第二條 郵便貯金ノ預入ハ郵便貯金通帳ニ依リ其ノ拂戾ハ拂戾證書ニ依リ之ヲ爲ス但シ命令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第四條 左ニ揭クル預入金ニ付テハ前條第一項第二號ノ制限ヲ適用セス
一 公共團體、社寺、學校又ハ營利ヲ目的トセサル法人若ハ團體ノ預入金
第五條 郵便貯金通帳ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外一人一册ヲ限トス
前項ノ規定ニ違反シ二册以上ノ通帳ヲ以テ貯金ノ預入ヲ爲シタル者アルトキハ最初ノ通帳、通帳ノ日附同一ナルトキハ貯金ノ最多額ナルモノニ記入シタル貯金ノ外利子ヲ付セス
前項ニ依リ利子ヲ付スヘカラサル貯金ニ付旣ニ拂戾シタル利子アルトキハ現ニ存在スル貯金ヨリ之ヲ控除シ又ハ別ニ之ヲ追徵ス
第六條 郵便貯金額第三條第一項第二號ノ制限ヲ超過シタル場合ニ於テ郵便貯金預ケ人之ヲ其ノ制限以內ニ減額セサルトキハ郵便官署ハ其ノ制限以內ニ減額スルニ必要ナル限度ニ於テ貯金ノ一部ヲ以テ國債證券ヲ購入シ之ヲ保管スヘシ
第七條 郵便切手及支拂期ノ開始セル證券ハ命令ノ定ムル所ニ依リ郵便貯金ニ預入スルコトヲ得
第八條 郵便貯金ノ利子ニ關スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九條 郵便官署ハ郵便貯金預ケ人ノ請求ニ因リ其ノ貯金ノ一部ヲ以テ國債證券其ノ他ノ證券ヲ購入保管シ又ハ之ヲ賣却スルコトヲ得其ノ證券ノ種類ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十條 郵便貯金拂出ニ關スル證書ノ有效期間ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一條 郵便貯金ニ關シ無能力者ノ郵便官署ニ對シテ爲シタル行爲ハ能力者ノ爲シタルモノト看做ス
第十二條 郵便貯金及保管ニ係ル證券ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外之ヲ讓渡スコトヲ得ス
第十三條 成規ノ手續ヲ經テ郵便貯金ヲ拂出シ又ハ保管ニ係ル證券ヲ交付シタルトキハ正當ノ拂出又ハ交付ヲ爲シタルモノト看做ス
第十四條 郵便官署ハ郵便貯金ニ關スル取扱ノ遲延ニ因リ生シタル損害ニ付賠償ノ責ニ任セス
第十五條 郵便官署ハ郵便貯金預ケ人ノ眞僞ヲ調査スル爲預ケ人ヲシテ必要ナル證明ヲ爲サシムルコトヲ得
第十六條 郵便官署ハ必要ナル場合ニ於テ郵便貯金通帳ヲ檢閱スルコトヲ得
第十八條 十年間郵便貯金ノ預入及拂出ナク且利子記入又ハ檢閱ノ爲ニスル通帳ノ提出ナキ場合ニ於テハ郵便官署ハ其ノ預ケ人ニ對シ郵便貯金通帳ノ提出又ハ預入金ノ處分ヲ爲スヘキ旨ヲ催吿シ其ノ催吿ノ日ヨリ六十日內ニ通帳ヲ提出セス又ハ預入金ノ處分ヲ申出サルトキハ其ノ郵便貯金及保管ニ係ル證券ハ國庫ノ所有ニ歸ス
郵便貯金拂出ニ關スル證書ノ有效期間滿了ノ日ヨリ三年間再度證書交付又ハ拂出金戾入ノ請求ナキ場合ニ於テハ其ノ拂出金ハ國庫ノ所有ニ歸ス
一定ノ期間拂戾ヲ爲ササル條件ヲ以テ預入シタル郵便貯金ニ付テハ其ノ期間ハ第一項ノ期間ニ算入セス