(陸軍給与令外五件中改正ノ件)
法令番号: 勅令第六百二號
公布年月日: 昭和17年7月1日
法令の形式: 勅令
朕陸軍給與令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年六月三十日
內閣總理大臣兼陸軍大臣 東條英機
勅令第六百二號
陸軍給與令中左ノ通改正ス
第二條第五號及第六號中「及學校」ヲ「、學校等ノ」ニ改メ同條第一號ヲ左ノ如ク改ム
一 軍隊ト稱スルハ陸軍平時編制ニ謂フ軍隊(司令部、陸軍敎化隊及憲兵隊ヲ除ク)及之ニ準ズル各隊ニシテ陸軍大臣ノ指定スルモノヲ謂フ
第四條ノ二中「給料トアルハ」ノ下ニ「勤續加俸及」ヲ加フ
第八條中「尉官」ヲ「將校」ニ、同條第六號中「(曹長一等給ノ者ヲ除ク)」ヲ「(曹長二等給以上ヲ受クル者ヲ除ク)」ニ改メ同條第一號及第二號ヲ左ノ如ク改ム
一 准士官下士官ヨリ將校ニ任ゼラレタル者ニシテ下士官ニ任ゼラレタル後在職六年(憲兵ニ在リテハ憲兵兵長タリシ期間ノ二分ノ一ヲ加算シ在職年數ヲ定ム)ヲ經過シタルモノニハ年功加俸
二 准士官ニシテ四年以上、曹長及軍曹ニシテ二年以上其ノ階級ノ最上給ヲ受ケタルモノニハ勤續加俸
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第一號及第二號ニ規定スル年數ノ算定方法ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第九條第一項及第二項中「及給料」ヲ「、給料及手當金」ニ、同條第二項及第三項中「屯營」ヲ「屯營等」ニ改ム
第十條及第十七條第一項中「及給料」ヲ「、給料及手當金」ニ改ム
第十一條中「給料、」ノ下ニ「手當金、」ヲ加フ
第十六條 現役ニ在ラザル准士官以上及下士官兵ニシテ召集中ノモノ及部隊ノ職務ニ就キタルモノニハ在職又ハ現役ニ準ジ俸給、給料及外宿手當ヲ給ス
演習召集中ノ者ニハ前項ノ規定ニ拘ラズ年功加俸及勤續加俸ハ之ヲ給セザルモノトシ其ノ俸給及給料ニ數等アルモノニ在リテハ最下給ニ依ル
第十七條ノ二第一項中「曹長一等給」ヲ「曹長二等給(曹長二等給ヲ經ズ曹長一等給ヲ受クル者ニ在リテハ曹長一等給)」ニ改メ同條第二項ヲ削ル
第二十一條 糧食ハ准士官以上及營外居住又ハ外宿ノ下士官兵ニ在リテハ自辨トシ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ在リテハ官給トス其ノ定額ハ第九表ニ依ル
一 營內居住ノ下士官以下(外宿ノ者ヲ除ク)
二 現役兵トシテ徵集セラレタル者ニシテ入營ノ際特ニ糧食ヲ要スルモノ又ハ敎育ノ爲召集セラレタル補充兵ニシテ入隊ノ際特ニ糧食ヲ要スルモノ
三 糧食自辨ノ者(軍屬ヲ含ム)ニシテ公務ノ爲傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ病院ニ入院中ノモノ及軍隊(敎導隊、練習隊、幹部候補生隊、下士官候補者隊、生徒隊、敎育隊及學生隊ヲ含ム)ノ宿直勤務ニ服スルモノ
四 營內居住ノ下士官以下(外宿ノ者ヲ除ク)ニシテ現役ヲ離レ又ハ召集解除ノ際疾病其ノ他ノ事故ニ因リ歸鄕セシメ難キモノ
五 諸學校生徒採用豫定者ニシテ著校ノ際特ニ糧食ヲ要スルモノ
第二十一條ノ二 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニハ增賄料ヲ給ス其ノ定額ハ第九表ニ依ル
一 陸軍大臣ノ指定スル學生及生徒ニシテ在校中(病院ニ入院中ヲ除ク)ノモノ
二 前條第五號ニ該當スル者
三 前條ノ規定ニ依リ糧食ノ官給ヲ受クル者ニシテ病院ニ於テ轉地療養中ノモノ
四 宮闕守衞ノ衞兵及陸軍大臣ノ指定スル其ノ他ノ衞兵ニシテ服務中ノモノ
第一表中
准士官
一等
九百六十圓
二等
九百圓
准士官
一等
千三百二十圓
二等
千百四十圓
三等
千二十圓
四等
九百六十圓
ニ、同表備考第三號中「中尉」ヲ「中尉若ハ大尉」ニ改メ同表備考中第一號ヲ左ノ如ク改ム
一 參謀總長又ハ敎育總監ノ職ニ在ル中將ノ俸給ハ年額六千四百圓、陸軍航空總監、防衞總司令官、軍司令官、航空軍司令官、師團長、飛行師團長、軍事參議官又ハ侍從武官長ノ職ニ在ル中將ノ俸給ハ年額六千圓トス
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第八表備考第一號中「其ノ官ニ對スル最高ノ俸給」ヲ「一等給」ニ改ム
第九表中
增賄料
豫備士官學校生徒
敎導學校學生
戰車學校生徒
通信學校生徒
兵器學校生徒
二錢
宮闕守衞ノ衞兵
十六錢
其ノ他
六錢五厘
增賄料
宮闕守衞ノ衞兵
十六錢
其ノ他
六錢五厘
二錢
ニ、同表備考中第一號ヲ左ノ如ク改ム
一 賄料地方區分竝ニ增賄料乙額及丙額ノ支給區分ハ陸軍大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行ノ際必要ナル規定ハ陸軍大臣之ヲ定ム
陸軍軍人俸給臨時特例中「別表第一」ヲ「別表」ニ改メ第三條ヲ削除シ別表第二ヲ削ル
朝鮮滿洲駐箚陸軍部隊給與令中第四條ノ三及別表ヲ削ル
臺灣駐箚陸軍部隊給與規則中第四條ヲ削除シ別表ヲ削ル
在樺太陸軍部隊給與令中第六條ヲ削除シ別表ヲ削リ同令第十五條中「、第四條及第六條」ヲ「及第四條」ニ改ム
在滿陸軍部隊臨時給與令中第九條ヲ削除シ別表ヲ削リ同令第十六條中「、第六條及第九條」ヲ「及第六條」ニ改ム
朕陸軍給与令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年六月三十日
内閣総理大臣兼陸軍大臣 東条英機
勅令第六百二号
陸軍給与令中左ノ通改正ス
第二条第五号及第六号中「及学校」ヲ「、学校等ノ」ニ改メ同条第一号ヲ左ノ如ク改ム
一 軍隊ト称スルハ陸軍平時編制ニ謂フ軍隊(司令部、陸軍教化隊及憲兵隊ヲ除ク)及之ニ準ズル各隊ニシテ陸軍大臣ノ指定スルモノヲ謂フ
第四条ノ二中「給料トアルハ」ノ下ニ「勤続加俸及」ヲ加フ
第八条中「尉官」ヲ「将校」ニ、同条第六号中「(曹長一等給ノ者ヲ除ク)」ヲ「(曹長二等給以上ヲ受クル者ヲ除ク)」ニ改メ同条第一号及第二号ヲ左ノ如ク改ム
一 准士官下士官ヨリ将校ニ任ゼラレタル者ニシテ下士官ニ任ゼラレタル後在職六年(憲兵ニ在リテハ憲兵兵長タリシ期間ノ二分ノ一ヲ加算シ在職年数ヲ定ム)ヲ経過シタルモノニハ年功加俸
二 准士官ニシテ四年以上、曹長及軍曹ニシテ二年以上其ノ階級ノ最上給ヲ受ケタルモノニハ勤続加俸
同条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第一号及第二号ニ規定スル年数ノ算定方法ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第九条第一項及第二項中「及給料」ヲ「、給料及手当金」ニ、同条第二項及第三項中「屯営」ヲ「屯営等」ニ改ム
第十条及第十七条第一項中「及給料」ヲ「、給料及手当金」ニ改ム
第十一条中「給料、」ノ下ニ「手当金、」ヲ加フ
第十六条 現役ニ在ラザル准士官以上及下士官兵ニシテ召集中ノモノ及部隊ノ職務ニ就キタルモノニハ在職又ハ現役ニ準ジ俸給、給料及外宿手当ヲ給ス
演習召集中ノ者ニハ前項ノ規定ニ拘ラズ年功加俸及勤続加俸ハ之ヲ給セザルモノトシ其ノ俸給及給料ニ数等アルモノニ在リテハ最下給ニ依ル
第十七条ノ二第一項中「曹長一等給」ヲ「曹長二等給(曹長二等給ヲ経ズ曹長一等給ヲ受クル者ニ在リテハ曹長一等給)」ニ改メ同条第二項ヲ削ル
第二十一条 糧食ハ准士官以上及営外居住又ハ外宿ノ下士官兵ニ在リテハ自弁トシ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニ在リテハ官給トス其ノ定額ハ第九表ニ依ル
一 営内居住ノ下士官以下(外宿ノ者ヲ除ク)
二 現役兵トシテ徴集セラレタル者ニシテ入営ノ際特ニ糧食ヲ要スルモノ又ハ教育ノ為召集セラレタル補充兵ニシテ入隊ノ際特ニ糧食ヲ要スルモノ
三 糧食自弁ノ者(軍属ヲ含ム)ニシテ公務ノ為傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ病院ニ入院中ノモノ及軍隊(教導隊、練習隊、幹部候補生隊、下士官候補者隊、生徒隊、教育隊及学生隊ヲ含ム)ノ宿直勤務ニ服スルモノ
四 営内居住ノ下士官以下(外宿ノ者ヲ除ク)ニシテ現役ヲ離レ又ハ召集解除ノ際疾病其ノ他ノ事故ニ因リ帰郷セシメ難キモノ
五 諸学校生徒採用予定者ニシテ著校ノ際特ニ糧食ヲ要スルモノ
第二十一条ノ二 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニハ増賄料ヲ給ス其ノ定額ハ第九表ニ依ル
一 陸軍大臣ノ指定スル学生及生徒ニシテ在校中(病院ニ入院中ヲ除ク)ノモノ
二 前条第五号ニ該当スル者
三 前条ノ規定ニ依リ糧食ノ官給ヲ受クル者ニシテ病院ニ於テ転地療養中ノモノ
四 宮闕守衛ノ衛兵及陸軍大臣ノ指定スル其ノ他ノ衛兵ニシテ服務中ノモノ
第一表中
准士官
一等
九百六十円
二等
九百円
准士官
一等
千三百二十円
二等
千百四十円
三等
千二十円
四等
九百六十円
ニ、同表備考第三号中「中尉」ヲ「中尉若ハ大尉」ニ改メ同表備考中第一号ヲ左ノ如ク改ム
一 参謀総長又ハ教育総監ノ職ニ在ル中将ノ俸給ハ年額六千四百円、陸軍航空総監、防衛総司令官、軍司令官、航空軍司令官、師団長、飛行師団長、軍事参議官又ハ侍従武官長ノ職ニ在ル中将ノ俸給ハ年額六千円トス
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第八表備考第一号中「其ノ官ニ対スル最高ノ俸給」ヲ「一等給」ニ改ム
第九表中
増賄料
予備士官学校生徒
教導学校学生
戦車学校生徒
通信学校生徒
兵器学校生徒
二銭
宮闕守衛ノ衛兵
十六銭
其ノ他
六銭五厘
増賄料
宮闕守衛ノ衛兵
十六銭
其ノ他
六銭五厘
二銭
ニ、同表備考中第一号ヲ左ノ如ク改ム
一 賄料地方区分並ニ増賄料乙額及丙額ノ支給区分ハ陸軍大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行ノ際必要ナル規定ハ陸軍大臣之ヲ定ム
陸軍軍人俸給臨時特例中「別表第一」ヲ「別表」ニ改メ第三条ヲ削除シ別表第二ヲ削ル
朝鮮満洲駐箚陸軍部隊給与令中第四条ノ三及別表ヲ削ル
台湾駐箚陸軍部隊給与規則中第四条ヲ削除シ別表ヲ削ル
在樺太陸軍部隊給与令中第六条ヲ削除シ別表ヲ削リ同令第十五条中「、第四条及第六条」ヲ「及第四条」ニ改ム
在満陸軍部隊臨時給与令中第九条ヲ削除シ別表ヲ削リ同令第十六条中「、第六条及第九条」ヲ「及第六条」ニ改ム