第一條 國家總動員法(昭和十三年勅令第三百十七號ニ於テ依ル場合ヲ含ム)第五條ノ規定ニ基ク帝國臣民ノ勤勞報國ヲ目的トスル協力ニシテ隊組織ニ依ルモノ(以下國民勤勞報國隊ニ依ル協力ト稱ス)ニ關シテハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 國民勤勞報國隊ニ依ル協力ハ國、地方公共團體又ハ厚生大臣若ハ地方長官ノ指定スル者ノ行フ命令ヲ以テ定ムル總動員業務ニ付之ヲ爲サシムルモノトス
第三條 國民勤勞報國隊ニ依ル協力ヲ爲サシムベキ者ハ帝國臣民ニシテ年齡十四年以上四十年未滿ノ男子及年齡十四年以上二十五年未滿ノ女子(妻及屆出ヲ爲サザルモ事實上婚姻關係ト同樣ノ事情ニ在ル女子ヲ除ク)トス
前項該當者以外ノ者ハ志願ニ依リ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ヲ爲サシムルコトヲ得
第六條ノ規定ニ依リ學校長ニ對シ必要ナル措置ヲ命ズル場合ノ學校在學者ノ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ニ關シテハ前二項ノ規定ニ拘ラズ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第四條 國民勤勞報國隊ニ依ル協力ヲ爲サシムル期間ハ命令ノ定ムル所ニ依リ一年ニ付三十日以內トス
前項ノ期間ハ特別ノ必要アル場合又ハ本人ノ同意アル場合ニ於テハ三十日ヲ超ユルコトヲ得
第五條 國民勤勞報國隊ニ依ル協力ヲ受ケントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ厚生大臣又ハ地方長官ニ之ヲ請求又ハ申請スベシ
第六條 厚生大臣又ハ地方長官ハ前條ノ規定ニ依ル請求又ハ申請アリタル場合ニ於テ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ヲ爲サシムル必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ市町村長(市町村長ニ準ズベキモノヲ含ム以下同ジ)其ノ他ノ團體ノ長又ハ學校長ニ對シ協力ヲ受クベキ者、作業ノ種類、協力ヲ爲スベキ場所及期間竝ニ所要人員數其ノ他必要ナル事項ヲ指定シテ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ニ關シ必要ナル措置ヲ命ズルモノトス
第七條 前條ノ措置ヲ命ゼラレタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ヲ爲スベキ者ヲ選定シ其ノ選定アリタル旨ヲ本人ニ通知シ協力ニ關シ必要ナル事項ヲ指示スベシ
前項ノ選定ヲ爲スニ當リテハ本人ノ年齡、職業、身體ノ狀態、家庭ノ狀況、希望等ヲ斟酌スベシ
第八條 前條第一項ノ通知ヲ受ケタル者ハ同項ノ規定ニ依ル指示ニ從ヒ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ヲ爲スベシ
第九條 國民勤勞報國隊ニ依ル協力ニ要スル經費ハ命令ノ定ムル所ニ依リ特別ノ事情アル場合ヲ除クノ外其ノ協力ヲ受クル者之ヲ負擔スルモノトス
第十條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ヲ爲サシメザルモノトス
一 陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ(未ダ入營セザル者ヲ除ク)及召集中ノモノ(召集中ノ身分取扱ヲ受クル者ヲ含ム)
二 陸海軍學生生徒(海軍豫備練習生及海軍豫備補習生ヲ含ム)
六 陸軍大臣若ハ海軍大臣ノ所管ニ屬スル官衙(部隊及學校ヲ含ム)又ハ厚生大臣ノ指定スル工場事業場其ノ他ノ場所ニ於テ軍事上必要ナル總動員業務ニ從事スル者
第十一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ志願ニ依ル場合ヲ除クノ外國民勤勞報國隊ニ依ル協力ヲ爲サシメザルモノトス
第十二條 厚生大臣又ハ地方長官ハ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ニ關シ市町村長其ノ他ノ團體ノ長若ハ學校長又ハ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ヲ爲ス者若ハ其ノ協力ヲ受クル者ヲ監督ス
第十三條 厚生大臣又ハ地方長官ハ厚生大臣ノ定ムル所ニ依リ其ノ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ニ關スル事務ノ一部ヲ國民職業指導所長ヲシテ分掌セシムルコトヲ得
第十四條 第五條、第六條及前二條中厚生大臣トアルハ第六條ノ規定ニ依リ學校長ニ對シ必要ナル措置ヲ命ズル場合ノ學校在學者ノ國民勤勞報國隊ニ依ル協力ニ關シテハ文部大臣及厚生大臣トス
第十五條 本令ニ於テ學校ト稱スルハ第十條第六號ノ場合ヲ除クノ外文部大臣ノ所轄ニ屬スル學校ヲ謂ヒ學校長ト稱スルハ文部大臣ノ所轄ニ屬スル學校ノ長ヲ謂フ
第十六條 前二條ノ規定ハ朝鮮、臺灣、樺太及南洋群島ニハ之ヲ適用セズ
本令中厚生大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ地方長官トアルハ朝鮮ニ在リテハ道知事、臺灣ニ在リテハ州知事又ハ廳長、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ市町村長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹又ハ邑面長、臺灣ニ在リテハ市長又ハ郡守(澎湖廳ニ在リテハ廳長)、南洋群島ニ在リテハ南洋廳支廳長トシ國民職業指導所長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹、郡守又ハ島司、臺灣ニ在リテハ市長又ハ郡守(澎湖廳ニ在リテハ廳長)、樺太ニ在リテハ樺太廳支廳長、南洋群島ニ在リテハ南洋廳支廳長トス
第十七條 本令ニ規定スルモノノ外國民勤勞報國隊ニ依ル協力ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム