(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十一条、第十五条から第十八条まで及び第二十一条から第二十三条までの規定は、平成十六年四月一日から施行する。
(職員の引継ぎ等)
第二条 機構の成立の際現に文部科学省の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者のうち、文部科学大臣の指定する官職を占めるものは、別に辞令を発せられない限り、機構の成立の日において、機構の職員となるものとする。
第三条 前条の規定により機構の職員となった者に対する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第二項の規定の適用については、機構の職員を同項に規定する特別職国家公務員等と、前条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。
第四条 附則第二条の規定により文部科学省の職員が機構の職員となる場合には、その者に対しては、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基づく退職手当は、支給しない。
2 機構は、前項の規定の適用を受けた機構の職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間を機構の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。
3 機構の成立の日の前日に文部科学省の職員として在職する者が、附則第二条の規定により引き続いて機構の職員となり、かつ、引き続き機構の職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の機構の職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。ただし、その者が機構を退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。
4 機構は、機構の成立の日の前日に文部科学省の職員として在職し、附則第二条の規定により引き続いて機構の職員となった者のうち機構の成立の日から雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による失業等給付の受給資格を取得するまでの間に機構を退職したものであって、その退職した日まで文部科学省の職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。
第五条 附則第二条の規定により機構の職員となった者であって、機構の成立の日の前日において文部科学大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、機構の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、機構の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、機構の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
第六条 機構の成立の日の前日において国家公務員共済組合法第三条第一項の規定により文部科学省に属する同法第二条第一項第一号に規定する職員及びその所管する独立行政法人の同号に規定する職員をもって組織された国家公務員共済組合(以下この条において「文部科学省共済組合」という。)の組合員である同号に規定する職員(同日において附則第二条に規定する文部科学省の部局又は機関で政令で定めるものに属する者に限る。)が機構の成立の日において機構の役員又は職員(同号に規定する職員に相当する者に限る。以下この条において「役職員」という。)となり、かつ、引き続き同日以後において機構の役職員である場合において、その者が同日から起算して二十日を経過する日(正当な理由があると文部科学省共済組合が認めた場合には、その認めた日)までに文部科学省共済組合に申出をしたときは、当該役職員は、第二十七条の規定にかかわらず、同法の規定の適用については、機構の成立の日以後引き続く当該役職員である期間文部科学省共済組合を組織する同号に規定する職員に該当するものとする。
2 前項に規定する役職員が同項に規定する申出をその期限内に行うことなく死亡した場合には、その申出は、当該期限内に当該役職員の遺族(国家公務員共済組合法第二条第一項第三号に規定する遺族に相当する者に限る。次項において同じ。)がすることができる。
3 機構の成立の日の前日において文部科学省共済組合の組合員である国家公務員共済組合法第二条第一項第一号に規定する職員(同日において附則第二条に規定する文部科学省の部局又は機関で政令で定めるものに属する者に限る。)が機構の成立の日において機構の役職員となる場合において、当該役職員又はその遺族が第一項の規定による申出を行わなかったときは、当該役職員は、機構の成立の日の前日に退職(同条第一項第四号に規定する退職をいう。)をしたものとみなす。
(機構の職員となる者の職員団体についての経過措置)
第七条 機構の成立の際現に存する国家公務員法第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が附則第二条の規定により機構に引き継がれる者であるものは、機構の成立の際労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、機構の成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3 第一項の規定により労働組合となったものについては、機構の成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
(国の権利義務の承継等)
第八条 機構の成立の際、第十三条第一項第二号、第八号及び第九号に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、機構の成立の時において機構が承継する。
2 前項の規定により機構が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から機構に対し出資されたものとする。
3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(国有財産の無償使用)
第九条 国は、機構の成立の際現に附則第二条に規定する文部科学省の部局又は機関で政令で定めるものに属する者の住居の用に供されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、機構の用に供するため、機構に無償で使用させることができる。
(日本育英会の解散等)
第十条 日本育英会(以下「育英会」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において、次項の規定により国が承継する資産を除き、機構が承継する。
2 機構の成立の際現に育英会が有する権利のうち、機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、機構の成立の時において国が承継する。
3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4 育英会の平成十五年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。この場合において、当該決算の完結の期限は、解散の日から起算して二月を経過する日とする。
5 第一項の規定により機構が育英会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、機構が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。
6 附則第八条第三項及び第四項の規定は、前項の資産の価額について準用する。
7 第一項の規定により育英会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(政府が有する債権の免除)
第十一条 政府は、旧育英会法(附則第十五条の規定による廃止前の日本育英会法(昭和五十九年法律第六十四号)をいう。以下同じ。)第二十一条第一項第一号の業務に必要な費用に充てるため政府から旧育英会法第四十条第一項の規定により育英会に貸し付けた資金であって政令で定めるものに係る育英会に対する債権を免除するものとする。
(育英会の発行する日本育英会債券に関する経過措置)
第十二条 旧育英会法第三十二条第一項の規定により育英会が発行した日本育英会債券は、第十九条第三項及び第四項の規定の適用については、同条第一項の規定による日本学生支援債券とみなす。
(財団法人国際学友会等からの引継ぎ)
第十三条 次の表の上欄に掲げる法人は、寄附行為の定めるところにより、設立委員に対し、機構の成立の時において現にこれらの法人が有する権利及び義務のうち、それぞれ同表の下欄に掲げる事業の遂行に伴いこれらの法人に属するに至ったものを、機構において承継すべき旨を申し出ることができる。
法人 |
事業 |
昭和十五年十二月六日に設立された財団法人国際学友会(以下この項において「学友会」という。) |
平成十五年三月一日現在における学友会の寄附行為第五条第一号から第六号まで及び第八号に掲げる事業並びにこれらに附帯する事業 |
昭和二十年七月一日に設立された財団法人内外学生センター(以下この項において「センター」という。) |
平成十五年三月一日現在におけるセンターの寄附行為第四条に掲げる事業のうち留学生交流の推進及び大学等に対する支援に係るもの並びにこれらに附帯する事業 |
昭和三十一年六月八日に設立された財団法人関西国際学友会(以下この項において「関西学友会」という。) |
平成十五年三月一日現在における関西学友会の寄附行為第五条第二号から第七号までに掲げる事業及びこれらに附帯する事業 |
昭和三十二年三月一日に設立された財団法人日本国際教育協会(以下この項において「協会」という。) |
平成十五年三月一日現在における協会の寄附行為第五条第一号から第六号まで及び第八号に掲げる事業並びにこれらに附帯する事業 |
2 設立委員は、前項の規定による申出があったときは、遅滞なく、文部科学大臣の認可を申請しなければならない。
3 前項の認可があったときは、第一項の規定による申出に係る権利及び義務は、機構の成立の時において機構に承継されるものとする。
(業務の特例等)
第十四条 機構は、当分の間、第十三条に規定する業務のほか、旧育英会法第二十一条第一項第一号に規定する業務及びこれに附帯する業務のうち、高等学校(中等教育学校の後期課程並びに盲学校、聾学校及び養護学校の高等部を含む。)又は専修学校の高等課程の生徒(機構の成立の日の属する年度の翌年度以降にこれらの学校に入学する者を除く。)に対する旧育英会法第二十二条第一項に規定する第一種学資金に係る業務を行う。
2 前項に規定する業務については、旧育英会法第二十二条及び第二十三条の規定は、次条の規定の施行後も、なおその効力を有する。この場合において、旧育英会法第二十三条中「育英会」とあるのは「独立行政法人日本学生支援機構」とする。
3 機構が第一項に規定する業務を行う場合における第十七条、第十八条第一項、第十九条第一項、第二十二条、第二十三条及び第三十条第二号の規定の適用については、第十七条中「学資金」とあるのは「学資金(附則第十四条第一項に規定する第一種学資金を含む。)」と、第十八条第一項及び第三十条第二号中「第十三条」とあるのは「第十三条及び附則第十四条第一項」と、第十九条第一項及び第二十三条中「第十三条第一項第一号に規定する学資の貸与に係る業務」とあるのは「第十三条第一項第一号に規定する学資の貸与に係る業務及び附則第十四条第一項に規定する業務(附帯する業務を除く。)」と、第二十二条第一項中「第十三条第一項第一号に規定する学資の貸与に係る業務(第一種学資金に係るものに限る。)」とあるのは「第十三条第一項第一号に規定する学資の貸与に係る業務(第一種学資金に係るものに限る。)及び附則第十四条第一項に規定する業務(附帯する業務を除く。)」と、同条第二項中「第十五条第三項又は第十六条」とあるのは「第十五条第三項、第十六条又は附則第十四条第二項の規定によりなおその効力を有することとされる旧育英会法第二十三条第三項」とする。
(従前の被貸与者に関する経過措置)
第十六条 前条の規定の施行前に育英会がした貸与契約による学資の貸与及び貸与金の返還については、なお従前の例による。
2 政府は、機構が前項の規定によりなお従前の例によることとされる貸与金の返還の免除(無利息の貸与金に係るものに限る。)をしたときは、機構に対し、その免除した金額に相当する額の貸付金の償還を免除することができる。
(日本育英会法の廃止に伴う経過措置)
第十七条 附則第十五条の規定の施行前に旧育英会法(第十条、第十七条及び第二十条第一項を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第十八条 附則第十五条の規定の施行前にした行為及び附則第十条第四項の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(名称の使用制限に関する経過措置)
第十九条 この法律の施行の際現に日本学生支援機構という名称を使用している者については、第六条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(政令への委任)
第二十条 附則第二条から第十四条まで及び第十六条から前条までに定めるもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(郵便振替法の一部改正)
第二十一条 郵便振替法(昭和二十三年法律第六十号)の一部を次のように改正する。
第六十三条の二中「日本育英会」を「独立行政法人日本学生支援機構」に改める。
(所得税法等の一部改正)
第二十二条 次に掲げる法律の表日本育英会の項を削る。
一 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)別表第一第一号の表
二 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)別表第一第一号の表
三 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第二
四 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)別表第三第一号の表
五 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年法律第百四十号)別表第一
(印紙税法の一部改正)
第二十三条 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。
別表第三の文書名の欄中「日本育英会法(昭和五十九年法律第六十四号)第二十一条第一項第一号(業務)の業務」を「独立行政法人日本学生支援機構法(平成十五年法律第九十四号)第十三条第一項第一号(業務の範囲)に規定する学資の貸与に係る業務」に改め、同表の作成者の欄中「日本育英会」を「独立行政法人日本学生支援機構」に改める。