(目的)
第一条 この法律は、調理師の資格等を定めて調理の業務に従事する者の資質を向上させることにより調理技術の合理的な発達を図り、もつて国民の食生活の向上に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「調理師」とは、調理師の名称を用いて調理の業務に従事することができる者として都道府県知事の免許を受けた者をいう。
(調理師の免許)
第三条 調理師の免許は、次の各号の一に該当する者に対し、その申請に基いて都道府県知事が与える。
一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第四十七条(高等学校の入学資格)に規定する者で、厚生大臣の指定する調理師養成施設において、一年以上、調理、栄養及び衛生に関して調理師たるに必要な知識及び技能を修得したもの
二 学校教育法第四十七条に規定する者で、多数人に対して飲食物を調理して供与する施設又は営業で厚生省令の定めるものにおいて二年以上調理の業務に従事した後、厚生大臣の定める基準により、都道府県知事の行う講習において調理、栄養及び衛生に関して所定の課程を修めたことを認定されたもの
三 学佼教育法第四十七条に規定する者で、多数人に対して飲食物を調理して供与する施設又は営業で厚生省令の定めるものにおいて二年以上調理の業務に従事した後、厚生大臣の定める基準により、都道府県知事の行う調理、栄養及び衛生に関する知識及び技能についての試験に合格したもの
2 厚生大臣は、前項第一号に規定する調理師養成施設の指定に関する事務の一部を都道府県知事に委任することができる。
(免許を与えない場合)
第四条 次の各号の一に該当する者に対しては、前条の免許を与えない。
一 精神病者又は麻薬、あへん、大麻若しくは覚せい剤の中毒者
三 第六条第二項の規定により免許の取消処分を受けた後一年を経過しない者
(調理師名簿、登録及び免許証の交付)
第五条 都道府県に調理師名簿を備え、免許に関する事項を登録する。
2 免許は、調理師名簿に登録することによつて行う。
3 都道府県知事は、免許を与えたときは、調理師免許証を交付する。
(免許の取消)
第六条 都道府県知事は、調理師が第四条第一号又は第二号に該当するに至つたときは、その免許を取り消すものとする。
2 都道府県知事は、調理師がその責に帰すべき事由により、調理の業務に関し食中毒その他衛生上重大な事故を発生させたときは、その免許を取り消すことができる。
3 都道府県知事は、前二項の規定による処分をしようとするときは、あらかじめ、当該処分を受けるべき者にその処分の理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
(政令への委任)
第七条 この法律に定めるもののほか、調理師の免許及び登録に関して必要な事項は、政令で定める。
(名称の使用制限)
第八条 調理師でなければ、調理師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
(調理師会)
第九条 調理師は、調理師の資質の向上及び合理的な調理技術の発達に寄与することを目的として、調理師会を組織することができる。
2 調理師会は、調理師の指導及び連絡、調理技術の研究、調理師の福祉の増進その他前項の目的を達するために必要な事業を行う。
3 二以上の調理師会は、相互の連絡及び事業の調整を行うため、連合会を組織することができる。
(罰則)
第十条 第八条の規定に違反した者は、五千円以下の罰金に処する。