朕滿洲韓國樺太駐箚陸軍部隊給與令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年十月二十九日
陸軍大臣 寺內正毅
勅令第二百七十九號
滿洲韓國樺太駐箚陸軍部隊給與令
第一條 滿洲韓國樺太ニ駐箚スル陸軍部隊及之ニ屬スル軍人軍屬ノ給與ハ本令ニ依ル軍人軍屬以外ノ者ニシテ本令中特ニ定メタル者ノ給與亦同シ
本令ニ明文ナキモノハ陸軍給與令ノ規定ヲ適用ス
第二條 軍隊外ノ委任經理ニ係ル給與ニ關シテハ陸軍給與令ノ規定ニ拘ラス陸軍大臣之ヲ定ム
第三條 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者ノ俸給又ハ給料ハ之ヲ減給セサルヲ例トス
第四條 准士官以上營外居住下士以下及軍屬ニハ俸給又ハ給料ノ十分ノ三營內居住下士以下ニハ給料ノ十分ノ五ヲ增給ス但シ傭人ニ在リテハ陸軍大臣ノ定メタル者ニ限ル
豫備役、後備役又ハ補充兵役ニ在リテ勤務演習ノ爲召集中ノ者ニハ增給ヲ給セス
第五條 軍人軍屬ニハ糧食ヲ給ス其ノ區分ハ左ノ各號ニ依ル但シ雇員傭人ニ在リテハ陸軍大臣ノ定メタル者ニ限ル
一 匪徒鎭壓等ノ爲行動ヲ爲ス場合ニハ現品ヲ所屬部隊ニ交付ス
二 軍隊下士以下ニ在リテハ現人員ニ應シ定額ヲ該隊ニ交付ス
三 傷痍疾病ノ爲入院中ノ者ニ在リテハ現人員ニ應シ定額ヲ病院ニ交付ス
四 未決監旣決監ニ入監中ノ者ニ在リテハ現人員ニ應シ定額ヲ監獄ニ交付ス監獄ニ於テ營倉處分執行中ノ者亦同シ
五 第一號乃至第四號ニ屬セサル者ニハ食料ヲ給ス但シ時宜ニ依リ現品ヲ給スルコトヲ得
軍人軍屬以外ノ者ニシテ糧食ヲ給與スルノ必要アルトキハ前項ニ準シ之ヲ給スルコトヲ得
第六條 馬糧ハ現品ヲ給ス但シ乘馬本分者ノ馬匹ニ係ル馬糧ハ代金ヲ以テ給スルコトヲ得
第七條 乘馬本分者ノ馬匹ニ係ル繫畜料ハ之ヲ停止シ該馬匹ノ繫畜ニ要スル諸費ハ官費トス
馬匹手當ハ內地ニ歸還シタル上之ヲ給シ馬匹購買料及馬匹保續料ハ之ヲ支給セス
第八條 馬匹ニ係ル裝蹄剔毛其ノ他器具ノ保續等ハ總テ實費トス
第九條 下士以下所要ノ被服及駐箚部隊備附ノ被服ハ現品ヲ以テ交付シ其ノ保續ニ係ル諸費ハ實費トス
第十條 軍屬ニハ陸軍大臣ノ定メタル者ニ限リ所要ノ被服ヲ支給又ハ貸與ス但シ現品ニ代ヘ被服料ヲ給スルコトヲ得
第十一條 軍人軍屬ニハ必要ニ應シ宿舍及家具ヲ貸與シ防寒用薪炭ヲ支給スルコトヲ得
第十二條 軍隊ノ消耗品ハ總テ現品ヲ給ス
第十三條 軍隊ノ陣營具ハ初度現品ヲ備附ケ其ノ保續ニ要スル費用ハ實費トス
第十四條 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル軍人軍屬ノ藥餌ハ總テ官給ス軍人軍屬以外ノ者ト雖時宜ニ依リ官給スルコトヲ得
第十五條 軍人軍屬死亡シ官ニ於テ埋葬スルトキハ其ノ埋葬又ハ遺骨遺物等輸送ニ係ル諸費ハ官費トス
軍人軍屬以外ニシテ前項ノ必要アルトキ亦同シ
第十六條 駐箚部隊ニ屬スル者ニ非サルモ公務ヲ以テ駐箚地ニ往復スル軍人軍屬ノ給與ハ本令ヲ適用ス但シ第四條ハ此ノ限ニ在ラス
第十七條 糧食及馬糧ノ定額、本令ニ依リ給與スル物件ノ種類、員數、保存期限竝給與ノ支給區分、停止及減額ハ陸軍大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ明治三十九年十一月十六日ヨリ之ヲ施行ス
明治三十二年勅令第二百二十五號ハ之ヲ廢止ス
朕満洲韓国樺太駐箚陸軍部隊給与令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年十月二十九日
陸軍大臣 寺内正毅
勅令第二百七十九号
満洲韓国樺太駐箚陸軍部隊給与令
第一条 満洲韓国樺太ニ駐箚スル陸軍部隊及之ニ属スル軍人軍属ノ給与ハ本令ニ依ル軍人軍属以外ノ者ニシテ本令中特ニ定メタル者ノ給与亦同シ
本令ニ明文ナキモノハ陸軍給与令ノ規定ヲ適用ス
第二条 軍隊外ノ委任経理ニ係ル給与ニ関シテハ陸軍給与令ノ規定ニ拘ラス陸軍大臣之ヲ定ム
第三条 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者ノ俸給又ハ給料ハ之ヲ減給セサルヲ例トス
第四条 准士官以上営外居住下士以下及軍属ニハ俸給又ハ給料ノ十分ノ三営内居住下士以下ニハ給料ノ十分ノ五ヲ増給ス但シ傭人ニ在リテハ陸軍大臣ノ定メタル者ニ限ル
予備役、後備役又ハ補充兵役ニ在リテ勤務演習ノ為召集中ノ者ニハ増給ヲ給セス
第五条 軍人軍属ニハ糧食ヲ給ス其ノ区分ハ左ノ各号ニ依ル但シ雇員傭人ニ在リテハ陸軍大臣ノ定メタル者ニ限ル
一 匪徒鎮圧等ノ為行動ヲ為ス場合ニハ現品ヲ所属部隊ニ交付ス
二 軍隊下士以下ニ在リテハ現人員ニ応シ定額ヲ該隊ニ交付ス
三 傷痍疾病ノ為入院中ノ者ニ在リテハ現人員ニ応シ定額ヲ病院ニ交付ス
四 未決監既決監ニ入監中ノ者ニ在リテハ現人員ニ応シ定額ヲ監獄ニ交付ス監獄ニ於テ営倉処分執行中ノ者亦同シ
五 第一号乃至第四号ニ属セサル者ニハ食料ヲ給ス但シ時宜ニ依リ現品ヲ給スルコトヲ得
軍人軍属以外ノ者ニシテ糧食ヲ給与スルノ必要アルトキハ前項ニ準シ之ヲ給スルコトヲ得
第六条 馬糧ハ現品ヲ給ス但シ乗馬本分者ノ馬匹ニ係ル馬糧ハ代金ヲ以テ給スルコトヲ得
第七条 乗馬本分者ノ馬匹ニ係ル繋畜料ハ之ヲ停止シ該馬匹ノ繋畜ニ要スル諸費ハ官費トス
馬匹手当ハ内地ニ帰還シタル上之ヲ給シ馬匹購買料及馬匹保続料ハ之ヲ支給セス
第八条 馬匹ニ係ル装蹄剔毛其ノ他器具ノ保続等ハ総テ実費トス
第九条 下士以下所要ノ被服及駐箚部隊備附ノ被服ハ現品ヲ以テ交付シ其ノ保続ニ係ル諸費ハ実費トス
第十条 軍属ニハ陸軍大臣ノ定メタル者ニ限リ所要ノ被服ヲ支給又ハ貸与ス但シ現品ニ代ヘ被服料ヲ給スルコトヲ得
第十一条 軍人軍属ニハ必要ニ応シ宿舎及家具ヲ貸与シ防寒用薪炭ヲ支給スルコトヲ得
第十二条 軍隊ノ消耗品ハ総テ現品ヲ給ス
第十三条 軍隊ノ陣営具ハ初度現品ヲ備附ケ其ノ保続ニ要スル費用ハ実費トス
第十四条 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル軍人軍属ノ薬餌ハ総テ官給ス軍人軍属以外ノ者ト雖時宜ニ依リ官給スルコトヲ得
第十五条 軍人軍属死亡シ官ニ於テ埋葬スルトキハ其ノ埋葬又ハ遺骨遺物等輸送ニ係ル諸費ハ官費トス
軍人軍属以外ニシテ前項ノ必要アルトキ亦同シ
第十六条 駐箚部隊ニ属スル者ニ非サルモ公務ヲ以テ駐箚地ニ往復スル軍人軍属ノ給与ハ本令ヲ適用ス但シ第四条ハ此ノ限ニ在ラス
第十七条 糧食及馬糧ノ定額、本令ニ依リ給与スル物件ノ種類、員数、保存期限並給与ノ支給区分、停止及減額ハ陸軍大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ明治三十九年十一月十六日ヨリ之ヲ施行ス
明治三十二年勅令第二百二十五号ハ之ヲ廃止ス