朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル寄生蟲病豫防法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和六年四月一日
內閣總理大臣 濱口雄幸
內務大臣 安達謙藏
法律第五十九號
寄生蟲病豫防法
第一條 本法ニ於テ寄生蟲病ト稱スルハ蛔蟲病、十二指腸蟲病、住血吸蟲病、肝臟「ヂストマ」病及主務大臣ノ指定スル寄生蟲病ヲ謂フ
第二條 地方長官ハ寄生蟲病ノ豫防上必要ト認ムルトキハ健康診斷ヲ行ヒ又ハ糞便檢査ヲ爲スコトヲ得
前項ノ健康診斷又ハ糞便檢査ノ費用ハ北海道地方費又ハ府縣ノ負擔トス
第三條 地方長官ハ糞便其ノ他寄生蟲病傳播ノ媒介ト爲ルベキ物件ノ處置ニ付寄生蟲病ノ豫防上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第四條 市町村(町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス以下之ニ同ジ)ハ地方長官ノ指示ニ從ヒ寄生蟲病ノ豫防及治療ニ關スル施設ヲ爲スベシ
第五條 北海道地方費又ハ府縣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ寄生蟲病ノ豫防及治療ノ爲費用ノ支出ヲ爲ス市町村ニ對シ其ノ費用ノ補助ヲ爲スベシ
第六條 北海道地方費又ハ府縣ハ第三條ノ規定ニ依ル地方長官ノ命令又ハ處分ニ依リ糞便其ノ他ノ物件ノ處置ヲ爲ス者ニ對シ其ノ費用ノ全部又ハ一部ヲ補助スルコトヲ得
第七條 國庫ハ前二條ノ補助ノ爲其ノ他寄生蟲病ノ豫防及治療ノ爲費用ノ支出ヲ爲ス北海道地方費又ハ府縣ニ對シ其ノ支出額ノ六分ノ一ヲ補助ス
第八條 第三條ノ規定ニ依ル地方長官ノ命令又ハ處分ニ違反シタル者ハ五十圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル寄生虫病予防法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和六年四月一日
内閣総理大臣 浜口雄幸
内務大臣 安達謙蔵
法律第五十九号
寄生虫病予防法
第一条 本法ニ於テ寄生虫病ト称スルハ蛔虫病、十二指腸虫病、住血吸虫病、肝臓「ヂストマ」病及主務大臣ノ指定スル寄生虫病ヲ謂フ
第二条 地方長官ハ寄生虫病ノ予防上必要ト認ムルトキハ健康診断ヲ行ヒ又ハ糞便検査ヲ為スコトヲ得
前項ノ健康診断又ハ糞便検査ノ費用ハ北海道地方費又ハ府県ノ負担トス
第三条 地方長官ハ糞便其ノ他寄生虫病伝播ノ媒介ト為ルベキ物件ノ処置ニ付寄生虫病ノ予防上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第四条 市町村(町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス以下之ニ同ジ)ハ地方長官ノ指示ニ従ヒ寄生虫病ノ予防及治療ニ関スル施設ヲ為スベシ
第五条 北海道地方費又ハ府県ハ命令ノ定ムル所ニ依リ寄生虫病ノ予防及治療ノ為費用ノ支出ヲ為ス市町村ニ対シ其ノ費用ノ補助ヲ為スベシ
第六条 北海道地方費又ハ府県ハ第三条ノ規定ニ依ル地方長官ノ命令又ハ処分ニ依リ糞便其ノ他ノ物件ノ処置ヲ為ス者ニ対シ其ノ費用ノ全部又ハ一部ヲ補助スルコトヲ得
第七条 国庫ハ前二条ノ補助ノ為其ノ他寄生虫病ノ予防及治療ノ為費用ノ支出ヲ為ス北海道地方費又ハ府県ニ対シ其ノ支出額ノ六分ノ一ヲ補助ス
第八条 第三条ノ規定ニ依ル地方長官ノ命令又ハ処分ニ違反シタル者ハ五十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム