第一條 法令ノ規定ニ依リテ供託スル金錢及ヒ有價證券ハ金庫ニ於テ之ヲ保管ス
第二條 金庫ニ供託ヲ爲サント欲スル者ハ大藏大臣カ定メタル書式ニ依リテ供託書ヲ作リ供託物ニ添ヘテ之ヲ差出タスコトヲ要ス
第三條 金庫ハ金錢ノ供託ヲ受ケタル翌月ヨリ拂渡請求ノ前月マテ大藏大臣カ定メタル利息ヲ拂フコトヲ要ス
第四條 金庫ハ供託物ヲ受取ルヘキ者ノ請求ニ因リ供託ノ目的タル有價證券ノ償還金、利息又ハ配當金ヲ受取リ供託物ニ代ヘ又ハ其從トシテ之ヲ保管ス但保證金ニ代ヘテ有價證券ヲ供託シタル場合ニ於テハ供託者ハ其利息又ハ配當金ノ拂渡ヲ請求スルコトヲ得
第五條 司法大臣ハ法令ノ規定ニ依リテ供託スル金錢又ハ有價證券ニ非サル物品ヲ保管スヘキ倉庫營業者ヲ指定スルコトヲ得
倉庫營業者ハ其營業ノ部類ニ屬スル物ニシテ其保管シ得ヘキ數量ニ限リ之ヲ保管スル義務ヲ負フ
第六條 倉庫營業者ニ供託ヲ爲サント欲スル者ハ司法大臣カ定メタル書式ニ依リテ供託書ヲ作リ供託物ニ添ヘテ之ヲ交付スルコトヲ要ス
第七條 倉庫營業者ハ供託物ヲ受取ルヘキ者ニ對シ一般ニ同種ノ物ニ付テ請求スル保管料ヲ請求スルコトヲ得
第八條 供託物ハ供託者カ指定シタル者又ハ法令若クハ裁判ニ依リテ定マリタル者ニ之ヲ還付ス
供託者ハ民法第四百九十六條ノ規定ニ依レルコト、供託カ錯誤ニ出テシコト又ハ其原因カ消滅シタルコトヲ證明スルニ非サレハ供託物ヲ取戾スコトヲ得ス
第九條 供託者カ供託物ヲ受取ル權利ヲ有セサル者ヲ指定シタルトキハ其供託ハ無效トス
第十條 供託物ヲ受取ルヘキ者カ反對給付ヲ爲スヘキ場合ニ於テハ供託所ニ其給付ヲ爲シ又ハ供託者ノ書面若クハ裁判ニ依リ其給付アリタルコトヲ證明スルニ非サレハ供託物ヲ受取ルコトヲ得ス