小型船舶の登録等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十三年七月四日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 福田康夫
法律第百二号
小型船舶の登録等に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
登録及び測度(第三条―第二十条)
第三章
小型船舶検査機構による登録測度事務の実施等(第二十一条―第二十四条)
第四章
雑則(第二十五条―第三十三条)
第五章
罰則(第三十四条―第三十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、小型船舶の所有権の公証のための登録に関する制度等について定めることにより、小型船舶の所有者の利便性の向上を図り、もって小型船舶を利用した諸活動の健全な発達に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「小型船舶」とは、総トン数二十トン未満の船舶のうち、日本船舶(船舶法(明治三十二年法律第四十六号)第一条に規定する日本船舶をいう。以下同じ。)又は日本船舶以外の船舶(本邦の各港間又は湖、川若しくは港のみを航行する船舶に限る。)であって、次に掲げる船舶以外のものをいう。
一 漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項に規定する漁船
二 ろかい又は主としてろかいをもって運転する舟、係留船その他国土交通省令で定める船舶
第二章 登録及び測度
(登録の一般的効力)
第三条 小型船舶は、小型船舶登録原簿(以下「原簿」という。)に登録を受けたものでなければ、これを航行の用に供してはならない。ただし、臨時航行として国土交通省令で定める場合は、この限りでない。
第四条 登録を受けた小型船舶の所有権の得喪は、登録を受けなければ、第三者に対抗することができない。
(原簿)
第五条 原簿は、その全部又は一部を磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもって調製することができる。
(新規登録及び測度)
第六条 登録を受けていない小型船舶の登録(以下「新規登録」という。)を受けようとする場合には、その所有者は、国土交通大臣に対し、新規登録の申請をし、かつ、当該船舶を提示しなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の申請があった場合には、申請に虚偽があると認められるときを除き、当該船舶の総トン数の測度(以下「測度」という。)を行い、かつ、次に掲げる事項及び国土交通省令で定める基準により定めた船舶番号を原簿に記載することによって新規登録を行わなければならない。
一 船舶の種類
二 船籍港
三 船舶の長さ、幅及び深さ
四 総トン数
五 船体識別番号
六 推進機関を有するものにあっては、その種類及び型式
七 所有者の氏名又は名称及び住所
八 登録年月日
(登録事項の通知)
第七条 国土交通大臣は、新規登録を行ったときは、申請者に対し、登録事項を国土交通省令で定める方法により通知しなければならない。
(船舶番号の表示の義務)
第八条 小型船舶の所有者は、前条の規定により船舶番号の通知を受けたときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく当該船舶に当該船舶番号を表示しなければならない。
(変更登録)
第九条 新規登録を受けた小型船舶(以下「登録小型船舶」という。)について第六条第二項各号(第八号を除く。)に掲げる事項のいずれかに変更があった場合(次条の規定による移転登録又は第十二条の規定による抹消登録の申請をすべき場合を除く。)には、その所有者は、その事由があった日から十五日以内に、国土交通大臣に対し、変更登録の申請をし、かつ、同項第二号又は第七号に掲げる事項のみの変更の場合を除き、当該船舶を提示しなければならない。
2 国土交通大臣は、変更登録の申請があった場合には、申請に虚偽があると認められるときを除き、測度(第六条第二項第三号又は第四号に掲げる事項の変更の場合に限る。)及び変更登録を行わなければならない。
3 第七条の規定は、変更登録を行った場合について準用する。
(移転登録)
第十条 登録小型船舶について所有者の変更があった場合には、新所有者は、その事由があった日から十五日以内に、国土交通大臣に対し、移転登録の申請をしなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の申請があった場合には、申請に虚偽があると認められるときを除き、移転登録を行わなければならない。
3 第七条の規定は、移転登録を行った場合について準用する。
(船舶番号の変更)
第十一条 国土交通大臣は、前二条の申請があった場合その他の場合において、登録小型船舶についてその船舶番号が第六条第二項の国土交通省令で定める基準に適合しなくなったと認めるときは、その船舶番号を変更するものとする。
2 第七条及び第八条の規定は、船舶番号を変更した場合について準用する。
(抹消登録)
第十二条 登録小型船舶の所有者は、次に掲げる場合には、その事由があった日から十五日以内に、国土交通大臣に対し、抹消登録の申請をしなければならない。
一 当該船舶が滅失し、沈没し、又は解撤されたとき。
二 当該船舶の存否が三箇月間不明になったとき。
三 当該船舶が小型船舶でなくなったとき。
2 国土交通大臣は、前項の事由があると認める場合において、当該船舶の所有者が抹消登録の申請をしないときは、その定める七日以上の期間において、これをなすべきことを催告しなければならない。
3 国土交通大臣は、前項の催告をした場合において、当該船舶の所有者が正当な理由がないのに抹消登録の申請をしないときは、抹消登録を行い、その旨を当該所有者に国土交通省令で定める方法により通知しなければならない。
4 第十条第二項の規定は、抹消登録の申請があった場合について準用する。
(原簿の記録等の保存)
第十三条 抹消登録を行った小型船舶に係る原簿の記録は、当該抹消登録を行った日から十年間保存しなければならない。
2 小型船舶の登録に係る申請書及び第十九条第一項に規定する譲渡証明書その他の添付書類は、当該申請があった日から五年間保存しなければならない。
(登録事項証明書等)
第十四条 何人も、国土交通大臣に対し、原簿の謄本若しくは抄本又は原簿のうち磁気ディスクをもって調製された部分に記録されている事項を証明した書面(以下「登録事項証明書等」という。)の交付を請求することができる。
(製造業者による船体識別番号等の打刻)
第十五条 小型船舶又はその船体若しくはその推進機関(以下「小型船舶等」という。)の製造を業とする者(以下「製造業者」という。)以外の者は、船体識別番号又は推進機関の型式(以下「船体識別番号等」という。)を打刻してはならない。
2 製造業者が船体識別番号等を打刻しようとするときは、打刻する船体識別番号等、打刻の方法その他の国土交通省令で定める事項についてあらかじめ国土交通大臣に届け出て、その届け出たところに従い、これをしなければならない。
3 国土交通大臣は、前項の届出に係る事項が適当でないと認めるときは、その変更を命ずることができる。
(輸入小型船舶の打刻の届出等)
第十六条 小型船舶等の輸入を業とする者(以下「輸入業者」という。)は、小型船舶等を輸入したときは、輸入した日から十五日以内に、国土交通省令で定めるところにより、その船体識別番号等、打刻の状況その他の国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。
2 小型船舶等の輸入の実績等を勘案して国土交通大臣が指定する輸入業者は、前条第一項の規定にかかわらず、輸入した小型船舶等に船体識別番号等の打刻がない場合その他国土交通省令で定める場合に限り、これに船体識別番号等の打刻を行うことができる。
3 前条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による船体識別番号等の打刻について準用する。
(打刻の塗抹等の禁止)
第十七条 何人も、船体識別番号等の打刻を塗抹し、その他船体識別番号等の識別を困難にする行為をしてはならない。ただし、整備のため特に必要な場合その他やむを得ない場合において国土交通大臣の許可を受けたとき、又は次条の規定により打刻を塗抹すべき旨の命令を受けたときは、この限りでない。
(職権による打刻等)
第十八条 国土交通大臣は、小型船舶が次の各号のいずれかに該当するときは、当該船舶の所有者に対し、船体識別番号等の打刻を受け、若しくはその打刻を塗抹すべきことを命じ、又は自ら船体識別番号等を打刻し、若しくはその打刻を塗抹することができる。
一 船体識別番号等の打刻を有しないとき。
二 船体識別番号等の打刻が他の小型船舶の船体識別番号等の打刻と同一のものであるとき。
三 船体識別番号等の打刻が識別困難なものであるとき。
(譲渡証明書)
第十九条 小型船舶を譲渡する者は、当該船舶を譲渡した旨及び次に掲げる事項を記載した書面(以下「譲渡証明書」という。)を譲受人に交付しなければならない。
一 譲渡の年月日
二 船体識別番号
三 推進機関を有するものにあっては、その種類及び型式
四 譲渡人及び譲受人の氏名又は名称及び住所
2 譲渡証明書は、譲渡に係る小型船舶一隻につき、二通以上交付してはならない。
3 小型船舶を譲渡する者は、当該船舶に関して既に交付を受けている譲渡証明書を有するときは、これを譲受人に交付しなければならない。
4 譲受人は、新規登録又は移転登録の申請をする場合には、申請書に譲渡証明書(前項の規定により交付されたものを含む。)を添付しなければならない。
5 譲渡証明書に関する細目的事項は、国土交通省令で定める。
(政令への委任)
第二十条 登録の回復、登録の更正その他登録に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章 小型船舶検査機構による登録測度事務の実施等
(小型船舶検査機構による登録測度事務の実施)
第二十一条 国土交通大臣は、小型船舶検査機構(以下「機構」という。)に、前章に規定する小型船舶の登録及び測度に関する事務(第十五条から第十八条までの規定による事務を除く。以下「登録測度事務」という。)を行わせることができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定により機構に登録測度事務を行わせるときは、機構が登録測度事務を開始する日及び登録測度事務を行う事務所の所在地を官報で公示しなければならない。
3 国土交通大臣は、第一項の規定により機構に登録測度事務を行わせるときは、自ら登録測度事務を行わないものとする。
4 機構が登録測度事務を行う場合における第六条、第七条(第九条第三項、第十条第三項及び第十一条第二項において準用する場合を含む。)、第九条第一項及び第二項、第十条第一項及び第二項(第十二条第四項において準用する場合を含む。)、第十一条第一項、第十二条第一項から第三項まで並びに第十四条の規定の適用については、これらの規定中「国土交通大臣」とあるのは、「小型船舶検査機構」とする。
(登録測度事務規程)
第二十二条 機構は、登録測度事務の開始前に、登録測度事務に関する規程(以下「登録測度事務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の認可をした登録測度事務規程が登録測度事務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その登録測度事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 登録測度事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
(秘密保持義務)
第二十三条 登録測度事務に従事する機構の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、登録測度事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(国土交通大臣による登録測度事務の実施等)
第二十四条 国土交通大臣は、第二十一条第三項の規定にかかわらず、機構が天災その他の事由により登録測度事務の全部又は一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、当該登録測度事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
2 国土交通大臣は、前項の規定により登録測度事務の全部又は一部を自ら行うこととし、又は同項の規定により自ら行っている登録測度事務を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を官報で公示しなければならない。
3 国土交通大臣が第一項の規定により登録測度事務の全部又は一部を自ら行う場合における登録測度事務の引継ぎその他の必要な事項については、国土交通省令で定める。
第四章 雑則
(国籍証明書等)
第二十五条 日本船舶である小型船舶の所有者は、国土交通大臣から有効な国籍証明書(当該船舶が日本船舶であることを証明する書面をいう。以下同じ。)の交付を受け、これを当該船舶内に備え置き、かつ、国土交通省令で定めるところにより船名を表示しなければ、当該船舶を国際航海(一国の港と他の国の港との間の航海をいう。)に従事させてはならない。
2 国土交通大臣は、国籍証明書の交付の申請があったときは、当該船舶に係る登録事項証明書等の記載その他の事項を審査して、国籍証明書を交付するものとする。
3 国籍証明書は、次に掲げる場合には、その効力を失う。
一 当該国籍証明書について、その交付又は前回の検認を受けた日から起算して六年を経過する日までに、国土交通大臣の検認を受けなかったとき。
二 当該船舶について移転登録又は抹消登録が行われたとき。
三 当該船舶の国籍又は船名が変更されたとき。
4 第二項の規定は、前項第一号の検認の申請があったときについて準用する。
5 国籍証明書の様式、その交付、書換え、再交付及び検認の申請その他国籍証明書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(質権設定の禁止)
第二十六条 登録小型船舶は、質権の目的とすることができない。
(登録小型船舶に対する強制執行等)
第二十七条 登録小型船舶に対する強制執行及び仮差押えの執行については、地方裁判所が執行裁判所又は保全執行裁判所として、これを管轄する。ただし、仮差押えの執行で最高裁判所規則で定めるものについては、地方裁判所以外の裁判所が保全執行裁判所として、これを管轄する。
2 前項の強制執行及び仮差押えの執行に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
3 前二項の規定は、登録小型船舶の競売について準用する。
(報告徴収及び立入検査)
第二十八条 国土交通大臣は、この法律の施行に必要な限度において、次に掲げる者に対し、小型船舶の所有若しくは業務に関し報告をさせ、又はその職員に、次に掲げる者の事務所その他の事業場若しくは当該船舶の所在すると認める場所に立ち入り、当該船舶、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
一 当該船舶の所有者
二 第十五条第二項(第十六条第三項において準用する場合を含む。)又は第十六条第一項の規定により届出をした者
2 前項の規定により立入検査をする場合においては、当該職員はその身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(手数料の納付)
第二十九条 次に掲げる者(国及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人であって当該独立行政法人の業務の内容その他の事情を勘案して政令で定めるものに限る。)を除く。)は、実費を勘案して国土交通省令で定める額の手数料を国(第一号から第三号までに掲げる者が機構にその申請をする場合には、機構)に納めなければならない。
一 新規登録を申請する者
二 変更登録、移転登録又は抹消登録を申請する者
三 登録事項証明書等の交付を請求する者
四 国籍証明書の交付、書換え、再交付又は検認を申請する者
2 前項の手数料で機構に納められたものは、機構の収入とする。
(機構がした処分等に係る審査請求)
第三十条 機構が行う登録測度事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、国土交通大臣に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。
(他の法律の適用除外)
第三十一条 小型船舶の登録並びに国籍証明書の交付、書換え、再交付及び検認については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。
2 登録事項証明書等の交付については、行政手続法第二章の規定は、適用しない。
3 原簿については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。
(経過措置)
第三十二条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(権限の委任)
第三十三条 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、地方運輸局長(海運監理部長を含む。以下同じ。)に委任することができる。
2 前項の規定により地方運輸局長に委任された権限は、国土交通省令で定めるところにより、海運支局長に委任することができる。
第五章 罰則
第三十四条 第二十三条の規定に違反してその職務に関して知り得た秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第三十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第十五条第一項の規定に違反した者
二 第十七条の規定に違反して、船体識別番号等の打刻を塗抹し、その他船体識別番号等の識別を困難にする行為をした者
三 詐偽その他不正の手段により、第十七条ただし書の規定による許可を受けた者
第三十六条 第三条の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第三十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第八条(第十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
二 第九条第一項、第十条第一項又は第十二条第一項の規定による申請をせず、又は虚偽の申請をした者
三 第十五条第二項(第十六条第三項において準用する場合を含む。)の規定による届出をしないで、又は届け出たところに従わないで、船体識別番号等を打刻した者
四 第十五条第三項(第十六条第三項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
五 第十六条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
六 第十八条の規定による命令に違反した者
七 第十九条第一項又は第三項の規定に違反して小型船舶を譲渡した者
八 第十九条第一項に規定する譲渡証明書に虚偽の記載をした者
九 第十九条第二項の規定に違反した者
十 第二十五条第一項の規定に違反した者
十一 第二十八条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
十二 第二十八条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第三十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の所有する小型船舶又は業務に関し、第三十五条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第三十九条 第二十二条第一項の規定により国土交通大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったときは、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第二十二条及び附則第七条の規定は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に航行の用に供している小型船舶(以下「現存船」という。)については、第三条の規定は、次の各号に掲げる船舶の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日までの間は、適用しない。
一 この法律の施行の際現に船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第九条第一項の規定による船舶検査証書又は同条第二項の規定による臨時航行許可証の交付を受けている船舶 施行日以後最初に行われる同法第五条第一項第一号の定期検査、同項第二号の中間検査若しくは同項第三号の臨時検査が開始される日又は施行日から三年を経過した日のいずれか早い日
二 その他の船舶 施行日から三年を経過した日
第三条 国土交通大臣(機構が登録測度事務を行う場合にあっては、機構)は、第六条第二項の規定にかかわらず、国土交通省令で定める現存船については、測度を行わずに新規登録を行うことができる。
2 前項の規定により測度を行わない場合における第六条第二項第三号及び第四号に掲げる事項の原簿への記載については、国土交通省令で定めるところにより行う。
第四条 小型船舶等の整備の実績等を勘案して国土交通大臣が指定する小型船舶等の整備を業とする者(以下「指定整備業者」という。)は、第十五条第一項の規定にかかわらず、現存船に船体識別番号等の打刻がない場合その他国土交通省令で定める場合に限り、これに船体識別番号等の打刻を行うことができる。
2 第十五条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による船体識別番号等の打刻について準用する。
3 第二十八条の規定は、前項において準用する第十五条第二項の規定により届出をした指定整備業者に対する報告徴収及び立入検査について準用する。
4 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第二項において準用する第十五条第二項の規定による届出をしないで、又は届け出たところに従わないで、船体識別番号等を打刻した者
二 第二項において準用する第十五条第三項の規定による命令に違反した者
三 前項において準用する第二十八条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
四 前項において準用する第二十八条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。
第五条 この法律の施行の際現に現存船の所有者であった者が行う当該現存船に係る新規登録の申請については、第十九条第四項の規定は、適用しない。
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、命令で定める。
(準備行為)
第七条 国土交通大臣は、施行日から機構に登録測度事務を行わせようとするときは、施行日前においても、施行日から機構が登録測度事務を行う旨及び機構が登録測度事務を行う事務所の所在地を官報で公示することができる。
2 前項の公示があったときは、第二十一条第二項の規定による公示があったものとみなす。
(合衆国軍隊等の適用除外)
第八条 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国内にあるアメリカ合衆国の陸軍、空軍及び海軍並びに日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定第一条に規定する国際連合の軍隊には、第三条、第八条、第十五条、第十七条から第十九条まで、第二十五条第一項及び第二十八条の規定は、適用しない。
(船舶法の一部改正)
第九条 船舶法の一部を次のように改正する。
第二十一条第一項中「規程ハ」の下に「小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)及ビ之ニ基キテ発スル命令ニ別段ノ定アルモノヲ除クノ外」を加える。
(船舶安全法の一部改正)
第十条 船舶安全法の一部を次のように改正する。
第二十五条の二に次の一項を加える。
2 小型船舶検査機構は、前項に規定するもののほか、小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号。以下「小型船舶登録法」という。)に基づき、登録測度事務を行うことを目的とする。
第二十五条の二十第二項中「、この法律に基づく」を「若しくは小型船舶登録法若しくはこれらの法律に基づく」に、「検査事務規程若しくは」を「検査事務規程、」に改め、「に関する規程」の下に「若しくは小型船舶登録法第二十二条第一項に規定する登録測度事務規程」を加える。
第二十五条の二十三第三項中「船舶の堪航性及び人命の安全の保持についての」を「機構の業務に関し」に改める。
第二十五条の二十七第一項中「第二十五条の二」を「第二十五条の二第一項」に、「行なう」を「行う」に改め、同項第五号を削り、同条第二項を次のように改める。
2 機構は、第二十五条の二第二項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 小型船舶登録法第二十一条第一項に規定する登録測度事務
二 前号に掲げる業務に附帯する業務
第二十五条の二十七に次の一項を加える。
3 機構は、前二項に規定する業務のほか、国土交通大臣の認可を受けて、第二十五条の二の目的を達成するために必要な業務を行うことができる。
第二十五条の三十九及び第二十五条の四十第一項中「この法律」の下に「又は小型船舶登録法」を加える。
第二十五条の四十五中「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、同条第三号中「第二十五条の二十七第一項」を「第二十五条の二十七」に改める。
(工場抵当法の一部改正)
第十一条 工場抵当法(明治三十八年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第十三条ノ二中「ハ同法」を「又ハ小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号以下小型船舶登録法ト称ス)ニ依ル小型船舶(以下小型船舶ト称ス)ハ道路運送車両法又ハ小型船舶登録法」に改める。
第二十三条第四項中「自動車」の下に「、小型船舶」を、「国土交通大臣」の下に「(小型船舶登録法第二十一条第一項ニ規定スル登録測度事務ヲ小型船舶検査機構ガ行フ場合ニ於テハ小型船舶ニ関シ小型船舶検査機構以下同ジ)」を加える。
第二十七条第一号中「登録事項等証明書」の下に「又ハ小型船舶登録法第十四条ノ規定ニ依ル原簿ニシテ磁気ディスクヲ以テ調製シタル部分ニ記録シタル事項ヲ証明シタル書面」を加える。
第四十四条第四項中「自動車」の下に、「、小型船舶」を加える。
(工場抵当法の一部改正に伴う経過措置)
第十二条 前条の規定による改正前の工場抵当法の規定は、この法律の施行の際現に同法第十一条第二号に掲げるものとして工場財団に属している小型船舶については、この法律の施行後も、なおその効力を有する。ただし、当該船舶について次項の規定による工場財団目録の記載の変更の登記をした後は、この限りでない。
2 前項本文の小型船舶の所有者は、当該船舶が新規登録を受けたときは、工場財団目録の記載の変更の登記を申請しなければならない。
3 前項の変更の登記の申請書には、当該船舶に係る登録事項証明書等を添付しなければならない。
4 第二項の変更の登記をした場合には、登記所は、当該船舶が工場財団に属している旨を国土交通大臣(機構が登録測度事務を行う場合にあっては、機構。次項において同じ。)に通知しなければならない。
5 国土交通大臣は、前項の規定による通知があったときは、原簿に当該船舶が工場財団に属する旨の登録をしなければならない。
(鉱業財団、漁業財団及び港湾運送事業財団に関する経過措置)
第十三条 前条の規定は、鉱業抵当法(明治三十八年法律第五十五号)第三条、漁業財団抵当法(大正十四年法律第九号)第六条又は港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)第二十六条の規定により鉱業財団、漁業財団又は港湾運送事業財団についてそれぞれ工場抵当法中工場財団に関する規定が準用される場合において、この法律の施行の際現に当該財団に属している小型船舶について準用する。
(道路交通事業抵当法の一部改正)
第十四条 道路交通事業抵当法(昭和二十七年法律第二百四号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項中「又は道路運送車両法」を「、道路運送車両法」に改め、「以外のもの」の下に「又は小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)による小型船舶」を加え、同条第二項中「又は自動車」を「、自動車又は小型船舶」に改める。
(道路交通事業抵当法の一部改正に伴う経過措置)
第十五条 附則第十二条の規定は、この法律の施行の際現に道路交通事業抵当法第四条第五号に掲げるものとして道路交通事業財団に属している小型船舶について準用する。
(自衛隊法の一部改正)
第十六条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第百九条第一項中「及び船舶のトン数の測度に関する法律(昭和五十五年法律第四十号)」を「、船舶のトン数の測度に関する法律(昭和五十五年法律第四十号)及び小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)」に改める。
(滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の一部改正)
第十七条 滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律(昭和三十二年法律第九十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「建設機械をいい」の下に「、「小型船舶」とは小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)第九条第一項に規定する登録小型船舶をいい」を、「、建設機械」の下に「、小型船舶」を加える。
第二十条の二第一項及び第三十六条の二中「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に改める。
(国税徴収法の一部改正)
第十八条 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。
第五十四条中「差し押えた」を「差し押さえた」に、「差押)」を「差押え)」に、「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に改める。
第七十一条の見出しを「(自動車、建設機械又は小型船舶の差押え)」に改め、同条第一項中「又は建設機械抵当法」を「、建設機械抵当法」に、「の差押に」を「又は小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)の規定により登録を受けた小型船舶(以下「小型船舶」という。)の差押えに」に、「差押の」を「差押えの」に改め、同条第二項中「又は建設機械の差押」を「、建設機械又は小型船舶の差押え」に改め、同条第三項中「又は建設機械を差し押えた」を「、建設機械又は小型船舶を差し押さえた」に、「引渡」を「引渡し」に改め、同条第四項中「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に改め、同条第五項中「自動車又は建設機械」を「自動車、建設機械又は小型船舶」に、「又は建設機械の使用」を「、建設機械の使用又は小型船舶の航行」に、「又は使用」を「、使用又は航行」に改め、同条第六項中「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に、「申立」を「申立て」に、「又は使用」を「、使用又は航行」に改める。
第八十条の見出しを「(差押えの解除の手続)」に改め、同条第五項中「若しくは建設機械」を「、建設機械若しくは小型船舶」に、「差押」を「差押え」に、「差し押えた」を「差し押さえた」に改める。
第八十六条の見出しを「(参加差押えの手続)」に改め、同条第一項中「差押の」を「差押えの」に、「差押を」を「差押えを」に、「差押が」を「差押えが」に改め、同項第二号中「及び建設機械」を「、建設機械及び小型船舶」に改める。
第八十七条の見出しを「(参加差押えの効力)」に改め、同条第一項中「参加差押を」を「参加差押えを」に、「参加差押に」を「参加差押えに」に、「よる差押」を「よる差押え」に、「参加差押(」を「参加差押え(」に、「参加差押が」を「参加差押えが」に、「差押の効力」を「差押えの効力」に改め、同項第一号中「差押を」を「差押えを」に改め、同項第二号中「及び建設機械」を「、建設機械及び小型船舶」に、「参加差押の」を「参加差押えの」に改め、同項第三号中「参加差押の」を「参加差押えの」に改め、同条第二項中「差し押えた」を「差し押さえた」に、「の差押」を「の差押え」に、「差押の」を「差押えの」に、「参加差押を」を「参加差押えを」に、「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に改める。
第九十一条中「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に、「差し押えた」を「差し押さえた」に改める。
第百四条の二第一項中「建設機械」の下に「、小型船舶」を加える。
第百十九条の見出しを「(動産等の引渡し)」に改め、同条第一項中「若しくは建設機械」を「、建設機械若しくは小型船舶」に改める。
(観光施設財団抵当法の一部改正)
第十九条 観光施設財団抵当法(昭和四十三年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。
第五条中「総トン数二十トン未満の船舶及び端舟その他ろかいのみをもつて運転し、又は主としてろかいをもつて運転する舟を除く」を「総トン数二十トン以上の船舶(端舟その他ろかいのみをもつて運転し、又は主としてろかいをもつて運転する舟を除く。)及び小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)第二条に規定する小型船舶に限る」に改める。
(観光施設財団抵当法の一部改正に伴う経過措置)
第二十条 附則第十二条の規定は、この法律の施行の際現に観光施設財団抵当法第四条第五号に掲げるものとして観光施設財団に属している小型船舶について準用する。
(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第二十一条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
第二十八条中「又は建設機械抵当法」を「、建設機械抵当法」に改め、「「建設機械」という。)」の下に「又は小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)の規定により登録を受けた小型船舶(同項において単に「小型船舶」という。)」を加える。
第三十五条第一項中「若しくは建設機械」を「、建設機械若しくは小型船舶」に改める。
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 福田康夫
法務大臣 森山眞弓
財務大臣 塩川正十郎
国土交通大臣 林寛子
小型船舶の登録等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十三年七月四日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 福田康夫
法律第百二号
小型船舶の登録等に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
登録及び測度(第三条―第二十条)
第三章
小型船舶検査機構による登録測度事務の実施等(第二十一条―第二十四条)
第四章
雑則(第二十五条―第三十三条)
第五章
罰則(第三十四条―第三十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、小型船舶の所有権の公証のための登録に関する制度等について定めることにより、小型船舶の所有者の利便性の向上を図り、もって小型船舶を利用した諸活動の健全な発達に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「小型船舶」とは、総トン数二十トン未満の船舶のうち、日本船舶(船舶法(明治三十二年法律第四十六号)第一条に規定する日本船舶をいう。以下同じ。)又は日本船舶以外の船舶(本邦の各港間又は湖、川若しくは港のみを航行する船舶に限る。)であって、次に掲げる船舶以外のものをいう。
一 漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項に規定する漁船
二 ろかい又は主としてろかいをもって運転する舟、係留船その他国土交通省令で定める船舶
第二章 登録及び測度
(登録の一般的効力)
第三条 小型船舶は、小型船舶登録原簿(以下「原簿」という。)に登録を受けたものでなければ、これを航行の用に供してはならない。ただし、臨時航行として国土交通省令で定める場合は、この限りでない。
第四条 登録を受けた小型船舶の所有権の得喪は、登録を受けなければ、第三者に対抗することができない。
(原簿)
第五条 原簿は、その全部又は一部を磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもって調製することができる。
(新規登録及び測度)
第六条 登録を受けていない小型船舶の登録(以下「新規登録」という。)を受けようとする場合には、その所有者は、国土交通大臣に対し、新規登録の申請をし、かつ、当該船舶を提示しなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の申請があった場合には、申請に虚偽があると認められるときを除き、当該船舶の総トン数の測度(以下「測度」という。)を行い、かつ、次に掲げる事項及び国土交通省令で定める基準により定めた船舶番号を原簿に記載することによって新規登録を行わなければならない。
一 船舶の種類
二 船籍港
三 船舶の長さ、幅及び深さ
四 総トン数
五 船体識別番号
六 推進機関を有するものにあっては、その種類及び型式
七 所有者の氏名又は名称及び住所
八 登録年月日
(登録事項の通知)
第七条 国土交通大臣は、新規登録を行ったときは、申請者に対し、登録事項を国土交通省令で定める方法により通知しなければならない。
(船舶番号の表示の義務)
第八条 小型船舶の所有者は、前条の規定により船舶番号の通知を受けたときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく当該船舶に当該船舶番号を表示しなければならない。
(変更登録)
第九条 新規登録を受けた小型船舶(以下「登録小型船舶」という。)について第六条第二項各号(第八号を除く。)に掲げる事項のいずれかに変更があった場合(次条の規定による移転登録又は第十二条の規定による抹消登録の申請をすべき場合を除く。)には、その所有者は、その事由があった日から十五日以内に、国土交通大臣に対し、変更登録の申請をし、かつ、同項第二号又は第七号に掲げる事項のみの変更の場合を除き、当該船舶を提示しなければならない。
2 国土交通大臣は、変更登録の申請があった場合には、申請に虚偽があると認められるときを除き、測度(第六条第二項第三号又は第四号に掲げる事項の変更の場合に限る。)及び変更登録を行わなければならない。
3 第七条の規定は、変更登録を行った場合について準用する。
(移転登録)
第十条 登録小型船舶について所有者の変更があった場合には、新所有者は、その事由があった日から十五日以内に、国土交通大臣に対し、移転登録の申請をしなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の申請があった場合には、申請に虚偽があると認められるときを除き、移転登録を行わなければならない。
3 第七条の規定は、移転登録を行った場合について準用する。
(船舶番号の変更)
第十一条 国土交通大臣は、前二条の申請があった場合その他の場合において、登録小型船舶についてその船舶番号が第六条第二項の国土交通省令で定める基準に適合しなくなったと認めるときは、その船舶番号を変更するものとする。
2 第七条及び第八条の規定は、船舶番号を変更した場合について準用する。
(抹消登録)
第十二条 登録小型船舶の所有者は、次に掲げる場合には、その事由があった日から十五日以内に、国土交通大臣に対し、抹消登録の申請をしなければならない。
一 当該船舶が滅失し、沈没し、又は解撤されたとき。
二 当該船舶の存否が三箇月間不明になったとき。
三 当該船舶が小型船舶でなくなったとき。
2 国土交通大臣は、前項の事由があると認める場合において、当該船舶の所有者が抹消登録の申請をしないときは、その定める七日以上の期間において、これをなすべきことを催告しなければならない。
3 国土交通大臣は、前項の催告をした場合において、当該船舶の所有者が正当な理由がないのに抹消登録の申請をしないときは、抹消登録を行い、その旨を当該所有者に国土交通省令で定める方法により通知しなければならない。
4 第十条第二項の規定は、抹消登録の申請があった場合について準用する。
(原簿の記録等の保存)
第十三条 抹消登録を行った小型船舶に係る原簿の記録は、当該抹消登録を行った日から十年間保存しなければならない。
2 小型船舶の登録に係る申請書及び第十九条第一項に規定する譲渡証明書その他の添付書類は、当該申請があった日から五年間保存しなければならない。
(登録事項証明書等)
第十四条 何人も、国土交通大臣に対し、原簿の謄本若しくは抄本又は原簿のうち磁気ディスクをもって調製された部分に記録されている事項を証明した書面(以下「登録事項証明書等」という。)の交付を請求することができる。
(製造業者による船体識別番号等の打刻)
第十五条 小型船舶又はその船体若しくはその推進機関(以下「小型船舶等」という。)の製造を業とする者(以下「製造業者」という。)以外の者は、船体識別番号又は推進機関の型式(以下「船体識別番号等」という。)を打刻してはならない。
2 製造業者が船体識別番号等を打刻しようとするときは、打刻する船体識別番号等、打刻の方法その他の国土交通省令で定める事項についてあらかじめ国土交通大臣に届け出て、その届け出たところに従い、これをしなければならない。
3 国土交通大臣は、前項の届出に係る事項が適当でないと認めるときは、その変更を命ずることができる。
(輸入小型船舶の打刻の届出等)
第十六条 小型船舶等の輸入を業とする者(以下「輸入業者」という。)は、小型船舶等を輸入したときは、輸入した日から十五日以内に、国土交通省令で定めるところにより、その船体識別番号等、打刻の状況その他の国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。
2 小型船舶等の輸入の実績等を勘案して国土交通大臣が指定する輸入業者は、前条第一項の規定にかかわらず、輸入した小型船舶等に船体識別番号等の打刻がない場合その他国土交通省令で定める場合に限り、これに船体識別番号等の打刻を行うことができる。
3 前条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による船体識別番号等の打刻について準用する。
(打刻の塗抹等の禁止)
第十七条 何人も、船体識別番号等の打刻を塗抹し、その他船体識別番号等の識別を困難にする行為をしてはならない。ただし、整備のため特に必要な場合その他やむを得ない場合において国土交通大臣の許可を受けたとき、又は次条の規定により打刻を塗抹すべき旨の命令を受けたときは、この限りでない。
(職権による打刻等)
第十八条 国土交通大臣は、小型船舶が次の各号のいずれかに該当するときは、当該船舶の所有者に対し、船体識別番号等の打刻を受け、若しくはその打刻を塗抹すべきことを命じ、又は自ら船体識別番号等を打刻し、若しくはその打刻を塗抹することができる。
一 船体識別番号等の打刻を有しないとき。
二 船体識別番号等の打刻が他の小型船舶の船体識別番号等の打刻と同一のものであるとき。
三 船体識別番号等の打刻が識別困難なものであるとき。
(譲渡証明書)
第十九条 小型船舶を譲渡する者は、当該船舶を譲渡した旨及び次に掲げる事項を記載した書面(以下「譲渡証明書」という。)を譲受人に交付しなければならない。
一 譲渡の年月日
二 船体識別番号
三 推進機関を有するものにあっては、その種類及び型式
四 譲渡人及び譲受人の氏名又は名称及び住所
2 譲渡証明書は、譲渡に係る小型船舶一隻につき、二通以上交付してはならない。
3 小型船舶を譲渡する者は、当該船舶に関して既に交付を受けている譲渡証明書を有するときは、これを譲受人に交付しなければならない。
4 譲受人は、新規登録又は移転登録の申請をする場合には、申請書に譲渡証明書(前項の規定により交付されたものを含む。)を添付しなければならない。
5 譲渡証明書に関する細目的事項は、国土交通省令で定める。
(政令への委任)
第二十条 登録の回復、登録の更正その他登録に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章 小型船舶検査機構による登録測度事務の実施等
(小型船舶検査機構による登録測度事務の実施)
第二十一条 国土交通大臣は、小型船舶検査機構(以下「機構」という。)に、前章に規定する小型船舶の登録及び測度に関する事務(第十五条から第十八条までの規定による事務を除く。以下「登録測度事務」という。)を行わせることができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定により機構に登録測度事務を行わせるときは、機構が登録測度事務を開始する日及び登録測度事務を行う事務所の所在地を官報で公示しなければならない。
3 国土交通大臣は、第一項の規定により機構に登録測度事務を行わせるときは、自ら登録測度事務を行わないものとする。
4 機構が登録測度事務を行う場合における第六条、第七条(第九条第三項、第十条第三項及び第十一条第二項において準用する場合を含む。)、第九条第一項及び第二項、第十条第一項及び第二項(第十二条第四項において準用する場合を含む。)、第十一条第一項、第十二条第一項から第三項まで並びに第十四条の規定の適用については、これらの規定中「国土交通大臣」とあるのは、「小型船舶検査機構」とする。
(登録測度事務規程)
第二十二条 機構は、登録測度事務の開始前に、登録測度事務に関する規程(以下「登録測度事務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の認可をした登録測度事務規程が登録測度事務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その登録測度事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 登録測度事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
(秘密保持義務)
第二十三条 登録測度事務に従事する機構の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、登録測度事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(国土交通大臣による登録測度事務の実施等)
第二十四条 国土交通大臣は、第二十一条第三項の規定にかかわらず、機構が天災その他の事由により登録測度事務の全部又は一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、当該登録測度事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
2 国土交通大臣は、前項の規定により登録測度事務の全部又は一部を自ら行うこととし、又は同項の規定により自ら行っている登録測度事務を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を官報で公示しなければならない。
3 国土交通大臣が第一項の規定により登録測度事務の全部又は一部を自ら行う場合における登録測度事務の引継ぎその他の必要な事項については、国土交通省令で定める。
第四章 雑則
(国籍証明書等)
第二十五条 日本船舶である小型船舶の所有者は、国土交通大臣から有効な国籍証明書(当該船舶が日本船舶であることを証明する書面をいう。以下同じ。)の交付を受け、これを当該船舶内に備え置き、かつ、国土交通省令で定めるところにより船名を表示しなければ、当該船舶を国際航海(一国の港と他の国の港との間の航海をいう。)に従事させてはならない。
2 国土交通大臣は、国籍証明書の交付の申請があったときは、当該船舶に係る登録事項証明書等の記載その他の事項を審査して、国籍証明書を交付するものとする。
3 国籍証明書は、次に掲げる場合には、その効力を失う。
一 当該国籍証明書について、その交付又は前回の検認を受けた日から起算して六年を経過する日までに、国土交通大臣の検認を受けなかったとき。
二 当該船舶について移転登録又は抹消登録が行われたとき。
三 当該船舶の国籍又は船名が変更されたとき。
4 第二項の規定は、前項第一号の検認の申請があったときについて準用する。
5 国籍証明書の様式、その交付、書換え、再交付及び検認の申請その他国籍証明書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(質権設定の禁止)
第二十六条 登録小型船舶は、質権の目的とすることができない。
(登録小型船舶に対する強制執行等)
第二十七条 登録小型船舶に対する強制執行及び仮差押えの執行については、地方裁判所が執行裁判所又は保全執行裁判所として、これを管轄する。ただし、仮差押えの執行で最高裁判所規則で定めるものについては、地方裁判所以外の裁判所が保全執行裁判所として、これを管轄する。
2 前項の強制執行及び仮差押えの執行に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
3 前二項の規定は、登録小型船舶の競売について準用する。
(報告徴収及び立入検査)
第二十八条 国土交通大臣は、この法律の施行に必要な限度において、次に掲げる者に対し、小型船舶の所有若しくは業務に関し報告をさせ、又はその職員に、次に掲げる者の事務所その他の事業場若しくは当該船舶の所在すると認める場所に立ち入り、当該船舶、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
一 当該船舶の所有者
二 第十五条第二項(第十六条第三項において準用する場合を含む。)又は第十六条第一項の規定により届出をした者
2 前項の規定により立入検査をする場合においては、当該職員はその身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(手数料の納付)
第二十九条 次に掲げる者(国及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人であって当該独立行政法人の業務の内容その他の事情を勘案して政令で定めるものに限る。)を除く。)は、実費を勘案して国土交通省令で定める額の手数料を国(第一号から第三号までに掲げる者が機構にその申請をする場合には、機構)に納めなければならない。
一 新規登録を申請する者
二 変更登録、移転登録又は抹消登録を申請する者
三 登録事項証明書等の交付を請求する者
四 国籍証明書の交付、書換え、再交付又は検認を申請する者
2 前項の手数料で機構に納められたものは、機構の収入とする。
(機構がした処分等に係る審査請求)
第三十条 機構が行う登録測度事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、国土交通大臣に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。
(他の法律の適用除外)
第三十一条 小型船舶の登録並びに国籍証明書の交付、書換え、再交付及び検認については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。
2 登録事項証明書等の交付については、行政手続法第二章の規定は、適用しない。
3 原簿については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。
(経過措置)
第三十二条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(権限の委任)
第三十三条 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、地方運輸局長(海運監理部長を含む。以下同じ。)に委任することができる。
2 前項の規定により地方運輸局長に委任された権限は、国土交通省令で定めるところにより、海運支局長に委任することができる。
第五章 罰則
第三十四条 第二十三条の規定に違反してその職務に関して知り得た秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第三十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第十五条第一項の規定に違反した者
二 第十七条の規定に違反して、船体識別番号等の打刻を塗抹し、その他船体識別番号等の識別を困難にする行為をした者
三 詐偽その他不正の手段により、第十七条ただし書の規定による許可を受けた者
第三十六条 第三条の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第三十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第八条(第十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
二 第九条第一項、第十条第一項又は第十二条第一項の規定による申請をせず、又は虚偽の申請をした者
三 第十五条第二項(第十六条第三項において準用する場合を含む。)の規定による届出をしないで、又は届け出たところに従わないで、船体識別番号等を打刻した者
四 第十五条第三項(第十六条第三項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
五 第十六条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
六 第十八条の規定による命令に違反した者
七 第十九条第一項又は第三項の規定に違反して小型船舶を譲渡した者
八 第十九条第一項に規定する譲渡証明書に虚偽の記載をした者
九 第十九条第二項の規定に違反した者
十 第二十五条第一項の規定に違反した者
十一 第二十八条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
十二 第二十八条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第三十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の所有する小型船舶又は業務に関し、第三十五条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第三十九条 第二十二条第一項の規定により国土交通大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったときは、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第二十二条及び附則第七条の規定は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に航行の用に供している小型船舶(以下「現存船」という。)については、第三条の規定は、次の各号に掲げる船舶の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日までの間は、適用しない。
一 この法律の施行の際現に船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第九条第一項の規定による船舶検査証書又は同条第二項の規定による臨時航行許可証の交付を受けている船舶 施行日以後最初に行われる同法第五条第一項第一号の定期検査、同項第二号の中間検査若しくは同項第三号の臨時検査が開始される日又は施行日から三年を経過した日のいずれか早い日
二 その他の船舶 施行日から三年を経過した日
第三条 国土交通大臣(機構が登録測度事務を行う場合にあっては、機構)は、第六条第二項の規定にかかわらず、国土交通省令で定める現存船については、測度を行わずに新規登録を行うことができる。
2 前項の規定により測度を行わない場合における第六条第二項第三号及び第四号に掲げる事項の原簿への記載については、国土交通省令で定めるところにより行う。
第四条 小型船舶等の整備の実績等を勘案して国土交通大臣が指定する小型船舶等の整備を業とする者(以下「指定整備業者」という。)は、第十五条第一項の規定にかかわらず、現存船に船体識別番号等の打刻がない場合その他国土交通省令で定める場合に限り、これに船体識別番号等の打刻を行うことができる。
2 第十五条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による船体識別番号等の打刻について準用する。
3 第二十八条の規定は、前項において準用する第十五条第二項の規定により届出をした指定整備業者に対する報告徴収及び立入検査について準用する。
4 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第二項において準用する第十五条第二項の規定による届出をしないで、又は届け出たところに従わないで、船体識別番号等を打刻した者
二 第二項において準用する第十五条第三項の規定による命令に違反した者
三 前項において準用する第二十八条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
四 前項において準用する第二十八条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。
第五条 この法律の施行の際現に現存船の所有者であった者が行う当該現存船に係る新規登録の申請については、第十九条第四項の規定は、適用しない。
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、命令で定める。
(準備行為)
第七条 国土交通大臣は、施行日から機構に登録測度事務を行わせようとするときは、施行日前においても、施行日から機構が登録測度事務を行う旨及び機構が登録測度事務を行う事務所の所在地を官報で公示することができる。
2 前項の公示があったときは、第二十一条第二項の規定による公示があったものとみなす。
(合衆国軍隊等の適用除外)
第八条 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国内にあるアメリカ合衆国の陸軍、空軍及び海軍並びに日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定第一条に規定する国際連合の軍隊には、第三条、第八条、第十五条、第十七条から第十九条まで、第二十五条第一項及び第二十八条の規定は、適用しない。
(船舶法の一部改正)
第九条 船舶法の一部を次のように改正する。
第二十一条第一項中「規程ハ」の下に「小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)及ビ之ニ基キテ発スル命令ニ別段ノ定アルモノヲ除クノ外」を加える。
(船舶安全法の一部改正)
第十条 船舶安全法の一部を次のように改正する。
第二十五条の二に次の一項を加える。
2 小型船舶検査機構は、前項に規定するもののほか、小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号。以下「小型船舶登録法」という。)に基づき、登録測度事務を行うことを目的とする。
第二十五条の二十第二項中「、この法律に基づく」を「若しくは小型船舶登録法若しくはこれらの法律に基づく」に、「検査事務規程若しくは」を「検査事務規程、」に改め、「に関する規程」の下に「若しくは小型船舶登録法第二十二条第一項に規定する登録測度事務規程」を加える。
第二十五条の二十三第三項中「船舶の堪航性及び人命の安全の保持についての」を「機構の業務に関し」に改める。
第二十五条の二十七第一項中「第二十五条の二」を「第二十五条の二第一項」に、「行なう」を「行う」に改め、同項第五号を削り、同条第二項を次のように改める。
2 機構は、第二十五条の二第二項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 小型船舶登録法第二十一条第一項に規定する登録測度事務
二 前号に掲げる業務に附帯する業務
第二十五条の二十七に次の一項を加える。
3 機構は、前二項に規定する業務のほか、国土交通大臣の認可を受けて、第二十五条の二の目的を達成するために必要な業務を行うことができる。
第二十五条の三十九及び第二十五条の四十第一項中「この法律」の下に「又は小型船舶登録法」を加える。
第二十五条の四十五中「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、同条第三号中「第二十五条の二十七第一項」を「第二十五条の二十七」に改める。
(工場抵当法の一部改正)
第十一条 工場抵当法(明治三十八年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第十三条ノ二中「ハ同法」を「又ハ小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号以下小型船舶登録法ト称ス)ニ依ル小型船舶(以下小型船舶ト称ス)ハ道路運送車両法又ハ小型船舶登録法」に改める。
第二十三条第四項中「自動車」の下に「、小型船舶」を、「国土交通大臣」の下に「(小型船舶登録法第二十一条第一項ニ規定スル登録測度事務ヲ小型船舶検査機構ガ行フ場合ニ於テハ小型船舶ニ関シ小型船舶検査機構以下同ジ)」を加える。
第二十七条第一号中「登録事項等証明書」の下に「又ハ小型船舶登録法第十四条ノ規定ニ依ル原簿ニシテ磁気ディスクヲ以テ調製シタル部分ニ記録シタル事項ヲ証明シタル書面」を加える。
第四十四条第四項中「自動車」の下に、「、小型船舶」を加える。
(工場抵当法の一部改正に伴う経過措置)
第十二条 前条の規定による改正前の工場抵当法の規定は、この法律の施行の際現に同法第十一条第二号に掲げるものとして工場財団に属している小型船舶については、この法律の施行後も、なおその効力を有する。ただし、当該船舶について次項の規定による工場財団目録の記載の変更の登記をした後は、この限りでない。
2 前項本文の小型船舶の所有者は、当該船舶が新規登録を受けたときは、工場財団目録の記載の変更の登記を申請しなければならない。
3 前項の変更の登記の申請書には、当該船舶に係る登録事項証明書等を添付しなければならない。
4 第二項の変更の登記をした場合には、登記所は、当該船舶が工場財団に属している旨を国土交通大臣(機構が登録測度事務を行う場合にあっては、機構。次項において同じ。)に通知しなければならない。
5 国土交通大臣は、前項の規定による通知があったときは、原簿に当該船舶が工場財団に属する旨の登録をしなければならない。
(鉱業財団、漁業財団及び港湾運送事業財団に関する経過措置)
第十三条 前条の規定は、鉱業抵当法(明治三十八年法律第五十五号)第三条、漁業財団抵当法(大正十四年法律第九号)第六条又は港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)第二十六条の規定により鉱業財団、漁業財団又は港湾運送事業財団についてそれぞれ工場抵当法中工場財団に関する規定が準用される場合において、この法律の施行の際現に当該財団に属している小型船舶について準用する。
(道路交通事業抵当法の一部改正)
第十四条 道路交通事業抵当法(昭和二十七年法律第二百四号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項中「又は道路運送車両法」を「、道路運送車両法」に改め、「以外のもの」の下に「又は小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)による小型船舶」を加え、同条第二項中「又は自動車」を「、自動車又は小型船舶」に改める。
(道路交通事業抵当法の一部改正に伴う経過措置)
第十五条 附則第十二条の規定は、この法律の施行の際現に道路交通事業抵当法第四条第五号に掲げるものとして道路交通事業財団に属している小型船舶について準用する。
(自衛隊法の一部改正)
第十六条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第百九条第一項中「及び船舶のトン数の測度に関する法律(昭和五十五年法律第四十号)」を「、船舶のトン数の測度に関する法律(昭和五十五年法律第四十号)及び小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)」に改める。
(滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の一部改正)
第十七条 滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律(昭和三十二年法律第九十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「建設機械をいい」の下に「、「小型船舶」とは小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)第九条第一項に規定する登録小型船舶をいい」を、「、建設機械」の下に「、小型船舶」を加える。
第二十条の二第一項及び第三十六条の二中「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に改める。
(国税徴収法の一部改正)
第十八条 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。
第五十四条中「差し押えた」を「差し押さえた」に、「差押)」を「差押え)」に、「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に改める。
第七十一条の見出しを「(自動車、建設機械又は小型船舶の差押え)」に改め、同条第一項中「又は建設機械抵当法」を「、建設機械抵当法」に、「の差押に」を「又は小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)の規定により登録を受けた小型船舶(以下「小型船舶」という。)の差押えに」に、「差押の」を「差押えの」に改め、同条第二項中「又は建設機械の差押」を「、建設機械又は小型船舶の差押え」に改め、同条第三項中「又は建設機械を差し押えた」を「、建設機械又は小型船舶を差し押さえた」に、「引渡」を「引渡し」に改め、同条第四項中「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に改め、同条第五項中「自動車又は建設機械」を「自動車、建設機械又は小型船舶」に、「又は建設機械の使用」を「、建設機械の使用又は小型船舶の航行」に、「又は使用」を「、使用又は航行」に改め、同条第六項中「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に、「申立」を「申立て」に、「又は使用」を「、使用又は航行」に改める。
第八十条の見出しを「(差押えの解除の手続)」に改め、同条第五項中「若しくは建設機械」を「、建設機械若しくは小型船舶」に、「差押」を「差押え」に、「差し押えた」を「差し押さえた」に改める。
第八十六条の見出しを「(参加差押えの手続)」に改め、同条第一項中「差押の」を「差押えの」に、「差押を」を「差押えを」に、「差押が」を「差押えが」に改め、同項第二号中「及び建設機械」を「、建設機械及び小型船舶」に改める。
第八十七条の見出しを「(参加差押えの効力)」に改め、同条第一項中「参加差押を」を「参加差押えを」に、「参加差押に」を「参加差押えに」に、「よる差押」を「よる差押え」に、「参加差押(」を「参加差押え(」に、「参加差押が」を「参加差押えが」に、「差押の効力」を「差押えの効力」に改め、同項第一号中「差押を」を「差押えを」に改め、同項第二号中「及び建設機械」を「、建設機械及び小型船舶」に、「参加差押の」を「参加差押えの」に改め、同項第三号中「参加差押の」を「参加差押えの」に改め、同条第二項中「差し押えた」を「差し押さえた」に、「の差押」を「の差押え」に、「差押の」を「差押えの」に、「参加差押を」を「参加差押えを」に、「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に改める。
第九十一条中「又は建設機械」を「、建設機械又は小型船舶」に、「差し押えた」を「差し押さえた」に改める。
第百四条の二第一項中「建設機械」の下に「、小型船舶」を加える。
第百十九条の見出しを「(動産等の引渡し)」に改め、同条第一項中「若しくは建設機械」を「、建設機械若しくは小型船舶」に改める。
(観光施設財団抵当法の一部改正)
第十九条 観光施設財団抵当法(昭和四十三年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。
第五条中「総トン数二十トン未満の船舶及び端舟その他ろかいのみをもつて運転し、又は主としてろかいをもつて運転する舟を除く」を「総トン数二十トン以上の船舶(端舟その他ろかいのみをもつて運転し、又は主としてろかいをもつて運転する舟を除く。)及び小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)第二条に規定する小型船舶に限る」に改める。
(観光施設財団抵当法の一部改正に伴う経過措置)
第二十条 附則第十二条の規定は、この法律の施行の際現に観光施設財団抵当法第四条第五号に掲げるものとして観光施設財団に属している小型船舶について準用する。
(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第二十一条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
第二十八条中「又は建設機械抵当法」を「、建設機械抵当法」に改め、「「建設機械」という。)」の下に「又は小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)の規定により登録を受けた小型船舶(同項において単に「小型船舶」という。)」を加える。
第三十五条第一項中「若しくは建設機械」を「、建設機械若しくは小型船舶」に改める。
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 福田康夫
法務大臣 森山真弓
財務大臣 塩川正十郎
国土交通大臣 林寛子