朕國民勤勞動員令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年三月五日
內閣總理大臣 小磯國昭
大東亞大臣 重光葵
內務大臣 大達茂雄
文部大臣 伯爵 兒玉秀雄
軍需大臣 吉田茂
厚生大臣 相川勝六
勅令第九十四號
國民勤勞動員令
第一章 總則
第一條 國家總動員法(昭和十三年勅令第三百十七號ニ於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第四條乃至第六條ノ規定ニ基ク國民勤勞動員(以下勤勞動員ト稱ス)ニ關スル命令ハ別ニ定ムルモノヲ除クノ外本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 本令ハ勤勞動員ノ完遂ヲ圖ルコト就中帝國臣民ヲシテ勤勞動員ノ本義ニ則リ國家ノ要請ニ應ヘ總員勤勞配置ニ就キ全力ヲ奮ヒ戰力ノ增强ニ力メシムルコトヲ目的トス
第二章 要員及就業ノ確保
第三條 工場、事業場其ノ他ノ場所(以下事業場ト稱ス)ニシテ厚生大臣若ハ地方長官(東京都ニ在リテハ警視總監以下同ジ)ノ指定スルモノニ於テ使用セラルル從業者又ハ地方長官ノ指定スル範圍ノ從業者ノ解雇及退職ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
前項ノ事業場ノ指定ハ業種又ハ地域ニ依リ包括シテ之ヲ爲スコトヲ得
第一項ノ從業者ニ付雇傭期間ノ滿了其ノ他解雇及退職以外ノ事由ニ因リ雇傭關係ノ終了スル場合ニ於テハ引續キ雇傭關係ヲ存續セシムベシ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第一項ノ規定ニ依リ指定ヲ受ケタル事業場ノ事業主又ハ指定ヲ受ケタル範圍ノ從業者ヲ使用スル事業場ノ事業主ハ其ノ旨ヲ關係從業者ニ周知セシムベシ
第一項及第三項ノ規定ハ命令ヲ以テ定ムル場合竝ニ國、都道府縣及市町村其ノ他之ニ準ズベキモノニハ之ヲ適用セズ
第四條 前條第一項ノ從業者以外ノ從業者ニシテ厚生大臣若ハ地方長官ノ指定スル物資ノ生產、修理若ハ配給、運輸、通信又ハ土木建築ニ關スル總動員業務其ノ他ノ總動員業務ニ從事スル地方長官ノ指定スルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ地方長官ノ定ムル業務ニ從事スルコトヲ罷ムルコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依ル地方長官ノ從業者指定ノ解除ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第一項ノ規定ニ依リ指定セラレタル從業者ノ使用ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ罷ムルコトヲ得ズ前條第三項及第五項ノ規定ハ此ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五條 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤勞管理ニ關スル事項ニ付テハ軍需大臣)又ハ地方長官敵襲其ノ他緊急事態發生ノ場合ニ於ケル從業者ノ就業確保ノ爲特ニ必要アリト認ムルトキハ他ノ法令ノ規定ニ拘ラズ事業場ノ事業主又ハ從業者ニ對シ從業時間ノ延長若ハ短縮、休日、遲刻、早退、缺勤若ハ休暇ノ制限又ハ從業者ノ從事スベキ業務其ノ他從業者ノ使用若ハ從業ニ關スル事項ニ付必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第三章 勤勞動員
第一節 勤勞動員準備
第六條 從業者退職其ノ他ノ事由ニ因リ雇傭關係終了シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ其ノ居住ノ場所其ノ他勤勞動員準備上必要ナル事項ヲ地方長官ニ報吿スベシ
前項ノ規定ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニハ之ヲ適用セズ
一 醫療關係者職業能力申吿令ニ依リ申吿ヲ爲スベキ者
二 獸醫師等職業能力申吿令ニ依リ申吿ヲ爲スベキ者
三 船員法ノ船員、朝鮮船員令ノ船員及關東州船員令ノ船員
四 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第七條 厚生大臣又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ業種又ハ職種ヲ指定シテ其ノ指定スル從業者ノ雇入、使用、就職及從業ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
事業場ノ事業主ハ命令ノ定ムル所ニ依リ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ前項ノ規定ニ依リ使用ノ禁止又ハ制限ニ付指定アリタル際使用中ノ該當從業者ニ付其ノ氏名、居住ノ場所其ノ他勤勞動員準備上必要ナル事項ヲ地方長官ニ報吿スベシ
前項ノ該當從業者ヲ使用中ノ官衙(陸海軍ノ部隊及學校ヲ含ム以下同ジ)ノ長ハ同項ノ事項ヲ地方長官ニ通報スベシ
第八條 地方長官國民動員實施計畫ニ基キ從業者ヲシテ就職又ハ從業セシムルニ付必要アリト認ムルトキハ國民職業能力申吿令ニ依ル要申吿者(以下要申吿者ト稱ス)ニ對シ就職又ハ從業スベキ業務等ニ關スル希望、就職又ハ從業ノ條件其ノ他就職又ハ從業ニ關シ必要ナル事項ヲ屆出ヅベキコトヲ命ズルコトヲ得
第九條 地方長官國民動員實施計畫ニ基キ從業者ヲシテ就職又ハ從業セシムルニ付必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ勤勞常時要員トシテ就職又ハ從業セシムベキ者(以下勤勞動員豫定者ト稱ス)ニ對シ出頭シ又ハ報吿ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
地方長官前項ノ場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ勤勞動員豫定者ノ關係事業場ノ事業主(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)又ハ其ノ所屬團體ノ長ニ對シ出頭、說明、意見ノ開陳(國ニ在リテハ當該官衙ノ關係職員ニ依ル出頭、說明又ハ意見ノ開陳トス)又ハ報吿ヲ爲スベキコトヲ求ムルコトヲ得
地方長官ハ第一項ノ規定ニ依ル命令ニ依リ出頭シタル勤勞動員豫定者ニ對シ旅費ヲ支給スルモノトス
第二十八條第二項ノ者若ハ團體又ハ官衙以外ノ事業場ニ配置セラルル爲出頭シタル者ニ對シ前項ノ規定ニ依リ支給シタル旅費ノ額ハ當該第二十八條第二項ノ者若ハ團體ノ長又ハ當該事業場ノ事業主國庫ニ之ヲ納入スベシ
第一項ノ規定ニ依リ勤勞動員豫定者出頭スル場合ニ於テ前金拂ヲ爲スニ非ザレバ出頭スルコト能ハザル者ノ旅費ハ其ノ者ノ居住地ノ市町村(東京都ノ區ノ存スル區域ニ在リテハ東京都)又ハ之ニ準ズベキモノニ於テ一時繰替支辨スベシ
勤勞動員豫定者第一項ノ規定ニ依リ出頭スル場合ノ旅費及其ノ一時繰替支辨ニ關シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
第十條 地方長官必要アリト認ムルトキハ前條第一項ノ規定ニ依リ出頭シタル勤勞動員豫定者ニ付身體ノ狀態、居住及就職ノ場所、職業、技能程度其ノ他勤勞動員ニ關シ必要ナル事項ヲ檢査又ハ調査シテ服務ノ適否ヲ判定スルモノトス
地方長官勤勞動員實施上必要アリト認ムルトキハ前項ノ規定ニ依リ國民動員實施計畫ニ基ク勤勞常時要員トシテノ服務ニ適スト判定セラレタル者ニ對シ同項ノ事項中居住ノ場所其ノ他必要ナル事項ノ變更ニ付屆出ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十一條 前條第一項(第五十二條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル檢査又ハ調査及服務ノ適否ノ判定ニ關スル事務ニ從事セシムル爲廳府縣ニ國民勤勞動員官ヲ置ク
國民勤勞動員官ハ廳府縣高等官中ヨリ地方長官之ヲ命ズ
地方長官必要アリト認ムルトキハ學識經驗アル者ニ對シ國民勤勞動員官ノ行フ事務ノ一部ヲ囑託スルコトヲ得
第十二條 地方長官ハ必要アル場合ニ於テハ勤勞動員セラルベキ者ニ付隊組織ニ依ル勤勞動員ニ關シ豫メ必要ナル措置ヲ爲スベキモノトス
第十三條 厚生大臣又ハ地方長官勤勞動員ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ勤勞動員セラルベキ者ニシテ事業場ニ就職又ハ從業スベキモノニ對シ其ノ就職又ハ從業前ニ於テ勤勞適性檢査又ハ勤勞訓練ヲ受クベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル勤勞適性檢査又ハ勤勞訓練ヲ受クル暇ナクシテ就職又ハ從業シタル者ニ付厚生大臣又ハ地方長官勤勞動員ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ事業場ヘノ就職又ハ從業後ニ於テ當該事業場ノ事業主又ハ當該從業者ニ對シ勤勞適性檢査又ハ勤勞訓練ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十四條 第八條乃至第十條及前二條ノ規定ハ學徒勤勞令ノ適用ヲ受クベキ者ニハ之ヲ適用セズ
第十五條 命令ノ定ムル所ニ依リ事業場ノ事業主(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)從業者(機動配置ニ依リ使用セントスル者ヲ除ク)ヲ雇入レ又ハ使用セントスルトキハ厚生大臣又ハ地方長官ニ其ノ雇入又ハ使用ノ員數ニ付割當ノ申請又ハ請求ヲ爲スコトヲ得
第十六條 厚生大臣又ハ地方長官ノ指定スル事業場ノ事業主(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ闕員補充ノ基準ト爲ルベキ從業者ノ員數ニ關スル事項ヲ定メ厚生大臣又ハ地方長官ノ認可ヲ申請シ又ハ承認ヲ請求スルコトヲ得
厚生大臣又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ事業主ニ對シ前項ノ事項ノ變更ヲ命ジ又ハ同項ノ申請ナキ場合ト雖モ同項ノ事項ヲ定メ事業主ニ對シ之ヲ指示スルコトヲ得
第十七條 第十五條若ハ前條第一項ノ申請若ハ請求又ハ前條第二項ノ變更命令若ハ指示ハ命令ノ定ムル所ニ依リ協力關係ノアル數事業場ニ付包括シテ之ヲ爲スコトヲ得
第二節 雇入及就職
第十八條 從業者ノ雇入及就職ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ヲ除クノ外之ヲ爲スコトヲ得ズ
一 事業場ノ事業主第十五條ノ申請ニ基キ割當ヲ受ケタル雇入ルベキ員數ノ範圍內ニ於テ命令ノ定ムル所ニ依リ爲ス雇入及就職ノ場合
二 事業場ノ事業主第十六條第一項ノ認可ヲ受ケ又ハ同條第二項ノ規定ニ依リ變更若ハ指示アリタル員數ノ範圍內ニ於テ命令ノ定ムル所ニ依リ爲ス雇入及就職ノ場合
三 命令ノ定ムル所ニ依リ特定ノ者ノ雇入及就職ニ付地方長官ノ認可ヲ受ケタル場合
前項ノ規定ハ命令ヲ以テ定ムル場合竝ニ國及都道府縣ニ於ケル雇入及就職ニハ之ヲ適用セズ
第十九條 地方長官必要アリト認ムルトキハ勤勞能力アリト認ムル者ニ對シ其ノ從事スベキ業務、場所等ヲ指定シテ就職スベキコトヲ勸奬スルコトヲ得
左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニハ就職勸奬ハ之ヲ爲サズ
一 陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ(未ダ入營セザル者ヲ除ク)及召集中ノモノ(召集中ノ身分取扱ヲ受クル者ヲ含ム)
二 陸海軍學生生徒(海軍豫備練習生及海軍豫備補習生ヲ含ム)
三 朝鮮總督府軍務豫備訓練所及臺灣總督府靑年特別鍊成所ニ入所中ノ者
四 陸海軍軍屬
五 醫療關係者職業能力申吿令ニ依リ申吿ヲ爲スベキ者
六 獸醫師等職業能力申吿令ニ依リ申吿ヲ爲スベキ者
七 船員法ノ船員、朝鮮船員令ノ船員及關東州船員令ノ船員
八 官吏、待遇官吏又ハ公吏
九 帝國議會、東京都議會、道府縣會、市町村會其ノ他之ニ準ズベキモノノ議員
十 總動員業務ニ從事スル者ニシテ餘人ヲ以テ代フベカラザルモノ
十一 法令ニ依リ拘禁中ノ者
十二 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第二十條 地方長官ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニシテ特別ノ事情ナクシテ就職勸奬ニ應ゼザルモノ又ハ勤勞協力ヲ爲サザルモノニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ指定スル事業場ニ就職スルコトヲ命ズルコトヲ得
一 事業ノ全部若ハ一部ヲ廢止若ハ休止スル事業場又ハ之ニ準ズル命令ヲ以テ定ムル事業場ノ從業者
二 地方長官ノ指定スル年齡、學歷、職歷等ニ該當スル者
三 第十條第一項ノ規定ニ依リ當該事業場ノ業務ヘノ服務ニ適スト判定セラレタル者
前項ノ規定ニ依ル事業場ノ指定ハ業種、地域等ニ依リ包括シテ之ヲ爲スコトヲ得
第二十一條 前條第一項ノ規定ニ依リ指定セラレタル事業場ノ事業主ハ命令ノ定ムル所ニ依リ同項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者ヨリ就職ノ申出アリタルトキハ之ヲ雇入ルベシ
第三節 徵用
第二十二條 徵用ハ國家ノ要請ニ基キ帝國臣民ヲシテ緊要ナル總動員業務ニ從事セシムル必要アル場合ニ於テ之ヲ行フモノトス
第二十三條 徵用ハ要申吿者ニ限リ之ヲ行フ但シ徵用中要申吿者タラザルニ至リタル者ヲ引續キ徵用スルノ必要アル場合又ハ志願アリタル者ヲ徵用スル必要アル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
特別ノ必要アル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ要申吿者以外ノ者ヲ徵用スルコトヲ得
第二十四條 徵用竝ニ徵用ノ變更及解除ハ厚生大臣自ラ之ヲ行フ場合ノ外厚生大臣ノ命令ニ依リ地方長官之ヲ實施ス但シ命令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ厚生大臣ノ命令ヲ俟タズ地方長官之ヲ實施スルコトヲ得
第二十五條 地方長官徵用セラルベキ者ヲ決定シタルトキハ之ニ徵用令書ヲ交付シ徵用ニ關シ必要ナル事項ヲ指示スベシ
前項ノ徵用令書ノ交付ヲ受ケタル者ハ同項ノ指示ニ從フベシ
第二十六條 地方長官必要アリト認ムルトキハ前條第一項ノ規定ニ依リ同項ノ徵用令書ノ交付ヲ受ケタル者ニ對シ隊組織ニ依リ出動スベキコトヲ指示スルコトヲ得
第二十七條 徵用ノ取消、變更及解除ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八條 被徵用者ノ表彰、懲戒、服制其ノ他服務ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
被徵用者總動員業務ニ從事スル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ從フノ外官衙ニ使用セラルル者ニ在リテハ當該官衙ノ長ノ指揮ニ從ヒ、厚生大臣ノ指定スル者又ハ團體ニ使用セラルル者ニ在リテハ當該ノ者又ハ團體ノ長ノ指揮ニ從ヒ、其ノ他ノ事業場ニ使用セラルル者ニ在リテハ當該事業場ノ事業主ノ指揮ニ從フベシ
第二十九條 被徵用者ニ對スル給與ハ其ノ者ノ技能程度、從事スル業務及場所等ニ應ジ且從前ノ給與其ノ他之ニ準ズベキ收入ヲ斟酌シ被徵用者ヲ使用スル官衙ノ長、前條第二項ノ者若ハ團體ノ長又ハ事業場ノ事業主之ヲ支給スルモノトス
被徵用者ニ對スル給與ニ關シ必要ナル事項ハ官衙ニ使用セラルル者ニ關シテハ當該官衙ノ所管大臣厚生大臣ニ協議シテ之ヲ定メ其ノ他ノ者ニ關シテハ當該前條第二項ノ者若ハ團體ノ長又ハ當該事業場ノ事業主厚生大臣ノ認可ヲ受ケテ之ヲ定ム
第三十條 徵用令書ノ交付ヲ受ケタル者出頭スル場合、被徵用者徵用ヲ解除セラレ歸鄕スル場合又ハ被徵用者若ハ其ノ家族ノ危篤若ハ死亡ノ爲官衙ノ長、第二十八條第二項ノ者若ハ團體ノ長若ハ事業場ノ事業主ノ通知ニ依リ被徵用者ノ家族出頭シ若ハ官衙ノ長、第二十八條第二項ノ者若ハ團體ノ長若ハ事業場ノ事業主ノ許可ヲ得テ被徵用者一時歸鄕スル場合ノ旅費ハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該官衙ノ長、當該第二十八條第二項ノ者若ハ團體ノ長又ハ當該事業場ノ事業主之ヲ支給スルモノトス
第九條第五項ノ規定ハ徵用令書ノ交付ヲ受ケタル者出頭スル場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ニ依ル旅費及其ノ一時繰替支辨ニ關シ必要ナル事項ハ官衙ニ使用セラルル者ニ關シテハ當該官衙ノ所管大臣厚生大臣ニ協議シテ之ヲ定メ其ノ他ノ者ニ關シテハ厚生大臣之ヲ定ム
第三十一條 被徵用者徵用セラレタルニ因リ其ノ家族ト世帶ヲ異ニスルニ至リタル場合其ノ他特別ノ事情アル場合又ハ被徵用者故意若ハ重大ナル過失ニ因ルニ非ズシテ業務上傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ之ガ爲徵用ヲ解除セラレタル場合ニ於テ本人又ハ家族ガ生活スルコト困難ナルトキハ命令ノ定ムルニ所ニ依リ之ニ對シ扶助ヲ爲スコトヲ得
被徵用者徵用セラレ總動員業務ニ從事中故意又ハ重大ナル過失ニ因ルニ非ズシテ業務上傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ之ガ爲死亡シタル場合ニ於テ遺族ガ生活スルコト困難ナルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ニ對シ扶助ヲ爲スコトヲ得
前二項ノ家族又ハ遺族ノ範圍及扶助ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十二條 前條ノ規定ニ依ル扶助ガ被徵用者ニシテ第二十八條第二項ノ者若ハ團體又ハ官衙以外ノ事業場ニ使用セラレ若ハ使用セラレタル者又ハ其ノ家族若ハ遺族ニ對シ爲サレタルモノナルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該第二十八條第二項ノ者若ハ團體ノ長又ハ當該事業場ノ事業主ヲシテ扶助ニ要シタル費用ヲ國庫ニ納入セシムルコトヲ得
第三十三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ之ヲ徵用セズ
一 陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ(未ダ入營セザル者ヲ除ク)及召集中ノモノ(召集中ノ身分取扱ヲ受クル者ヲ含ム)
二 陸海軍學生生徒(海軍豫備練習生及海軍豫備補習生ヲ含ム)
三 朝鮮總督府軍務豫備訓練所及臺灣總督府靑年特別鍊成所ニ入所中ノ者
四 陸海軍軍屬
五 醫療關係者職業能力申吿令ニ依リ申吿ヲ爲スベキ者
六 獸醫師等職業能力申吿令ニ依リ申吿ヲ爲スベキ者
七 船員法ノ船員、朝鮮船員令ノ船員及關東州船員令ノ船員
八 法令ニ依リ拘禁中ノ者
第三十四條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ特別ノ必要アル場合ヲ除クノ外之ヲ徵用セズ
一 餘人ヲ以テ代フベカラザル職ニ在ル官吏、待遇官吏又ハ公吏
二 帝國議會、東京都議會、道府縣會、市町村會其ノ他之ニ準ズベキモノノ議員
三 總動員業務ニ從事スル者ニシテ餘人ヲ以テ代フベカラザルモノ
四 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第四節 勤勞協力
第三十五條 勤勞協力ハ國家ノ要請ニ基キ帝國臣民ヲシテ命令ヲ以テ定ムル總動員業務ニ緊急ニ從事セシムル必要アル場合ニ於テ之ヲ行フモノトス
第三十六條 地方長官必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ市町村長(市町村長ニ準ズルモノヲ含ミ東京都ノ區ノ存スル區域竝ニ京都市、大阪市、名古屋市、橫濱市及神戶市ニ在リテハ區長トス)其ノ他ノ團體ノ長又ハ學校長(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)ニ對シ勤勞協力ニ關シ必要ナル事項ヲ指示シ勤勞協力ヲ爲スベキ者ノ選定、本人ニ對スル其ノ選定アリタル旨ノ通知其ノ他勤勞協力ヲ爲サシムル爲必要ナル措置ヲ命ジ又ハ請求スルモノトス
前項ノ措置ハ敵襲其ノ他緊急事態發生ノ場合ニ於テ必要アルトキハ同項ノ規定ニ拘ラズ地方長官自ラ之ヲ爲スコトヲ得
第三十七條 前條ノ規定ニ依ル通知ヲ受ケタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ勤勞協力ヲ爲スベシ
第三十八條 勤勞協力ノ取消、變更及解除ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十九條 勤勞協力ニ要スル經費ハ命令ノ定ムル所ニ依リ特別ノ事情アル場合ヲ除クノ外勤勞協力ヲ受クル者之ヲ負擔スルモノトス
第二十六條、第二十八條及第三十條乃至第三十二條ノ規定ハ勤勞協力ヲ爲サシメラレ又ハ爲サシメラレタル者竝ニ其ノ家族及遺族ニ關シ之ヲ準用ス
第四十條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ勤勞協力ヲ爲サシメザルモノトス
一 陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ(未ダ入營セザル者ヲ除ク)及召集中ノモノ(召集中ノ身分取扱ヲ受クル者ヲ含ム)
二 陸海軍學生生徒(海軍豫備練習生及海軍豫備補習生ヲ含ム)
三 朝鮮總督府軍務豫備訓練所及臺灣總督府靑年特別鍊成所ニ入所中ノ者
四 陸海軍軍屬
五 現ニ徵用中ノ者
六 陸軍大臣若ハ海軍大臣ノ所管ニ屬スル官衙又ハ厚生大臣ノ指定スル事業場ニ於テ軍事上必要ナル總動員業務ニ從事スル者
七 法令ニ依リ拘禁中ノ者
八 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第四十一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ志願ニ依ル場合ヲ除クノ外勤勞協力ヲ爲サシメザルモノトス
一 現ニ厚生大臣ノ指定スル總動員業務ニ從事スル者
二 女子ニ在リテハ家庭生活ノ根軸タル者
三 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第四十二條 本節ニ規定スルモノノ外勤勞常時要員トシテノ女子ノ隊組織(女子挺身隊ト稱ス)又ハ勤勞常時要員トシテノ女子以外ノ者ノ隊組織(國民勤勞報國隊ト稱ス)ニ依ル勤勞協力ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四章 機動配置
第四十三條 機動配置ハ生產計畫ノ變移、緊急業務ノ完遂其ノ他命令ヲ以テ定ムル場合ニ際シ國家ノ要請ニ基キ勤勞常時要員タル從業員ヲ機動的ニ他ノ事業場ニ於テ行フ總動員業務ニ從事セシムル必要アル場合ニ於テ之ヲ行フモノトス
第四十四條 厚生大臣又ハ地方長官ハ命令ノ定ムル所ニ依リ從業者ヲ使用スル者又ハ團體(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)ニシテ厚生大臣又ハ地方長官ノ指定スルモノニ對シ相當員數ノ機動配置要員ノ保有其ノ他機動配置ノ準備ニ關シ必要ナル措置ヲ命ジ又ハ請求スルコトヲ得
第四十五條 厚生大臣又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ前條ノ者又ハ團體其ノ他機動配置セラルベキ從業者ヲ使用スル事業場ノ事業主(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)ニ對シ機動配置ヲ受クベキ者、機動配置セラルベキ從業者ノ從事スベキ業務ノ種類、事業場及期間竝ニ所要人員數其ノ他必要ナル事項ヲ指定シテ機動配置ニ關シ必要ナル措置ヲ命ジ又ハ請求スルモノトス
第四十六條 前條ノ措置ヲ命ゼラレ又ハ請求セラレタル者、團體又ハ事業場ノ事業主(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ機動配置セラルベキ從業者ヲ選定シ其ノ選定アリタル旨ヲ本人ニ通知スルト共ニ機動配置ニ關シ必要ナル事項ヲ指示スベシ
第四十七條 厚生大臣又ハ地方長官前條ノ規定ニ基キ選定セラレタル從業者機動配置ニ適セズト認ムルトキハ之ヲ選定シタル者、團體又ハ事業場ノ事業主(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)ニ對シ其ノ選定ヲ取消スベキコトヲ命ジ又ハ請求スルコトヲ得
第四十八條 第四十六條ノ措置ハ敵襲其ノ他緊急事態發生ノ場合ニ於テ必要アルトキハ第四十五條ノ規定ニ拘ラズ地方長官自ラ之ヲ爲スコトヲ得
厚生大臣必要アリト認ムルトキハ第四十四條ノ者又ハ團體其ノ他機動配置セラルベキ從業者ヲ使用スル事業場ノ事業主(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)ニ於テ第四十五條ノ命令又ハ請求ヲ俟タズ直ニ第四十六條ノ措置ヲ爲スコトニ關シ必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第四十九條 第四十六條又ハ前條ノ規定ニ依ル指示ヲ受ケタル從業者ハ機動配置セラレタル事業場ニ於テハ其ノ指示ニ從フノ外配置セラレタル事業場ノ事業主(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)ノ指揮ニ從ヒ從業スベシ
第五十條 機動配置ニ要スル經費ハ命令ノ定ムル所ニ依リ特別ノ事情アル場合ヲ除クノ外機動配置ヲ受クル事業場ノ事業主之ヲ負擔スルモノトス
第五十一條 機動配置ノ取消、變更又ハ解除ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十二條 第九條、第十條、第十二條、第十三條及第二十六條ノ規定ハ機動配置セラルベキ從業者又ハ關係事業場ノ事業主(國ニ在リテハ當該官衙ノ長トス)若ハ其ノ所屬團體ノ長ニ關シ之ヲ準用ス
第五十三條 機動配置セラルベキ從業者ニ付其ノ配置轉換ノ爲徵用又ハ勤勞協力ヲ變更スルノ要アル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ徵用又ハ勤勞協力ノ變更アリタルモノトス
第五十四條 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤勞管理ニ關スル事項ニ付テハ軍需大臣)又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ事業場ノ事業主ニ對シ其ノ從業者ニ付當該事業場內ニ於テ其ノ職種又ハ職場ヲ轉換スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第五十五條 地方長官必要アリト認ムルトキハ事業場ノ事業主ニ對シ從業者ヲシテ一時歸鄕ノ上主要食糧ノ生產業務ニ從事セシムル爲當該事業場ニ於ケル業務ニ從事スルコトヲ臨時休止其ノ他ノ必要ナル措置ヲ命ズルコトヲ得
第五十六條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ本章ノ從業者ニハ之ヲ含マザルモノトス
一 醫療關係者職業能力申吿令ニ依リ申吿ヲ爲スベキ者
二 獸醫師等職業能力申吿令ニ依リ申吿ヲ爲スベキ者
三 船員法ノ船員、朝鮮船員令ノ船員及關東州船員令ノ船員
四 官吏、待遇官吏又ハ公吏
五 帝國議會、東京都議會、道府縣會、市町村會其ノ他之ニ準ズベキモノノ議員
六 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第五章 雜則
第五十七條 厚生大臣又ハ地方長官ハ勞務供給業者ニ依ル從業者ノ使用又ハ從業ノ制限ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第五十八條 厚生大臣又ハ地方長官本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ニ依ル認可又ハ割當ノ申請ニ付不正若ハ虛僞ノ事實アリト認ムルトキ又ハ特ニ必要アリト認ムルトキハ認可又ハ割當ノ取消又ハ變更ヲ爲スコトヲ得
第五十九條 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤勞管理及給與ニ關スル事項ニ付テハ軍需大臣)又ハ地方長官ハ從業者ノ雇入、使用、解雇又ハ賃金、給料其ノ他ノ從業條件ニ付事業場ノ事業主ニ對シ監督上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第六十條 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤勞管理及給與ニ關スル事項ニ付テハ軍需大臣)又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ事業場ノ事業主、第二十八條第二項ノ者若ハ團體又ハ第四十四條ノ者若ハ團體ニ對シ第五條ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル從業者若ハ同條ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル事業主ニ使用セラルル從業者、被徵用者、就職命令ニ基キ就職シタル者、勤勞協力ヲ爲ス者又ハ機動配置セラレタル從業者ノ使用又ハ賃金、給料、防護施設其ノ他ノ從業條件ニ付必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
被徵用者、就職命令ニ基キ就職シタル者、勤勞協力ヲ爲ス者又ハ機動配置セラレタル從業者ガ業務上負傷シ、疾病ニ罹リ又ハ死亡シタル場合ニ於テ事業場ノ事業主ノ爲ス本人又ハ其ノ遺族ニ對スル扶助ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十一條 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤勞管理及給與ニ關スル事項ニ付テハ軍需大臣)、地方長官又ハ國民勤勞動員署長本令ノ施行ニ關シ必要アリト認ムルトキハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ關係者ヨリ報吿ヲ徵スルコトヲ得
第六十二條 第七條第一項及第二項、第十三條第二項(第五十二條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第十六條第二項、第二十一條、第五十四條、第五十五條、第五十七條、前三條及第六十三條ノ規定ハ國及都道府縣ニハ之ヲ適用セズ
第五條ノ規定ハ國及都道府縣ノ事業ニハ之ヲ適用セズ
地方長官ハ國又ハ都道府縣ニ於テ爲ス從業者ノ雇入、使用若ハ解雇又ハ從業者ノ賃金、給料其ノ他ノ從業條件ニ關シ從業者ヲ使用スル官衙又ハ都道府縣ヨリ通報ヲ求ムルコトヲ得
第六十三條 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤勞管理及給與ニ關スル事項ニ付テハ軍需大臣)、地方長官又ハ國民勤勞動員署長本令ノ施行ニ關シ必要アリト認ムルトキハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ當該官吏ヲシテ關係事業場ニ臨檢シ業務ノ狀況又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ當該官吏ヲシテ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第六十四條 地方長官ハ國民勤勞動員署長ヲシテ本令ノ施行ニ關スル其ノ事務ノ一部ヲ分掌セシメ又ハ市町村長(東京都ノ區ノ存スル區域、京都市、大阪市、名古屋市、橫濱市及神戶市ニ在リテハ區長)若ハ之ニ準ズベキモノヲシテ本令ノ施行ニ關スル其ノ事務ノ一部ヲ補助セシムルコトヲ得
市町村長(東京都ノ區ノ存スル區域、京都市、大阪市、名古屋市、橫濱市及神戶市ニ在リテハ區長)又ハ之ニ準ズベキモノノ前項ノ規定ニ依リ本令ノ施行ニ關スル事務ヲ執行スル爲要スル費用ハ市町村(東京都ノ區ノ存スル區域ニ在リテハ東京都)又ハ之ニ準ズベキモノニ於テ一時繰替支辨スベシ
前項ノ費用及其ノ一時繰替支辨ニ關シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
第六十五條 厚生大臣必要アリト認ムルトキハ地方行政協議會ヲ附置セラレタル都廳府縣ノ長官ニ本令ニ依ル其ノ職權ノ一部ヲ行ハシムルコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ國民勤勞動員署長又ハ市町村長(東京都ノ區ノ存スル區域、京都市、大阪市、名古屋市、橫濱市及神戶市ニ在リテハ區長)若ハ之ニ準ズベキモノヲシテ本令ニ依ル其ノ職權ノ一部ヲ行ハシムルコトヲ得
第六十六條 厚生大臣(前條第一項ノ規定ニ依リ厚生大臣ノ職權ヲ行フ長官ヲ含ム)又ハ地方長官ハ本令ノ施行ニ關スル重要事項ニ付國民勤勞動員委員會ノ議ヲ經ベキモノトス
國民勤勞動員委員會ニ關シ必要ナル事項ハ別ニ之ヲ定ム
第六十七條 前條ノ規定ハ朝鮮、臺灣及南洋群島ニハ之ヲ適用セズ
本令中厚生大臣トアリ又ハ軍需大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ當該官衙ノ所管大臣トアルハ當該官衙ノ所管大臣ガ陸軍大臣又ハ海軍大臣タル場合ヲ除クノ外朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ地方長官トアルハ朝鮮ニ在リテハ道知事、臺灣ニ在リテハ州知事又ハ廳長、南洋群島ニ在リテハ南洋廳支廳長トシ國民勤勞動員署長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹、郡守又ハ島司、臺灣ニ在リテハ市長又ハ郡守(澎湖廳ニ在リテハ廳長)、南洋廳ニ在リテハ南洋廳支廳長トシ都道府縣トアルハ朝鮮ニ在リテハ道、臺灣ニ在リテハ州又ハ廳、南洋群島ニ在リテハ南洋群島地方費トシ廳府縣トアルハ朝鮮ニ在リテハ道又ハ府群島、臺灣ニ在リテハ州若ハ廳又ハ郡若ハ市、南洋群島ニ在リテハ南洋廳トス
第三十六條第一項、第六十四條第一項及第二項竝ニ第六十五條第二項中市町村長トアルハ京城府ニ在リテハ區長トス
第六十八條 內地、朝鮮、臺灣若ハ南洋群島ノ二以上ノ地域ニ係ル徵用、勤勞協力若ハ機動配置又ハ內地、朝鮮、臺灣若ハ南洋群島ノ二以上ノ地域ニ係リ徵用セラレ若ハ勤勞協力ヲ爲サシメラレタル者ノ機動配置ニ關シ必要ナル事項ハ關係地域ニ應ジ厚生大臣、朝鮮總督、臺灣總督又ハ南洋廳長官協議シテ之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和二十年三月十日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、臺灣及南洋群島ニ在リテハ同年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令中國民勞務手帳法施行令ノ改正ニ關スル部分ハ南洋群島勞務手帳令ノ適用ニ付テハ昭和二十年三月三十日迄施行セラレザルモノト看做ス
學校卒業者使用制限令、國民徵用令、勞務調整令、國民勤勞報國協力令及女子挺身勤勞令ハ之ヲ廢止ス但シ本令施行前ニ爲シタル行爲ニ關スル罰則ノ適用、本令施行前ニ國民徵用令第十九條第一項ノ規定ニ依リテ支給シタル旅費ノ額又ハ同令第十九條ノ三ノ規定ニ依リテ爲シタル扶助ニ要シタル費用ノ國庫納入ニ關スル規定ノ適用ニ付テハ本令施行後ト雖モ仍其ノ效力ヲ有ス
學校卒業者使用制限令、國民徵用令及勞務調整令ハ關東州學校卒業者使用制限令、關東州國民徵用令及關東州勞務調整令ニ於テ依ル範圍內ニ於テハ前項本文ノ規定ニ拘ラズ仍其ノ效力ヲ有スルモノトス
本令施行ノ際現ニ實施中ノ國民徵用令ニ依ル徵用又ハ國民勤勞報國協力令若ハ女子挺身勤勞令ニ依ル協力ハ之ヲ本令ニ依ル徵用又ハ勤勞協力ト看做ス此ノ場合ニ於ケル徵用又ハ勤勞協力ノ期間ハ從前ノ通トス
本令施行前國民徵用令第三條第二項、第五條、第十六條ノ四、第十六條ノ五第二項、第十九條ノ二若ハ第十九條ノ三ノ規定ニ基キテ發シ若ハ爲シタル命令、同令第十八條第二項、第十九條第六項若ハ第二十三條第三項ノ規定ニ基キテ爲シタル定、勞務調整令第二條第一項若ハ第八條ノ二ノ規定ニ基キテ爲シタル指定、國民勤勞報國協力令第六條ノ規定ニ基キテ爲シタル命令、同令第十條第六號若ハ第十一條第二號ノ規定ニ基キテ爲シタル指定、女子挺身勤勞令第六條若ハ第十三條ノ規定ニ基キテ爲シタル命令又ハ同令第十四條第二號若ハ第十五條第三號ノ規定ニ基キテ爲シタル指定ハ之ヲ本令中ノ相當規定ニ基キテ發シ若ハ爲シタル命令、定又ハ指定ト看做ス
前項ニ定ムルモノノ外本令施行ノ際現ニ進行中ノ國民徵用令ニ依ル徵用又ハ國民勤勞報國協力令若ハ女子挺身勤勞令ニ依ル協力ニ關スル手續ハ厚生大臣ニ於テ別段ノ定ヲ爲シタル場合ヲ除クノ外本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令中ノ相當規定ニ依リテ爲シタル手續ト看做ス
本令施行前學校卒業者使用制限令第二條又ハ勞務調整令第七條第二號若ハ第十九條第二項第三號ノ規定ニ依リテ爲シタル認可ハ第十五條ノ申請ニ基キテ爲シタル割當ト看做ス
本令施行前勞務調整令第四條、第七條第三號又ハ第十九條第二項第四號ノ規定ニ依リテ爲シタル認可ハ第十八條第一項第三號ノ規定ニ依リテ爲シタル認可ト看做ス
本令施行前ニ爲シタル學校卒業者使用制限令第二條ノ規定ニ依ル認可及勞務調整令又ハ同令ニ基キテ發スル命令ニ依ル認可竝ニ其ノ申請ハ第五十八條ノ規定ノ適用ニ付本令中ノ相當規定ニ依ル認可及割當竝ニ其ノ申請ト看做ス
厚生部內臨時職員設置制中左ノ通改正ス
第五條中第六號ヲ左ノ如ク改メ第八號及第十號ヲ削リ第九號ヲ第八號トシ第十一號ヲ第九號トシ第十二號ヲ第十號トス
六 國民勤勞動員令施行ニ關スル事務
事務官 專任一人
技師 專任二人
技手
專任十一人
警視廳官制中左ノ通改正ス
第三條中「國民徵用令、勞務調整令及國民勤勞報國協力令」ヲ「國民勤勞動員令」ニ改ム
第十二條勤勞部ノ部中第十七號及第十八號ヲ左ノ如ク改メ第十九號及第二十號ヲ削ル
十七 國民勤勞動員令施行ニ關スル事項
十八 前號ニ揭グルモノノ外國民勤勞動員ニ關スル事項
第三十五條第二項中「勞務調整、國民勤勞報國協力、國民徵用其ノ他」ヲ削ル
北海道廳官制中左ノ通改正ス
第十二條第六項中第二十三號及第二十四號ヲ左ノ如ク改メ第二十五號及第二十六號ヲ削ル
二十三 國民勤勞動員令施行ニ關スル事項
二十四 前號ニ揭グルモノノ外國民勤勞動員ニ關スル事項
第三十八條第二項中「勞務調整、國民勤勞報國協力、國民徵用其ノ他」ヲ削ル
樺太廳官制中左ノ通改正ス
第十三條中第九號及第十號ヲ左ノ如ク改メ第十一號ヲ削リ第十二號ヲ第十一號トシ以下順次繰上グ
九 國民勤勞動員令施行ニ關スル事項
十 前號ニ揭グルモノノ外國民勤勞動員ニ關スル事項
第四十一條第二項中「勞務調整、國民勤勞報國協力、國民徵用其ノ他」ヲ削ル
地方官官制中左ノ通改正ス
第十五條中第二十三號及第二十四號ヲ左ノ如ク改メ第二十五號又第二十六號ヲ削ル
二十三 國民勤勞動員令施行ニ關スル事項
二十四 前號ニ揭グルモノノ外國民勤勞動員ニ關スル事項
第十五條ノ二第一項勤勞部ノ部中「第二十六號」ヲ「第二十四號」ニ改ム
第四十八條ノ三第二項中「勞務調整、國民勤勞報國協力、國民徵用其ノ他」ヲ削ル
國民勞務手帳法施行令中左ノ通改正ス
「國民職業指導所長」ヲ「國民勤勞動員署長」ニ改ム
第二條第十五號中「勞働者年金保險法」ヲ「厚生年金保險法」ニ改ム
第四條中第二號ヲ第三號トシ第一號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
二 國家總動員法第五條ノ規定ニ基キ協力ヲ爲サシメラレ使用セラルル者
第六條中「(同條第一號ニ該當スル者ニ在リテハ徵用ニ依ル使用者)」ヲ「(同條第一號又ハ第二號ニ該當スル者ニ在リテハ徵用又ハ協力ニ依ル使用者)」ニ改ム
第七條第二項中第二號ヲ第三號トシ第三號ヲ第四號トシ第一號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
二 國家總動員法第五條ノ規定ニ基キ勤勞常時要員トシテ協力ヲ爲サシメラレタルトキ
同條第三項中「徵用」ヲ「徵用若ハ協力」ニ、「第三號」ヲ「第四號」ニ改ム
同條第四項中「第一號」ヲ「第一號若ハ第二號」ニ改ム
同條第五項中「第二號」ヲ「第三號」ニ改ム
第八條第一項第一號ヲ左ノ如ク改ム
一 國民勤勞動員令第三條第一項若ハ第四條第一項ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケ退職シ若ハ業務從事ヲ罷ムルトキ又ハ同令第十八條第一項第三號ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケ就職スルトキ
厚生省關係許可認可等戰時特例中左ノ通改正ス
第二條本文中「認可、屆出及協議」ヲ「認可及屆出」ニ改ム
同條第七號ヲ左ノ如ク改ム
七 削除
第五條本文中「第六號乃至第九號及第十一號乃至第十四號」ヲ「第八號、第九號及第十三號」ニ改ム
同條第十一號及第十二號ヲ左ノ如ク改ム
十一及び十二 削除
朕国民勤労動員令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年三月五日
内閣総理大臣 小磯国昭
大東亜大臣 重光葵
内務大臣 大達茂雄
文部大臣 伯爵 児玉秀雄
軍需大臣 吉田茂
厚生大臣 相川勝六
勅令第九十四号
国民勤労動員令
第一章 総則
第一条 国家総動員法(昭和十三年勅令第三百十七号ニ於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第四条乃至第六条ノ規定ニ基ク国民勤労動員(以下勤労動員ト称ス)ニ関スル命令ハ別ニ定ムルモノヲ除クノ外本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 本令ハ勤労動員ノ完遂ヲ図ルコト就中帝国臣民ヲシテ勤労動員ノ本義ニ則リ国家ノ要請ニ応ヘ総員勤労配置ニ就キ全力ヲ奮ヒ戦力ノ増強ニ力メシムルコトヲ目的トス
第二章 要員及就業ノ確保
第三条 工場、事業場其ノ他ノ場所(以下事業場ト称ス)ニシテ厚生大臣若ハ地方長官(東京都ニ在リテハ警視総監以下同ジ)ノ指定スルモノニ於テ使用セラルル従業者又ハ地方長官ノ指定スル範囲ノ従業者ノ解雇及退職ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
前項ノ事業場ノ指定ハ業種又ハ地域ニ依リ包括シテ之ヲ為スコトヲ得
第一項ノ従業者ニ付雇傭期間ノ満了其ノ他解雇及退職以外ノ事由ニ因リ雇傭関係ノ終了スル場合ニ於テハ引続キ雇傭関係ヲ存続セシムベシ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第一項ノ規定ニ依リ指定ヲ受ケタル事業場ノ事業主又ハ指定ヲ受ケタル範囲ノ従業者ヲ使用スル事業場ノ事業主ハ其ノ旨ヲ関係従業者ニ周知セシムベシ
第一項及第三項ノ規定ハ命令ヲ以テ定ムル場合並ニ国、都道府県及市町村其ノ他之ニ準ズベキモノニハ之ヲ適用セズ
第四条 前条第一項ノ従業者以外ノ従業者ニシテ厚生大臣若ハ地方長官ノ指定スル物資ノ生産、修理若ハ配給、運輸、通信又ハ土木建築ニ関スル総動員業務其ノ他ノ総動員業務ニ従事スル地方長官ノ指定スルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ地方長官ノ定ムル業務ニ従事スルコトヲ罷ムルコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依ル地方長官ノ従業者指定ノ解除ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第一項ノ規定ニ依リ指定セラレタル従業者ノ使用ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ罷ムルコトヲ得ズ前条第三項及第五項ノ規定ハ此ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五条 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤労管理ニ関スル事項ニ付テハ軍需大臣)又ハ地方長官敵襲其ノ他緊急事態発生ノ場合ニ於ケル従業者ノ就業確保ノ為特ニ必要アリト認ムルトキハ他ノ法令ノ規定ニ拘ラズ事業場ノ事業主又ハ従業者ニ対シ従業時間ノ延長若ハ短縮、休日、遅刻、早退、欠勤若ハ休暇ノ制限又ハ従業者ノ従事スベキ業務其ノ他従業者ノ使用若ハ従業ニ関スル事項ニ付必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第三章 勤労動員
第一節 勤労動員準備
第六条 従業者退職其ノ他ノ事由ニ因リ雇傭関係終了シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ其ノ居住ノ場所其ノ他勤労動員準備上必要ナル事項ヲ地方長官ニ報告スベシ
前項ノ規定ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニハ之ヲ適用セズ
一 医療関係者職業能力申告令ニ依リ申告ヲ為スベキ者
二 獣医師等職業能力申告令ニ依リ申告ヲ為スベキ者
三 船員法ノ船員、朝鮮船員令ノ船員及関東州船員令ノ船員
四 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第七条 厚生大臣又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ業種又ハ職種ヲ指定シテ其ノ指定スル従業者ノ雇入、使用、就職及従業ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
事業場ノ事業主ハ命令ノ定ムル所ニ依リ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ前項ノ規定ニ依リ使用ノ禁止又ハ制限ニ付指定アリタル際使用中ノ該当従業者ニ付其ノ氏名、居住ノ場所其ノ他勤労動員準備上必要ナル事項ヲ地方長官ニ報告スベシ
前項ノ該当従業者ヲ使用中ノ官衙(陸海軍ノ部隊及学校ヲ含ム以下同ジ)ノ長ハ同項ノ事項ヲ地方長官ニ通報スベシ
第八条 地方長官国民動員実施計画ニ基キ従業者ヲシテ就職又ハ従業セシムルニ付必要アリト認ムルトキハ国民職業能力申告令ニ依ル要申告者(以下要申告者ト称ス)ニ対シ就職又ハ従業スベキ業務等ニ関スル希望、就職又ハ従業ノ条件其ノ他就職又ハ従業ニ関シ必要ナル事項ヲ届出ヅベキコトヲ命ズルコトヲ得
第九条 地方長官国民動員実施計画ニ基キ従業者ヲシテ就職又ハ従業セシムルニ付必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ勤労常時要員トシテ就職又ハ従業セシムベキ者(以下勤労動員予定者ト称ス)ニ対シ出頭シ又ハ報告ヲ為スベキコトヲ命ズルコトヲ得
地方長官前項ノ場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ勤労動員予定者ノ関係事業場ノ事業主(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)又ハ其ノ所属団体ノ長ニ対シ出頭、説明、意見ノ開陳(国ニ在リテハ当該官衙ノ関係職員ニ依ル出頭、説明又ハ意見ノ開陳トス)又ハ報告ヲ為スベキコトヲ求ムルコトヲ得
地方長官ハ第一項ノ規定ニ依ル命令ニ依リ出頭シタル勤労動員予定者ニ対シ旅費ヲ支給スルモノトス
第二十八条第二項ノ者若ハ団体又ハ官衙以外ノ事業場ニ配置セラルル為出頭シタル者ニ対シ前項ノ規定ニ依リ支給シタル旅費ノ額ハ当該第二十八条第二項ノ者若ハ団体ノ長又ハ当該事業場ノ事業主国庫ニ之ヲ納入スベシ
第一項ノ規定ニ依リ勤労動員予定者出頭スル場合ニ於テ前金払ヲ為スニ非ザレバ出頭スルコト能ハザル者ノ旅費ハ其ノ者ノ居住地ノ市町村(東京都ノ区ノ存スル区域ニ在リテハ東京都)又ハ之ニ準ズベキモノニ於テ一時繰替支弁スベシ
勤労動員予定者第一項ノ規定ニ依リ出頭スル場合ノ旅費及其ノ一時繰替支弁ニ関シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
第十条 地方長官必要アリト認ムルトキハ前条第一項ノ規定ニ依リ出頭シタル勤労動員予定者ニ付身体ノ状態、居住及就職ノ場所、職業、技能程度其ノ他勤労動員ニ関シ必要ナル事項ヲ検査又ハ調査シテ服務ノ適否ヲ判定スルモノトス
地方長官勤労動員実施上必要アリト認ムルトキハ前項ノ規定ニ依リ国民動員実施計画ニ基ク勤労常時要員トシテノ服務ニ適スト判定セラレタル者ニ対シ同項ノ事項中居住ノ場所其ノ他必要ナル事項ノ変更ニ付届出ヲ為スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十一条 前条第一項(第五十二条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル検査又ハ調査及服務ノ適否ノ判定ニ関スル事務ニ従事セシムル為庁府県ニ国民勤労動員官ヲ置ク
国民勤労動員官ハ庁府県高等官中ヨリ地方長官之ヲ命ズ
地方長官必要アリト認ムルトキハ学識経験アル者ニ対シ国民勤労動員官ノ行フ事務ノ一部ヲ嘱託スルコトヲ得
第十二条 地方長官ハ必要アル場合ニ於テハ勤労動員セラルベキ者ニ付隊組織ニ依ル勤労動員ニ関シ予メ必要ナル措置ヲ為スベキモノトス
第十三条 厚生大臣又ハ地方長官勤労動員ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ勤労動員セラルベキ者ニシテ事業場ニ就職又ハ従業スベキモノニ対シ其ノ就職又ハ従業前ニ於テ勤労適性検査又ハ勤労訓練ヲ受クベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル勤労適性検査又ハ勤労訓練ヲ受クル暇ナクシテ就職又ハ従業シタル者ニ付厚生大臣又ハ地方長官勤労動員ノ目的達成上必要アリト認ムルトキハ事業場ヘノ就職又ハ従業後ニ於テ当該事業場ノ事業主又ハ当該従業者ニ対シ勤労適性検査又ハ勤労訓練ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第十四条 第八条乃至第十条及前二条ノ規定ハ学徒勤労令ノ適用ヲ受クベキ者ニハ之ヲ適用セズ
第十五条 命令ノ定ムル所ニ依リ事業場ノ事業主(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)従業者(機動配置ニ依リ使用セントスル者ヲ除ク)ヲ雇入レ又ハ使用セントスルトキハ厚生大臣又ハ地方長官ニ其ノ雇入又ハ使用ノ員数ニ付割当ノ申請又ハ請求ヲ為スコトヲ得
第十六条 厚生大臣又ハ地方長官ノ指定スル事業場ノ事業主(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ闕員補充ノ基準ト為ルベキ従業者ノ員数ニ関スル事項ヲ定メ厚生大臣又ハ地方長官ノ認可ヲ申請シ又ハ承認ヲ請求スルコトヲ得
厚生大臣又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ事業主ニ対シ前項ノ事項ノ変更ヲ命ジ又ハ同項ノ申請ナキ場合ト雖モ同項ノ事項ヲ定メ事業主ニ対シ之ヲ指示スルコトヲ得
第十七条 第十五条若ハ前条第一項ノ申請若ハ請求又ハ前条第二項ノ変更命令若ハ指示ハ命令ノ定ムル所ニ依リ協力関係ノアル数事業場ニ付包括シテ之ヲ為スコトヲ得
第二節 雇入及就職
第十八条 従業者ノ雇入及就職ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ヲ除クノ外之ヲ為スコトヲ得ズ
一 事業場ノ事業主第十五条ノ申請ニ基キ割当ヲ受ケタル雇入ルベキ員数ノ範囲内ニ於テ命令ノ定ムル所ニ依リ為ス雇入及就職ノ場合
二 事業場ノ事業主第十六条第一項ノ認可ヲ受ケ又ハ同条第二項ノ規定ニ依リ変更若ハ指示アリタル員数ノ範囲内ニ於テ命令ノ定ムル所ニ依リ為ス雇入及就職ノ場合
三 命令ノ定ムル所ニ依リ特定ノ者ノ雇入及就職ニ付地方長官ノ認可ヲ受ケタル場合
前項ノ規定ハ命令ヲ以テ定ムル場合並ニ国及都道府県ニ於ケル雇入及就職ニハ之ヲ適用セズ
第十九条 地方長官必要アリト認ムルトキハ勤労能力アリト認ムル者ニ対シ其ノ従事スベキ業務、場所等ヲ指定シテ就職スベキコトヲ勧奨スルコトヲ得
左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニハ就職勧奨ハ之ヲ為サズ
一 陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ(未ダ入営セザル者ヲ除ク)及召集中ノモノ(召集中ノ身分取扱ヲ受クル者ヲ含ム)
二 陸海軍学生生徒(海軍予備練習生及海軍予備補習生ヲ含ム)
三 朝鮮総督府軍務予備訓練所及台湾総督府青年特別錬成所ニ入所中ノ者
四 陸海軍軍属
五 医療関係者職業能力申告令ニ依リ申告ヲ為スベキ者
六 獣医師等職業能力申告令ニ依リ申告ヲ為スベキ者
七 船員法ノ船員、朝鮮船員令ノ船員及関東州船員令ノ船員
八 官吏、待遇官吏又ハ公吏
九 帝国議会、東京都議会、道府県会、市町村会其ノ他之ニ準ズベキモノノ議員
十 総動員業務ニ従事スル者ニシテ余人ヲ以テ代フベカラザルモノ
十一 法令ニ依リ拘禁中ノ者
十二 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第二十条 地方長官ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニシテ特別ノ事情ナクシテ就職勧奨ニ応ゼザルモノ又ハ勤労協力ヲ為サザルモノニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ指定スル事業場ニ就職スルコトヲ命ズルコトヲ得
一 事業ノ全部若ハ一部ヲ廃止若ハ休止スル事業場又ハ之ニ準ズル命令ヲ以テ定ムル事業場ノ従業者
二 地方長官ノ指定スル年齢、学歴、職歴等ニ該当スル者
三 第十条第一項ノ規定ニ依リ当該事業場ノ業務ヘノ服務ニ適スト判定セラレタル者
前項ノ規定ニ依ル事業場ノ指定ハ業種、地域等ニ依リ包括シテ之ヲ為スコトヲ得
第二十一条 前条第一項ノ規定ニ依リ指定セラレタル事業場ノ事業主ハ命令ノ定ムル所ニ依リ同項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者ヨリ就職ノ申出アリタルトキハ之ヲ雇入ルベシ
第三節 徴用
第二十二条 徴用ハ国家ノ要請ニ基キ帝国臣民ヲシテ緊要ナル総動員業務ニ従事セシムル必要アル場合ニ於テ之ヲ行フモノトス
第二十三条 徴用ハ要申告者ニ限リ之ヲ行フ但シ徴用中要申告者タラザルニ至リタル者ヲ引続キ徴用スルノ必要アル場合又ハ志願アリタル者ヲ徴用スル必要アル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
特別ノ必要アル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ要申告者以外ノ者ヲ徴用スルコトヲ得
第二十四条 徴用並ニ徴用ノ変更及解除ハ厚生大臣自ラ之ヲ行フ場合ノ外厚生大臣ノ命令ニ依リ地方長官之ヲ実施ス但シ命令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ厚生大臣ノ命令ヲ俟タズ地方長官之ヲ実施スルコトヲ得
第二十五条 地方長官徴用セラルベキ者ヲ決定シタルトキハ之ニ徴用令書ヲ交付シ徴用ニ関シ必要ナル事項ヲ指示スベシ
前項ノ徴用令書ノ交付ヲ受ケタル者ハ同項ノ指示ニ従フベシ
第二十六条 地方長官必要アリト認ムルトキハ前条第一項ノ規定ニ依リ同項ノ徴用令書ノ交付ヲ受ケタル者ニ対シ隊組織ニ依リ出動スベキコトヲ指示スルコトヲ得
第二十七条 徴用ノ取消、変更及解除ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八条 被徴用者ノ表彰、懲戒、服制其ノ他服務ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
被徴用者総動員業務ニ従事スル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ基キテ発スル命令ニ従フノ外官衙ニ使用セラルル者ニ在リテハ当該官衙ノ長ノ指揮ニ従ヒ、厚生大臣ノ指定スル者又ハ団体ニ使用セラルル者ニ在リテハ当該ノ者又ハ団体ノ長ノ指揮ニ従ヒ、其ノ他ノ事業場ニ使用セラルル者ニ在リテハ当該事業場ノ事業主ノ指揮ニ従フベシ
第二十九条 被徴用者ニ対スル給与ハ其ノ者ノ技能程度、従事スル業務及場所等ニ応ジ且従前ノ給与其ノ他之ニ準ズベキ収入ヲ斟酌シ被徴用者ヲ使用スル官衙ノ長、前条第二項ノ者若ハ団体ノ長又ハ事業場ノ事業主之ヲ支給スルモノトス
被徴用者ニ対スル給与ニ関シ必要ナル事項ハ官衙ニ使用セラルル者ニ関シテハ当該官衙ノ所管大臣厚生大臣ニ協議シテ之ヲ定メ其ノ他ノ者ニ関シテハ当該前条第二項ノ者若ハ団体ノ長又ハ当該事業場ノ事業主厚生大臣ノ認可ヲ受ケテ之ヲ定ム
第三十条 徴用令書ノ交付ヲ受ケタル者出頭スル場合、被徴用者徴用ヲ解除セラレ帰郷スル場合又ハ被徴用者若ハ其ノ家族ノ危篤若ハ死亡ノ為官衙ノ長、第二十八条第二項ノ者若ハ団体ノ長若ハ事業場ノ事業主ノ通知ニ依リ被徴用者ノ家族出頭シ若ハ官衙ノ長、第二十八条第二項ノ者若ハ団体ノ長若ハ事業場ノ事業主ノ許可ヲ得テ被徴用者一時帰郷スル場合ノ旅費ハ命令ノ定ムル所ニ依リ当該官衙ノ長、当該第二十八条第二項ノ者若ハ団体ノ長又ハ当該事業場ノ事業主之ヲ支給スルモノトス
第九条第五項ノ規定ハ徴用令書ノ交付ヲ受ケタル者出頭スル場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ニ依ル旅費及其ノ一時繰替支弁ニ関シ必要ナル事項ハ官衙ニ使用セラルル者ニ関シテハ当該官衙ノ所管大臣厚生大臣ニ協議シテ之ヲ定メ其ノ他ノ者ニ関シテハ厚生大臣之ヲ定ム
第三十一条 被徴用者徴用セラレタルニ因リ其ノ家族ト世帯ヲ異ニスルニ至リタル場合其ノ他特別ノ事情アル場合又ハ被徴用者故意若ハ重大ナル過失ニ因ルニ非ズシテ業務上傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ之ガ為徴用ヲ解除セラレタル場合ニ於テ本人又ハ家族ガ生活スルコト困難ナルトキハ命令ノ定ムルニ所ニ依リ之ニ対シ扶助ヲ為スコトヲ得
被徴用者徴用セラレ総動員業務ニ従事中故意又ハ重大ナル過失ニ因ルニ非ズシテ業務上傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ之ガ為死亡シタル場合ニ於テ遺族ガ生活スルコト困難ナルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ニ対シ扶助ヲ為スコトヲ得
前二項ノ家族又ハ遺族ノ範囲及扶助ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十二条 前条ノ規定ニ依ル扶助ガ被徴用者ニシテ第二十八条第二項ノ者若ハ団体又ハ官衙以外ノ事業場ニ使用セラレ若ハ使用セラレタル者又ハ其ノ家族若ハ遺族ニ対シ為サレタルモノナルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ当該第二十八条第二項ノ者若ハ団体ノ長又ハ当該事業場ノ事業主ヲシテ扶助ニ要シタル費用ヲ国庫ニ納入セシムルコトヲ得
第三十三条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ之ヲ徴用セズ
一 陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ(未ダ入営セザル者ヲ除ク)及召集中ノモノ(召集中ノ身分取扱ヲ受クル者ヲ含ム)
二 陸海軍学生生徒(海軍予備練習生及海軍予備補習生ヲ含ム)
三 朝鮮総督府軍務予備訓練所及台湾総督府青年特別錬成所ニ入所中ノ者
四 陸海軍軍属
五 医療関係者職業能力申告令ニ依リ申告ヲ為スベキ者
六 獣医師等職業能力申告令ニ依リ申告ヲ為スベキ者
七 船員法ノ船員、朝鮮船員令ノ船員及関東州船員令ノ船員
八 法令ニ依リ拘禁中ノ者
第三十四条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ特別ノ必要アル場合ヲ除クノ外之ヲ徴用セズ
一 余人ヲ以テ代フベカラザル職ニ在ル官吏、待遇官吏又ハ公吏
二 帝国議会、東京都議会、道府県会、市町村会其ノ他之ニ準ズベキモノノ議員
三 総動員業務ニ従事スル者ニシテ余人ヲ以テ代フベカラザルモノ
四 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第四節 勤労協力
第三十五条 勤労協力ハ国家ノ要請ニ基キ帝国臣民ヲシテ命令ヲ以テ定ムル総動員業務ニ緊急ニ従事セシムル必要アル場合ニ於テ之ヲ行フモノトス
第三十六条 地方長官必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ市町村長(市町村長ニ準ズルモノヲ含ミ東京都ノ区ノ存スル区域並ニ京都市、大阪市、名古屋市、横浜市及神戸市ニ在リテハ区長トス)其ノ他ノ団体ノ長又ハ学校長(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)ニ対シ勤労協力ニ関シ必要ナル事項ヲ指示シ勤労協力ヲ為スベキ者ノ選定、本人ニ対スル其ノ選定アリタル旨ノ通知其ノ他勤労協力ヲ為サシムル為必要ナル措置ヲ命ジ又ハ請求スルモノトス
前項ノ措置ハ敵襲其ノ他緊急事態発生ノ場合ニ於テ必要アルトキハ同項ノ規定ニ拘ラズ地方長官自ラ之ヲ為スコトヲ得
第三十七条 前条ノ規定ニ依ル通知ヲ受ケタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ勤労協力ヲ為スベシ
第三十八条 勤労協力ノ取消、変更及解除ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十九条 勤労協力ニ要スル経費ハ命令ノ定ムル所ニ依リ特別ノ事情アル場合ヲ除クノ外勤労協力ヲ受クル者之ヲ負担スルモノトス
第二十六条、第二十八条及第三十条乃至第三十二条ノ規定ハ勤労協力ヲ為サシメラレ又ハ為サシメラレタル者並ニ其ノ家族及遺族ニ関シ之ヲ準用ス
第四十条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ勤労協力ヲ為サシメザルモノトス
一 陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ(未ダ入営セザル者ヲ除ク)及召集中ノモノ(召集中ノ身分取扱ヲ受クル者ヲ含ム)
二 陸海軍学生生徒(海軍予備練習生及海軍予備補習生ヲ含ム)
三 朝鮮総督府軍務予備訓練所及台湾総督府青年特別錬成所ニ入所中ノ者
四 陸海軍軍属
五 現ニ徴用中ノ者
六 陸軍大臣若ハ海軍大臣ノ所管ニ属スル官衙又ハ厚生大臣ノ指定スル事業場ニ於テ軍事上必要ナル総動員業務ニ従事スル者
七 法令ニ依リ拘禁中ノ者
八 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第四十一条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ志願ニ依ル場合ヲ除クノ外勤労協力ヲ為サシメザルモノトス
一 現ニ厚生大臣ノ指定スル総動員業務ニ従事スル者
二 女子ニ在リテハ家庭生活ノ根軸タル者
三 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第四十二条 本節ニ規定スルモノノ外勤労常時要員トシテノ女子ノ隊組織(女子挺身隊ト称ス)又ハ勤労常時要員トシテノ女子以外ノ者ノ隊組織(国民勤労報国隊ト称ス)ニ依ル勤労協力ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四章 機動配置
第四十三条 機動配置ハ生産計画ノ変移、緊急業務ノ完遂其ノ他命令ヲ以テ定ムル場合ニ際シ国家ノ要請ニ基キ勤労常時要員タル従業員ヲ機動的ニ他ノ事業場ニ於テ行フ総動員業務ニ従事セシムル必要アル場合ニ於テ之ヲ行フモノトス
第四十四条 厚生大臣又ハ地方長官ハ命令ノ定ムル所ニ依リ従業者ヲ使用スル者又ハ団体(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)ニシテ厚生大臣又ハ地方長官ノ指定スルモノニ対シ相当員数ノ機動配置要員ノ保有其ノ他機動配置ノ準備ニ関シ必要ナル措置ヲ命ジ又ハ請求スルコトヲ得
第四十五条 厚生大臣又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ前条ノ者又ハ団体其ノ他機動配置セラルベキ従業者ヲ使用スル事業場ノ事業主(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)ニ対シ機動配置ヲ受クベキ者、機動配置セラルベキ従業者ノ従事スベキ業務ノ種類、事業場及期間並ニ所要人員数其ノ他必要ナル事項ヲ指定シテ機動配置ニ関シ必要ナル措置ヲ命ジ又ハ請求スルモノトス
第四十六条 前条ノ措置ヲ命ゼラレ又ハ請求セラレタル者、団体又ハ事業場ノ事業主(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ機動配置セラルベキ従業者ヲ選定シ其ノ選定アリタル旨ヲ本人ニ通知スルト共ニ機動配置ニ関シ必要ナル事項ヲ指示スベシ
第四十七条 厚生大臣又ハ地方長官前条ノ規定ニ基キ選定セラレタル従業者機動配置ニ適セズト認ムルトキハ之ヲ選定シタル者、団体又ハ事業場ノ事業主(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)ニ対シ其ノ選定ヲ取消スベキコトヲ命ジ又ハ請求スルコトヲ得
第四十八条 第四十六条ノ措置ハ敵襲其ノ他緊急事態発生ノ場合ニ於テ必要アルトキハ第四十五条ノ規定ニ拘ラズ地方長官自ラ之ヲ為スコトヲ得
厚生大臣必要アリト認ムルトキハ第四十四条ノ者又ハ団体其ノ他機動配置セラルベキ従業者ヲ使用スル事業場ノ事業主(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)ニ於テ第四十五条ノ命令又ハ請求ヲ俟タズ直ニ第四十六条ノ措置ヲ為スコトニ関シ必要ナル命令ヲ発スルコトヲ得
第四十九条 第四十六条又ハ前条ノ規定ニ依ル指示ヲ受ケタル従業者ハ機動配置セラレタル事業場ニ於テハ其ノ指示ニ従フノ外配置セラレタル事業場ノ事業主(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)ノ指揮ニ従ヒ従業スベシ
第五十条 機動配置ニ要スル経費ハ命令ノ定ムル所ニ依リ特別ノ事情アル場合ヲ除クノ外機動配置ヲ受クル事業場ノ事業主之ヲ負担スルモノトス
第五十一条 機動配置ノ取消、変更又ハ解除ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十二条 第九条、第十条、第十二条、第十三条及第二十六条ノ規定ハ機動配置セラルベキ従業者又ハ関係事業場ノ事業主(国ニ在リテハ当該官衙ノ長トス)若ハ其ノ所属団体ノ長ニ関シ之ヲ準用ス
第五十三条 機動配置セラルベキ従業者ニ付其ノ配置転換ノ為徴用又ハ勤労協力ヲ変更スルノ要アル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ徴用又ハ勤労協力ノ変更アリタルモノトス
第五十四条 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤労管理ニ関スル事項ニ付テハ軍需大臣)又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ事業場ノ事業主ニ対シ其ノ従業者ニ付当該事業場内ニ於テ其ノ職種又ハ職場ヲ転換スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第五十五条 地方長官必要アリト認ムルトキハ事業場ノ事業主ニ対シ従業者ヲシテ一時帰郷ノ上主要食糧ノ生産業務ニ従事セシムル為当該事業場ニ於ケル業務ニ従事スルコトヲ臨時休止其ノ他ノ必要ナル措置ヲ命ズルコトヲ得
第五十六条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ本章ノ従業者ニハ之ヲ含マザルモノトス
一 医療関係者職業能力申告令ニ依リ申告ヲ為スベキ者
二 獣医師等職業能力申告令ニ依リ申告ヲ為スベキ者
三 船員法ノ船員、朝鮮船員令ノ船員及関東州船員令ノ船員
四 官吏、待遇官吏又ハ公吏
五 帝国議会、東京都議会、道府県会、市町村会其ノ他之ニ準ズベキモノノ議員
六 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者
第五章 雑則
第五十七条 厚生大臣又ハ地方長官ハ労務供給業者ニ依ル従業者ノ使用又ハ従業ノ制限ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第五十八条 厚生大臣又ハ地方長官本令又ハ本令ニ基キテ発スル命令ニ依ル認可又ハ割当ノ申請ニ付不正若ハ虚偽ノ事実アリト認ムルトキ又ハ特ニ必要アリト認ムルトキハ認可又ハ割当ノ取消又ハ変更ヲ為スコトヲ得
第五十九条 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤労管理及給与ニ関スル事項ニ付テハ軍需大臣)又ハ地方長官ハ従業者ノ雇入、使用、解雇又ハ賃金、給料其ノ他ノ従業条件ニ付事業場ノ事業主ニ対シ監督上必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第六十条 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤労管理及給与ニ関スル事項ニ付テハ軍需大臣)又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ事業場ノ事業主、第二十八条第二項ノ者若ハ団体又ハ第四十四条ノ者若ハ団体ニ対シ第五条ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル従業者若ハ同条ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル事業主ニ使用セラルル従業者、被徴用者、就職命令ニ基キ就職シタル者、勤労協力ヲ為ス者又ハ機動配置セラレタル従業者ノ使用又ハ賃金、給料、防護施設其ノ他ノ従業条件ニ付必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
被徴用者、就職命令ニ基キ就職シタル者、勤労協力ヲ為ス者又ハ機動配置セラレタル従業者ガ業務上負傷シ、疾病ニ罹リ又ハ死亡シタル場合ニ於テ事業場ノ事業主ノ為ス本人又ハ其ノ遺族ニ対スル扶助ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十一条 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤労管理及給与ニ関スル事項ニ付テハ軍需大臣)、地方長官又ハ国民勤労動員署長本令ノ施行ニ関シ必要アリト認ムルトキハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ関係者ヨリ報告ヲ徴スルコトヲ得
第六十二条 第七条第一項及第二項、第十三条第二項(第五十二条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第十六条第二項、第二十一条、第五十四条、第五十五条、第五十七条、前三条及第六十三条ノ規定ハ国及都道府県ニハ之ヲ適用セズ
第五条ノ規定ハ国及都道府県ノ事業ニハ之ヲ適用セズ
地方長官ハ国又ハ都道府県ニ於テ為ス従業者ノ雇入、使用若ハ解雇又ハ従業者ノ賃金、給料其ノ他ノ従業条件ニ関シ従業者ヲ使用スル官衙又ハ都道府県ヨリ通報ヲ求ムルコトヲ得
第六十三条 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤労管理及給与ニ関スル事項ニ付テハ軍需大臣)、地方長官又ハ国民勤労動員署長本令ノ施行ニ関シ必要アリト認ムルトキハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ当該官吏ヲシテ関係事業場ニ臨検シ業務ノ状況又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ当該官吏ヲシテ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第六十四条 地方長官ハ国民勤労動員署長ヲシテ本令ノ施行ニ関スル其ノ事務ノ一部ヲ分掌セシメ又ハ市町村長(東京都ノ区ノ存スル区域、京都市、大阪市、名古屋市、横浜市及神戸市ニ在リテハ区長)若ハ之ニ準ズベキモノヲシテ本令ノ施行ニ関スル其ノ事務ノ一部ヲ補助セシムルコトヲ得
市町村長(東京都ノ区ノ存スル区域、京都市、大阪市、名古屋市、横浜市及神戸市ニ在リテハ区長)又ハ之ニ準ズベキモノノ前項ノ規定ニ依リ本令ノ施行ニ関スル事務ヲ執行スル為要スル費用ハ市町村(東京都ノ区ノ存スル区域ニ在リテハ東京都)又ハ之ニ準ズベキモノニ於テ一時繰替支弁スベシ
前項ノ費用及其ノ一時繰替支弁ニ関シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム
第六十五条 厚生大臣必要アリト認ムルトキハ地方行政協議会ヲ附置セラレタル都庁府県ノ長官ニ本令ニ依ル其ノ職権ノ一部ヲ行ハシムルコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ国民勤労動員署長又ハ市町村長(東京都ノ区ノ存スル区域、京都市、大阪市、名古屋市、横浜市及神戸市ニ在リテハ区長)若ハ之ニ準ズベキモノヲシテ本令ニ依ル其ノ職権ノ一部ヲ行ハシムルコトヲ得
第六十六条 厚生大臣(前条第一項ノ規定ニ依リ厚生大臣ノ職権ヲ行フ長官ヲ含ム)又ハ地方長官ハ本令ノ施行ニ関スル重要事項ニ付国民勤労動員委員会ノ議ヲ経ベキモノトス
国民勤労動員委員会ニ関シ必要ナル事項ハ別ニ之ヲ定ム
第六十七条 前条ノ規定ハ朝鮮、台湾及南洋群島ニハ之ヲ適用セズ
本令中厚生大臣トアリ又ハ軍需大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トシ当該官衙ノ所管大臣トアルハ当該官衙ノ所管大臣ガ陸軍大臣又ハ海軍大臣タル場合ヲ除クノ外朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トシ地方長官トアルハ朝鮮ニ在リテハ道知事、台湾ニ在リテハ州知事又ハ庁長、南洋群島ニ在リテハ南洋庁支庁長トシ国民勤労動員署長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹、郡守又ハ島司、台湾ニ在リテハ市長又ハ郡守(澎湖庁ニ在リテハ庁長)、南洋庁ニ在リテハ南洋庁支庁長トシ都道府県トアルハ朝鮮ニ在リテハ道、台湾ニ在リテハ州又ハ庁、南洋群島ニ在リテハ南洋群島地方費トシ庁府県トアルハ朝鮮ニ在リテハ道又ハ府群島、台湾ニ在リテハ州若ハ庁又ハ郡若ハ市、南洋群島ニ在リテハ南洋庁トス
第三十六条第一項、第六十四条第一項及第二項並ニ第六十五条第二項中市町村長トアルハ京城府ニ在リテハ区長トス
第六十八条 内地、朝鮮、台湾若ハ南洋群島ノ二以上ノ地域ニ係ル徴用、勤労協力若ハ機動配置又ハ内地、朝鮮、台湾若ハ南洋群島ノ二以上ノ地域ニ係リ徴用セラレ若ハ勤労協力ヲ為サシメラレタル者ノ機動配置ニ関シ必要ナル事項ハ関係地域ニ応ジ厚生大臣、朝鮮総督、台湾総督又ハ南洋庁長官協議シテ之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和二十年三月十日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、台湾及南洋群島ニ在リテハ同年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令中国民労務手帳法施行令ノ改正ニ関スル部分ハ南洋群島労務手帳令ノ適用ニ付テハ昭和二十年三月三十日迄施行セラレザルモノト看做ス
学校卒業者使用制限令、国民徴用令、労務調整令、国民勤労報国協力令及女子挺身勤労令ハ之ヲ廃止ス但シ本令施行前ニ為シタル行為ニ関スル罰則ノ適用、本令施行前ニ国民徴用令第十九条第一項ノ規定ニ依リテ支給シタル旅費ノ額又ハ同令第十九条ノ三ノ規定ニ依リテ為シタル扶助ニ要シタル費用ノ国庫納入ニ関スル規定ノ適用ニ付テハ本令施行後ト雖モ仍其ノ効力ヲ有ス
学校卒業者使用制限令、国民徴用令及労務調整令ハ関東州学校卒業者使用制限令、関東州国民徴用令及関東州労務調整令ニ於テ依ル範囲内ニ於テハ前項本文ノ規定ニ拘ラズ仍其ノ効力ヲ有スルモノトス
本令施行ノ際現ニ実施中ノ国民徴用令ニ依ル徴用又ハ国民勤労報国協力令若ハ女子挺身勤労令ニ依ル協力ハ之ヲ本令ニ依ル徴用又ハ勤労協力ト看做ス此ノ場合ニ於ケル徴用又ハ勤労協力ノ期間ハ従前ノ通トス
本令施行前国民徴用令第三条第二項、第五条、第十六条ノ四、第十六条ノ五第二項、第十九条ノ二若ハ第十九条ノ三ノ規定ニ基キテ発シ若ハ為シタル命令、同令第十八条第二項、第十九条第六項若ハ第二十三条第三項ノ規定ニ基キテ為シタル定、労務調整令第二条第一項若ハ第八条ノ二ノ規定ニ基キテ為シタル指定、国民勤労報国協力令第六条ノ規定ニ基キテ為シタル命令、同令第十条第六号若ハ第十一条第二号ノ規定ニ基キテ為シタル指定、女子挺身勤労令第六条若ハ第十三条ノ規定ニ基キテ為シタル命令又ハ同令第十四条第二号若ハ第十五条第三号ノ規定ニ基キテ為シタル指定ハ之ヲ本令中ノ相当規定ニ基キテ発シ若ハ為シタル命令、定又ハ指定ト看做ス
前項ニ定ムルモノノ外本令施行ノ際現ニ進行中ノ国民徴用令ニ依ル徴用又ハ国民勤労報国協力令若ハ女子挺身勤労令ニ依ル協力ニ関スル手続ハ厚生大臣ニ於テ別段ノ定ヲ為シタル場合ヲ除クノ外本令又ハ本令ニ基キテ発スル命令中ノ相当規定ニ依リテ為シタル手続ト看做ス
本令施行前学校卒業者使用制限令第二条又ハ労務調整令第七条第二号若ハ第十九条第二項第三号ノ規定ニ依リテ為シタル認可ハ第十五条ノ申請ニ基キテ為シタル割当ト看做ス
本令施行前労務調整令第四条、第七条第三号又ハ第十九条第二項第四号ノ規定ニ依リテ為シタル認可ハ第十八条第一項第三号ノ規定ニ依リテ為シタル認可ト看做ス
本令施行前ニ為シタル学校卒業者使用制限令第二条ノ規定ニ依ル認可及労務調整令又ハ同令ニ基キテ発スル命令ニ依ル認可並ニ其ノ申請ハ第五十八条ノ規定ノ適用ニ付本令中ノ相当規定ニ依ル認可及割当並ニ其ノ申請ト看做ス
厚生部内臨時職員設置制中左ノ通改正ス
第五条中第六号ヲ左ノ如ク改メ第八号及第十号ヲ削リ第九号ヲ第八号トシ第十一号ヲ第九号トシ第十二号ヲ第十号トス
六 国民勤労動員令施行ニ関スル事務
事務官 専任一人
技師 専任二人
技手
専任十一人
警視庁官制中左ノ通改正ス
第三条中「国民徴用令、労務調整令及国民勤労報国協力令」ヲ「国民勤労動員令」ニ改ム
第十二条勤労部ノ部中第十七号及第十八号ヲ左ノ如ク改メ第十九号及第二十号ヲ削ル
十七 国民勤労動員令施行ニ関スル事項
十八 前号ニ掲グルモノノ外国民勤労動員ニ関スル事項
第三十五条第二項中「労務調整、国民勤労報国協力、国民徴用其ノ他」ヲ削ル
北海道庁官制中左ノ通改正ス
第十二条第六項中第二十三号及第二十四号ヲ左ノ如ク改メ第二十五号及第二十六号ヲ削ル
二十三 国民勤労動員令施行ニ関スル事項
二十四 前号ニ掲グルモノノ外国民勤労動員ニ関スル事項
第三十八条第二項中「労務調整、国民勤労報国協力、国民徴用其ノ他」ヲ削ル
樺太庁官制中左ノ通改正ス
第十三条中第九号及第十号ヲ左ノ如ク改メ第十一号ヲ削リ第十二号ヲ第十一号トシ以下順次繰上グ
九 国民勤労動員令施行ニ関スル事項
十 前号ニ掲グルモノノ外国民勤労動員ニ関スル事項
第四十一条第二項中「労務調整、国民勤労報国協力、国民徴用其ノ他」ヲ削ル
地方官官制中左ノ通改正ス
第十五条中第二十三号及第二十四号ヲ左ノ如ク改メ第二十五号又第二十六号ヲ削ル
二十三 国民勤労動員令施行ニ関スル事項
二十四 前号ニ掲グルモノノ外国民勤労動員ニ関スル事項
第十五条ノ二第一項勤労部ノ部中「第二十六号」ヲ「第二十四号」ニ改ム
第四十八条ノ三第二項中「労務調整、国民勤労報国協力、国民徴用其ノ他」ヲ削ル
国民労務手帳法施行令中左ノ通改正ス
「国民職業指導所長」ヲ「国民勤労動員署長」ニ改ム
第二条第十五号中「労働者年金保険法」ヲ「厚生年金保険法」ニ改ム
第四条中第二号ヲ第三号トシ第一号ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
二 国家総動員法第五条ノ規定ニ基キ協力ヲ為サシメラレ使用セラルル者
第六条中「(同条第一号ニ該当スル者ニ在リテハ徴用ニ依ル使用者)」ヲ「(同条第一号又ハ第二号ニ該当スル者ニ在リテハ徴用又ハ協力ニ依ル使用者)」ニ改ム
第七条第二項中第二号ヲ第三号トシ第三号ヲ第四号トシ第一号ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
二 国家総動員法第五条ノ規定ニ基キ勤労常時要員トシテ協力ヲ為サシメラレタルトキ
同条第三項中「徴用」ヲ「徴用若ハ協力」ニ、「第三号」ヲ「第四号」ニ改ム
同条第四項中「第一号」ヲ「第一号若ハ第二号」ニ改ム
同条第五項中「第二号」ヲ「第三号」ニ改ム
第八条第一項第一号ヲ左ノ如ク改ム
一 国民勤労動員令第三条第一項若ハ第四条第一項ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケ退職シ若ハ業務従事ヲ罷ムルトキ又ハ同令第十八条第一項第三号ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケ就職スルトキ
厚生省関係許可認可等戦時特例中左ノ通改正ス
第二条本文中「認可、届出及協議」ヲ「認可及届出」ニ改ム
同条第七号ヲ左ノ如ク改ム
七 削除
第五条本文中「第六号乃至第九号及第十一号乃至第十四号」ヲ「第八号、第九号及第十三号」ニ改ム
同条第十一号及第十二号ヲ左ノ如ク改ム
十一及び十二 削除