲ得
第三百三十四條 會社ガ社債ノ利息ノ支拂ヲ怠リタルトキ又ハ定期ニ社債ノ一部ヲ償還スベキ場合ニ於テ其ノ償還ヲ怠リタルトキハ社債權者集會ノ決議ニ依リ會社ニ對シ一定ノ期間內ニ其ノ辨濟ヲ爲スベキ旨及其ノ期間內ニ之ヲ爲サザルトキハ社債ノ總額ニ付期限ノ利益ヲ失フベキ旨ヲ通知スルコトヲ得但シ其ノ期間ハ二月ヲ下ルコトヲ得ズ
會社ガ第一項ノ期間內ニ辨濟ヲ爲サザルトキハ社債ノ總額ニ付期限ノ利益ヲ失フ
第三百三十五條 前條ノ規定ニ依リ會社ガ期限ノ利益ヲ失ヒタルトキハ前條第一項ノ決議ヲ執行スル者ハ遲滯ナク其ノ旨ヲ公吿シ且知レタル社債權者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス
第三百三十六條 社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社、代表者又ハ執行者ニ對シテ與フベキ報酬及其ノ事務處理ノ爲ニ要スル費用ハ社債ヲ發行シタル會社トノ契約ニ其ノ定アル場合ヲ除クノ外裁判所ノ許可ヲ得テ會社ヲシテ之ヲ負擔セシムルコトヲ得
社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社、代表者又ハ執行者ハ償還ヲ受ケタル金額ヨリ社債權者ニ先チテ前項ノ報酬及費用ノ辨濟ヲ受クルコトヲ得
第三百三十七條 社債權者集會ニ關スル費用ハ社債ヲ發行シタル會社ノ負擔トス
第二百三十七條第三項ノ規定ハ第三百二十條第二項又ハ第三項ノ規定ニ依リテ社債權者集會ヲ招集シタル場合ニ之ヲ準用ス
第三百二十五條ノ請求ニ關スル費用ハ會社ノ負擔トス但シ裁判所ハ利害關係人ノ申立ニ依リ又ハ職權ヲ以テ其ノ全部又ハ一部ニ付別ニ負擔者ヲ定ムルコトヲ得
第三百三十八條 數種ノ社債ヲ發行シタル場合ニ於テハ社債權者集會ハ各種類ノ社債ニ付之ヲ招集スルコトヲ要ス
第三百三十九條 第二百三十二條、第二百三十九條第三項第四項、第二百四十條、第二百四十一條第二項、第二百四十三條及第二百四十四條ノ規定ハ社債權者集會ニ之ヲ準用ス
社債權者集會ノ議事錄ハ社債ヲ發行シタル會社其ノ本店ニ之ヲ備置クコトヲ要ス
社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社及社債權者ハ營業時間內何時ニテモ前項ノ議事錄ノ閱覽ヲ求ムルコトヲ得
第三百四十條 會社ガ或社債權者ニ對シテ爲シタル辨濟、和解其ノ他ノ行爲ガ著シク不公正ナルトキハ社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ハ訴ヲ以テ其ノ行爲ノ取消ヲ請求スルコトヲ得
前項ノ訴ハ社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ガ取消ノ原因タル事實ヲ知リタル時ヨリ六月、行爲ノ時ヨリ一年內ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
第八十八條竝ニ民法第四百二十四條第一項但書及第四百二十五條ノ規定ハ第一項ノ訴ニ之ヲ準用ス
第三百四十一條 社債權者集會ノ決議アルトキハ代表者又ハ執行者モ亦前條第一項ノ訴ヲ提起スルコトヲ得但シ行爲ノ時ヨリ一年內ニ限ル
第六節 定款ノ變更
第三百四十二條 定款ノ變更ヲ爲スニハ株主總會ノ決議アルコトヲ要ス
定款ノ變更ニ關スル議案ノ要領ハ第二百三十二條ニ定ムル通知及公吿ニ之ヲ記載スルコトヲ要ス
第三百四十三條 前條第一項ノ決議ハ總株主ノ半數以上ニシテ資本ノ半額以上ニ當ル株主出席シ其ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲ス
前項ニ定ムル員數ノ株主ガ出席セザルトキハ出席シタル株主ノ議決權ノ過半數ヲ以テ假決議ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ各株主ニ對シテ其ノ假決議ノ趣旨ノ通知ヲ發シ且無記名式ノ株券ヲ發行シタルトキハ其ノ趣旨ヲ公吿シ更ニ一月內ニ第二囘ノ株主總會ヲ招集スルコトヲ要ス
第二囘ノ株主總會ニ於テハ出席シタル株主ノ議決權ノ過半數ヲ以テ假決議ノ認否ヲ決ス
前二項ノ規定ハ會社ノ目的タル事業ヲ變更スル場合ニハ之ヲ適用セズ
第三百四十四條 前條第一項ノ規定ノ適用ニ付テハ議決權ナキ株主ハ之ヲ總株主ノ員數ニ、其ノ有スル株式ノ金額ハ之ヲ資本ノ額ニ算入セズ
第二百三十九條第二項ノ規定ニ依リテ株券ヲ供託セザル者ハ之ヲ總株主ノ員數ニ算入セズ
第二百四十條ノ規定ハ前條第一項乃至第三項ノ議決權ニ之ヲ準用ス
第三百四十五條 會社ガ數種ノ株式ヲ發行シタル場合ニ於テ定款ノ變更ガ或種類ノ株主ニ損害ヲ及ボスベキトキハ株主總會ノ決議ノ外其ノ種類ノ株主ノ總會ノ決議アルコトヲ要ス
或種類ノ株主ノ總會ノ決議ハ其ノ種類ノ株主ノ半數以上ニシテ株金總額ノ半額以上ニ當ル株主出席シ其ノ議決權ノ三分ノ二以上ノ多數ヲ以テ之ヲ爲ス
株主總會ニ關スル規定ハ議決權ナキ種類ノ株式ニ關スルモノヲ除クノ外第一項ノ總會ニ之ヲ準用ス
第三百四十六條 前條ノ規定ハ第二百二十二條第二項ノ決議ヲ爲ス場合及會社ノ合併ニ因リテ或種類ノ株主ニ損害ヲ及ボスベキ場合ニ之ヲ準用ス
第三百四十七條 第二百二十二條第二項及前二條ノ規定ハ同種類ノ株式中ニ拂込額ヲ異ニスル二種以上ノモノアル場合ニ之ヲ準用ス
第三百四十八條 左ノ事項ハ定款ニ定ナキトキト雖モ資本增加ノ決議ニ於テ之ヲ定ムルコトヲ得
二 現物出資ヲ爲ス者ノ氏名、出資ノ目的タル財產、其ノ價格竝ニ之ニ對シテ與フル株式ノ種類及數
三 資本ノ增加後ニ讓受クルコトヲ約シタル財產、其ノ價格及讓渡人ノ氏名
第三百四十九條 會社ガ特定ノ者ニ對シ將來其ノ資本ヲ增加スル場合ニ於テ新株ノ引受權ヲ與フベキコトヲ約スルニハ第三百四十三條ニ定ムル決議ニ依ルコトヲ要ス
第三百五十條 株式申込證ハ取締役之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
五 第百七十五條第二項第五號第六號及第三百四十八條第一號乃至第三號ニ揭グル事項
六 數種ノ株式アルトキ又ハ異種類ノ株式ヲ發行スルトキハ新ニ發行スル株式ノ內容及數
七 一定ノ時期迄ニ第三百五十一條ノ總會ガ終結セザルトキハ株式ノ申込ヲ取消スコトヲ得ベキコト
第三百五十一條 資本增加ノ場合ニ於テ各新株ニ付第百七十七條ノ規定ニ依ル拂込及現物出資ノ給付アリタルトキハ取締役ハ遲滯ナク株主總會ヲ招集シテ之ニ新株ノ募集ニ關スル事項ヲ報吿スルコトヲ要ス
新株ノ引受人ハ前項ノ總會ニ於テ株主ト同一ノ權利ヲ有ス
第三百五十二條 新株ノ引受人ハ株金ノ拂込期日ヨリ利益又ハ利息ノ配當ニ付株主ト同一ノ權利ヲ有ス
第三百五十三條 會社ノ成立後二年內ニ其ノ資本ヲ增加スル決議ヲ爲シ又ハ資本ヲ倍額以上ニ增加スル場合ニ於テ第三百四十八條第二號又ハ第三號ニ揭グル事項ヲ定メタルトキハ取締役ハ之ニ關スル調査ヲ爲サシムル爲檢査役ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス
第三百五十四條 監査役ハ左ノ事項ヲ調査シ之ヲ株主總會ニ報吿スルコトヲ要ス
二 第百七十七條ノ規定ニ依ル拂込及現物出資ノ給付アリタルヤ否ヤ
監査役ハ前條第一項ノ檢査役ノ報吿書ヲ調査シ株主總會ニ其ノ意見ヲ報吿スルコトヲ要ス
株主總會ハ第一項ノ調査及報吿ヲ爲サシムル爲特ニ檢査役ヲ選任スルコトヲ得
第三百五十五條 第三百五十三條第一項ノ場合ニ於テハ第三百五十一條ノ株主總會ノ決議ハ第三百四十三條ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第百八十五條及第百八十六條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三百五十六條 引受ナキ株式又ハ第百七十七條ノ規定ニ依ル拂込ノ未濟ナル株式アルトキハ取締役ハ連帶シテ其ノ株式ノ引受又ハ拂込ヲ爲ス義務ヲ負フ株式ノ申込ガ取消サレタルトキ亦同ジ
第三百五十七條 會社ハ第三百五十一條ノ株主總會終結ノ日又ハ第三百五十五條第二項ノ手續終了ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ資本增加ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
四 數種ノ株式アルトキ又ハ異種類ノ株式ヲ發行スルトキハ新ニ發行スル株式ノ內容及數
第三百五十八條 資本ノ增加ハ本店ノ所在地ニ於テ前條第一項ノ登記ヲ爲スニ因リテ其ノ效力ヲ生ズ
第三百五十九條 資本增加ノ場合ニ於テハ定款ヲ以テ株主ガ其ノ引受ケタル新株ヲ他ノ種類ノ株式ニ轉換スルコトヲ請求シ得ベキ旨ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ轉換ヲ請求シ得ベキ期間及轉換ニ因リテ受クベキ株式ノ內容ヲ定ムルコトヲ要ス
第三百六十條 前條ノ場合ニ於テハ株式申込證、株券及株主名簿ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 株式ヲ他ノ種類ノ株式ニ轉換スルコトヲ得ベキコト
資本增加ノ登記ニ在リテハ前項ニ揭グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
第三百六十一條 轉換ヲ請求スル者ハ請求書二通ニ株券ヲ添附シテ之ヲ會社ニ提出スルコトヲ要ス
前項ノ請求書ニハ轉換セントスル株式ノ數及請求ノ年月日ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
第三百六十二條 轉換ハ其ノ請求ヲ爲シタル時ノ屬スル營業年度ノ終ニ於テ其ノ效力ヲ生ズ
第三百六十三條 轉換ニ因リテ生ジタル各種類ノ株式ノ數ノ增減ハ每營業年度ノ終ヨリ一月內ニ本店ノ所在地ニ於テ之ヲ登記スルコトヲ要ス
第三百六十四條 社債募集ノ場合ニ於テハ社債權者ガ社債ヲ株式ニ轉換スルコトヲ請求シ得ベキ旨且轉換ノ限度ニ於テ資本ヲ增加スベキ旨ヲ決議スルコトヲ得
前項ノ決議ニ於テハ轉換ノ條件、轉換ニ因リテ發行スベキ株式ノ內容及轉換ヲ請求シ得ベキ期間ヲ定ムルコトヲ要ス
第三百六十五條 轉換ニ因リテ發行スベキ株式ハ全額拂込濟ノモノトス
轉換ニ因リテ發行スベキ株式ノ金額ハ轉換スベキ社債ノ發行價額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第二百八十八條第二項ノ規定ハ社債ノ轉換ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三百六十六條 轉換社債ニ付テハ社債申込證、債券及社債原簿ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
社債ノ登記ニ在リテハ前項ニ揭グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
第三百六十七條 轉換ヲ請求スル者ハ請求書二通ニ債券ヲ添附シテ之ヲ會社ニ提出スルコトヲ要ス
前項ノ請求書ニハ轉換セントスル社債ヲ表示シ請求ノ年月日ヲ記載シテ之ニ署名スルコトヲ要ス
第三百六十八條 第二百八條第一項及第三百六十二條ノ規定ハ社債ノ轉換ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三百六十九條 轉換ニ因リテ生ジタル資本ノ增加及社債ノ減少ハ每營業年度ノ終ヨリ一月內ニ本店ノ所在地ニ於テ之ヲ登記スルコトヲ要ス
第三百七十條 第百七十五條第一項第三項第四項、第百七十六條乃至第百七十九條、第百八十九條、第百九十條第一項及第百九十一條ノ規定ハ資本增加ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百九十條第二項ノ規定ハ取締役及監査役ニ之ヲ準用ス
第三百七十一條 資本增加ノ無效ハ第三百五十七條又ハ第三百六十九條ノ規定ニ依リ本店ノ所在地ニ於テ登記ヲ爲シタル日ヨリ六月內ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
前項ノ訴ハ株主、取締役又ハ監査役ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
第三百七十二條 第八十八條、第百五條第二項乃至第四項、第百七條、第百九條、第百三十七條及第二百四十九條ノ規定ハ前條ノ訴ニ之ヲ準用ス
第三百七十三條 資本ノ增加ヲ無效トスル判決ガ確定シタルトキハ資本ノ增加ニ因リテ發行シタル新株ハ將來ニ向テ其ノ效力ヲ失フ
前項ノ場合ニ於テハ會社ハ遲滯ナク其ノ旨及一定ノ期間內ニ株券ヲ會社ニ提出スベキ旨ヲ公吿シ且株主及株主名簿ニ記載アル質權者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ三月ヲ下ルコトヲ得ズ
第三百七十四條 前條第一項ノ場合ニ於テハ會社ハ新株ノ株主ニ對シ其ノ拂込ミタル株金ニ相當スル金額ノ支拂ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ金額ガ前條第一項ノ判決確定ノ時ニ於ケル會社財產ノ狀況ニ照シ著シク不相當ナルトキハ裁判所ハ會社又ハ前項ノ株主ノ請求ニ依リ前項ノ金額ノ增減又ハ未拂込株金額ノ拂込ヲ命ズルコトヲ得
第二百八條第一項及第二百九條第一項第二項ノ規定ハ第一項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三百七十五條 第二百四十五條第一項ノ規定ハ會社ガ資本ノ增加後二年內ニ其ノ增加前ヨリ存在スル財產ニシテ營業ノ爲ニ繼續シテ使用スベキモノヲ增加資本ノ二十分ノ一以上ニ當ル對價ヲ以テ取得スル契約ヲ爲ス場合ニ之ヲ準用ス
第三百七十六條 資本減少ノ場合ニ於テハ其ノ決議ニ於テ減少ノ方法ヲ定ムルコトヲ要ス
第九十九條及第百條ノ規定ハ資本減少ノ場合ニ之ヲ準用ス
社債權者ガ異議ヲ述ブルニハ社債權者集會ノ決議ニ依ルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ裁判所ハ利害關係人ノ請求ニ依リ社債權者ノ爲ニ異議ノ期間ヲ伸長スルコトヲ得
第三百七十七條 株式ノ併合ヲ爲サントスルトキハ會社ニ其ノ旨及一定ノ期間內ニ株券ヲ會社ニ提出スベキ旨ヲ公吿シ且株主及株主名簿ニ記載アル質權者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ三月ヲ下ルコトヲ得ズ
株式ノ併合ハ前項ノ期間滿了ノ時、若シ第百條ノ手續ガ未ダ終了セザルトキハ其ノ終了ノ時ニ於テ其ノ效力ヲ生ズ
第三百七十八條 株式ノ併合アリタル場合ニ於テ舊株券ヲ提出スルコト能ハザル者アルトキハ會社ハ其ノ者ノ請求ニ依リ利害關係人ニ對シ異議アラバ一定ノ期間內ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ公吿シ其ノ期間經過後ニ於テ新株券ヲ交付スルコトヲ得但シ其ノ期間ハ三月ヲ下ルコトヲ得ズ
第三百七十九條 併合ニ適セザル數ノ株式アルトキハ其ノ併合ニ適セザル部分ニ付新ニ發行シタル株式ヲ競賣シ且株數ニ應ジテ其ノ代金ヲ從前ノ株主ニ交付スルコトヲ要ス
第二百十四條第一項但書及前條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
前二項ノ規定ハ無記名式ノ株券ニシテ第三百七十七條第一項ノ規定ニ依ル提出ナカリシモノニ之ヲ準用ス
第三百八十條 資本減少ノ無效ハ本店ノ所在地ニ於テ資本減少ノ登記ヲ爲シタル日ヨリ六月內ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
前項ノ訴ハ株主、取締役、監査役、淸算人、破產管財人又ハ資本ノ減少ヲ承認セザル債權者ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
第八十八條、第百五條第二項乃至第四項、第百六條、第百七條、第百九條、第百三十七條及第二百四十九條ノ規定ハ第一項ノ訴ニ之ヲ準用ス
第七節 會社ノ整理
第三百八十一條 會社ノ現況其ノ他ノ事情ニ依リ支拂不能又ハ債務超過ニ陷ルノ虞アリト認ムルトキハ裁判所ハ取締役、監査役、三月前ヨリ引續キ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル株式ヲ有スル株主又ハ拂込株金額ノ十分ノ一以上ニ當ル債權者ノ申立ニ依リ會社ニ對シ整理ノ開始ヲ命ズルコトヲ得會社ニ支拂不能又ハ債務超過ノ疑アリト認ムルトキ亦同ジ
會社ノ業務ヲ監督スル官廳ハ會社ニ前項ニ揭グル事由アリト認ムルトキハ裁判所ニ其ノ旨ヲ通吿スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ裁判所ハ職權ヲ以テ整理ノ開始ヲ命ズルコトヲ得
整理開始ノ申立ガ權利ノ濫用其ノ他不當ノ目的ニ出ヅルモノト認ムルトキハ裁判所ハ其ノ申立ヲ却下スルコトヲ得
第三百八十二條 裁判所整理ノ開始ヲ命ジタルトキハ直ニ會社ノ本店及支店ノ所在地ノ登記所ニ整理開始ノ登記ヲ囑託スルコトヲ要ス
第三百八十三條 整理開始ノ申立又ハ通吿アリタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ破產手續及和議手續ノ中止ヲ命ズルコトヲ得
整理開始ノ命令アリタルトキハ破產若ハ和議ノ申立又ハ會社財產ニ對スル强制執行、假差押若ハ假處分ヲ爲スコトヲ得ズ破產手續、和議手續竝ニ旣ニ爲シタル强制執行、假差押及假處分ハ之ヲ中止ス
整理開始ノ命令ガ確定シタルトキハ前二項ノ規定ニ依リテ中止シタル手續ハ整理ノ關係ニ於テハ其ノ效力ヲ失フ
第三百八十四條 整理開始ノ命令アリタル場合ニ於テ債權者ノ一般ノ利益ニ適應シ且競賣申立人ニ不當ノ損害ヲ及ボスノ虞ナキモノト認ムルトキハ裁判所ハ相當ノ期間ヲ定メ競賣法ニ依ル競賣手續ノ中止ヲ命ズルコトヲ得
第三百八十五條 整理開始ノ命令アリタルトキハ會社ノ債權者ノ債權ニ付テハ整理開始ノ取消ノ登記又ハ整理終結ノ登記ノ日ヨリ二月內ハ時效完成セズ
第三百八十六條 整理開始ノ命令アリタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ左ノ處分ヲ爲スコトヲ得
七 發起人、取締役又ハ監査役ノ責任ノ免除ノ取消但シ整理ノ開始ヨリ一年前ニ爲シタル免除ニ付テハ不正ノ目的ニ出デタルモノニ限ル
八 發起人、取締役又ハ監査役ノ責任ニ基ク損害賠償請求權ノ査定
九 前號ノ損害賠償請求權ニ付發起人、取締役又ハ監査役ノ財產ニ對シテ爲ス保全處分
整理開始ノ申立又ハ通吿アリタルトキハ裁判所ハ其ノ開始前ト雖モ第三百八十一條第一項ニ揭グル者ノ申立ニ依リ又ハ職權ヲ以テ前項第一號乃至第三號、第九號又ハ第十號ノ處分ヲ爲スコトヲ得
第三百八十七條 裁判所前條第一項第五號、第十號又ハ第十一號ノ處分ヲ爲シタルトキハ直ニ會社ノ本店及支店ノ所在地ノ登記所ニ其ノ登記ヲ囑託スルコトヲ要ス前條第一項第一號ノ業務ノ制限ノ處分ヲ爲シタルトキ亦同ジ
前條第一項第一號又ハ第九號ノ處分ニシテ登記又ハ登錄ヲ爲スベキ財產ニ關スルモノニ付テハ裁判所ハ直ニ其ノ登記又ハ登錄ヲ囑託スルコトヲ要ス
第三百八十八條 第三百八十六條第一項第三號ノ檢査ハ會社ノ業務及財產ノ狀況其ノ他會社ノ整理ニ必要ナル事項ニ付裁判所ノ選任シタル檢査役之ヲ爲ス
檢査役ハ會社ノ業績ガ不良ト爲リタル事情及發起人、取締役又ハ監査役ニ不正又ハ懈怠ナカリシヤ否ヤヲモ調査スルコトヲ要ス
第三百八十九條 檢査役ハ調査ノ結果殊ニ左ノ事項ヲ裁判所ニ報吿スルコトヲ要ス
二 發起人、取締役又ハ監査役ニ第百九十二條、第百九十三條、第二百六十六條、第二百八十條又ハ第三百五十六條ノ規定ニ依リテ責ニ任ズベキ事實アルヤ否ヤ
三 會社ノ業務及財產ニ付監督又ハ管理ヲ爲ス必要アルヤ否ヤ
五 會社ノ損害賠償請求權ニ付發起人、取締役又ハ監査役ノ財產ニ對シ保全處分ヲ爲ス必要アルヤ否ヤ
第三百九十條 檢査役ハ發起人、取締役、監査役及支配人其ノ他ノ使用人ニ對シ會社ノ業務及財產ノ狀況ニ付報吿ヲ求メ會社ノ帳簿、書類、金錢其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
檢査役ハ其ノ調査ヲ爲スニ當リ裁判所ノ許可ヲ得テ執達吏又ハ警察官吏ノ援助ヲ求ムルコトヲ得
第三百九十一條 第三百八十六條第一項第四號ノ處分ヲ爲シタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ整理委員ヲ選任スルコトヲ得
整理委員ハ整理又ハ和議ニ關スル立案ノ任ニ當リ且取締役ガ其ノ實行ヲ爲スニ付之ト協力ス
第三百九十二條 整理ノ實行上又ハ和議ノ爲株金ノ拂込ヲ爲サシムル必要アリト認ムルトキハ取締役ハ各株主ニ對シ其ノ有スル株式ノ數及未拂込株金額ヲ通知シ異議アラバ一定ノ期間內ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ催吿スルコトヲ得但シ其ノ期間ハ一月ヲ下ルコトヲ得ズ
株主ガ前項ノ期間內ニ異議ヲ述ベザリシトキハ通知シタル事項ヲ承認シタルモノト看做ス
株主ガ異議ヲ述ベタルトキハ取締役ハ其ノ確定ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス
第三百九十三條 取締役ハ前條ノ承認又ハ確定アリタル事項ニ基キ株主表ヲ作ルコトヲ要ス
取締役株金ノ拂込ヲ爲サシメントスルトキハ其ノ拂込金額ニ付裁判所ノ認可ヲ得ルコトヲ要ス
會社ハ株主ニ對シ前項ノ認可ノ記載アル株主表ノ抄本ニ基キテ强制執行ヲ爲スコトヲ得
第三百九十四條 第三百八十六條第一項第八號ノ査定ニ不服アル者ハ査定ノ吿知ヲ受ケタル日ヨリ一月內ニ異議ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
査定ヲ認可シ又ハ之ヲ變更シタル判決ハ强制執行ニ關シテハ給付ヲ命ズル判決ト同一ノ效力ヲ有ス
第八十八條及第百五條第二項第三項ノ規定ハ第一項ノ訴ニ之ヲ準用ス
第三百九十五條 前條第一項ノ期間內ニ訴ノ提起ナキトキハ査定ハ給付ヲ命ズル確定判決ト同一ノ效力ヲ有ス訴ガ却下セラレタルトキ亦同ジ
第三百九十六條 査定ノ申立ハ時效ノ中斷ニ關シテハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス職權ニ依ル査定手續ノ開始亦同ジ
第三百九十七條 第三百八十六條第一項第十號ノ監督ハ裁判所ノ選任シタル監督員之ヲ爲ス
取締役ガ裁判所ノ指定シタル行爲ヲ爲スニハ監督員ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第三百九十八條 第三百八十六條第一項第十一號ノ管理ハ裁判所ノ選任シタル管理人之ヲ爲ス
會社ノ代表、業務ノ執行竝ニ財產ノ管理及處分ヲ爲ス權利ハ管理人ニ專屬ス第二百四十七條、第三百七十一條、第三百八十條、第四百十五條及第四百二十八條ノ規定ニ依ル取締役ノ權利亦同ジ
第三百九十九條 整理ガ結了シ又ハ整理ノ必要ナキニ至リタルトキハ裁判所ハ第三百八十一條第一項ニ揭グル者、檢査役、整理委員、監督員又ハ管理人ノ申立ニ依リ整理終結ノ決定ヲ爲スコトヲ得
第四百條 第三百八十二條及第三百八十七條ノ規定ハ整理終結ノ決定又ハ整理開始ノ命令ヲ取消ス決定ガ確定シタル場合ニ之ヲ準用ス
第四百一條 整理開始ノ命令アリタル場合ニ於テ債權者ノ一般ノ利益ノ爲必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ和議ノ申立ヲ爲スコトヲ認可スルコトヲ得
裁判所前項ノ認可ヲ爲シタルトキハ和議法ニ從ヒ和議手續ヲ爲スコトヲ要ス
第四百二條 整理開始ノ命令アリタル場合ニ於テ整理ノ見込ナキトキハ裁判所ハ職權ヲ以テ破產法ニ從ヒ破產ノ宣吿ヲ爲スコトヲ要ス
第四百三條 破產法第百四條ノ規定ハ整理ノ場合ニ之ヲ準用ス
破產法第百六十三條乃至第百六十六條ノ規定ハ檢査役、整理委員、監督員及管理人ニ之ヲ準用ス
第八節 解散
第四百四條 會社ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
一 第九十四條第一號、第三號、第五號及第六號ニ揭グル事由
第四百五條 解散ノ決議ハ第三百四十三條ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第四百六條 會社ガ存立時期ノ滿了其ノ他定款ニ定メタル事由ノ發生又ハ株主總會ノ決議ニ因リテ解散シタル場合ニ於テハ第三百四十三條ニ定ムル決議ニ依リテ會社ヲ繼續スルコトヲ得
第四百七條 會社ガ解散シタルトキハ破產ノ場合ヲ除クノ外取締役ハ遲滯ナク株主ニ對シテ其ノ旨ノ通知ヲ發シ且無記名式ノ株券ヲ發行シタル場合ニ於テハ之ヲ公吿スルコトヲ要ス
第四百八條 會社ガ合併ヲ爲スニハ合併契約書ヲ作リ株主總會ノ承認ヲ得ルコトヲ要ス
合併契約書ノ要領ハ第二百三十二條ニ定ムル通知及公吿ニ之ヲ記載スルコトヲ要ス
第一項ノ決議ハ第三百四十三條ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第四百九條 合併ヲ爲ス會社ノ一方ガ合併後存續スル場合ニ於テハ合併契約書ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
二 存續スル會社ノ發行スベキ新株ノ種類、數及拂込金額竝ニ合併ニ因リテ消滅スル會社ノ株主ニ對スル新株ノ割當ニ關スル事項
三 合併ニ因リテ消滅スル會社ノ株主ニ支拂ヲ爲スベキ金額ヲ定メタルトキハ其ノ規定
四 各會社ニ於テ前條第一項ノ決議ヲ爲スベキ株主總會ノ期日
第四百十條 合併ニ因リテ會社ヲ設立スル場合ニ於テハ合併契約書ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 合併ニ因リテ設立スル會社ノ目的、商號、資本ノ總額、一株ノ金額及本店ノ所在地
二 合併ニ因リテ設立スル會社ノ發行スベキ株式ノ種類、數及拂込金額竝ニ各會社ノ株主ニ對スル株式ノ割當ニ關スル事項
三 各會社ノ株主ニ支拂ヲ爲スベキ金額ヲ定メタルトキハ其ノ規定
第四百十一條 合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立スル會社ガ株式會社ナル場合ニ於テ合併ヲ爲ス會社ノ一方又ハ雙方ガ合名會社又ハ合資會社ナルトキハ總社員ノ同意ヲ得テ合併契約書ヲ作ルコトヲ要ス
第四百十二條 合併ヲ爲ス會社ノ一方ガ合併後存續スル場合ニ於テハ其ノ取締役ハ第百條ノ手續ノ終了後、合併ニ因ル株式ノ併合アリタルトキハ其ノ效力ヲ生ジタル後、併合ニ適セザル株式アリタルトキハ合併後存續スル會社ニ於テ第三百七十九條ノ處分ヲ爲シタル後遲滯ナク株主總會ヲ招集シテ之ニ合併ニ關スル事項ヲ報吿スルコトヲ要ス
第三百五十一條第二項ノ規定ハ前項ノ株主總會ニ關シ之ヲ準用ス
第四百十三條 合併ニ因リテ會社ヲ設立スル場合ニ於テハ設立委員ハ第百條ノ手續ノ終了後、合併ニ因ル株式ノ併合アリタルトキハ其ノ效力ヲ生ジタル後、併合ニ適セザル株式アリタルトキハ第三百七十九條ノ處分ヲ爲シタル後遲滯ナク創立總會ヲ招集スルコトヲ要ス
創立總會ニ於テハ定款變更ノ決議ヲモ爲スコトヲ得但シ合併契約ノ趣旨ニ反スルコトヲ得ズ
第百八十條第二項第三項、第百八十二條、第百八十三條及第百八十七條第二項ノ規定ハ第一項ノ創立總會ニ之ヲ準用ス
第四百十四條 會社ガ合併ヲ爲シタルトキハ第四百十二條ノ株主總會又ハ前條ノ創立總會ノ終結ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ合併後存續スル會社ニ付テハ變更ノ登記、合併ニ因リテ消滅スル會社ニ付テハ解散ノ登記、合併ニ因リテ設立シタル會社ニ付テハ第百八十八條ニ定ムル登記ヲ爲スコトヲ要ス
合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立シタル會社ガ合併ニ因リテ社債ヲ承繼シタルトキハ前項ノ登記ト同時ニ社債ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第四百十五條 合併ノ無效ノ訴ハ各會社ノ株主、取締役、監査役、淸算人、破產管財人又ハ合併ヲ承認セザル債權者ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
第四百十六條 第九十六條、第九十七條、第九十八條第二項、第九十九條、第百條、第百二條、第百三條、第百四條第一項第三項及第百五條乃至第百十一條ノ規定ハ株式會社ニ之ヲ準用ス
第三百七十六條第三項ノ規定ハ合併ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三百七十七條乃至第三百七十九條ノ規定ハ會社ノ合併ニ因ル株式併合ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百八條第一項及第二百九條第三項ノ規定ハ株式ヲ併合セザル場合ニ於テ合併ニ因リテ消滅スル會社ノ株式ヲ目的トスル質權ニ之ヲ準用ス
第九節 淸算
第一款 總則
第四百十七條 會社ガ解散シタルトキハ合併及破產ノ場合ヲ除クノ外取締役其ノ淸算人ト爲ル但シ定款ニ別段ノ定アルトキ又ハ株主總會ニ於テ他人ヲ選任シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リテ淸算人タル者ナキトキハ裁判所ハ利害關係人ノ請求ニ依リ淸算人ヲ選任ス
第四百十八條 淸算人ハ其ノ就職ノ日ヨリ二週間內ニ左ノ事項ヲ裁判所ニ屆出ヅルコトヲ要ス
第四百十九條 淸算人ハ就職ノ後遲滯ナク會社財產ノ現況ヲ調査シ財產目錄及貸借對照表ヲ作リ之ヲ株主總會ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
淸算人ハ前項ノ承認ヲ得タル後遲滯ナク財產目錄及貸借對照表ヲ裁判所ニ提出スルコトヲ要ス
第四百二十條 淸算人ハ財產目錄、貸借對照表及事務報吿書ヲ作リ定時總會ノ會日ヨリ二週間前ニ之ヲ監査役ニ提出スルコトヲ要ス
第四百二十一條 淸算人ハ其ノ就職ノ日ヨリ二月內ニ少クトモ三囘ノ公吿ヲ以テ債權者ニ對シ一定ノ期間內ニ其ノ債權ヲ申出ヅベキ旨ヲ催吿スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ二月ヲ下ルコトヲ得ズ
前項ノ公吿ニハ債權者ガ期間內ニ申出ヲ爲サザルトキハ淸算ヨリ除斥セラルベキ旨ヲ附記スルコトヲ要ス
第四百二十二條 淸算人ハ知レタル債權者ニハ各別ニ其ノ債權ノ申出ヲ催吿スルコトヲ要ス
第四百二十三條 淸算人ハ第四百二十一條第一項ノ債權申出ノ期間內ハ債權者ニ對シテ辨濟ヲ爲スコトヲ得ズ但シ會社ハ之ガ爲ニ遲延ニ因ル損害賠償ノ責任ヲ免ルルコトナシ
淸算人ハ前項ノ規定ニ拘ラズ裁判所ノ許可ヲ得テ少額ノ債權及擔保アル債權其ノ他之ヲ辨濟スルモ他ノ債權者ヲ害スルノ虞ナキ債權ニ付辨濟ヲ爲スコトヲ得
第四百二十四條 淸算ヨリ除斥セラレタル債權者ハ未ダ分配セザル殘餘財產ニ對シテノミ辨濟ヲ請求スルコトヲ得
一部ノ株主ニ對シ旣ニ分配ヲ爲シタル場合ニ於テハ他ノ株主ニ對シ之ト同一ノ割合ヲ以テ分配ヲ爲スニ要スル財產ハ之ヲ前項ノ殘餘財產ヨリ控除ス
第四百二十五條 殘餘財產ハ定款ニ依リテ拂込ミタル株金額ノ割合ニ應ジテ之ヲ株主ニ分配スルコトヲ要ス但シ第二百二十二條第一項ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ
第四百二十六條 淸算人ハ裁判所ノ選任シタルモノヲ除クノ外何時ニテモ株主總會ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
重要ナル事由アルトキハ裁判所ハ監査役又ハ三月前ヨリ引續キ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル株式ヲ有スル株主ノ請求ニ依リ淸算人ヲ解任スルコトヲ得
第四百二十七條 淸算事務ガ終リタルトキハ淸算人ハ遲滯ナク決算報吿書ヲ作リ之ヲ株主總會ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
前項ノ承認アリタルトキハ會社ハ淸算人ニ對シテ其ノ責任ヲ解除シタルモノト看做ス但シ淸算人ニ不正ノ行爲アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第四百二十八條 會社ノ設立ノ無效ハ其ノ成立ノ日ヨリ二年內ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
前項ノ訴ハ株主、取締役又ハ監査役ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
第百三十六條第三項、第百三十七條及第百三十八條ノ規定ハ第一項ノ訴ニ之ヲ準用ス
第四百二十九條 會社ノ帳簿竝ニ其ノ營業及淸算ニ關スル重要書類ハ本店ノ所在地ニ於テ淸算結了ノ登記ヲ爲シタル後十年間之ヲ保存スルコトヲ要ス其ノ保存者ハ淸算人其ノ他ノ利害關係人ノ請求ニ依リ裁判所之ヲ選任ス
第四百三十條 第百十六條、第百二十二條乃至第百二十六條、第百二十八條、第百二十九條第二項第三項、第百三十一條及第百三十四條ノ規定ハ株式會社ニ之ヲ準用ス
第二百三十一條、第二百三十六條乃至第二百三十八條、第二百四十四條第二項、第二百四十五條第一項第四號第二項、第二百四十七條、第二百四十九條、第二百五十四條第二項、第二百五十八條、第二百六十一條、第二百六十三條、第二百六十五條乃至第二百七十二條、第二百七十四條乃至第二百七十九條及第二百八十二條乃至第二百八十四條ノ規定ハ淸算人ニ之ヲ準用ス
第二款 特別淸算
第四百三十一條 淸算ノ遂行ニ著シキ支障ヲ來スベキ事情アリト認ムルトキハ裁判所ハ債權者、淸算人、監査役若ハ株主ノ申立ニ依リ又ハ職權ヲ以テ會社ニ對シ特別淸算ノ開始ヲ命ズルコトヲ得會社ニ債務超過ノ疑アリト認ムルトキ亦同ジ
會社ニ債務超過ノ疑アルトキハ淸算人ハ前項ノ申立ヲ爲スコトヲ要ス
第三百八十一條第二項及第三項ノ規定ハ第一項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四百三十二條 特別淸算開始ノ申立又ハ通吿アリタルトキハ裁判所ハ其ノ開始前ト雖モ前條第一項ニ揭グル者ノ申立ニ依リ又ハ職權ヲ以テ第四百五十四條第一項第一號、第二號又ハ第六號ノ處分ヲ爲スコトヲ得
第四百三十三條 第三百八十二條乃至第三百八十五條ノ規定ハ特別淸算ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四百三十四條 特別淸算ノ場合ニ於テハ淸算人ハ會社、株主及債權者ニ對シ公平且誠實ニ淸算事務ヲ處理スル義務ヲ負フ
第四百三十五條 重要ナル事由アルトキハ裁判所ハ淸算人ヲ解任スルコトヲ得
淸算人ガ缺ケタルトキ又ハ其ノ增員ノ必要アルトキハ裁判所之ヲ選任ス
第四百三十六條 裁判所ハ何時ニテモ淸算事務及財產ノ狀況ノ報吿ヲ命ジ其ノ他淸算ノ監督上必要ナル調査ヲ爲スコトヲ得
第四百三十七條 淸算ノ監督上必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ第四百五十四條第一項第一號、第二號又ハ第六號ノ處分ヲ爲スコトヲ得
第四百三十八條 會社ノ債務ハ其ノ債權額ノ割合ニ應ジテ之ヲ辨濟スルコトヲ要ス
第四百二十三條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四百三十九條 淸算ノ實行上必要アリト認ムルトキハ淸算人ハ債權者集會ヲ招集スルコトヲ得
申出ヲ爲シタル債權者其ノ他會社ニ知レタル債權者ノ總債權ノ十分ノ一以上ニ當ル債權ヲ有スル者ハ會議ノ目的タル事項及招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ淸算人ニ提出シテ債權者集會ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
第二百三十七條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
破產ノ場合ニ於テ別除權ヲ行使スルコトヲ得ベキ債權者ガ其ノ行使ニ依リテ辨濟ヲ受クルコトヲ得ベキ債權額ハ第二項ノ債權額ニ之ヲ算入セズ
第四百四十條 前條第四項ノ債權者ハ別除權ノ行使ニ依リテ辨濟ヲ受クルコトヲ得ベキ債權額ニ付テハ債權者集會ニ於テ議決權ヲ行使スルコトヲ得ズ
債權者集會ノ招集ハ前項ノ債權者ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス
債權者集會又ハ其ノ招集者ハ第一項ノ債權者ノ出席ヲ求メテ其ノ意見ヲ徵スルコトヲ得
第四百四十一條 債權者集會ニ於テ議決權ヲ行使セシムベキヤ否ヤ及如何ナル金額ニ付之ヲ行使セシムベキヤハ各債權ニ付淸算人之ヲ定ム
第四百四十二條 第二百三十二條第一項第二項、第二百三十九條第三項、第二百四十三條、第二百四十四條、第三百二十一條第二項及破產法第百七十九條ノ規定ハ債權者集會ニ之ヲ準用ス
第二百三十二條第一項及第二項ノ規定ハ第四百四十條第二項ノ通知ニ之ヲ準用ス
第四百四十三條 淸算人ハ會社ノ業務及財產ノ狀況ノ調査書、財產目錄竝ニ貸借對照表ヲ債權者集會ニ提出シ且淸算ノ實行ノ方針及見込ニ關シ意見ヲ述ブルコトヲ要ス
第四百四十四條 債權者集會ハ監査委員ヲ選任スルコトヲ得
監査委員ハ何時ニテモ債權者集會ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
第二百五十五條、第三百九十條第一項及第四百三條第二項ノ規定ハ監査委員ニ之ヲ準用ス
第四百四十五條 淸算人左ノ行爲ヲ爲スニハ監査委員ノ同意、若シ監査委員ナキトキハ債權者集會ノ決議アルコトヲ要ス但シ三千圓以上ノ價額ヲ有スルモノニ關セザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
債權者集會ノ決議ヲ要スル場合ニ於テ急迫ナル事情アルトキハ淸算人ハ裁判所ノ許可ヲ得テ前項ニ揭グル行爲ヲ爲スコトヲ得
淸算人前二項ノ規定ニ違反シタルトキト雖モ會社ハ善意ノ第三者ニ對シテ其ノ責ニ任ズ
第二百四十五條ノ規定ハ特別淸算ノ場合ニハ之ヲ適用セズ
第四百四十六條 淸算人ハ競賣ニ依リテ財產ヲ換價スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前條第一項ノ規定ヲ適用セズ
第四百四十七條 淸算人ハ監査委員ノ意見ヲ聽キ債權者集會ニ對シテ協定ノ申出ヲ爲スコトヲ得
第四百四十八條 協定ノ條件ハ各債權者ノ間ニ平等ナルコトヲ要ス但シ少額ノ債權ニ付別段ノ定ヲ爲シ其ノ他債權者間ニ差等ヲ設クルモ衡平ヲ害セザル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
一般ノ先取特權其ノ他一般ノ優先權ハ前項ノ條件ヲ定ムルニ付之ヲ斟酌スルコトヲ要ス
第四百四十九條 協定案ノ作成ニ當リ必要アリト認ムルトキハ淸算人ハ第四百三十九條第四項ノ債權者ノ參加ヲ求ムルコトヲ得
第四百五十條 協定ヲ可決スルニハ議決權ヲ行使スルコトヲ得ベキ出席債權者ノ過半數ニシテ議決權ヲ行使スルコトヲ得ベキ債權者ノ總債權ノ四分ノ三以上ニ當ル債權ヲ有スルモノノ同意アルコトヲ要ス
破產法第三百二十一條及第三百二十六條ノ規定ハ協定ニ之ヲ準用ス
第四百五十一條 協定ノ實行上必要アルトキハ協定ノ條件ヲ變更スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前四條ノ規定ヲ準用ス
第四百五十二條 會社財產ノ狀況ニ依リ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ淸算人、監査役、監査委員、三月前ヨリ引續キ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル株式ヲ有スル株主若ハ申出ヲ爲シタル債權者其ノ他會社ニ知レタル債權者ノ總債權ノ十分ノ一以上ニ當ル債權ヲ有スル者ノ申立ニ依リ又ハ職權ヲ以テ會社ノ業務及財產ノ檢査ヲ命ズルコトヲ得
第三百八十八條、第三百九十條及第四百三十九條第四項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四百五十三條 檢査役ハ調査ノ結果殊ニ左ノ事項ヲ裁判所ニ報吿スルコトヲ要ス
一 發起人、取締役、監査役又ハ淸算人ニ第百九十二條、第百九十三條、第二百六十六條、第二百八十條、第三百五十六條又ハ第四百三十條第二項ノ規定ニ依リテ責ニ任ズベキ事實アルヤ否ヤ
三 會社ノ損害賠償請求權ニ付發起人、取締役、監査役又ハ淸算人ノ財產ニ對シ保全處分ヲ爲ス必要アルヤ否ヤ
第四百五十四條 前條ノ報吿ヲ受ケタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ左ノ處分ヲ爲スコトヲ得
三 發起人、取締役、監査役又ハ淸算人ノ責任ノ免除ノ禁止
四 發起人、取締役、監査役又ハ淸算人ノ責任ノ免除ノ取消但シ特別淸算ノ開始ヨリ一年前ニ爲シタル免除ニ付テハ不正ノ目的ニ出デタルモノニ限ル
五 發起人、取締役、監査役又ハ淸算人ノ責任ニ基ク損害賠償請求權ノ査定
六 前號ノ損害賠償請求權ニ付發起人、取締役、監査役又ハ淸算人ノ財產ニ對シテ爲ス保全處分
第三百八十七條第二項ノ規定ハ前項第一號又ハ第六號ノ處分アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第三百九十四條乃至第三百九十六條ノ規定ハ第一項第五號ノ査定アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第四百五十五條 特別淸算開始ノ命令アリタル場合ニ於テ協定ノ見込ナキトキハ裁判所ハ職權ヲ以テ破產法ニ從ヒ破產ノ宣吿ヲ爲スコトヲ要ス協定ノ實行ノ見込ナキトキ亦同ジ
第四百五十六條 第三百九十二條、第三百九十三條、第三百九十九條及第四百條竝ニ破產法第百四條、第二百三條及第二百四條ノ規定ハ特別淸算ノ場合ニ之ヲ準用ス
破產法第百六十五條及第百六十六條ノ規定ハ淸算人ニ之ヲ準用ス
第五章 株式合資會社
第四百五十七條 株式合資會社ハ無限責任社員ト株主トヲ以テ之ヲ組織ス
第四百五十八條 左ノ事項ニ付テハ合資會社ニ關スル規定ヲ準用ス
此ノ他株式合資會社ニハ本章ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外株式會社ニ關スル規定ヲ準用ス
第四百五十九條 無限責任社員ハ發起人ト爲リテ定款ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載シテ署名スルコトヲ要ス
一 第百六十六條第一項第一號、第二號及第四號乃至第六號ニ揭グル事項
四 無限責任社員ノ株金以外ノ出資ノ目的及其ノ價格又ハ評價ノ標準
第四百六十條 無限責任社員ハ株主ヲ募集スルコトヲ要ス
株式申込證ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 第百六十八條第一項、第百七十五條第二項第一號第四號乃至第七號及前條ニ揭グル事項
二 無限責任社員ガ株式ヲ引受ケタルトキハ其ノ各自ガ引受ケタル株式ノ種類及數
第四百六十一條 創立總會ニ於テハ監査役ヲ選任スルコトヲ要ス
第四百六十二條 無限責任社員ハ創立總會ニ出席シテ其ノ意見ヲ述ブルコトヲ得但シ株式ヲ引受ケタルトキト雖モ議決權ヲ有セズ
第四百六十三條 監査役ハ第百八十四條第一項及第四百五十九條第四號ニ揭グル事項竝ニ第百八十一條第二項ノ報吿書ヲ調査シ之ヲ創立總會ニ報吿スルコトヲ要ス
第四百六十四條 創立總會ガ定款ノ變更ヲ決議シタル場合ニ於テ其ノ決議ノ日ヨリ一週間內ニ無限責任社員ノ一致ナキトキハ設立ノ廢止ヲ決議シタルモノト看做ス
第四百六十五條 株式合資會社ノ設立ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 第百六十六條第一項第一號第二號第四號第六號及第百八十八條第二項第二號乃至第八號ニ揭グル事項
五 無限責任社員ノ株金以外ノ出資ノ目的、財產ヲ目的トスル出資ニ付テハ其ノ價格及履行ヲ爲シタル部分
六 無限責任社員ニシテ會社ヲ代表セザル者アルトキハ會社ヲ代表スベキ者ノ氏名
七 數人ノ無限責任社員ガ共同シ又ハ無限責任社員ガ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
第四百六十六條 會社ヲ代表スベキ無限責任社員ニハ株式會社ノ取締役ニ關スル規定ヲ準用ス但シ第二百五十四條乃至第二百五十九條、第二百六十四條及第二百六十九條乃至第二百七十二條ノ規定ハ此ノ限ニ在ラズ
第四百六十七條 株式會社ニ於テ第三百四十三條ニ定ムル決議ヲ要スル事項又ハ合資會社ニ於テ總社員ノ同意ヲ要スル事項ニ付テハ株主總會ノ決議ノ外無限責任社員ノ一致アルコトヲ要ス
第四百六十八條 監査役ハ無限責任社員ヲシテ株主總會ノ決議ヲ執行セシムル責ニ任ズ
第四百六十九條 株式合資會社ハ合資會社ト同一ノ事由ニ因リテ解散ス營業全部ノ讓渡アリタルトキ亦同ジ
第四百七十條 無限責任社員ノ全員ガ退社シタル場合ニ於テハ株主ハ第三百四十三條ニ定ムル決議ニ依リ株式會社トシテ會社ヲ繼續スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ株式會社ノ組織ニ必要ナル事項ヲ決議スルコトヲ要ス
第四百七十一條 無限責任社員ガ株式ノ全部ヲ取得シタル場合ニ於テハ其ノ一致ヲ以テ合名會社トシテ會社ヲ繼續スルコトヲ得株式全部ノ消却アリタル場合亦同ジ
第四百七十二條 會社ガ解散シタルトキハ合併、破產又ハ裁判所ノ命令ニ因リテ解散シタル場合ヲ除クノ外淸算ハ業務執行社員ノ全員又ハ無限責任社員ノ選任シタル者及株主總會ニ於テ選任シタル者之ヲ爲ス但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
無限責任社員ガ淸算人ヲ選任スルトキハ其ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス
株主總會ニ於テ選任スル淸算人ハ業務執行社員ノ全員又ハ無限責任社員ノ選任スル者ト同數ナルコトヲ要ス
第四百七十三條 無限責任社員ハ何時ニテモ其ノ選任シタル淸算人ヲ解任スルコトヲ得
第四百七十四條 第百四十四條ノ規定ハ株式合資會社ノ無限責任社員ニ之ヲ準用ス
第四百七十五條 淸算人ハ第四百十九條、第四百二十條及第四百二十七條ニ定ムル計算ニ付株主總會ノ承認ノ外無限責任社員全員ノ承認ヲ得ルコトヲ要ス
第四百七十六條 株式合資會社ハ第四百六十七條ノ規定ニ從ヒ其ノ組織ヲ變更シテ之ヲ株式會社ト爲スコトヲ得
第四百七十七條 前條ノ場合ニ於テハ株主總會ハ直ニ株式會社ノ組織ニ必要ナル事項ヲ決議スルコトヲ要ス此ノ總會ニ於テハ無限責任社員モ亦其ノ引受クベキ株式ノ數ニ應ジテ議決權ヲ行使スルコトヲ得
第百十四條及第百十五條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四百七十八條 第四章第七節及第九節第二款ノ規定ハ株式合資會社ニハ之ヲ適用セズ
第六章 外國會社
第四百七十九條 外國會社ガ日本ニ支店ヲ設ケタルトキハ日本ニ成立スル同種ノモノ又ハ最モ之ニ類似スルモノト同一ノ登記及公吿ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ外國會社ハ其ノ日本ニ於ケル代表者ヲ定メ且支店設置ノ登記ト同時ニ其ノ氏名及住所ヲ登記スルコトヲ要ス
第四百八十條 前條第一項及第二項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ガ外國ニ於テ生ジタルトキハ登記ノ期間ハ其ノ通知ノ到達シタル時ヨリ之ヲ起算ス
第四百八十一條 外國會社ガ始メテ日本ニ支店ヲ設ケタルトキハ其ノ支店ノ所在地ニ於テ登記ヲ爲ス迄ハ第三者ハ其ノ會社ノ成立ヲ否認スルコトヲ得
第四百八十二條 日本ニ本店ヲ設ケ又ハ日本ニ於テ營業ヲ爲スヲ以テ主タル目的トスル會社ハ外國ニ於テ設立スルモノト雖モ日本ニ於テ設立スル會社ト同一ノ規定ニ從フコトヲ要ス
第四百八十三條 第二百四條乃至第二百七條、第二百九條第一項、第二百二十六條、第二百二十七條第一項、第三百六條第一項、第三百七條、第三百八條及第三百七十條第三項ノ規定ハ日本ニ於テスル外國會社ノ株券又ハ債券ノ發行及其ノ株式ノ移轉若ハ質入又ハ社債ノ移轉ニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ始メテ日本ニ設ケタル支店ヲ以テ本店ト看做ス
第四百八十四條 外國會社ガ日本ニ支店ヲ設ケタル場合ニ於テ正當ノ事由ナクシテ支店設置ノ登記ヲ爲シタル後一年內ニ營業ヲ開始セズ若ハ一年以上營業ヲ休止シタルトキ又ハ支拂ヲ停止シタルトキハ裁判所ハ利害關係人若ハ檢事ノ請求ニ依リ又ハ職權ヲ以テ其ノ支店ノ閉鎖ヲ命ズルコトヲ得
外國會社ノ代表者其ノ他支店ニ於テ業務ヲ執行スル者ガ法令又ハ公ノ秩序若ハ善良ノ風俗ニ反スル行爲ヲ爲シタルトキ亦前項ニ同ジ
第五十八條第三項、第五十九條及第六十條ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四百八十五條 前條第一項又ハ第二項ノ場合ニ於テハ裁判所ハ利害關係人ノ申立ニ依リ又ハ職權ヲ以テ日本ニ在ル會社財產ノ全部ニ付淸算ノ開始ヲ命ズルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ淸算人ハ裁判所之ヲ選任ス
第四百二十一條乃至第四百二十四條及第四百三十條乃至第四百五十六條ノ規定ハ其ノ性質ノ許サザルモノヲ除クノ外前項ノ淸算ニ之ヲ準用ス
前二項ノ規定ハ外國會社ガ其ノ支店ヲ閉鎖シタル場合ニ之ヲ準用ス
第七章 罰則
第四百八十六條 發起人、取締役、株式合資會社ノ業務ヲ執行スル無限責任社員、監査役又ハ株式會社若ハ株式合資會社ノ第二百五十八條第二項、第二百七十條第一項、第二百七十二條第一項若ハ第二百八十條ノ職務代行者若ハ支配人其ノ他營業ニ關スル或種類若ハ特定ノ事項ノ委任ヲ受ケタル使用人自己若ハ第三者ヲ利シ又ハ會社ヲ害センコトヲ圖リテ其ノ任務ニ背キ會社ニ財產上ノ損害ヲ加ヘタルトキハ七年以下ノ懲役又ハ一萬圓以下ノ罰金ニ處ス
整理委員、監督員、第三百九十八條第一項ノ管理人又ハ株式會社若ハ株式合資會社ノ淸算人若ハ第四百三十條第二項ノ職務代行者前項ニ揭グル行爲ヲ爲シタルトキ亦前項ニ同ジ
第四百八十七條 社債權者集會ノ代表者又ハ其ノ決議ヲ執行スル者自己若ハ第三者ヲ利シ又ハ社債權者ヲ害センコトヲ圖リテ其ノ任務ニ背キ社債權者ニ財產上ノ損害ヲ加ヘタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四百八十九條 第四百八十六條第一項ニ揭グル者又ハ檢査役ハ左ノ場合ニ於テハ五年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 會社ノ設立又ハ資本增加ノ場合ニ於テ株式總數ノ引受、株金ノ拂込若ハ現物出資ノ給付ニ付又ハ第百六十八條第一項第四號乃至第七號若ハ第三百四十八條第二號第三號ニ揭グル事項ニ付裁判所又ハ總會ニ對シ不實ノ申述ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
二 何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ會社ノ計算ニ於テ不正ニ其ノ株式ヲ取得シ又ハ質權ノ目的トシテ之ヲ受ケタルトキ
三 法令又ハ定款ノ規定ニ違反シテ利益又ハ利息ノ配當ヲ爲シタルトキ
四 會社ノ營業ノ範圍外ニ於テ投機取引ノ爲ニ會社財產ヲ處分シタルトキ
第四百九十條 第四百八十六條第一項ニ揭グル者、外國會社ノ代表者又ハ株式若ハ社債ノ募集ノ委託ヲ受ケタル者株式又ハ社債ノ募集ニ當リ重要ナル事項ニ付不實ノ記載アル株式申込證、社債申込證、目論見書、株式又ハ社債ノ募集ノ廣吿其ノ他株式又ハ社債ノ募集ニ關スル文書ヲ行使シタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
株式又ハ社債ノ賣出ヲ爲ス者其ノ賣出ニ關スル文書ニシテ重要ナル事項ニ付不實ノ記載アルモノヲ行使シタルトキ亦前項ニ同ジ
第四百九十一條 第四百八十六條第一項ニ揭グル者株金ノ拂込ヲ假裝スル爲預合ヲ爲シタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス預合ニ應ジタル者亦同ジ
第四百九十二條 前六條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情狀ニ因リ懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得
第四百九十三條 第四百八十六條若ハ第四百八十七條ニ揭グル者、檢査役又ハ監査委員其ノ職務ニ關シ不正ノ請託ヲ受ケ財產上ノ利益ヲ收受シ、要求シ又ハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ利益ヲ供與シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ爲シタル者亦前項ニ同ジ
第四百九十四條 左ニ揭グル事項ニ關シ不正ノ請託ヲ受ケ財產上ノ利益ヲ收受シ、要求シ又ハ約束シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 創立總會、株主總會、社債權者集會又ハ債權者集會ニ於ケル發言又ハ議決權ノ行使
二 第四章及第五章ニ定ムル訴ノ提起又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル株主若ハ社債總額ノ十分ノ一以上ニ當ル社債權者ノ權利ノ行使
三 第三百八十一條第一項、第四百三十一條第一項、第四百三十九條第二項第三項及第四百五十二條第一項ニ定ムル權利ノ行使
前項ノ利益ヲ供與シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ爲シタル者亦前項ニ同ジ
第四百九十五條 第四百九十三條第一項又ハ前條第一項ノ場合ニ於テ犯人ノ收受シタル利益ハ之ヲ沒收ス其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第四百九十六條 第四百九十三條第二項又ハ第四百九十四條第二項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第四百九十七條 株金拂込ノ責任ヲ免ルル目的ヲ以テ他人又ハ假設人ノ名義ヲ用ヒテ株式ヲ引受ケ若ハ讓受ケタル者又ハ株式ノ讓渡ヲ假裝シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四百九十八條 發起人、會社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役、外國會社ノ代表者、監査役、檢査役、淸算人、整理委員、監督員、第三百九十八條第一項ノ管理人、監査委員、社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社、其ノ事務ノ承繼者、社債權者集會ノ代表者、其ノ決議ヲ執行スル者又ハ株式會社若ハ株式合資會社ノ第二百五十八條第二項、第二百七十條第一項、第二百七十二條第一項、第二百八十條若ハ第四百三十條第二項ノ職務代行者若ハ支配人ハ左ノ場合ニ於テハ五千圓以下ノ過料ニ處ス但シ其ノ行爲ニ付刑ヲ科スベキトキハ此ノ限ニ在ラズ
二 本編ニ定ムル公吿若ハ通知ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿若ハ通知ヲ爲シタルトキ
三 本編ノ規定ニ違反シ正當ノ事由ナクシテ書類ノ閱覽又ハ其ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ拒ミタルトキ
五 官廳、總會、社債權者集會又ハ債權者集會ニ對シ不實ノ申述ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
六 第九十九條、第百條、第百十七條第三項、第三百七十六條第二項又ハ第四百十六條第一項ノ規定ニ違反シテ合併、會社財產ノ處分又ハ資本ノ減少ヲ爲シタルトキ
七 第百二十四條第三項若ハ第四百三十條第一項ノ規定ニ違反シテ破產宣吿ノ請求ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ第四百三十一條第二項ノ規定ニ違反シテ特別淸算開始ノ申立ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
八 第百三十一條又ハ第四百三十條第一項ノ規定ニ違反シテ會社財產ヲ分配シタルトキ
九 第百七十五條第二項、第三百一條第二項、第三百五十條、第三百六十條第一項、第三百六十六條第一項又ハ第四百六十條第二項ノ規定ニ違反シテ株式申込證又ハ社債申込證ヲ作ラズ、之ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ又ハ不實ノ記載ヲ爲シタルトキ
十 第百九十條第二項又ハ第三百七十條第二項ノ規定ニ違反シテ株式ノ引受ニ因ル權利ノ讓渡ヲ爲シタルトキ
十一 正當ノ事由ナクシテ株券ノ名義書換ヲ爲サザルトキ
十二 第二百十一條ノ規定ニ違反シテ株式失效ノ手續又ハ株式若ハ質權ノ處分ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
十三 第二百十二條第一項ノ規定ニ違反シテ株式ノ消却ヲ爲シタルトキ
十四 株券又ハ債券ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ又ハ不實ノ記載ヲ爲シタルトキ
十五 第二百二十六條第一項、第三百七十條第三項又ハ第四百八十三條ノ規定ニ違反シテ株券ヲ發行シタルトキ
十六 第二百二十七條第一項ノ規定ニ違反シテ株券ヲ無記名式ト爲シタルトキ
十七 第二百三十四條ノ規定又ハ第二百九十四條第三項ノ規定ニ依ル裁判所ノ命令ニ違反シテ株主總會ヲ招集セズ又ハ定款ニ定メタル地以外ノ地ニ於テ若ハ第二百三十三條ノ規定ニ違反シテ株主總會ヲ招集シタルトキ
十八 法律又ハ定款ニ定メタル取締役又ハ監査役ノ員數ヲ缺クニ至リタル場合ニ於テ其ノ選任手續ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
十九 定款、株主名簿、社債原簿、議事錄、財產目錄、貸借對照表、營業報吿書、事務報吿書、損益計算書、準備金及利益若ハ利息ノ配當ニ關スル議案、株主表、決算報吿書、第三十二條第一項ノ帳簿又ハ第四百四十三條ノ調査書ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ又ハ不實ノ記載ヲ爲シタルトキ
二十 第二百六十三條第一項、第二百八十二條第一項、第三百三十九條第二項又ハ第四百三十條第二項ノ規定ニ違反シテ帳簿又ハ書類ヲ備置カザルトキ
二十一 第二百八十八條又ハ第二百八十九條ノ規定ニ違反シテ準備金ヲ積立テズ又ハ之ヲ使用シタルトキ
二十二 第二百九十七條ノ規定ニ違反シテ社債ヲ募集シ又ハ舊社債ノ償還ヲ爲サザルトキ
二十三 第三百六條第一項又ハ第四百八十三條ノ規定ニ違反シテ債券ヲ發行シタルトキ
二十四 第三百八十六條、第四百三十二條、第四百三十七條又ハ第四百五十四條第一項ノ規定ニ依ル裁判所ノ財產保全ノ處分ニ違反シタルトキ
二十五 裁判所ノ選任シタル管理人又ハ淸算人ニ事務ノ引渡ヲ爲サザルトキ
二十六 淸算ノ結了ヲ遲延セシムル目的ヲ以テ第百十七條第三項又ハ第四百二十一條第一項ノ期間ヲ不當ニ定メタルトキ
二十七 第四百二十三條又ハ第四百三十八條ノ規定ニ違反シテ債務ノ辨濟ヲ爲シタルトキ
二十八 第四百四十五條第一項又ハ第二項ノ規定ニ違反シタルトキ
二十九 第四百八十四條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル裁判所ノ命令ニ違反シタルトキ
第四百九十九條 第四百八十六條、第四百八十七條、第四百八十九條乃至第四百九十一條又ハ第四百九十三條第一項ニ揭グル者ガ法人ナルトキハ本章ノ罰則ハ其ノ行爲ヲ爲シタル取締役其ノ他業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ニ之ヲ適用ス
第五百條 第五十六條第三項ノ設立委員ハ本章ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ發起人ト看做ス
第二百六十三條ヲ第五百一條トシ以下第二百七十九條迄順次二百三十八條宛繰下グ
第二百八十條ヲ削リ第二百八十一條ヲ第五百十八條トス
第二百八十二條ヲ第五百十九條トシ同條中「第四百四十一條、第四百四十九條ノ二、第四百五十七條、第四百六十一條及ヒ第四百六十四條」ヲ「手形法第十二條乃至第十四條第二項竝ニ小切手法第五條第二項、第十九條及ヒ第二十一條」ニ改ム
第二百八十三條ヲ第五百二十條トシ以下第二百八十五條迄順次二百三十七條宛繰下グ
第二百八十五條ノ二ヲ第五百二十三條トシ同條中「第四十二條」ヲ「第五十二條」ニ改ム
第二百八十六條ヲ第五百二十四條トシ以下第三百三條迄順次二百三十八條宛繰下グ
第三百四條ヲ第五百四十二條トシ同條中「第百八條、第百十一條及ヒ第百十五條」ヲ「第百五十條、第百五十三條及ヒ第百五十六條」ニ改ム
第三百五條ヲ第五百四十三條トシ以下第三百九條迄順次二百三十八條宛繰下グ
第三百十條ヲ第五百四十八條トシ同條中「第三百八條」ヲ「第五百四十六條」ニ改ム
第三百十二條ヲ第五百五十條トシ同條第一項中「第三百八條」ヲ「第五百四十六條」ニ改ム
第三百十三條ヲ第五百五十一條トシ以下第三百十七條迄順次二百三十八條宛繰下グ
第三百十八條ヲ第五百五十六條トシ同條中「第二百八十六條」ヲ「第五百二十四條」ニ改ム
第三百十九條ヲ第五百五十七條トシ同條中「第三十七條及ヒ第四十一條」ヲ「第四十七條及ヒ第五十一條」ニ改ム
第三百二十條ヲ第五百五十八條トシ以下第三百二十九條迄順次二百三十八條宛繰下グ
第三百三十條ヲ第五百六十八條トシ同條中「第三百三十八條及ヒ第三百四十三條」ヲ「第五百七十八條及ヒ第五百八十三條」ニ改ム
第三百三十一條ヲ第五百六十九條トシ以下第三百三十四條迄順次二百三十八條宛繰下グ
第三百三十四條ノ二ヲ第五百七十三條トシ第三百三十四條ノ三ヲ第五百七十四條トス
第三百三十五條ヲ第五百七十五條トシ以下第三百四十六條迄順次二百四十條宛繰下グ
第三百四十七條ヲ第五百八十七條トシ同條中「第二百八十六條」ヲ「第五百二十四條」ニ改ム
第三百四十九條ヲ第五百八十九條トシ同條中「第三百二十四條、第三百二十五條、第三百二十八條及ヒ第三百二十九條」ヲ「第五百六十二條、第五百六十三條、第五百六十六條及ヒ第五百六十七條」ニ改ム
第三百五十一條ヲ第五百九十一條トシ同條第二項中「第二百八十六條」ヲ「第五百二十四條」ニ改ム
第三百五十二條ヲ第五百九十二條トシ以下第三百六十二條迄順次二百四十條宛繰下グ
第三百六十三條ヲ削リ第三百六十四條ヲ第六百三條トス
第三百六十五條ヲ第六百四條トシ同條中「第三百三十四條ノ二及ヒ第三百三十五條」ヲ「第五百七十三條及ヒ第五百七十五條」ニ改ム
第三百六十六條ヲ第六百五條トシ第三百六十七條ヲ第六百六條トス
第三百六十七條ノ二ヲ第六百七條トシ第三百六十七條ノ三ヲ第六百八條トス
第三百六十八條ヲ第六百九條トシ以下第三百七十一條迄順次二百四十一條宛繰下グ
第三百七十二條ヲ第六百十三條トシ同條第二項中「第四百八十七條ノ二乃至第四百八十八條ノ四、第四百九十一條、第四百九十二條及ヒ第四百九十五條」ヲ「手形法第四十五條第一項第三項第五項第六項、第四十八條第一項、第四十九條及ヒ第五十條第一項」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
手形法第五十二條第三項ノ規定ハ不足額ノ請求ヲ受クル者ノ營業所又ハ住所ノ所在地カ其請求ヲ爲ス者ノ營業所又ハ住所ノ所在地ト異ナル場合ニ於ケル償還額ノ算定ニ付キ之ヲ準用ス
第三百七十三條ヲ第六百十四條トシ以下第三百八十條迄順次二百四十一條宛繰下グ
第三百八十條ノ三ヲ第六百二十三條トシ同條第二項中「第三百七十一條」ヲ「第六百十二條」ニ改ム
第三百八十一條ヲ第六百二十四條トシ同條第一項中「第二百八十六條」ヲ「第五百二十四條」ニ、同條第二項中「第三百七十條及ヒ第三百七十一條」ヲ「第六百十一條及ヒ第六百十二條」ニ改ム
第三百八十二條ヲ第六百二十五條トシ同條中「第三百四十八條」ヲ「第五百八十八條」ニ改ム
第三百八十三條ヲ第六百二十六條トシ第三百八十三條ノ二ヲ第六百二十七條トシ第三百八十三條ノ三ヲ第六百二十八條トス
第三百八十四條ヲ第六百二十九條トシ以下第三百九十七條迄順次二百四十五條宛繰下グ
第三百九十八條ヲ削リ第三百九十九條ヲ第六百四十三條トシ第三百九十九條ノ二ヲ第六百四十四條トシ第三百九十九條ノ三ヲ第六百四十五條トス
第四百條ヲ第六百四十六條トシ以下第四百十三條迄順次二百四十六條宛繰下グ
第四百十四條ヲ第六百六十條トシ同條第二項中「第三百九十一條」ヲ「第六百三十六條」ニ改ム
第四百十五條ヲ第六百六十一條トシ以下第四百十八條迄順次二百四十六條宛繰下グ
第四百十九條ヲ第六百六十五條トシ同條中「第三百九十五條及ヒ第三百九十六條」ヲ「第六百四十條及ヒ第六百四十一條」ニ改ム
第四百二十條ヲ第六百六十六條トシ第四百二十一條ヲ第六百六十七條トス
第四百二十二條ヲ第六百六十八條トシ同條中「第四百三條」ヲ「第六百四十九條」ニ改ム
第四百二十三條ヲ第六百六十九條トシ第四百二十四條ヲ第六百七十條トス
第四百二十五條ヲ第六百七十一條トシ同條中「第四百三條」ヲ「第六百四十九條」ニ改ム
第四百二十六條ヲ第六百七十二條トシ以下第四百二十八條迄順次二百四十六條宛繰下グ
第四百二十八條ノ二ヲ第六百七十五條トシ第四百二十八條ノ三ヲ第六百七十六條トス
第四百二十八條ノ四ヲ第六百七十七條トシ同條第二項中「第四百二十八條」ヲ「第六百七十四條」ニ改ム
第四百二十九條ヲ第六百七十八條トシ同條第二項中「第三百九十九條ノ二第二項及ヒ第三百九十九條ノ三」ヲ「第六百四十四條第二項及ヒ第六百四十五條」ニ改ム
第四百三十條ヲ第六百七十九條トシ同條中「第四百三條」ヲ「第六百四十九條」ニ改ム
第四百三十一條ヲ第六百八十條トシ第四百三十二條ヲ第六百八十一條トシ第四百三十二條ノ二ヲ第六百八十二條トス
第四百三十三條ヲ第六百八十三條トシ同條第一項中「第三百九十五條、第三百九十七條、第三百九十九條、第四百條、第四百一條、第四百三條第一項、第四百五條乃至第四百七條、第四百十條、第四百十一條、第四百十七條及ヒ第四百十八條」ヲ「第六百四十條、第六百四十二條、第六百四十三條、第六百四十六條、第六百四十七條、第六百四十九條第一項、第六百五十一條乃至第六百五十三條、第六百五十六條、第六百五十七條、第六百六十三條及ヒ第六百六十四條」ニ、同條第二項中「第三百九十五條、第四百五條、第四百七條、第四百十條及ヒ第四百十一條」ヲ「第六百四十條、第六百五十一條、第六百五十三條、第六百五十六條及ヒ第六百五十七條」ニ改ム
第五百三十八條ヲ第六百八十四條トシ以下第五百四十四條迄順次百四十六條宛繰下グ
第五百四十五條ヲ第六百九十二條トシ同條中「第五百四十四條」ヲ「第六百九十條」ニ改ム
第五百四十六條ヲ第六百九十三條トシ以下第五百六十七條迄順次百四十七條宛繰下グ
第五百六十八條ヲ第七百十五條トシ同條第一項第三號中「第五百六十五條」ヲ「第七百十二條」ニ改ム
第五百六十九條ヲ第七百十六條トシ同條中「第五百四十四條」ヲ「第六百九十條」ニ改ム
第五百七十條ヲ第七百十七條トシ第五百七十一條ヲ第七百十八條トス
第五百七十二條ヲ第七百十九條トシ同條中「第五百六十八條」ヲ「第七百十五條」ニ改ム
第五百七十三條ヲ第七百二十條トシ以下第五百八十八條迄順次百四十七條宛繰下グ
第五百八十九條ヲ第七百三十六條トシ同條中「第五百七十五條」ヲ「第七百二十二條」ニ改ム
第五百九十條ヲ第七百三十七條トシ以下第五百九十九條迄順次百四十七條宛繰下グ
第六百條ヲ第七百四十七條トシ同條中「第六百六條」ヲ「第七百五十三條」ニ改ム
第六百一條ヲ第七百四十八條トシ第六百二條ヲ第七百四十九條トス
第六百三條ヲ第七百五十條トシ同條中「第六百一條」ヲ「第七百四十八條」ニ改ム
第六百四條ヲ第七百五十一條トシ以下第六百八條迄順次百四十七條宛繰下グ
第六百九條ヲ第七百五十六條トシ同條中「第五百九十四條第二項又ハ第六百五條第二項」ヲ「第七百四十一條第二項又ハ第七百五十二條第二項」ニ改ム
第六百十條ヲ第七百五十七條トシ同條第一項中「第六百六條」ヲ「第七百五十三條」ニ改ム
第六百十二條ヲ第七百五十九條トシ同條中「第五百四十四條」ヲ「第六百九十條」ニ改ム
第六百十三條ヲ第七百六十條トシ同條第一項第一號及第二項中「第五百八十七條」ヲ「第七百三十四條」ニ改ム
第六百十五條ヲ第七百六十二條トシ同條第一項中「第六百十三條」ヲ「第七百六十條」ニ改ム
第六百十六條ヲ第七百六十三條トシ同條中「第六百十三條」ヲ「第七百六十條」ニ、「第六百十四條」ヲ「第七百六十一條」ニ改ム
第六百十七條ヲ第七百六十四條トシ同條第一號中「第五百六十八條」ヲ「第七百十五條」ニ、同條第二號中「第五百七十二條」ヲ「第七百十九條」ニ、同條第三號中「第六百四十一條」ヲ「第七百八十八條」ニ改ム
第六百十九條ヲ第七百六十六條トシ同條中「第三百二十八條、第三百三十六條乃至第三百四十一條及ヒ第三百四十八條」ヲ「第五百六十六條、第五百七十六條乃至第五百八十一條及ヒ第五百八十八條」ニ改ム
第六百二十條ヲ第七百六十七條トシ以下第六百二十五條迄順次百四十七條宛繰下グ
第六百二十六條ヲ第七百七十三條トシ同條中「第六百二十四條」ヲ「第七百七十一條」ニ改ム
第六百二十七條ヲ第七百七十四條トシ第六百二十八條ヲ第七百七十五條トス
第六百二十九條ヲ第七百七十六條トシ同條中「第三百三十四條乃至第三百三十五條及ヒ第三百四十四條」ヲ「第五百七十二條乃至第五百七十五條及ヒ第五百八十四條」ニ改ム
第六百三十條ヲ第七百七十七條トシ以下第六百三十六條迄順次百四十七條宛繰下グ
第六百三十七條ヲ第七百八十四條トシ同條中「第五百八十七條」ヲ「第七百三十四條」ニ改ム
第六百三十九條ヲ第七百八十六條トシ同條第一項中「第三百五十條、第三百五十一條第一項、第三百五十二條、第五百九十一條、第五百九十二條、第六百十四條及ヒ第六百十八條」ヲ「第五百九十條、第五百九十一條第一項、第五百九十二條、第七百三十八條、第七百三十九條、第七百六十一條及ヒ第七百六十五條」ニ、同條第二項中「第五百九十三條及ヒ第六百十七條」ヲ「第七百四十條及ヒ第七百六十四條」ニ改ム
第六百四十條ヲ第七百八十七條トシ以下第六百四十六條迄順次百四十七條宛繰下グ
第六百四十七條ヲ第七百九十四條トシ同條第二項中「第三百三十八條」ヲ「第五百七十八條」ニ改ム
第六百四十九條ヲ第七百九十六條トシ同條中「第六百四十二條」ヲ「第七百八十九條」ニ改ム
第六百五十條ヲ第七百九十七條トシ以下第六百五十二條迄順次百四十七條宛繰下グ
第六百五十二條ノ二ヲ第八百條トシ第六百五十二條ノ三ヲ第八百一條トシ第六百五十二條ノ四ヲ第八百二條トシ第六百五十二條ノ五ヲ第八百三條トス
第六百五十二條ノ六ヲ第八百四條トシ同條第一項中「第六百五十二條ノ三」ヲ「第八百一條」ニ改ム
第六百五十二條ノ七ヲ第八百五條トシ第六百五十二條ノ八ヲ第八百六條トシ第六百五十二條ノ九ヲ第八百七條トシ第六百五十二條ノ十ヲ第八百八條トシ第六百五十二條ノ十一ヲ第八百九條トシ第六百五十二條ノ十二ヲ第八百十條トシ第六百五十二條ノ十三ヲ第八百十一條トシ第六百五十二條ノ十四ヲ第八百十二條トシ第六百五十二條ノ十五ヲ第八百十三條トシ第六百五十二條ノ十六ヲ第八百十四條トス
第六百五十三條ヲ第八百十五條トシ以下第六百六十條迄順次百六十二條宛繰下グ
第六百六十一條ヲ第八百二十三條トシ同條中「第四百三條」ヲ「第六百四十九條」ニ改ム
第六百六十二條ヲ第八百二十四條トシ以下第六百六十九條迄順次百六十二條宛繰下グ
第六百七十條ヲ第八百三十二條トシ同條第一項中「第三百九十一條」ヲ「第六百三十六條」ニ改ム
第六百七十一條ヲ第八百三十三條トシ第六百七十二條ヲ第八百三十四條トス
第六百七十三條ヲ第八百三十五條トシ同條中「第六百七十一條」ヲ「第八百三十三條」ニ改ム
第六百七十四條ヲ第八百三十六條トシ同條第二項中「第六百七十一條」ヲ「第八百三十三條」ニ改ム
第六百七十五條ヲ第八百三十七條トシ以下第六百七十九條迄順次百六十二條宛繰下グ
第六百八十條ヲ第八百四十二條トシ同條第九號中「第五百四十四條」ヲ「第六百九十條」ニ改ム
第六百八十二條ヲ第八百四十四條トシ同條第一項及第二項中「第六百八十條」ヲ「第八百四十二條」ニ改ム
第六百八十三條ヲ第八百四十五條トシ第六百八十四條ヲ第八百四十六條トス
第六百八十五條ヲ第八百四十七條トシ同條第二項中「第六百八十條」ヲ「第八百四十二條」ニ改ム
第六百八十六條ヲ第八百四十八條トシ以下順次百六十二條宛繰下グ