(地域限定通訳案内士の業務等)
第二十三条 地域限定通訳案内士は、その資格を得た都道府県の区域において、報酬を得て、通訳案内を行うことを業とする。
2 地域限定通訳案内士については、通訳案内士法の規定を適用せず、この法律の定めるところによる。
(地域限定通訳案内士となる資格)
第二十四条 地域限定通訳案内士試験に合格した者は、当該地域限定通訳案内士試験が行われた都道府県の区域において、地域限定通訳案内士となる資格を有する。
(地域限定通訳案内士の欠格事由)
第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、地域限定通訳案内士となる資格を有しない。
一 一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられた者で、刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から二年を経過しないもの
二 第三十六条第三項において準用する通訳案内士法第三十三条第一項の規定により業務の禁止の処分を受けた者で、当該処分の日から二年を経過しないもの
三 通訳案内士法第三十三条第一項の規定により通訳案内士の業務の禁止の処分を受けた者で、当該処分の日から二年を経過しないもの
(地域限定通訳案内士試験)
第二十六条 地域限定通訳案内士試験は、地域限定通訳案内士として必要な知識及び能力を有するかどうかを判定することを目的とする試験とする。
2 地域限定通訳案内士試験は、都道府県知事が、当該都道府県における地域限定通訳案内士試験の実施に関する事項を含む外客来訪促進計画について第四条第三項の規定により国土交通大臣が同意した場合に限り、次条から第三十三条まで及び第三十六条第一項の規定並びに国土交通大臣の定める基準に基づき、これを行う。
(試験の方法及び内容)
第二十七条 地域限定通訳案内士試験は、筆記及び口述の方法により行う。
2 筆記試験は、次に掲げる科目について行う。
四 当該都道府県の区域に係る産業、経済、政治及び文化
3 口述試験は、筆記試験に合格した者につき、当該都道府県の区域における通訳案内の実務について行う。
(試験事務の代行)
第二十八条 都道府県知事は、国土交通省令で定めるところにより、民法第三十四条の規定により設立された法人であって、地域限定通訳案内士試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして当該都道府県知事が指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、試験事務の全部又は一部を行わせることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定により指定試験機関に試験事務の全部又は一部を行わせることとしたときは、当該試験事務の全部又は一部を行わないものとする。
3 都道府県は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十七条の規定に基づき地域限定通訳案内士試験に係る手数料を徴収する場合においては、第一項の規定により指定試験機関が行う地域限定通訳案内士試験を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料の全部又は一部を当該指定試験機関へ納めさせ、その収入とすることができる。
(役員の選任及び解任)
第二十九条 指定試験機関の役員の選任及び解任は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 都道府県知事は、指定試験機関の役員が、この法律(この法律に基づく命令又は処分を含む。)若しくは第三十六条第一項において準用する通訳案内士法第十二条第一項に規定する試験事務規程に違反する行為をしたとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、当該指定試験機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。
(事業計画等)
第三十条 指定試験機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく)、都道府県知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(監督命令)
第三十一条 都道府県知事は、試験事務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び立入検査)
第三十二条 都道府県知事は、試験事務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、指定試験機関に対し、報告を求め、又は当該職員に、関係者に対し質問させ、若しくは指定試験機関の事務所に立ち入り、その帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定による質問又は立入検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(試験の細目)
第三十三条 この法律に定めるもののほか、指定試験機関その他地域限定通訳案内士試験に関し必要な事項は、政令で定める。
(資格を得た都道府県の区域以外における業務の制限)
第三十四条 地域限定通訳案内士は、その資格を得た都道府県の区域以外において、報酬を得て、通訳案内を業として行ってはならない。
(名称表示の場合の義務)
第三十五条 地域限定通訳案内士は、その業務に関して地域限定通訳案内士の名称を表示するときは、その資格を得た都道府県の名称を明示してするものとし、当該都道府県以外の地域の名称を表示してはならない。
(通訳案内士法の準用)
第三十六条 通訳案内士法第七条、第九条並びに第十五条第一項及び第二項の規定は地域限定通訳案内士試験について、同法第十二条、第十三条、第十四条第一項及び第二項、第十五条第三項並びに第十六条の規定は指定試験機関について、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定中「国土交通大臣」とあるのは「都道府県知事」と、同法第十二条第一項中「試験事務の開始前」とあるのは「外国人観光旅客の来訪地域の整備等の促進による国際観光の振興に関する法律(以下「外客来訪促進法」という。)第二十八条第一項に規定する試験事務(以下単に「試験事務」という。)の開始前」と、同法第十三条第一項中「通訳案内士として」とあるのは「地域限定通訳案内士として」と、「通訳案内士試験委員」とあるのは「地域限定通訳案内士試験委員」と、同条第四項中「この法律(この法律」とあるのは「外客来訪促進法(外客来訪促進法」と読み替えるものとする。
2 通訳案内士法第三章の規定は、地域限定通訳案内士の登録について準用する。この場合において、同法第十八条、第十九条(見出しを含む。)及び第二十七条(見出しを含む。)中「通訳案内士登録簿」とあるのは「地域限定通訳案内士登録簿」と、同法第二十条第一項及び第二十二条中「第十八条」とあるのは「外客来訪促進法第三十六条第二項において準用する第十八条」と、同法第二十二条(見出しを含む。)中「通訳案内士登録証」とあるのは「地域限定通訳案内士登録証」と、同法第二十五条第一項第三号中「第四条各号」とあるのは「外客来訪促進法第二十五条各号」と、同法第二十六条中「第二十一条第一項」とあるのは「外客来訪促進法第三十六条第二項において準用する第二十一条第一項」と読み替えるものとする。
3 通訳案内士法第四章の規定は、地域限定通訳案内士の業務について準用する。この場合において、同法第三十二条第一項中「第三十五条第一項」とあるのは「外客来訪促進法第三十六条第四項において準用する第三十五条第一項」と、同法第三十三条第一項中「この法律又はこの法律」とあるのは「外客来訪促進法又は外客来訪促進法」と読み替えるものとする。
4 通訳案内士法第三十五条の規定は、地域限定通訳案内士の団体について準用する。この場合において、同条第一項及び第三項中「国土交通大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。