日本住血吸虫病は、予防・治療の的確な方法がなく、病原虫の幼虫が人間や哺乳類の皮膚から侵入し、肝臓や血管を侵して重篤な症状を引き起こす深刻な寄生虫病である。山梨、広島、福岡、佐賀などの農村地域で罹病率が高く、農耕や日常生活に重大な支障をきたしている。政府は病原虫の中間宿主である宮入貝を根絶するため、溝渠のコンクリート化を進めてきたが、地方病であることや財政的制約から進展が遅い。そこで、法改正により昭和32年度以降約10年を目標とする基本計画と実施計画を国が定め、必要に応じて政令で国費負担割合を引き上げることを可能とし、撲滅対策を強化しようとするものである。
参照した発言:
第24回国会 衆議院 社会労働委員会 第46号