四国地方開発促進法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年四月二十八日
内閣総理大臣 岸信介
法律第六十三号
四国地方開発促進法
(この法律の趣旨)
第一条 この法律は、四国地方における資源の総合的開発を促進するために必要な基本的事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「四国地方」とは、徳島県、香川県、愛媛県、高知県及び和歌山県の区域をいう。
(四国地方開発促進計画)
第三条 内閣総理大臣は、四国地方開発審議会の審議を経て、四国地方開発促進計画(以下「開発促進計画」という。)を作成するものとする。
2 開発促進計画は、四国地方における土地、水、山林、鉱物、電力その他の資源の総合的開発の促進に関する計画とする。
3 関係地方公共団体は、開発促進計画に関し、内閣総理大臣に対し、意見を申し出ることができる。
(四国地方開発審議会の設置)
第四条 総理府に、四国地方開発審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(審議会の所掌事務)
第五条 審議会は、次に掲げる事項を調査審議し、その結果を内閣総理大臣に報告し、又は建議するものとする。
一 開発促進計画の作成の基準となるべき事項
二 開発促進計画に基づく事業の実施の推進に関する事項
三 前各号に掲げるもののほか、四国地方の開発の促進に関する重要事項
2 審議会は、開発促進計画及びこれに基づく事業の実施について必要があると認める場合においては、内閣総理大臣を通じて、関係行政機関の長に対し、意見を申し出ることができる。
(審議会の組織)
第六条 審議会は、委員三十二人以内で組織する。
2 委員は、次に掲げる者について、内閣総理大臣が任命する。
一 衆議院議員のうちから衆議院が指名する者 五人
二 参議院議員のうちから参議院が指名する者 三人
三 関係行政機関の職員 十人以内
四 関係県の知事 五人
五 関係市長を代表する者 一人
六 関係町村長を代表する者 一人
七 開発促進計画に関し学識経験のある者 七人以内
3 前項第七号の委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 第二項第七号の委員は、再任されることができる。
5 審議会に、会長を置く。会長は、委員のうちから互選する。
6 会長は、会務を総理する。会長に事故がある場合においては、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。
7 専門の事項を調査させるために、審議会に、専門委員を置くことができる。専門委員は、関係行政機関の職員及び学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
8 委員及び専門委員は、非常勤とする。
(審議会の運営等)
第七条 前条に定めるもののほか、審議会の事務をつかさどる機関並びに審議会の議事及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
(資料の提出等の要求)
第八条 審議会は、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。
(開発促進計画に基づく事業の実施)
第九条 開発促進計画に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法律(これに基づく命令を含む。)の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。
(開発促進計画に基づく事業の調整)
第十条 関係行政機関の長は、毎年度、開発促進計画の実施についてその所掌する事項に関して作成した翌年度の事業計画を経済企画庁長官に提出しなければならない。
2 経済企画庁長官は、前項の規定により提出された事業計画について必要な調整を行なうものとする。
3 経済企画庁長官は、毎年度、関係行政機関の長から開発促進計画に基づく事業の実施に関する資金計画の提出を求め、これについて、前項の規定により調整した事業計画の円滑な実施を図るため、必要な調整を行なうものとする。
(開発促進計画の実施に要する経費)
第十一条 政府は、開発促進計画を実施するために必要な資金の確保を図り、かつ、国の財政の許す範囲内において、その実施を促進することに努めなければならない。
(地方財政再建促進特別措置法との関係)
第十二条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)に基づく財政再建団体である県(以下「財政再建団体」という。)が開発促進計画に基づく事業で当該財政再建団体に係るものを実施するために財政再建計画に変更を加えようとする場合においては、自治庁長官は、その財政の再建が合理的に達成できると認める限り、同法第三条第四項において準用する同条第一項の規定による当該財政再建計画の変更の承認に当たつて、これらの事業の実施が確保されるように特に配慮しなければならない。
2 前項の規定は、開発促進計画に基づく事業を実施する県で財政再建団体以外のものが地方財政再建促進特別措置法第二十二条第二項の規定により財政の再建を行なう場合においては、当該県について準用する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(国の負担又は補助の割合についての特別措置)
2 開発促進計画が作成された場合において、四国地方の県に係る当該開発促進計画に基づく事業のうち重要なものに要する経費に係る国の負担又は補助の割合について、当該事業の実施の促進上特別の措置を必要とするときは、別に法律で定めるものとする。
(総理府設置法の一部改正)
3 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第十五条第一項の表中九州地方開発審議会の項の次に次のように加える。
四国地方開発審議会
四国地方開発促進法(昭和三十五年法律第六十三号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行なうこと。
(国土総合開発法の一部改正)
4 国土総合開発法(昭和二十五年法律第二百五号)の一部を次のように改正する。
第十四条第二項中「又は九州地方開発促進計画」を「、九州地方開発促進計画又は四国地方開発促進計画」に改める。
(経済企画庁設置法の一部改正)
5 経済企画庁設置法(昭和二十七年法律第二百六十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第十五号の三の次に次の一号を加える。
十五の四 四国地方の開発の促進に関する基本的な政策及び計画を企画立案すること。
第四条第二十号のヌの次に次のように加える。
ル 四国地方開発促進法(昭和三十五年法律第六十三号)
第九条に次の一号を加える。
九 四国地方の開発の促進に関すること。
内閣総理大臣 岸信介
法務大臣 井野碩哉
外務大臣 藤山愛一郎
大蔵大臣 佐藤榮作
文部大臣 松田竹千代
厚生大臣 渡邊良夫
農林大臣臨時代理 国務大臣 菅野和太郎
通商産業大臣 池田勇人
運輸大臣 楢橋渡
郵政大臣 植竹春彦
労働大臣 松野頼三
建設大臣 村上勇
四国地方開発促進法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年四月二十八日
内閣総理大臣 岸信介
法律第六十三号
四国地方開発促進法
(この法律の趣旨)
第一条 この法律は、四国地方における資源の総合的開発を促進するために必要な基本的事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「四国地方」とは、徳島県、香川県、愛媛県、高知県及び和歌山県の区域をいう。
(四国地方開発促進計画)
第三条 内閣総理大臣は、四国地方開発審議会の審議を経て、四国地方開発促進計画(以下「開発促進計画」という。)を作成するものとする。
2 開発促進計画は、四国地方における土地、水、山林、鉱物、電力その他の資源の総合的開発の促進に関する計画とする。
3 関係地方公共団体は、開発促進計画に関し、内閣総理大臣に対し、意見を申し出ることができる。
(四国地方開発審議会の設置)
第四条 総理府に、四国地方開発審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(審議会の所掌事務)
第五条 審議会は、次に掲げる事項を調査審議し、その結果を内閣総理大臣に報告し、又は建議するものとする。
一 開発促進計画の作成の基準となるべき事項
二 開発促進計画に基づく事業の実施の推進に関する事項
三 前各号に掲げるもののほか、四国地方の開発の促進に関する重要事項
2 審議会は、開発促進計画及びこれに基づく事業の実施について必要があると認める場合においては、内閣総理大臣を通じて、関係行政機関の長に対し、意見を申し出ることができる。
(審議会の組織)
第六条 審議会は、委員三十二人以内で組織する。
2 委員は、次に掲げる者について、内閣総理大臣が任命する。
一 衆議院議員のうちから衆議院が指名する者 五人
二 参議院議員のうちから参議院が指名する者 三人
三 関係行政機関の職員 十人以内
四 関係県の知事 五人
五 関係市長を代表する者 一人
六 関係町村長を代表する者 一人
七 開発促進計画に関し学識経験のある者 七人以内
3 前項第七号の委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 第二項第七号の委員は、再任されることができる。
5 審議会に、会長を置く。会長は、委員のうちから互選する。
6 会長は、会務を総理する。会長に事故がある場合においては、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。
7 専門の事項を調査させるために、審議会に、専門委員を置くことができる。専門委員は、関係行政機関の職員及び学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
8 委員及び専門委員は、非常勤とする。
(審議会の運営等)
第七条 前条に定めるもののほか、審議会の事務をつかさどる機関並びに審議会の議事及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
(資料の提出等の要求)
第八条 審議会は、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。
(開発促進計画に基づく事業の実施)
第九条 開発促進計画に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法律(これに基づく命令を含む。)の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。
(開発促進計画に基づく事業の調整)
第十条 関係行政機関の長は、毎年度、開発促進計画の実施についてその所掌する事項に関して作成した翌年度の事業計画を経済企画庁長官に提出しなければならない。
2 経済企画庁長官は、前項の規定により提出された事業計画について必要な調整を行なうものとする。
3 経済企画庁長官は、毎年度、関係行政機関の長から開発促進計画に基づく事業の実施に関する資金計画の提出を求め、これについて、前項の規定により調整した事業計画の円滑な実施を図るため、必要な調整を行なうものとする。
(開発促進計画の実施に要する経費)
第十一条 政府は、開発促進計画を実施するために必要な資金の確保を図り、かつ、国の財政の許す範囲内において、その実施を促進することに努めなければならない。
(地方財政再建促進特別措置法との関係)
第十二条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)に基づく財政再建団体である県(以下「財政再建団体」という。)が開発促進計画に基づく事業で当該財政再建団体に係るものを実施するために財政再建計画に変更を加えようとする場合においては、自治庁長官は、その財政の再建が合理的に達成できると認める限り、同法第三条第四項において準用する同条第一項の規定による当該財政再建計画の変更の承認に当たつて、これらの事業の実施が確保されるように特に配慮しなければならない。
2 前項の規定は、開発促進計画に基づく事業を実施する県で財政再建団体以外のものが地方財政再建促進特別措置法第二十二条第二項の規定により財政の再建を行なう場合においては、当該県について準用する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(国の負担又は補助の割合についての特別措置)
2 開発促進計画が作成された場合において、四国地方の県に係る当該開発促進計画に基づく事業のうち重要なものに要する経費に係る国の負担又は補助の割合について、当該事業の実施の促進上特別の措置を必要とするときは、別に法律で定めるものとする。
(総理府設置法の一部改正)
3 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第十五条第一項の表中九州地方開発審議会の項の次に次のように加える。
四国地方開発審議会
四国地方開発促進法(昭和三十五年法律第六十三号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行なうこと。
(国土総合開発法の一部改正)
4 国土総合開発法(昭和二十五年法律第二百五号)の一部を次のように改正する。
第十四条第二項中「又は九州地方開発促進計画」を「、九州地方開発促進計画又は四国地方開発促進計画」に改める。
(経済企画庁設置法の一部改正)
5 経済企画庁設置法(昭和二十七年法律第二百六十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第十五号の三の次に次の一号を加える。
十五の四 四国地方の開発の促進に関する基本的な政策及び計画を企画立案すること。
第四条第二十号のヌの次に次のように加える。
ル 四国地方開発促進法(昭和三十五年法律第六十三号)
第九条に次の一号を加える。
九 四国地方の開発の促進に関すること。
内閣総理大臣 岸信介
法務大臣 井野碩哉
外務大臣 藤山愛一郎
大蔵大臣 佐藤栄作
文部大臣 松田竹千代
厚生大臣 渡辺良夫
農林大臣臨時代理 国務大臣 菅野和太郎
通商産業大臣 池田勇人
運輸大臣 楢橋渡
郵政大臣 植竹春彦
労働大臣 松野頼三
建設大臣 村上勇