(競売開始の通知)
第十二条 競売手続開始の決定は、滞納処分による差押がされている不動産に対してもすることができる。
2 執行裁判所は、滞納処分による差押がされている不動産に対し競売手続開始の決定をしたときは、その旨を収税官吏等に通知しなければならない。
(競売手続の制限)
第十三条 滞納処分による差押後に競売手続開始の決定をした不動産については、民事訴訟法第六百五十四条の規定による手続その他競売又は入札払のための手続は、滞納処分による差押が解除された後でなければ、することができない。ただし、強制執行続行の決定があつたときは、この限りでない。
(滞納処分による差押の解除の通知)
第十四条 収税官吏等は、前条の不動産について滞納処分による差押を解除したときは、その旨を裁判所に通知しなければならない。
(競売手続完結の通知)
第十五条 第十三条の不動産について競売の申立が競落を許すことなく完結したときは、裁判所は、その旨を収税官吏等に通知しなければならない。
(競売申立登記のまつ消)
第十六条 登記官吏は、第十三条の不動産について公売処分による権利移転の登記をしたときは、競売の申立があつたことの登記をまつ消しなければならない。
(売却代金の残余の交付等の規定の準用)
第十七条 第六条、第八条、第九条並びに第十条第一項、第三項及び第四項の規定は、第十三条の不動産に関して準用する。この場合において、第六条及び第十条第三項中「執行吏」とあるのは「裁判所」と、第六条第二項中「競売期日」とあるのは「競落期日」と読み替えるものとする。
(仮差押の執行)
第十八条 第十二条の規定は、滞納処分による差押がされている不動産に対する仮差押の執行に関して準用する。
2 滞納処分による差押後に仮差押の執行をした不動産の滞納処分による売却代金について滞納者に交付すべき残余を生じたときは、収税官吏等は、これをその不動産に対する強制執行について管轄権を有する裁判所に交付しなければならない。
3 前項の規定により裁判所が交付を受けた金銭は、仮差押の執行がされている不動産を他の債権のための強制競売により売却した場合における売却代金とみなす。
4 裁判所は、第二項の不動産について仮差押の執行を取り消したときは、その旨を収税官吏等に通知しなければならない。
(船舶に対する強制執行及び仮差押の執行)
第十九条 第十二条から前条までの規定は、滞納処分による差押がされている船舶で登記されるものに対する強制執行又は仮差押の執行に関して準用する。
(競売法による競売)
第二十条 第十二条から第十七条までの規定は、滞納処分による差押がされている不動産又は船舶の競売法(明治三十一年法律第十五号)による競売に関して準用する。この場合において、第十三条中「民事訴訟法第六百五十四条の規定による手続その他」とあるのは、「競売法の規定による」と読み替えるものとする。