第二條 長官ハ內務大臣ノ指揮監督ヲ承ケ各省ノ主務ニ付テハ各省大臣ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ樺太ノ拓地殖民ノ事務及部內ノ行政事務ヲ管理ス
第三條 長官ハ樺太ノ事務ニ付其ノ職權又ハ特別ノ委任ニ依リ管內一般又ハ其ノ一部ニ廳令ヲ發スルコトヲ得
第四條 長官ハ非常急變ノ場合ニ臨ミ兵力ヲ要シ又ハ警護ノ爲兵備ヲ要スルトキハ師團長ニ移牒シテ出兵ヲ請フコトヲ得
第五條 長官ハ所部ノ官吏ヲ指揮監督シ高等官ノ功過ハ內務大臣ニ具狀シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ行フ
第六條 長官ハ支廳長ノ命令又ハ處分ニシテ成規ニ違ヒ、公益ヲ害シ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ命令又ハ處分ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得
長官ハ行政事務ニ付其ノ部內ノ市長ヲ指揮監督シ其ノ處分ニ付テハ前項ノ例ニ依ル
第七條 長官事故アルトキハ內政部長タル部長其ノ職務ヲ代理ス
長官及內政部長タル部長共ニ事故アルトキハ內務大臣ニ於テ他ノ高等官ノ一人ヲシテ長官ノ職務ヲ代理セシム
長官ハ廳ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得
第八條 長官ハ其ノ職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ支廳長又ハ市長ニ委任スルコトヲ得
第十四條 長官ハ長官官房及各部ニ分課ヲ設クルコトヲ得
第十五條 部長ハ長官ノ命ヲ承ケ部務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ指揮監督ス
第十六條 部長事故アルトキハ長官ニ於テ廳ノ官吏ノ一人ヲシテ其ノ事務ヲ代理セシム
第十七條 警察部長タル部長ハ警察事務ノ執行ニ關シ長官ノ命ヲ承ケ支廳長、警視、警部、警部補及巡査ヲ指揮監督ス
第十八條 書記官又ハ事務官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第十九條 視學官ハ上官ノ命ヲ承ケ學事ノ視察其ノ他敎育ニ關スル事務ヲ掌ル
第二十條 警視ハ警察部若ハ支廳ニ屬シ又ハ內務大臣ノ指定スル警察署ノ署長ト爲リ上官ノ指揮ヲ承ケ其ノ部署ノ事務ヲ掌理ス
第二十二條 視學ハ上官ノ指揮ヲ承ケ學事ノ視察其ノ他敎育ニ關スル庶務ニ從事ス
第二十四條 警部ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察及衞生事務ヲ分掌シ部下ノ警部補及巡査ヲ指揮監督ス
第二十五條 職業官補ハ國民職業指導所ニ屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ國民職業指導所ノ事務ニ從事ス
第二十七條 通譯ハ上官ノ指揮ヲ承ケ翻譯通辯ニ從事ス
第二十八條 警部補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察及衞生事務ニ從事シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス
第二十九條 森林主事ハ上官ノ指揮ヲ承ケ營林及林野保護ノ事務ニ從事ス
第三十條 樺太廳ニ靑年敎育官ヲ置キ事務官ヲ以テ之ニ充ツ
靑年敎育官ハ上官ノ命ヲ承ケ靑年學校敎育其ノ他社會敎育ニ關スル視察指導其ノ他ノ事務ヲ掌ル
第三十二條 樺太廳管內須要ノ地ニ樺太廳支廳ヲ置ク其ノ名稱、位置及管轄區域ハ別表ニ依ル
第三十三條 支廳長ハ書記官又ハ事務官ヲ以テ之ニ充ツ長官ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部內ノ行政事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ指揮監督ス
第三十四條 支廳長ハ其ノ管轄區域內ノ警察署長ヲ指揮監督ス
第三十五條 支廳長ハ長官ノ定ムル所ニ依リ警察署長ヲシテ主管事務ノ一部ヲ分掌セシムルコトヲ得
第三十六條 支廳長ハ警察署長ノ處分ニシテ成規ニ違ヒ、公益ヲ害シ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ之ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得
支廳長ハ行政事務ニ付其ノ管轄區域內ノ町村長ヲ指揮監督シ其ノ處分ニ付テハ前項ノ例ニ依ル
第三十七條 支廳長ハ法律命令ニ依リ又ハ長官ヨリ委任セラレタル事件ニ付支廳令ヲ發スルコトヲ得
第三十八條 支廳長事故アルトキハ長官ノ指定スル其ノ廳ノ官吏其ノ職務ヲ代理ス
支廳長ハ其ノ廳ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得
第三十九條 支廳管內ニ警察署ヲ置ク其ノ名稱、位置及管轄區域ハ長官之ヲ定ム
第四十條 警察署長ハ警視又ハ警部ヲ以テ之ニ充ツ但シ地方ノ狀況ニ依リ警部補ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得
警察署長ハ上官ノ指揮ヲ承ケ部內ノ警察及衞生事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ指揮監督ス
第四十一條 樺太廳管內ニ國民職業指導所ヲ置ク其ノ位置及管轄區域ハ樺太廳支廳ノ位置及管轄區域ニ依リ其ノ名稱、事務取扱範圍及職員ノ定員ハ內務大臣之ヲ定ム
國民職業指導所長ハ支廳長タル書記官又ハ事務官ヲ以テ之ニ充ツ長官ノ指揮監督ヲ承ケ左ニ揭グル事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ指揮監督ス
國民職業指導所長ハ長官ノ定ムル所ニ依リ警察署長ヲシテ主管事務ノ一部ヲ分掌セシムルコトヲ得
國民職業指導所ニ置クベキ聯絡委員ノ定數ハ長官之ヲ定ム
聯絡委員ハ國民職業指導所長ノ指揮監督ヲ承ケ國民職業指導所ノ業務ヲ補助ス