朕國民勞務手帳法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年六月十三日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
厚生大臣 金光庸夫
勅令第七百四號
國民勞務手帳法施行令
第一條 從業者タラントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ就業スベキ地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ國民勞務手帳ノ交付ヲ申請スベシ
第二條 國民勞務手帳ニ記載スベキ事項左ノ如シ
一 氏名
二 出生ノ年月日
三 本籍
四 居住ノ場所
五 兵役關係
六 學歷
七 職業ノ經歷
八 從事スル職業名
九 就業ノ場所(二以上ノ就業ノ場所ヲ有スル者ニ在リテハ主タル就業ノ場所)
十 給料又ハ賃金ノ額
十一 國民職業能力申吿令(以下申吿令ト稱ス)第二條第一號ノ職業ニ從事シ又ハ從事シタル者ニ在リテハ同令ニ基ク技能程度
十二 申吿令第二條第四號ニ該當スル者ニ在リテハ其ノ修了シタル課程ニ關スル事項
十三 申吿令第二條第五號ニ該當スル者ニ在リテハ其ノ受ケタル檢定、試驗又ハ免許ニ關スル事項
十四 勞働者年金保險法ニ依ル被保險者ニ在リテハ被保險者資格ノ得喪及標準報酬等級
十五 其ノ他國民勞務手帳法(以下手帳法ト稱ス)ニ基キテ發スル命令ヲ以テ定ムル事項
第三條 從業者使用者ノ同意ヲ得テ同時ニ他ノ使用者ニ從事者トシテ使用セラルル場合ニ於テハ國民勞務手帳ヲ使用者ニ提示スルヲ以テ足ル
第四條 手帳法第三條第一項及第二項ノ規定ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ付テハ之ヲ適用セズ
一 國家總動員法第四條ノ規定ニ基キ徵用セラレ使用セラルル者
二 其ノ他命令ヲ以テ定ムル者
第五條 手帳法第三條第一項本文ノ規定ニ依リ提出スル國民勞務手帳ニハ從前ノ使用者アリタル場合ニ於テハ其ノ使用者ノ使用セザルニ至リタル旨ノ第十五條ノ規定ニ依ル記載、同法第三條第一項但書ノ規定ニ依リ提示スル國民勞務手帳ニハ同時ニ他ノ使用者ニ從業者トシテ使用セラルルモ異議ナキ旨ノ第七條第五項ノ規定ニ依ル記載アルコトヲ要ス
第六條 從事者ニシテ官吏若ハ待遇官吏タルモノ又ハ第四條各號ノ一ニ該當スルモノハ遲滯ナク國民勞務手帳ヲ使用者(同條第一號ニ該當スル者ニ在リテハ徵用ニ依ル使用者)ニ提出スベシ
第七條 使用者ハ第二項ノ規定ニ依リ國民勞務手帳ヲ從業者ニ一時返付スル場合ヲ除クノ外其ノ者ヲ使用スル期間中國民勞務手帳ヲ保管スベシ
使用者從業者ヲ使用スル期間中ニ於テ從業者左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ國民勞務手帳ヲ其ノ者ニ一時返付スベシ
一 國家總動員法第四條ノ規定ニ基キ徵用セラレタルトキ
二 使用者ノ同意ヲ得テ同時ニ他ノ使用者ニ從業者トシテ使用セラレントスルトキ
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル事由アルトキ
國民勞務手帳ノ一時返付ヲ受ケタル從業者徵用ヲ解除セラレ、第三條ノ規定ニ依ル國民勞務手帳ノ提示ヲ了リ又ハ前項第三號ノ事由ナキニ至リタルトキハ遲滯ナク國民勞務手帳ヲ使用者ニ提出スベシ
使用者第二項第一號ニ該當スル事由ニ因リ國民勞務手帳ヲ從業者ニ一時返付セントスルトキ又ハ同項同號ニ該當スル事由ニ因リ一時返付シタル國民勞務手帳ノ提出ヲ受ケタルトキハ其ノ旨當該國民勞務手帳ニ記載スベシ
使用者第二項第二號ニ該當スル事由ニ因リ國民勞務手帳ヲ從業者ニ一時返付セントスルトキハ其ノ者ガ同時ニ他ノ使用者ニ從業者トシテ使用セラルルモ異議ナキ旨當該國民勞務手帳ニ記載スベシ
第八條 厚生大臣ノ指定スル事業ニ使用セラルル從業者ニシテ厚生大臣ノ指定スルモノ自己ノ都合ニ依リ退職シタルトキ又ハ正當ノ理由ナクシテ無斷缺勤引續キ十四日以上ニ及ビタルニ因リ解雇セラレタルトキハ使用者ハ其ノ保管スル國民勞務手帳ヲ返還セザルコトヲ得但シ從業者左ノ各號ノ一ニ該當スルトキ又ハ使用者從業者ノ退職ヲ承諾シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 從業者移動防止令第五條ノ規定ニ依リ當該從業者ノ雇入ノ認可ヲ受ケタル者ニ雇入レラルルトキ
二 就業規則又ハ之ニ準ズベキモノニ依リ定ムル停年ニ達シタルトキ
三 陸海軍ニ徵集若ハ召集セラレ又ハ志願ニ依リ陸海軍部隊ニ編入セラレタルトキ
四 國家總動員法第四條ノ規定ニ基キ徵用セラレタルトキ
五 負傷、疾病又ハ老衰ノ爲業務ニ堪ヘザルトキ
六 其ノ他退職ニ付已ムヲ得ザル事由アルトキ
前項第五號又ハ第六號ノ事由ハ手帳法第六條ノ規定ニ依ル國民職業指導所長ノ裁定アリタルトキハ其ノ裁定シタル所ニ依リ同法第七條ノ規定ニ依ル地方長官ノ裁定アリタルトキハ其ノ裁定シタル所ニ依ル
使用者第一項ノ規定ニ依リ國民勞務手帳ヲ返還セザルトキハ從業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ十四日以內ニ命令ノ定ムル樣式ニ依リ其ノ者ノ從前ノ就業地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ其ノ旨報吿スベシ報吿ヲ爲シタル後國民勞務手帳ヲ返還シタルトキ亦同ジ
使用者第一項ノ規定ニ依リ國民勞務手帳ヲ返還セザルトキハ從業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ三月間之ヲ保管シ其ノ期間經過シタルトキハ前項ノ規定ニ依リ報吿ヲ爲シタル國民職業指導所長ニ之ヲ提出スベシ
第九條 國民職業指導所長前條第四項ノ規定ニ依リ國民勞務手帳ノ提出ヲ受ケタルトキハ從業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ一年間之ヲ保管シ其ノ期間經過シタルトキハ從業者タリシ者ニ之ヲ交付スベシ但シ從業者タリシ者所在不明其ノ他ノ事由ニ因リ交付スルコト能ハザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十條 手帳法第六條第一項ノ申立ハ從業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ十四日以內ニ從業者タリシ者ノ從前ノ就業地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ、同法第七條第一項ノ申立ハ第三項ノ規定ニ依ル裁定書ノ交付又ハ裁定ノ要旨ノ通知アリタル日ヨリ十四日以內ニ從業者タリシ者ノ從前ノ就業地ヲ管轄スル地方長官ニ之ヲ爲スベシ
地方長官又ハ國民職業指導所長ニ於テ宥恕スベキ事由アリト認ムルトキハ前項ノ期限經過後ニ於テモ仍申立ヲ受理スルコトヲ得
手帳法第六條第二項及第七條第二項ノ裁定ハ理由ヲ附シ文書ヲ以テ之ヲ爲シ本人ニ交付シ併セテ其ノ要旨ヲ關係人ニ通知スベシ
第十一條 使用者ハ從業者タリシ者所在不明其ノ他ノ事由ニ因リ其ノ者ニ國民勞務手帳ヲ返還スルコト能ハザルトキハ事由ヲ具シ從業者タリシ者ノ從前ノ就業地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ之ヲ提出スベシ
第十二條 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テ地方長官又ハ國民職業指導所長必要アリト認ムルトキハ使用者又ハ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ニ對シ國民勞務手帳ノ提出ヲ命ズルコトヲ得
一 使用者手帳法第六條第二項又ハ第七條第二項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ國民勞務手帳ヲ返還セザルトキ
二 國民勞務手帳ニ手帳法ニ基キテ發スル命令ヲ以テ定ムル事項以外ノ事項ノ記載アルトキ
三 國民勞務手帳ヲ檢閱セントスルトキ
第十三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テ地方長官又ハ國民職業指導所長必要アリト認ムルトキハ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ニ對シ國民勞務手帳ノ返納ヲ命ズルコトヲ得
一 詐僞其ノ他ノ不正行爲ヲ以テ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタルトキ
二 重ネテ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタルトキ
三 自己ノ國民勞務手帳ヲ他人ヲシテ行使セシメタルトキ
四 其ノ他命令ヲ以テ定ムル事由アルトキ
第十四條 使用者從業者ノ使用ヲ開始シタルトキハ左ニ揭グル事項ヲ國民勞務手帳ニ記載シ使用者從業者共同シテ十四日以內ニ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ從業者ノ就業地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ其ノ旨報吿スベシ
一 使用開始ノ旨
二 從業者ノ從事スル職業名及申吿令ニ基ク技能程度
三 從業者ノ就業スル場所
第十五條 使用者從業者ヲ使用セザルニ至リタルトキハ其ノ旨國民勞務手帳ニ記載シ十四日以內ニ命令ノ定ムル樣式ニ依リ從業者タリシ者ノ從前ノ就業地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ報吿スベシ
第十六條 使用者ハ從業者ニ關シ第二條第一號、第三號乃至第六號、第八號、第九號、第十一號乃至第十三號又ハ第十五號ニ揭グル事項ニ變更アリタルトキハ其ノ旨國民勞務手帳ニ記載シ使用者從業者共同シテ十四日以內ニ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ從業者ノ就業地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ報吿スベシ
使用者ハ從業者ニ關シ第二條第十四號ニ揭グル事項ニ變更アリタルトキハ十四日以內ニ其ノ旨國民勞務手帳ニ記載スベシ
第十七條 前三條中報吿ニ關スル規定ハ使用者ガ國民勞務手帳ニ代ル證明書ヲ提出シタル從業者ヲ使用スル場合ニ於テハ之ヲ適用セズ
第十八條 使用者ハ從業者ニ對シ支給スル給料又ハ賃金ニ付左ニ揭グル事項ヲ第一號ニ揭グル事項ニ付テハ給料又ハ賃金ヲ支給シタル日ヨリ十四日以內ニ、第二號ニ揭グル事項ニ付テハ從業者ヲ使用セザルニ至リタルトキ國民勞務手帳ニ記載スベシ
一 使用開始ノ際ノ給料月額又ハ其ノ直後ノ一賃金締切期間ノ平均賃金日額
二 使用セザルニ至リタル際ノ給料月額又ハ其ノ直前ノ一賃金締切期間ノ平均賃金日額
第十九條 前條ノ給料又ハ賃金ノ範圍及算定方法ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十條 國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者從業者タラザル場合ニ於テ第二條第一號、第三號乃至第六號、第八號、第九號、第十一號乃至第十三號又ハ第十五號ニ揭グル事項ニ變更アリタルトキハ其ノ旨國民勞務手帳ニ記載シ十四日以內ニ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ其ノ就業地(職業ニ從事セザル者ニ在リテハ居住地)ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ報吿スベシ
前項ノ報吿ハ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ノ從前ノ使用者又ハ國民職業指導所長ニ於テ國民勞務手帳ヲ保管スル場合ニハ命令ノ定ムル樣式ニ依リ之ヲ爲スベシ
第一項ノ規定ハ國民勞務手帳ニ代ル證明書ノ交付ヲ受ケタル後國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケズシテ從業者タラザルニ至リタル者ニハ之ヲ適用セズ
第二十一條 國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ニシテ申吿令ニ依リ申吿シ居ル要申吿者タルモノ(同令第二條第六號ニ該當スル者ヲ除ク)同令第十一條ノ規定ニ該當スルニ至リタルトキハ其ノ者ガ從業者タル場合ニ在リテハ使用者從業者共同シテ、從業者タラザル場合ニ在リテハ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者國民勞務手帳ニ其ノ旨記載シ十四日以內ニ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ國民職業指導所長ニ報吿スベシ報吿ヲ爲シタル後ニ於テ申吿令第十一條ノ規定ニ該當セザルニ至リタルトキ亦同ジ
前項前段ノ報吿ハ申吿令ニ依リ前ニ申吿ヲ爲シタル國民職業指導所長ニ、同項後段ノ報吿ハ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ノ就業地(職業ニ從事セザル者ニ在リテハ居住地)ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ之ヲ爲スベシ
前條第二項ノ規定ハ第一項ノ報吿ニ之ヲ準用ス
第二十二條 國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者死亡シタルトキハ死亡ノ際其ノ者ガ從業者タリシ場合ニ在リテハ使用者、從業者タラザリシ場合ニ在リテハ其ノ者ト同居ノ戶主又ハ家族ノ關係ニ在リタル者國民勞務手帳ニ其ノ旨記載シ十四日以內ニ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ノ從前ノ就業地(職業ニ從事セザリシ者ナル場合ニ在リテハ從前ノ居住地)ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ報吿スベシ
第二十條第二項ノ規定ハ前項ノ報吿ニ之ヲ準用ス
第二十三條 國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノニ關スル第十四條、第十六條第一項、第二十條及第二十一條ノ規定ニ依ル報吿ハ同條ノ規定ニ拘ラズ其ノ者ガ左ノ各號ノ一ニ該當セザルニ至リタル日ヨリ十四日以內ニ之ヲ爲スヲ妨ゲズ
一 陸海軍ニ徵集若ハ召集セラレ又ハ志願ニ依リ陸海軍部隊ニ編入セラレタル者
二 手帳法施行地外ニ旅行中ノ者
三 法令ニ因リ拘禁中ノ者
四 負傷、疾病其ノ他ノ事由ニ因リ報吿ヲ爲スコト能ハザルノ狀況ニ在ル者
第十五條、第十六條第二項及第十八條ノ規定ニ依ル記載ハ使用者第七條第二項ノ規定ニ依リ國民勞務手帳ヲ一時返付シタル場合ニ於テハ同條第三項ノ規定ニ依リ國民勞務手帳ノ提出ヲ受ケタル日ヨリ十四日以內ニ之ヲ爲スヲ妨ゲズ
第二十四條 國民勞務手帳ノ再交付ヲ受ケントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ就業地(職業ニ從事セザル者ニ在リテハ居住地)ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ之ヲ申請スベシ
國民勞務手帳ノ再交付ヲ受ケントスル者從業者タルトキハ前項ノ申請ハ其ノ使用者ヲ經由シテ之ヲ爲スベシ
第二十五條 第十四條乃至第十六條、第十八條、第二十一條、第二十二條及前條第二項ノ規定ハ國民勞務手帳ヲ提示シタル從業者ヲ使用スル使用者ノ使用關係ニ關シテハ之ヲ適用セズ
第十六條、第十八條、第二十一條、第二十二條及前條第二項ノ規定ハ從業者國家總動員法第四條ノ規定ニ基キ徵用セラレ使用セラルル者ナルトキハ徵用前ノ使用者ノ使用關係ニ關シテハ之ヲ適用セズ
第二十六條 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テ國民職業指導所長必要アリト認ムルトキハ國民勞務手帳ニ代ル證明書ヲ交付スルコトヲ得
一 國民勞務手帳ノ交付又ハ再交付ノ申請アリタルトキ
二 使用者從業者ヲ使用セザルニ至リタル場合ニ於テ國民勞務手帳ヲ返還セザルトキ
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル事由アルトキ
國民勞務手帳ニ代ル證明書ニ記載スベキ事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七條 二以上ノ就業ノ場所ヲ有スル者ニ付テハ其ノ者ガ從業者タルトキハ國民勞務手帳ヲ保管スル使用者ニ使用セラレ就業スル場所ノ所在地ヲ以テ、從業者タラザルトキハ主タル就業ノ場所ノ所在地ヲ以テ本令ノ就業地ト看做シ就業ノ場所一定セザル者及船舶內ニ於テ就業スルノ常況ニ在ル者ニ付テハ居住地ヲ以テ本令ノ就業地ト看做ス
附 則
本令中第二條第十四號及第十六條第二項ノ規定ハ勞働者年金保險法中被保險者資格ノ得喪及標準報酬等級ニ關スル部分施行ノ日ヨリ、其ノ他ノ規定ハ昭和十六年十月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ手帳法第二條ノ規定實施ノ爲ニ豫メ必要ナル範圍內ニ於テハ同年七月二十一日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十六年九月三十日迄ニ從業者タルニ至リタル者ニシテ引續キ同年十月一日以後從業者タラントスルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ使用者(使用者二以上アルトキハ主タル使用者)ヲ經由シ就業地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ國民勞務手帳ノ交付ヲ申請スベシ
前項ノ申請ニ基キ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者其ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ昭和十六年九月三十日迄ニ第二條第一號、第三號乃至第九號又ハ第十一號乃至第十三號ニ揭グル事項ニ變更アリタルトキハ其ノ旨國民勞務手帳ニ記載シ同年十月十四日迄ニ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ前項ノ申請ヲ爲シタル國民職業指導所長ニ報吿スベシ但シ申吿令ニ依リ申吿シ居ル要申吿者タル者(同令第二條第六號ニ該當スル者ヲ除ク)ニ付當該變更ニ關シ同令第四條第二項又ハ第六條ノ規定ニ依ル申吿アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ報吿ハ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ガ從業者タル場合ニ在リテハ國民勞務手帳ヲ保管スル使用者ヲ經由シテ之ヲ爲スベシ
朕国民労務手帳法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年六月十三日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
厚生大臣 金光庸夫
勅令第七百四号
国民労務手帳法施行令
第一条 従業者タラントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ就業スベキ地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ国民労務手帳ノ交付ヲ申請スベシ
第二条 国民労務手帳ニ記載スベキ事項左ノ如シ
一 氏名
二 出生ノ年月日
三 本籍
四 居住ノ場所
五 兵役関係
六 学歴
七 職業ノ経歴
八 従事スル職業名
九 就業ノ場所(二以上ノ就業ノ場所ヲ有スル者ニ在リテハ主タル就業ノ場所)
十 給料又ハ賃金ノ額
十一 国民職業能力申告令(以下申告令ト称ス)第二条第一号ノ職業ニ従事シ又ハ従事シタル者ニ在リテハ同令ニ基ク技能程度
十二 申告令第二条第四号ニ該当スル者ニ在リテハ其ノ修了シタル課程ニ関スル事項
十三 申告令第二条第五号ニ該当スル者ニ在リテハ其ノ受ケタル検定、試験又ハ免許ニ関スル事項
十四 労働者年金保険法ニ依ル被保険者ニ在リテハ被保険者資格ノ得喪及標準報酬等級
十五 其ノ他国民労務手帳法(以下手帳法ト称ス)ニ基キテ発スル命令ヲ以テ定ムル事項
第三条 従業者使用者ノ同意ヲ得テ同時ニ他ノ使用者ニ従事者トシテ使用セラルル場合ニ於テハ国民労務手帳ヲ使用者ニ提示スルヲ以テ足ル
第四条 手帳法第三条第一項及第二項ノ規定ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニ付テハ之ヲ適用セズ
一 国家総動員法第四条ノ規定ニ基キ徴用セラレ使用セラルル者
二 其ノ他命令ヲ以テ定ムル者
第五条 手帳法第三条第一項本文ノ規定ニ依リ提出スル国民労務手帳ニハ従前ノ使用者アリタル場合ニ於テハ其ノ使用者ノ使用セザルニ至リタル旨ノ第十五条ノ規定ニ依ル記載、同法第三条第一項但書ノ規定ニ依リ提示スル国民労務手帳ニハ同時ニ他ノ使用者ニ従業者トシテ使用セラルルモ異議ナキ旨ノ第七条第五項ノ規定ニ依ル記載アルコトヲ要ス
第六条 従事者ニシテ官吏若ハ待遇官吏タルモノ又ハ第四条各号ノ一ニ該当スルモノハ遅滞ナク国民労務手帳ヲ使用者(同条第一号ニ該当スル者ニ在リテハ徴用ニ依ル使用者)ニ提出スベシ
第七条 使用者ハ第二項ノ規定ニ依リ国民労務手帳ヲ従業者ニ一時返付スル場合ヲ除クノ外其ノ者ヲ使用スル期間中国民労務手帳ヲ保管スベシ
使用者従業者ヲ使用スル期間中ニ於テ従業者左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ国民労務手帳ヲ其ノ者ニ一時返付スベシ
一 国家総動員法第四条ノ規定ニ基キ徴用セラレタルトキ
二 使用者ノ同意ヲ得テ同時ニ他ノ使用者ニ従業者トシテ使用セラレントスルトキ
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル事由アルトキ
国民労務手帳ノ一時返付ヲ受ケタル従業者徴用ヲ解除セラレ、第三条ノ規定ニ依ル国民労務手帳ノ提示ヲ了リ又ハ前項第三号ノ事由ナキニ至リタルトキハ遅滞ナク国民労務手帳ヲ使用者ニ提出スベシ
使用者第二項第一号ニ該当スル事由ニ因リ国民労務手帳ヲ従業者ニ一時返付セントスルトキ又ハ同項同号ニ該当スル事由ニ因リ一時返付シタル国民労務手帳ノ提出ヲ受ケタルトキハ其ノ旨当該国民労務手帳ニ記載スベシ
使用者第二項第二号ニ該当スル事由ニ因リ国民労務手帳ヲ従業者ニ一時返付セントスルトキハ其ノ者ガ同時ニ他ノ使用者ニ従業者トシテ使用セラルルモ異議ナキ旨当該国民労務手帳ニ記載スベシ
第八条 厚生大臣ノ指定スル事業ニ使用セラルル従業者ニシテ厚生大臣ノ指定スルモノ自己ノ都合ニ依リ退職シタルトキ又ハ正当ノ理由ナクシテ無断欠勤引続キ十四日以上ニ及ビタルニ因リ解雇セラレタルトキハ使用者ハ其ノ保管スル国民労務手帳ヲ返還セザルコトヲ得但シ従業者左ノ各号ノ一ニ該当スルトキ又ハ使用者従業者ノ退職ヲ承諾シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 従業者移動防止令第五条ノ規定ニ依リ当該従業者ノ雇入ノ認可ヲ受ケタル者ニ雇入レラルルトキ
二 就業規則又ハ之ニ準ズベキモノニ依リ定ムル停年ニ達シタルトキ
三 陸海軍ニ徴集若ハ召集セラレ又ハ志願ニ依リ陸海軍部隊ニ編入セラレタルトキ
四 国家総動員法第四条ノ規定ニ基キ徴用セラレタルトキ
五 負傷、疾病又ハ老衰ノ為業務ニ堪ヘザルトキ
六 其ノ他退職ニ付已ムヲ得ザル事由アルトキ
前項第五号又ハ第六号ノ事由ハ手帳法第六条ノ規定ニ依ル国民職業指導所長ノ裁定アリタルトキハ其ノ裁定シタル所ニ依リ同法第七条ノ規定ニ依ル地方長官ノ裁定アリタルトキハ其ノ裁定シタル所ニ依ル
使用者第一項ノ規定ニ依リ国民労務手帳ヲ返還セザルトキハ従業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ十四日以内ニ命令ノ定ムル様式ニ依リ其ノ者ノ従前ノ就業地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ其ノ旨報告スベシ報告ヲ為シタル後国民労務手帳ヲ返還シタルトキ亦同ジ
使用者第一項ノ規定ニ依リ国民労務手帳ヲ返還セザルトキハ従業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ三月間之ヲ保管シ其ノ期間経過シタルトキハ前項ノ規定ニ依リ報告ヲ為シタル国民職業指導所長ニ之ヲ提出スベシ
第九条 国民職業指導所長前条第四項ノ規定ニ依リ国民労務手帳ノ提出ヲ受ケタルトキハ従業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ一年間之ヲ保管シ其ノ期間経過シタルトキハ従業者タリシ者ニ之ヲ交付スベシ但シ従業者タリシ者所在不明其ノ他ノ事由ニ因リ交付スルコト能ハザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十条 手帳法第六条第一項ノ申立ハ従業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ十四日以内ニ従業者タリシ者ノ従前ノ就業地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ、同法第七条第一項ノ申立ハ第三項ノ規定ニ依ル裁定書ノ交付又ハ裁定ノ要旨ノ通知アリタル日ヨリ十四日以内ニ従業者タリシ者ノ従前ノ就業地ヲ管轄スル地方長官ニ之ヲ為スベシ
地方長官又ハ国民職業指導所長ニ於テ宥恕スベキ事由アリト認ムルトキハ前項ノ期限経過後ニ於テモ仍申立ヲ受理スルコトヲ得
手帳法第六条第二項及第七条第二項ノ裁定ハ理由ヲ附シ文書ヲ以テ之ヲ為シ本人ニ交付シ併セテ其ノ要旨ヲ関係人ニ通知スベシ
第十一条 使用者ハ従業者タリシ者所在不明其ノ他ノ事由ニ因リ其ノ者ニ国民労務手帳ヲ返還スルコト能ハザルトキハ事由ヲ具シ従業者タリシ者ノ従前ノ就業地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ之ヲ提出スベシ
第十二条 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テ地方長官又ハ国民職業指導所長必要アリト認ムルトキハ使用者又ハ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ニ対シ国民労務手帳ノ提出ヲ命ズルコトヲ得
一 使用者手帳法第六条第二項又ハ第七条第二項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ国民労務手帳ヲ返還セザルトキ
二 国民労務手帳ニ手帳法ニ基キテ発スル命令ヲ以テ定ムル事項以外ノ事項ノ記載アルトキ
三 国民労務手帳ヲ検閲セントスルトキ
第十三条 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テ地方長官又ハ国民職業指導所長必要アリト認ムルトキハ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ニ対シ国民労務手帳ノ返納ヲ命ズルコトヲ得
一 詐偽其ノ他ノ不正行為ヲ以テ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタルトキ
二 重ネテ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタルトキ
三 自己ノ国民労務手帳ヲ他人ヲシテ行使セシメタルトキ
四 其ノ他命令ヲ以テ定ムル事由アルトキ
第十四条 使用者従業者ノ使用ヲ開始シタルトキハ左ニ掲グル事項ヲ国民労務手帳ニ記載シ使用者従業者共同シテ十四日以内ニ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ従業者ノ就業地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ其ノ旨報告スベシ
一 使用開始ノ旨
二 従業者ノ従事スル職業名及申告令ニ基ク技能程度
三 従業者ノ就業スル場所
第十五条 使用者従業者ヲ使用セザルニ至リタルトキハ其ノ旨国民労務手帳ニ記載シ十四日以内ニ命令ノ定ムル様式ニ依リ従業者タリシ者ノ従前ノ就業地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ報告スベシ
第十六条 使用者ハ従業者ニ関シ第二条第一号、第三号乃至第六号、第八号、第九号、第十一号乃至第十三号又ハ第十五号ニ掲グル事項ニ変更アリタルトキハ其ノ旨国民労務手帳ニ記載シ使用者従業者共同シテ十四日以内ニ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ従業者ノ就業地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ報告スベシ
使用者ハ従業者ニ関シ第二条第十四号ニ掲グル事項ニ変更アリタルトキハ十四日以内ニ其ノ旨国民労務手帳ニ記載スベシ
第十七条 前三条中報告ニ関スル規定ハ使用者ガ国民労務手帳ニ代ル証明書ヲ提出シタル従業者ヲ使用スル場合ニ於テハ之ヲ適用セズ
第十八条 使用者ハ従業者ニ対シ支給スル給料又ハ賃金ニ付左ニ掲グル事項ヲ第一号ニ掲グル事項ニ付テハ給料又ハ賃金ヲ支給シタル日ヨリ十四日以内ニ、第二号ニ掲グル事項ニ付テハ従業者ヲ使用セザルニ至リタルトキ国民労務手帳ニ記載スベシ
一 使用開始ノ際ノ給料月額又ハ其ノ直後ノ一賃金締切期間ノ平均賃金日額
二 使用セザルニ至リタル際ノ給料月額又ハ其ノ直前ノ一賃金締切期間ノ平均賃金日額
第十九条 前条ノ給料又ハ賃金ノ範囲及算定方法ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十条 国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者従業者タラザル場合ニ於テ第二条第一号、第三号乃至第六号、第八号、第九号、第十一号乃至第十三号又ハ第十五号ニ掲グル事項ニ変更アリタルトキハ其ノ旨国民労務手帳ニ記載シ十四日以内ニ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ其ノ就業地(職業ニ従事セザル者ニ在リテハ居住地)ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ報告スベシ
前項ノ報告ハ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ノ従前ノ使用者又ハ国民職業指導所長ニ於テ国民労務手帳ヲ保管スル場合ニハ命令ノ定ムル様式ニ依リ之ヲ為スベシ
第一項ノ規定ハ国民労務手帳ニ代ル証明書ノ交付ヲ受ケタル後国民労務手帳ノ交付ヲ受ケズシテ従業者タラザルニ至リタル者ニハ之ヲ適用セズ
第二十一条 国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ニシテ申告令ニ依リ申告シ居ル要申告者タルモノ(同令第二条第六号ニ該当スル者ヲ除ク)同令第十一条ノ規定ニ該当スルニ至リタルトキハ其ノ者ガ従業者タル場合ニ在リテハ使用者従業者共同シテ、従業者タラザル場合ニ在リテハ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者国民労務手帳ニ其ノ旨記載シ十四日以内ニ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ国民職業指導所長ニ報告スベシ報告ヲ為シタル後ニ於テ申告令第十一条ノ規定ニ該当セザルニ至リタルトキ亦同ジ
前項前段ノ報告ハ申告令ニ依リ前ニ申告ヲ為シタル国民職業指導所長ニ、同項後段ノ報告ハ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ノ就業地(職業ニ従事セザル者ニ在リテハ居住地)ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ之ヲ為スベシ
前条第二項ノ規定ハ第一項ノ報告ニ之ヲ準用ス
第二十二条 国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者死亡シタルトキハ死亡ノ際其ノ者ガ従業者タリシ場合ニ在リテハ使用者、従業者タラザリシ場合ニ在リテハ其ノ者ト同居ノ戸主又ハ家族ノ関係ニ在リタル者国民労務手帳ニ其ノ旨記載シ十四日以内ニ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ノ従前ノ就業地(職業ニ従事セザリシ者ナル場合ニ在リテハ従前ノ居住地)ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ報告スベシ
第二十条第二項ノ規定ハ前項ノ報告ニ之ヲ準用ス
第二十三条 国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ニシテ左ノ各号ノ一ニ該当スルモノニ関スル第十四条、第十六条第一項、第二十条及第二十一条ノ規定ニ依ル報告ハ同条ノ規定ニ拘ラズ其ノ者ガ左ノ各号ノ一ニ該当セザルニ至リタル日ヨリ十四日以内ニ之ヲ為スヲ妨ゲズ
一 陸海軍ニ徴集若ハ召集セラレ又ハ志願ニ依リ陸海軍部隊ニ編入セラレタル者
二 手帳法施行地外ニ旅行中ノ者
三 法令ニ因リ拘禁中ノ者
四 負傷、疾病其ノ他ノ事由ニ因リ報告ヲ為スコト能ハザルノ状況ニ在ル者
第十五条、第十六条第二項及第十八条ノ規定ニ依ル記載ハ使用者第七条第二項ノ規定ニ依リ国民労務手帳ヲ一時返付シタル場合ニ於テハ同条第三項ノ規定ニ依リ国民労務手帳ノ提出ヲ受ケタル日ヨリ十四日以内ニ之ヲ為スヲ妨ゲズ
第二十四条 国民労務手帳ノ再交付ヲ受ケントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ就業地(職業ニ従事セザル者ニ在リテハ居住地)ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ之ヲ申請スベシ
国民労務手帳ノ再交付ヲ受ケントスル者従業者タルトキハ前項ノ申請ハ其ノ使用者ヲ経由シテ之ヲ為スベシ
第二十五条 第十四条乃至第十六条、第十八条、第二十一条、第二十二条及前条第二項ノ規定ハ国民労務手帳ヲ提示シタル従業者ヲ使用スル使用者ノ使用関係ニ関シテハ之ヲ適用セズ
第十六条、第十八条、第二十一条、第二十二条及前条第二項ノ規定ハ従業者国家総動員法第四条ノ規定ニ基キ徴用セラレ使用セラルル者ナルトキハ徴用前ノ使用者ノ使用関係ニ関シテハ之ヲ適用セズ
第二十六条 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テ国民職業指導所長必要アリト認ムルトキハ国民労務手帳ニ代ル証明書ヲ交付スルコトヲ得
一 国民労務手帳ノ交付又ハ再交付ノ申請アリタルトキ
二 使用者従業者ヲ使用セザルニ至リタル場合ニ於テ国民労務手帳ヲ返還セザルトキ
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル事由アルトキ
国民労務手帳ニ代ル証明書ニ記載スベキ事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七条 二以上ノ就業ノ場所ヲ有スル者ニ付テハ其ノ者ガ従業者タルトキハ国民労務手帳ヲ保管スル使用者ニ使用セラレ就業スル場所ノ所在地ヲ以テ、従業者タラザルトキハ主タル就業ノ場所ノ所在地ヲ以テ本令ノ就業地ト看做シ就業ノ場所一定セザル者及船舶内ニ於テ就業スルノ常況ニ在ル者ニ付テハ居住地ヲ以テ本令ノ就業地ト看做ス
附 則
本令中第二条第十四号及第十六条第二項ノ規定ハ労働者年金保険法中被保険者資格ノ得喪及標準報酬等級ニ関スル部分施行ノ日ヨリ、其ノ他ノ規定ハ昭和十六年十月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ手帳法第二条ノ規定実施ノ為ニ予メ必要ナル範囲内ニ於テハ同年七月二十一日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十六年九月三十日迄ニ従業者タルニ至リタル者ニシテ引続キ同年十月一日以後従業者タラントスルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ使用者(使用者二以上アルトキハ主タル使用者)ヲ経由シ就業地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ国民労務手帳ノ交付ヲ申請スベシ
前項ノ申請ニ基キ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者其ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ昭和十六年九月三十日迄ニ第二条第一号、第三号乃至第九号又ハ第十一号乃至第十三号ニ掲グル事項ニ変更アリタルトキハ其ノ旨国民労務手帳ニ記載シ同年十月十四日迄ニ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ前項ノ申請ヲ為シタル国民職業指導所長ニ報告スベシ但シ申告令ニ依リ申告シ居ル要申告者タル者(同令第二条第六号ニ該当スル者ヲ除ク)ニ付当該変更ニ関シ同令第四条第二項又ハ第六条ノ規定ニ依ル申告アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ報告ハ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者ガ従業者タル場合ニ在リテハ国民労務手帳ヲ保管スル使用者ヲ経由シテ之ヲ為スベシ