独立行政法人国際観光振興機構法
法令番号: 法律第181号
公布年月日: 平成14年12月18日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

特殊法人等改革基本法に基づき設置された特殊法人等改革推進本部が策定した特殊法人等整理合理化計画の実施の一環として、42の特殊法人等について、法人を解散しその事業を見直した上で残る事業を独立行政法人に承継するとともに、7つの特殊法人等の民営化等を行うため、新たに設立する独立行政法人に係る独立行政法人個別法及び関係法律の整備を行う必要がある。その一つとして、独立行政法人国際観光振興機構法案を提出するものである。なお、大半の特殊法人等の解散及び独立行政法人の設立等並びに特殊法人等の民営化等の期日は平成15年10月1日とされている。

参照した発言:
第155回国会 衆議院 特殊法人等改革に関する特別委員会 第2号

審議経過

第155回国会

衆議院
(平成14年11月19日)
参議院
(平成14年11月20日)
(平成14年11月21日)
(平成14年12月3日)
(平成14年12月5日)
(平成14年12月10日)
(平成14年12月11日)
独立行政法人国際観光振興機構法をここに公布する。
御名御璽
平成十四年十二月十八日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百八十一号
独立行政法人国際観光振興機構法
目次
第一章
総則(第一条―第五条)
第二章
役員(第六条―第八条)
第三章
業務等(第九条・第十条)
第四章
雑則(第十一条―第十三条)
第五章
罰則(第十四条―第十六条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、独立行政法人国際観光振興機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人国際観光振興機構とする。
(機構の目的)
第三条 独立行政法人国際観光振興機構(以下「機構」という。)は、海外における観光宣伝、外国人観光旅客に対する観光案内その他外国人観光旅客の来訪の促進に必要な業務を効率的に行うことにより、国際観光の振興を図ることを目的とする。
(事務所)
第四条 機構は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)
第五条 機構の資本金は、附則第二条第六項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。
3 機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員
(役員)
第六条 機構に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 機構に、役員として、理事四人以内を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第七条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第八条 理事長の任期は四年とし、理事及び監事の任期は二年とする。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第九条 機構は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 外国人観光旅客の来訪を促進するための宣伝を行うこと。
二 外国人観光旅客に対する観光案内所の運営を行うこと。
三 通訳案内業法(昭和二十四年法律第二百十号)第五条の二第一項の規定により同法第三条の試験の実施に関する事務を行うこと。
四 国際観光に関する調査及び研究を行うこと。
五 国際観光に関する出版物の刊行を行うこと。
六 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
七 国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律(平成六年法律第七十九号)第十一条に規定する業務を行うこと。
(利益及び損失の処理の特例等)
第十条 機構は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項及び第四項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち国土交通大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における前条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、国土交通省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
3 機構は、国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律第十二条に規定する国際会議等の開催についての寄附金の募集及び管理並びに交付金の交付に係る業務(これに附帯する業務を含む。)に係る勘定(以下「交付金勘定」という。)以外の勘定において、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 機構は、交付金勘定において、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を当該中期目標の期間の次の中期目標の期間における同項に規定する積立金として整理しなければならない。
5 前各項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第四章 雑則
(主務大臣等)
第十一条 機構に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ国土交通大臣、国土交通省及び国土交通省令とする。
(国家公務員共済組合法の適用に関する特例)
第十二条 機構の役員及び職員は、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の規定の適用については、同法第二条第一項第一号に規定する職員には該当しないものとする。この場合において必要な事項は、政令で定める。
(国家公務員宿舎法の適用除外)
第十三条 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、機構の役員及び職員には適用しない。
第五章 罰則
第十四条 機構の役員又は職員が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、五年以下の懲役に処する。
2 前項の場合において、犯人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第十五条 前条第一項の賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第九条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第十条第一項の規定により国土交通大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十五年十月一日から施行する。ただし、第十一条、次条及び附則第六条の規定は、同年七月一日から施行する。
(国際観光振興会の解散等)
第二条 国際観光振興会(以下「振興会」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において機構が承継する。
2 機構の成立の際現に振興会が有する権利のうち、機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、機構の成立の時において国が承継する。
3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4 振興会の解散の日の前日を含む事業年度は、その日に終わるものとする。
5 振興会の解散の日の前日を含む事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。
6 第一項の規定により機構が振興会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、機構が承継する資産の価額(交付金勘定に係るものを除く。)から負債の金額(交付金勘定に係るものを除く。)を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。
7 第一項の規定により機構が振興会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、機構が承継する資産の価額(交付金勘定に係るものに限る。)から負債の金額(交付金勘定に係るものに限る。)を差し引いた額は、交付金勘定に属する積立金として整理するものとする。
8 前二項の資産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
9 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
10 第一項の規定により振興会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(国際観光振興会法の廃止)
第三条 国際観光振興会法(昭和三十四年法律第三十九号。以下「旧法」という。)は、廃止する。
(国際観光振興会法の廃止に伴う経過措置)
第四条 旧法(第十三条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為並びに附則第二条第五項及び第八条の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条まで及び第八条に定めるもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(通訳案内業法の一部改正)
第七条 通訳案内業法の一部を次のように改正する。
第五条の二第一項中「国際観光振興会(以下「振興会」という。)」を「独立行政法人国際観光振興機構(以下「機構」という。)」に改め、同条第二項及び第三項中「振興会」を「機構」に改める。
第五条の三第一項及び第三項並びに第五条の四中「振興会」を「機構」に改める。
第五条の五第一項及び第二項中「振興会」を「機構」に改め、同条第三項中「国際観光振興会法(昭和三十四年法律第三十九号)第三十八条及び第三十九条」を「独立行政法人国際観光振興機構法(平成十四年法律第百八十一号)第十四条及び第十五条」に改める。
第六条第三項中「振興会」を「機構」に改める。
第六条の二(見出しを含む。)中「振興会」を「機構」に改める。
(通訳案内業法の一部改正に伴う経過措置)
第八条 この法律による改正前の通訳案内業法第五条の二第一項の試験事務に従事する振興会の役員又は職員(同法第五条の四第一項に規定する通訳案内業者試験委員を含む。)であった者に係る当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない義務については、前条の規定の施行後も、なお従前の例による。
(地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律の一部改正)
第九条 地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律(平成四年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。
第九条第四号中「国際観光振興会」を「独立行政法人国際観光振興機構」に改める。
(国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律の一部改正)
第十条 国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律の一部を次のように改正する。
第八条第一項中「国際観光振興会(以下「振興会」という。)」を「独立行政法人国際観光振興機構(以下「機構」という。)」に改め、同条第二項中「振興会」を「機構」に改める。
第九条及び第十条中「振興会」を「機構」に改める。
第十一条の見出しを「(機構の業務)」に改め、同条中「振興会は、国際観光振興会法(昭和三十四年法律第三十九号)第二十四条第一項に規定する業務のほか」を「機構は」に改める。
第十二条中「振興会」を「機構」に改める。
第十三条を削る。
第十四条第一項及び第三項中「振興会」を「機構」に改め、同条を第十三条とする。
(外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律の一部改正)
第十一条 外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律(平成九年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。
第六条中「国際観光振興会(以下「振興会」という。)」を「独立行政法人国際観光振興機構(以下「機構」という。)」に改める。
第八条、第十条及び第十一条中「振興会」を「機構」に改める。
(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の一部改正)
第十二条 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年法律第百四十号)の一部を次のように改正する。
別表第一国際観光振興会の項を削る。
(沖縄振興特別措置法の一部改正)
第十三条 沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)の一部を次のように改正する。
第八条及び第九条中「国際観光振興会」を「独立行政法人国際観光振興機構」に改める。
(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律の一部改正)
第十四条 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十四年法律第___号)の一部を次のように改正する。
別表国際観光振興会の項を削る。
内閣総理大臣 小泉純一郎
総務大臣 片山虎之助
財務大臣 塩川正十郎
国土交通大臣 林寛子