漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律
法令番号: 法律第68号
公布年月日: 昭和47年6月15日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

漁業協同組合整備促進法は、経営不振の漁業協同組合の整備促進のため1960年に制定され、同年8月に設立された漁業協同組合整備基金は、全漁連等からの出資金と国からの無利息貸付金を運用し、整備計画が認定された漁協への利子補給や合併奨励金の交付等を行ってきた。しかし、主要業務である利子補給金交付業務が1972年3月末の整備計画達成期限により1971年度で終了することから、特殊法人の整理統合方針も踏まえ、漁業協同組合整備基金を解散し、その根拠法である漁業協同組合整備促進法を廃止するため、本法案を提出するものである。

参照した発言:
第68回国会 衆議院 農林水産委員会 第3号

審議経過

第68回国会

参議院
(昭和47年3月10日)
衆議院
(昭和47年3月16日)
(昭和47年4月18日)
(昭和47年4月19日)
(昭和47年4月20日)
(昭和47年4月25日)
(昭和47年4月25日)
参議院
(昭和47年5月16日)
(昭和47年5月23日)
(昭和47年5月25日)
(昭和47年6月1日)
(昭和47年6月8日)
(昭和47年6月9日)
(昭和47年6月16日)
漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十七年六月十五日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第六十八号
漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律
(漁業協同組合整備促進法の廃止)
第一条 漁業協同組合整備促進法(昭和三十五年法律第六十一号)は、廃止する。
(漁業協同組合整備基金の解散)
第二条 漁業協同組合整備基金(以下「基金」という。)は、この法律の施行の時において解散する。
(清算人の任命等)
第三条 農林大臣は、前条の規定により基金が解散したときは、遅滞なく、解散前の基金の役員のうちから清算人を任命しなければならない。
2 農林大臣は、清算人が職務上の義務に違反したとき、その他その職務を適切に遂行していないと認めるときは、その清算人を解任することができる。
3 清算人が欠けたときは、農林大臣が清算人を任命する。この場合においては、解散前の基金の役員以外の者のうちからも任命することができる。
(清算人の代表権)
第四条 清算人は、基金を代表する。
(清算事務の監督)
第五条 清算人は、就任の後、遅滞なく、基金の財産の現況を調査して財産目録及び貸借対照表を作成し、農林大臣に提出してその承認を受けなければならない。
2 清算人は、農林大臣の定める清算計画に従つて清算を行なわなければならない。
3 農林大臣は、必要があると認めるときは、清算人に対し、清算に関して必要な事項を命ずることができる。
(清算行為の特則)
第六条 清算人が次の行為をしようとするときは、農林大臣の認可を受けなければならない。
一 基金の財産の処分
二 訴えの提起
三 和解契約又は仲裁契約の締結
四 権利又は利益の放棄
(剰余財産の処分)
第七条 清算人は、附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有することとされる旧漁業協同組合整備促進法第五十二条第一項及び第二項の規定により残余財産を分配した後において、なお剰余を生じたときは、基金の目的に類似する目的のためにその剰余財産を処分することができる。
(決算書類提出の義務)
第八条 清算事務が終わつたときは、清算人は、遅滞なく、決算報告書を作成し、これを、出資者に送付するとともに、農林大臣に提出してその承認を受けなければならない。
2 清算人は、前項の規定により決算報告書を農林大臣に提出するときは、清算に関する重要な書類、基金の帳簿及びその業務に関する重要な書類を添附しなければならない。
(民法の準用)
第九条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第七十三条及び第七十八条から第八十一条までの規定は、基金の清算について準用する。
(罰則)
第十条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした基金の清算人は、三万円以下の過料に処する。
一 第五条第一項、第六条又は第八条第一項の規定により農林大臣の承認又は認可を受けなければならない場合において、その承認又は認可を受けなかつたとき。
二 第五条第三項の規定による農林大臣の命令に違反したとき。
三 附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有することとされる旧漁業協同組合整備促進法第五十二条第一項の規定に違反して、残余財産を分配せず、又は同項若しくは同条第二項の規定に違反して、残余財産について、出資額に応じない分配をし、若しくは出資額をこえる分配をしたとき。
四 前条において準用する民法第七十九条第一項又は同法第八十一条第一項の規定による公告を怠り、又は不正の公告をしたとき。
五 前条において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して、破産宣告の請求を怠つたとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(漁業協同組合整備促進法の廃止に伴う経過措置)
第二条 旧漁業協同組合整備促進法は、基金の解散及び清算に関しては、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
2 旧漁業協同組合整備促進法第十一条第一項に規定する整備組合の所得金額を計算する場合における同項に規定する欠損金の損金の額への算入については、なお従前の例による。
3 旧漁業協同組合整備促進法第十四条第一項の勧告により合併した漁業協同組合に係る漁業権行使規則の変更又は廃止については、同法第十五条の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(所得税法の一部改正)
第三条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中漁業協同組合整備基金の項を削る。
(法人税法の一部改正)
第四条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第二第一号の表中漁業協同組合整備基金の項を削る。
(地方税法の一部改正)
第五条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の五第一項第四号中「、漁業協同組合整備基金」を削る。
(所得税法等の一部改正に伴う経過措置)
第六条 改正前の所得税法別表第一第一号の表、法人税法別表第二第一号の表及び地方税法第七十二条の五第一項第四号の規定は、清算中の基金については、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
(漁業協同組合合併助成法の一部改正)
第七条 漁業協同組合合併助成法(昭和四十二年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。
第六条第二項中「漁業協同組合整備促進法」を「旧漁業協同組合整備促進法」に、「同法第十五条」を「漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律(昭和四十七年法律第六十八号)附則第二条第三項の規定によりなおその効力を有することとされる旧漁業協同組合整備促進法第十五条」に改める。
附則第五項中「漁業協同組合整備促進法」を「旧漁業協同組合整備促進法」に、「同法第十五条」を「漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律附則第二条第三項の規定によりなおその効力を有することとされる旧漁業協同組合整備促進法第十五条」に改める。
大蔵大臣 水田三喜男
農林大臣 赤城宗徳
自治大臣 渡海元三郎
内閣総理大臣 佐藤栄作