漁業協同組合合併助成法
法令番号: 法律第78号
公布年月日: 昭和42年7月24日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

漁業協同組合は、沿岸漁民の協同組織として重要な役割を果たしてきたが、地先漁業権との関係で地区が狭く、十分な活動ができない組合も多い。政府は漁業協同組合整備促進法に基づき不振組合の整備に努めてきたが、同法の期限終了を機に、経済情勢に対応できる漁業協同組合を育成するため、合併を助成し協同組織の強化を図ることとした。このため、合併への援助や合併後の事業経営基盤確立に必要な助成措置を講じ、新時代の要請に即応する漁業協同組織の健全な発展を目指すものである。

参照した発言:
第55回国会 衆議院 農林水産委員会 第4号

審議経過

第55回国会

衆議院
(昭和42年4月19日)
参議院
(昭和42年5月17日)
衆議院
(昭和42年6月13日)
(昭和42年6月14日)
(昭和42年6月20日)
(昭和42年6月21日)
(昭和42年6月22日)
(昭和42年6月27日)
(昭和42年6月27日)
参議院
(昭和42年7月6日)
(昭和42年7月11日)
(昭和42年7月13日)
(昭和42年7月18日)
(昭和42年7月19日)
(昭和42年7月21日)
漁業協同組合合併助成法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十二年七月二十四日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第七十八号
漁業協同組合合併助成法
(目的)
第一条 この法律は、適正な事業経営を行なうことができる漁業協同組合を広範に育成して漁業に関する協同組織の健全な発展に資するため、漁業協同組合の合併についての援助、合併後の漁業協同組合の事業経営の基礎を確立するのに必要な助成等の措置を定めて、漁業協同組合の合併の促進を図ることを目的とする。
(合併及び事業経営計画の樹立)
第二条 漁業協同組合(水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十八条第二項の内水面組合を除く。以下「組合」という。)は、合併により、合併後の組合(合併後存続する組合又は合併によつて設立する組合をいう。以下同じ。)を適正な事業経営を行なうことができる組合とするため、共同して、合併及び合併後の組合の事業経営に関する計画(以下「合併及び事業経営計画」という。)をたて、これを都道府県知事に提出して、その計画が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
(合併及び事業経営計画の内容等)
第三条 合併及び事業経営計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 合併についての基本方針及び合併契約の基本となるべき事項
二 合併後の組合の事業経営についての基本方針
三 合併後の組合が適正な事業経営を行なうことができるようにするため必要な施設の統合整備に関する事項
四 合併後の組合と組合員との間における利用及び協力を強化するための方策
五 合併後の組合に係る合併の日を含む事業年度以後三事業年度の事業計画
2 前条の規定により合併及び事業経営計画をたてるには、各組合は、その組合員(准組合員を除く。)の半数以上が出席する総会において、その議決権の三分の二以上の多数による議決を経なければならない。
3 前条の規定による合併及び事業経営計画の提出は、昭和四十五年十二月三十一日までにするものとする。
(合併及び事業経営計画の適否の認定)
第四条 都道府県知事は、第二条の認定をする場合には、政令で定めるところにより、組合に関し学識経験を有する者の意見をきかなければならない。
2 都道府県知事は、合併及び事業経営計画に係る事項が次の各号の要件のすべてをみたす場合に限り、その合併及び事業経営計画が適当である旨の認定をするものとする。
一 合併後の組合に係る組合員の営む漁業の状況その他その組合の経営的基礎が、その地域の自然的、経済的、社会的条件に照らし、適正な事業経営を行なうのに十分なものであると認められること。
二 合併後の組合の事業経営に関する計画が、その組合に係る前号の漁業の状況その他の経営条件からみて適当であり、かつ、その計画を確実に達成することができると認められること。
(助成措置)
第五条 政府は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、都道府県に対し、次に掲げる経費につき、補助金を交付することができる。
一 前条第二項の規定によりその合併及び事業経営計画につき適当である旨の認定を受けた組合が、その合併及び事業経営計画に従い、昭和四十六年三月三十一日までに合併をした場合において、その合併に係る合併後の組合が、その合併及び事業経営計画に従い、適正な事業経営を行なうことができるように施設の統合整備を図るに当たつて、これに必要な施設を改良し造成し又は取得するのに要する経費を都道府県が補助するときにおけるその補助に要する経費
二 都道府県が組合に対し合併及び事業経営計画の樹立及び実施につき指導を行なう場合におけるその指導に要する経費
(漁業権行使規則の変更又は廃止についての特例)
第六条 漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第六条第二項に規定する共同漁業権で同条第五項第一号の第一種共同漁業を内容とするものを有している組合が、第四条第二項の規定により適当である旨の認定を受けた合併及び事業経営計画に従い、昭和四十六年三月三十一日までに他の組合と合併した場合において、その合併に係る合併後の組合が当該共同漁業権の存続期間中において当該共同漁業権に係る漁業権行使規則の変更又は廃止をしようとするときは、同法第八条第五項において準用する同条第三項の規定による三分の二以上の者のうちには、当該変更又は廃止につき同項の規定による同意を求められるべき者で当該共同漁業権を有していた当該組合(当該合併前の組合のうちに当該共同漁業権を共有していた二以上の組合が含まれていた場合にあつては、これらの組合ごと)の当該合併の際における組合員であつたものの三分の二以上が含まれていなければならない。
2 漁業協同組合整備促進法(昭和三十五年法律第六十一号)第十四条第一項の勧告による合併後の組合が、第四条第二項の規定により適当である旨の認定を受けた合併及び事業経営計画に従い、昭和四十六年三月三十一日までにさらに他の組合と合併した場合において、その合併により当該勧告による合併後の組合が解散したときは、同法第十五条中「合併後存続する漁業協同組合又は合併によつて成立した漁業協同組合」とあるのは、「合併後存続する漁業協同組合又は合併によつて成立した漁業協同組合(これらの漁業協同組合が、漁業協同組合合併助成法(昭和四十二年法律第七十八号)第四条第二項の規定により適当である旨の認定を受けた合併及び事業経営計画に従い、昭和四十六年三月三十一日までにした合併によつて解散した場合にあつては、その合併後存続する漁業協同組合又はその合併によつて成立した漁業協同組合)」とする。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
大蔵大臣 水田三喜男
農林大臣 倉石忠雄
内閣総理大臣 佐藤栄作