寄生虫病予防法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第171号
公布年月日: 昭和31年12月10日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

日本住血吸虫病は、予防・治療の的確な方法がなく、病原虫の幼虫が人間や哺乳類の皮膚から侵入し、肝臓や血管を侵して重篤な症状を引き起こす深刻な寄生虫病である。山梨、広島、福岡、佐賀などの農村地域で罹病率が高く、農耕や日常生活に重大な支障をきたしている。政府は病原虫の中間宿主である宮入貝を根絶するため、溝渠のコンクリート化を進めてきたが、地方病であることや財政的制約から進展が遅い。そこで、法改正により昭和32年度以降約10年を目標とする基本計画と実施計画を国が定め、必要に応じて政令で国費負担割合を引き上げることを可能とし、撲滅対策を強化しようとするものである。

参照した発言:
第24回国会 衆議院 社会労働委員会 第46号

審議経過

第24回国会

参議院
(昭和31年4月26日)
衆議院
(昭和31年5月18日)
(昭和31年5月22日)
参議院
(昭和31年5月24日)
衆議院
(昭和31年6月3日)

第25回国会

参議院
(昭和31年11月22日)
(昭和31年11月26日)
衆議院
(昭和31年11月28日)
(昭和31年11月29日)
(昭和31年12月13日)
参議院
(昭和31年12月13日)
寄生虫病予防法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年十二月十日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第百七十一号
寄生虫病予防法の一部を改正する法律
寄生虫病予防法(昭和六年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「第七条」を「第七条第一項」に改める。
第三条の次に次の二条を加える。
第三条ノ二 厚生大臣ハ日本住血吸虫病ノ予防ノ為当該病原虫ノ中間宿主タル巻貝ノ棲息地帯ニ於ケルコンクリート造ノ溝渠新設ノ基本計画ヲ決定スベシ
前項ノ基本計画ハ関係都道府県知事ノ意見ヲ聴取シテ決定スベキモノトシ昭和三十二年度以降十箇年ニ亘ル内容タルベキモノトス
基本計画ノ決定セラレタル後特別ノ必要生ジタル場合ニ於テハ関係都道府県知事ノ意見ヲ聴取シテ当該基本計画ヲ変更スルコトヲ得
厚生大臣ハ基本計画ヲ決定シ又ハ変更シタルトキハ之ヲ関係都道府県知事ニ通知スベシ
第三条ノ三 厚生大臣ハ毎年度其ノ年度ノ開始前迄ニ関係都道府県知事ノ意見ヲ聴取シテ基本計画ニ基ク当該年度ノ実施計画ヲ決定シ之ヲ関係都道府県知事ニ通知スベシ
関係市町村ハ毎年度前項ノ実施計画ニ基ク都道府県知事ノ指示ニ従ヒ当該市町村ノ実施計画ヲ作成シ之ニ基キ施設ヲ為スベシ
第四条中「市町村」を「前条第二項ニ規定スル場合ヲ除クノ外市町村」に改める。
第五条に次の一項を加える。
第三条ノ三第二項ノ施設ヲ新設スル市町村ニ対シ都道府県ノ支出スル費用ニ付テハ政令ヲ以テ前項ノ割合ヲ引上グルコトヲ得
第七条中「第四条」を「第三条ノ三第二項及第四条」に改め、同条に次の一項を加える。
第三条ノ三第二項ノ施設ヲ新設スル市町村ニ対シ第五条第二項ノ規定ニ依リ引上ゲラレタル割合ヲ以テ都道府県ノ支出スル費用ニ付テハ政令ヲ以テ前項ノ割合ヲ引上グルコトヲ得
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
内閣総理大臣 鳩山一郎
厚生大臣 小林英三