第二條 海軍下士ハ三等ヲ初任トシ左ノ區別ニ從ヒ任用ス
三等筆記ノ任用ハ明治二十九年勅令第百四十六號及第二百四十四號ニ依ル
第三條 年齡二十年未滿ノ者ハ海軍下士ニ任用スルコトヲ得ス
第四條 海軍准士官下士ノ任用進級ハ總テ拔擢ヲ以テシ級ヲ逐ヒ歷進セシム但シ缺員ナキトキハ任用進級ヲ行ハス
第五條 海軍准士官下士ハ任用進級試驗ニ合格シタル者ニアラサレハ任用進級セシムルコトヲ得ス但シ特殊ノ技能ヲ有スル者ニ限リ其ノ試驗ヲ用ヒスシテ任用進級セシムルコトヲ得
戰時若クハ事變ニ際シテハ前項ノ試驗ヲ行ハスシテ任用進級セシムルコトヲ得
第六條 任用進級試驗ハ第七條ニ揭クル實役停年最下期限ヲ超エタル者ニアラサレハ受クルコトヲ得ス
第八條 實役停年ハ海上勤務若クハ陸上勤務ヲ以テ算ス
海上勤務ヲ陸上勤務ニ改算スルニハ海上勤務日數ニ其ノ三分ノ一ヲ加ヘ陸上勤務ヲ海上勤務ニ改算スルニハ陸上勤務日數ヨリ其ノ四分ノ一ヲ減ス
第九條 海上勤務トハ艦船ニ乘組ミ服務スルヲ謂フ其ノ艦船ノ種類ハ海軍大臣之ヲ定ム
第十條 海上勤務ノ者ニシテ公務ニ原因セサル傷痍疾病ニ依リ陸上若クハ病院船ニ在ル間ノ日數ハ海上勤務ニ算入スルコトヲ得ス
第十一條 逃亡、收禁、處刑及自己ノ願ニ依リ歸省中ノ日數竝ニ正當ノ理由ナクシテ敵ノ捕虜トナリタル間ノ日數ハ實役停年ニ算入スルコトヲ得ス
第十二條 戰時ニ在テハ實役停年最下期限ヲ其ノ半ニ減スルコトヲ得
第十三條 將校及其ノ相當官ハ各其ノ職權ニ依リ部下ヲ拔擢スルノ權ヲ有ス但シ直屬長官アル者ハ其ノ監督ノ下ニ在テ之ヲ行フ
第十四條 下士ノ任用進級ハ海兵團在籍ノ區別ニ從ヒ所管鎭守府司令長官之ヲ行ヒ其ノ艦隊ニ屬スル者ハ艦隊司令長官之ヲ行フ
第十六條 戰時若クハ事變ニ際シ現役海軍准士官下士ニ缺員ヲ生シタル場合ニ於テ現役海軍下士若クハ一等卒ヨリ任用進級セシメ其ノ補充ヲナス能ハサルトキハ前諸條ニ準據シ召集中ノ豫備役後備役海軍下士及一等卒ヲ任用進級セシムルコトヲ得
本條ノ場合ニ於テハ召集中ノ勤務日數ヲ現役中ノ勤務日數ニ通算ス
第十七條 戰時若クハ事變ニ際シ勳績アル者又ハ多年現役ニ服シ任用進級資格ヲ備ヘ且拔群ノ勤勞アル者ニシテ現役ヲ退キタルトキハ其ノ際特ニ任用進級セシムルコトヲ得但シ恩給ヲ受クル資格ニ在テハ前官等若クハ前職ニ依ル
第十八條 豫備役後備役海軍下士若クハ一等卒ニシテ戰時若クハ事變ニ際シ召集中勳績アリタル者召集ヲ解キタルトキハ其ノ際特ニ任用進級セシムルコトヲ得但シ恩給ヲ受クル資格ニ在テハ新官等ニ依ルコトヲ得ス
第十九條 左ノ場合ニ在テハ第十四條ニ依ルノ外他ノ定規ニ關セス任用進級セシムルコトヲ得
二 戰時ニ在テ人員多ク缺乏シ敍任ノ定規ヲ履ム能ハサルトキ