日本体育・学校健康センター法
法令番号: 法律第九十二号
公布年月日: 昭和60年12月6日
法令の形式: 法律
日本体育・学校健康センター法をここに公布する。
御名御璽
昭和六十年十二月六日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第九十二号
日本体育・学校健康センター法
目次
第一章
総則(第一条―第七条)
第二章
役員及び職員(第八条―第十七条)
第三章
運営審議会(第十八条・第十九条)
第四章
業務(第二十条―第二十七条)
第五章
財務及び会計(第二十八条―第三十八条)
第六章
監督及び国の補助(第三十九条―第四十二条)
第七章
雑則(第四十三条―第四十九条)
第八章
罰則(第五十条―第五十二条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 日本体育・学校健康センターは、体育の振興と児童、生徒等の健康の保持増進を図るため、その設置する体育施設の適切かつ効率的な運営、義務教育諸学校等の管理下における児童、生徒等の災害に関する必要な給付、学校給食用物資の適正円滑な供給その他体育、学校安全及び学校給食の普及充実等を行い、もつて国民の心身の健全な発達に寄与することを目的とする。
(法人格)
第二条 日本体育・学校健康センター(以下「センター」という。)は、法人とする。
(事務所)
第三条 センターは、主たる事務所を東京都に置く。
2 センターは、文部大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(資本金)
第四条 センターの資本金は、附則第六条第四項の規定により政府から出資があつたものとされた額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、センターに追加して出資することができる。
3 センターは、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
4 政府は、第二項の規定によりセンターに出資するときは、金銭以外の財産を出資の目的とすることができる。
5 政府が出資の目的とする金銭以外の財産の価格は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価格とする。
6 評価委員その他前項に規定する評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(登記)
第五条 センターは、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(名称の使用制限)
第六条 センターでない者は、日本体育・学校健康センターという名称を用いてはならない。
(民法の準用)
第七条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十条の規定は、センターについて準用する。
第二章 役員及び職員
(役員)
第八条 センターに、役員として、理事長一人、理事五人以内及び監事二人以内を置く。
2 センターに、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事三人以内を置くことができる。
(役員の職務及び権限)
第九条 理事長は、センターを代表し、その業務を総理する。
2 理事(非常勤の理事を除く。)は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐してセンターの業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 非常勤の理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐してセンターの業務を掌理する。
4 監事は、センターの業務を監査する。
5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は文部大臣に意見を提出することができる。
(役員の任命)
第十条 理事長及び監事は、文部大臣が任命する。
2 理事は、理事長が文部大臣の認可を受けて任命する。
(役員の任期)
第十一条 役員の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十二条 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。
(役員の解任)
第十三条 文部大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 文部大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、あらかじめ、文部大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼職禁止)
第十四条 役員(非常勤の者を除く。)は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、文部大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(代表権の制限)
第十五条 センターと理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事がセンターを代表する。
(職員の任命)
第十六条 センターの職員は、理事長が任命する。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第十七条 センターの役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 運営審議会
(運営審議会)
第十八条 センターに、運営審議会を置く。
2 運営審議会は、三十五人以内の委員で組織する。
3 運営審議会は、理事長の諮問に応じ、センターの業務の運営に関する重要事項について審議する。
4 運営審議会は、センターの業務の運営につき、理事長に対して意見を述べることができる。
(委員)
第十九条 委員は、センターの業務の運営に関係を有する者及びセンターの業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、文部大臣が任命する。
2 第十一条及び第十三条第二項の規定は、委員について準用する。
第四章 業務
(業務)
第二十条 センターは、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 その設置する体育施設及び附属施設を運営し、並びにこれらの施設を利用して体育の振興のため必要な業務を行うこと。
二 義務教育諸学校(小学校、中学校又は特殊教育諸学校(盲学校、聾学校又は養護学校をいう。以下同じ。)の小学部若しくは中学部をいう。以下同じ。)の管理下における児童又は生徒の災害(負傷、疾病、障害又は死亡をいう。以下同じ。)につき、当該児童又は生徒の保護者(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第二十二条第一項に規定する保護者をいい、同項に規定する保護者がない場合における里親(児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第一項第三号の規定により委託を受けた里親をいう。)その他の政令で定める者を含む。以下同じ。)に対し、災害共済給付(医療費、障害見舞金又は死亡見舞金の支給をいう。以下同じ。)を行うこと。
三 学校給食用物資(学校給食(学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第三条に規定する学校給食、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律(昭和三十一年法律第百五十七号)第二条に規定する夜間学校給食及び盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律(昭和三十二年法律第百十八号)第二条に規定する学校給食をいう。以下同じ。)の用に供する食品その他の物資で文部大臣の指定するものをいう。以下同じ。)の買入れ、売渡しその他供給に関する業務を行うこと。
四 体育、学校安全(学校における安全教育及び安全管理をいう。以下この号において同じ。)及び学校給食に関する調査研究並びに資料の収集及び提供その他の体育、学校安全及び学校給食の普及充実に関する業務を行うこと。
五 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
2 センターは、前項第二号の業務のほか、高等学校(特殊教育諸学校の高等部を含む。)、高等専門学校又は幼稚園(特殊教育諸学校の幼稚部を含む。)の管理下における生徒、学生又は幼児の災害につき、当該生徒若しくは幼児の保護者又は当該生徒若しくは学生が成年に達している場合には当該生徒、学生若しくは政令で定める者に対し、災害共済給付を行うことができる。
3 センターは、文部大臣の認可を受けて、前二項に規定する業務のほか、第一条の目的を達成するため必要な業務を行うことができる。
4 センターは、前三項に規定する業務のほか、当該業務の遂行に支障のない限り、その設置する体育施設及び附属施設を一般の利用に供することができる。
(義務教育諸学校の災害共済給付及び免責の特約)
第二十一条 前条第一項第二号の災害共済給付は、義務教育諸学校(第四十三条及び第四十四条を除き、以下「学校」という。)の管理下における児童又は生徒の災害につき、学校の設置者が児童又は生徒の保護者の同意を得て当該児童又は生徒についてセンターとの間に締結する災害共済給付契約により行うものとする。
2 前項の災害共済給付契約に係る災害共済給付の給付基準、給付金の支払の請求及びその支払並びに学校の管理下における児童又は生徒の災害の範囲については、政令で定める。
3 第一項の災害共済給付契約には、学校の管理下における児童又は生徒の災害について学校の設置者の損害賠償責任が発生した場合において、センターが災害共済給付を行うことによりその価額の限度においてその責任を免れさせる旨の特約(以下「免責の特約」という。)を付することができる。
4 センターは、政令で定める正当な理由がある場合を除いては、第一項の規定による災害共済給付契約の締結及び前項の規定により免責の特約を付することを拒んではならない。
(共済掛金)
第二十二条 第二十条第一項第二号の災害共済給付に係る共済掛金の額は、政令で定める額とする。
2 前条第三項の規定により災害共済給付契約に免責の特約を付した場合には、前項の規定にかかわらず、同項の額に政令で定める額を加えた額をもつて同項の共済掛金の額とする。
3 センターとの間に災害共済給付契約を締結した学校の設置者は、政令で定めるところにより、第一項の共済掛金の額に当該契約に係る児童又は生徒の数を乗じて得た額をセンターに対して支払わなければならない。
4 前項の学校の設置者は、当該災害共済給付契約に係る児童又は生徒の保護者から、第一項の共済掛金の額(第二項の場合にあつては、同項の政令で定める額を控除した額)のうち政令で定める範囲内で当該学校の設置者の定める額を徴収する。ただし、当該保護者が経済的理由によつて納付することが困難であると認められるときは、これを徴収しないことができる。
5 センターは、学校の設置者が第三項の規定による共済掛金を支払わない場合においては、政令で定めるところにより、当該災害共済給付契約に係る災害共済給付を行わないものとする。
(学校給食用物資の売渡価格)
第二十三条 センターは、第二十条第一項第三号の規定により学校給食用物資を売り渡す場合の売渡価格を定めようとするときは、文部大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の売渡価格は、学校給食用物資の買入れ、輸送、保管、加工、売渡し等に要する経費(以下「供給に要する経費」という。)の適正な原価を償うものであり、かつ、営利の目的の介入がないものでなければならない。
(国の補助がある場合の共済掛金の支払及び売渡価格の算定)
第二十四条 センターが第四十二条第三項の規定により補助金の交付を受けた場合において、公立の学校の設置者が第二十二条第三項の規定による支払をしていないときは、同項の規定により公立の学校の設置者が支払う額は、同項の額から政令で定める額を控除した額とし、同項の規定による支払をしているときは、センターは、当該政令で定める額を公立の学校の設置者に返還しなければならない。
2 センターは、第四十二条第二項の規定により学校給食用物資の供給に要する経費について補助を受けた場合には、当該学校給食用物資に係る前条第二項の原価については、当該補助額に相当する額を当該学校給食用物資の供給に要する経費の額から控除して算定するものとする。
(学校給食用物資の供給に関する制限等)
第二十五条 センターは、学校給食用物資を文部大臣が指定する者以外の者に供給してはならない。
2 センターがその供給に要する経費につき第四十二条第二項の規定による補助を受けて供給する学校給食用物資を買い受け、加工し、又は保管する者は、当該学校給食用物資を学校給食以外の用途に供する目約で譲り渡し、又は学校給食以外の用途に使用してはならない。
(高等学校等の災害共済給付)
第二十六条 第二十条第二項の災害共済給付については、第二十一条及び第二十二条の規定を準用する。この場合において、第二十一条第一項及び第二十二条第四項中「保護者」とあるのは、「保護者又は生徒若しくは学生が成年に達している場合には当該生徒若しくは学生」と読み替えるものとする。
(業務方法書)
第二十七条 センターは、業務の開始の際、業務方法書を作成し、文部大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、文部省令で定める。
第五章 財務及び会計
(事業年度)
第二十八条 センターの事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(事業計画等の認可)
第二十九条 センターは、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、文部大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(決算)
第三十条 センターは、毎事業年度の決算を翌年度の五月三十一日までに完結しなければならない。
(財務諸表)
第三十一条 センターは、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、これに予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書を添え、監事の意見を付けて、決算完結後二月以内に文部大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 理事長は、財務諸表及び決算報告書に監事の意見を付けて、決算完結後一月以内に、これを運営審議会に提出しなければならない。
3 センターは、第一項の規定による文部大臣の承認を受けた財務諸表を各事務所に備えて置かなければならない。
(区分経理)
第三十二条 センターは、災害共済給付に係る経理、免責の特約に係る経理及び学校給食の用に供する物資の供給に係る経理については、それぞれその他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
(利益及び損失の処理)
第三十三条 センターは、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失を埋め、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
2 センターは、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
(借入金)
第三十四条 センターは、文部大臣の認可を受けて、長期借入金又は短期借入金をすることができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、文部大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。
4 センターは、毎事業年度、長期借入金の償還計画を立てて、文部大臣の認可を受けなければならない。
(余裕金の運用)
第三十五条 センターは、次の方法による場合を除き、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債又は地方債の取得
二 銀行への預金又は郵便貯金
三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託
(財産の処分等の制限)
第三十六条 センターは、第二十条第一項第三号の業務として行う場合を除き、文部省令で定める重要な財産を譲り受け、譲り渡し、又は担保に供しようとするときは、文部大臣の認可を受けなければならない。
(給与及び退職手当の支給の基準)
第三十七条 センターは、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、文部大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(文部省令への委任)
第三十八条 この法律に規定するもののほか、センターの財務及び会計に関し必要な事項は、文部省令で定める。
第六章 監督及び国の補助
(監督)
第三十九条 センターは、文部大臣が監督する。
2 文部大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、センターに対してその業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第四十条 文部大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、センターに対してその業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、センターの事務所その他の施設若しくはセンターが学校給食用物資を保管する場所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(農林水産大臣の同意等)
第四十一条 文部大臣は、学校給食用物資のうち文部大臣と農林水産大臣が協議して定めるものに関して、第二十三条第一項、第二十七条第一項又は第二十九条(事業計画に係る場合に限る。)の規定による認可をするには、農林水産大臣の同意を得てしなければならない。
2 農林水産大臣は、センターに対して、第二十条に規定する業務(学校給食に係るものに限る。次項において同じ。)及びこれに係る資産の状況に関し、報告をさせることができる。
3 農林水産大臣は、必要があると認めるときは、第二十条に規定する業務に関し、文部大臣に対して、第三十九条第二項の規定に基づく監督上の命令を発することを求めることができる。
(国の補助)
第四十二条 国は、予算の範囲内において、センターの事務に要する経費の一部を補助することができる。
2 国は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、災害共済給付に要する経費及び学校給食用物資の供給に要する経費の一部をセンターに対して補助することができる。
3 国は、公立の学校の設置者が第二十二条第四項ただし書の規定により、児童又は生徒の保護者で次の各号の一に該当するものから同項本文の学校の設置者の定める額を徴収しない場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、センターに対して補助することができる。
一 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第六条第二項に規定する要保護者
二 生活保護法第六条第二項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮している者で政令で定めるもの
第七章 雑則
(学校の設置者が地方公共団体である場合の事務処理)
第四十三条 この法律に基づき学校の設置者が処理すべき事務は、学校の設置者が地方公共団体である場合においては、当該地方公共団体の教育委員会が処理するものとする。
(損害賠償との調整)
第四十四条 学校の設置者が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)、民法その他の法律(以下この条において「国家賠償法等」という。)による損害賠償の責めに任ずる場合において、免責の特約を付した災害共済給付契約に基づきセンターが災害共済給付を行つたときは、同一の事由については、当該学校の設置者は、その価額の限度においてその損害賠償の責めを免れる。
2 センターは、災害共済給付を行つた場合において、当該給付事由の発生につき、国家賠償法等により損害賠償の責めに任ずる者があるときは、その給付の価額の限度において、当該災害に係る児童、生徒、学生又は幼児がその者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
(時効)
第四十五条 災害共済給付を受ける権利は、その給付事由が生じた日から二年間行わないときは、時効によつて消滅する。
(給付を受ける権利の保護)
第四十六条 災害共済給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
(公課の禁止)
第四十七条 租税その他の公課は、災害共済給付として支給を受ける給付金を標準として、課することができない。
(解散)
第四十八条 センターの解散については、別に法律で定める。
(大蔵大臣との協議)
第四十九条 文部大臣は、次の場合には、あらかじめ、大蔵大臣に協議しなければならない。
一 第二十条第三項、第二十七条第一項、第二十九条、第三十四条第一項、第二項ただし書若しくは第四項又は第三十六条の規定による認可をしようとするとき。
二 第二十七条第二項、第三十六条又は第三十八条の規定により文部省令を定めようとするとき。
三 第三十一条第一項又は第三十七条の規定による承認をしようとするとき。
第八章 罰則
(罰則)
第五十条 第四十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をしたセンターの役員又は職員は、十万円以下の罰金に処する。
第五十一条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をしたセンターの役員は、十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により文部大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第五条第一項の政令の規定に違反して登記することを怠つたとき。
三 この法律に規定する業務以外の業務を行つたとき。
四 第三十五条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
五 第三十九条第二項の規定による文部大臣の命令に違反したとき。
第五十二条 第六条の規定に違反した者は、五万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十三条から第二十二条までの規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(センターの設立)
第二条 文部大臣は、センターの理事長又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、センターの成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。
第三条 文部大臣は、設立委員を命じて、センターの設立に関する事務を処理させる。
2 設立委員は、センターの設立の準備を完了したときは、遅滞なく、その事務を前条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。
第四条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前条第二項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
第五条 センターは、設立の登記をすることによつて成立する。
(国立競技場及び日本学校健康会の解散等)
第六条 国立競技場及び日本学校健康会は、センターの成立の時において解散するものとし、それらの一切の権利及び義務は、その時においてセンターが承継する。
2 国立競技場及び日本学校健康会の昭和六十年四月一日に始まる事業年度は、それらの解散の日の前日に終わるものとする。
3 国立競技場及び日本学校健康会の昭和六十年四月一日に始まる事業年度に係るそれぞれの決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。この場合において、当該決算の完結の期限は、解散の日から起算して二月を経過する日とする。
4 第一項の規定によりセンターが国立競技場の権利及び義務を承継したときは、その承継の時までに政府から国立競技場に対して出資された額は、センターの設立に際し政府からセンターに出資されたものとする。
5 第一項の規定により国立競技場及び日本学校健康会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(非課税)
第七条 前条第一項の規定によりセンターが権利を承継する場合における当該承継に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税若しくは土地の取得に対して課する特別土地保有税又は自動車取得税を課することができない。
2 センターが前条第一項の規定により権利を承継し、かつ、引き続き保有する土地で、国立競技場が昭和四十四年一月一日前に取得したもの及び日本学校健康会が日本学校健康会法(昭和五十七年法律第六十三号)附則第六条第一項の規定により権利を承継したもの(同項の規定により解散した旧日本学校給食会又は旧日本学校安全会が昭和四十四年一月一日前に取得したものに限る。)に対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。
3 センターが前条第一項の規定により権利を承継し、かつ、引き続き保有する土地(国立競技場又は日本学校健康会が昭和五十七年四月一日以後に取得したものに限る。)のうち、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第五百九十九条第一項の規定により申告納付すべき日の属する年の一月一日において、国立競技場又は日本学校健康会が当該土地を取得した日以後十年を経過しているものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。
(名称の使用制限等に関する経過措置)
第八条 この法律の施行の際現に日本体育・学校健康センターという名称を使用している者については、第六条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第九条 センターの最初の事業年度は、第二十八条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和六十一年三月三十一日に終わるものとする。
第十条 センターの最初の事業年度の事業計画、予算及び資金計画については、第二十九条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「センターの成立後遅滞なく」とする。
(センターに対する便宜の供与)
第十一条 都道府県の教育委員会は、当分の間、当該都道府県の教育委員会の事務の遂行に支障のない範囲において、所属の職員をして当該都道府県の区域内に置かれるセンターの従たる事務所における事務に従事させることができる。
(保育所の災害共済給付)
第十二条 センターは、当分の間、第二十条に規定する業務のほか、保育所(児童福祉法第三十九条に規定する保育所をいう。)の管理下における同法第四条に規定する児童の災害につき、当該児童の保護者に対し、災害共済給付を行うことができる。
2 第二十一条及び第二十二条の規定は、前項の災害共済給付について準用する。
3 第一項の災害共済給付については、第四十四条第一項中「学校」とあるのは「保育所」と、同項第二項中「児童、生徒、学生又は幼児」とあるのは「附則第十二条第一項に規定する児童」とする。
(国立競技場法等の廃止)
第十三条 次の法律は、廃止する。
一 国立競技場法(昭和三十三年法律第二十号)
二 日本学校健康会法
(国立競技場法等の廃止に伴う経過措置)
第十四条 前条の規定の施行前に同条の規定による廃止前の日本学校健康会法の規定により締結された災害共済給付契約及びこれに付された免責の特約は、この法律中の相当する規定により締結された災害共済給付契約及びこれに付された免責の特約とみなす。
2 前条の規定の施行前に同条の規定による廃止前の国立競技場法(第十条及び第十七条を除く。)又は日本学校健康会法(第九条及び第十八条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、この法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第十五条 附則第十三条の規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(原子爆弾被爆者の医療等に関する法律の一部改正)
第十六条 原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(昭和三十二年法律第四十一号)の一部を次のように改正する。
第十四条の二第一項中「日本学校健康会法(昭和五十七年法律第六十三号)」を「日本体育・学校健康センター法(昭和六十年法律第九十二号)」に改める。
(所得税法の一部改正)
第十七条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中国立競技場の項及び日本学校健康会の項を削り、日本赤十字社の項の次に次のように加える。
日本体育・学校健康センター
日本体育・学校健康センター法(昭和六十年法律第九十二号)
(法人税法の一部改正)
第十八条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中国立競技場の項を削り、日本消防検定協会の項の次に次のように加える。
日本体育・学校健康センター
日本体育・学校健康センター法(昭和六十年法律第九十二号)
別表第二第一号の表日本学校健康会の項を削る。
(印紙税法の一部改正)
第十九条 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。
別表第二中国立競技場の項及び日本学校健康会の項を削り、日本赤十字社の項の次に次のように加える。
日本体育・学校健康センター
日本体育・学校健康センター法(昭和六十年法律第九十二号)
(登録免許税法の一部改正)
第二十条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第二中国立競技場の項を削り、日本消防検定協会の項の次に次のように加える。
日本体育・学校健康センター
日本体育・学校健康センター法(昭和六十年法律第九十二号)
(地方税法の一部改正)
第二十一条 地方税法の一部を次のように改正する。
第七十二条の四第一項第三号中「国立競技場」を「日本体育・学校健康センター」に改める。
第七十二条の五第一項第六号中「、日本学校健康会」を削る。
第七十三条の四第一項第十一号中「国立競技場、」を削り、同号の次に次の一号を加える。
十一の二 日本体育・学校健康センターが日本体育・学校健康センター法(昭和六十年法律第九十二号)第二十条第一項第一号に規定する業務の用に供する不動産で政令で定めるもの
第三百四十八条第二項第十七号中「国立競技場、」を削り、同号の次に次の一号を加える。
十七の二 日本体育・学校健康センターが日本体育・学校健康センター法第二十条第一項第一号に規定する業務の用に供する固定資産で政令で定めるもの
(地方税法の一部改正に伴う経過措置)
第二十二条 昭和六十年一月一日までに取得された前条の規定による改正前の地方税法(以下この条において「旧地方税法」という。)第三百四十八条第二項第十七号に掲げる国立競技場が直接その業務の用に供する固定資産に対して課する固定資産税又は都市計画税については、昭和六十年度分までの固定資産税又は都市計画税に限り、なお従前の例による。
2 昭和六十年一月一日までに取得された旧地方税法第五百八十六条第二項第二十八号に掲げる土地(同法第三百四十八条第二項第十七号に掲げる国立競技場が直接その業務の用に供するものに限る。)に対して課する特別土地保有税については、昭和六十年度分までの土地に対して課する特別土地保有税に限り、なお従前の例による。
3 前条の規定の施行前にされた旧地方税法第五百八十六条第二項第二十八号に掲げる土地(同法第三百四十八条第二項第十七号に掲げる国立競技場が直接その業務の用に供するものに限る。)の取得に係る土地の取得に対して課する特別土地保有税については、なお従前の例による。
法務大臣 嶋崎均
大蔵大臣 竹下登
文部大臣 松永光
厚生大臣 増岡博之
農林水産大臣 佐藤守良
自治大臣 古屋亨
内閣総理大臣 中曽根康弘