(指定等)
第十三条 労働大臣は、短時間労働者の雇用管理の改善等の援助を行うことその他短時間労働者の福祉の増進を図ることを目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人であって、第十五条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、全国に一を限って、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。
一 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。
二 前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、短時間労働者の雇用管理の改善等その他その福祉の増進に資すると認められること。
2 労働大臣は、前項の規定による指定をしたときは、同項の規定による指定を受けた者(以下「短時間労働援助センター」という。)の名称及び住所並びに事務所の所在地を公示しなければならない。
3 短時間労働援助センターは、その名称及び住所並びに事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を労働大臣に届け出なければならない。
4 労働大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(指定の条件)
第十四条 前条第一項の規定による指定には、条件を付け、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、当該指定に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該指定を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。
(業務)
第十五条 短時間労働援助センターは、次に掲げる義務を行うものとする。
一 短時間労働者の職業生活に関する調査研究を行うこと。
二 事業主その他の関係者に対して、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する講習等を行うこと。
三 短時間労働者の職業生活に関する情報及び資料を総合的に収集し、並びに短時間労働者、事業主その他の関係者に対して提供すること。
五 前各号に掲げるもののほか、短時間労働者の雇用管理の改善等の援助を行うための業務その他短時間労働者の福祉の増進を図るために必要な業務を行うこと。
(短時間労働援助センターによる短時間労働者福祉事業関係業務の実施)
第十六条 労働大臣は、短時間労働援助センターを指定したときは、短時間労働援助センターに労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第二十三条の労働福祉事業又は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第六十四条の雇用福祉事業のうち次の各号のいずれかに該当するものに係る業務の全部又は一部を行わせるものとする。
一 短時間労働者を雇用する事業主又はその事業主の団体に対して支給する給付金であって、労働省令で定めるものを支給すること。
二 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する技術的事項について、事業主その他の関係者に対して相談その他の援助を行うこと。
三 短時間労働者に対して、その職業生活に関する事項について相談その他の援助を行うこと。
四 短時間雇用管理者その他短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項を管理する者に対する研修を行うこと。
五 前各号に掲げるもののほか、短時間労働者の雇用管理の改善等を促進するために必要な事業その他短時間労働者の福祉の増進を図るために必要な事業を行うこと。
2 前項第一号の給付金に該当する労働者災害補償保険法第二十三条又は雇用保険法第六十四条の規定に基づく給付金の支給要件及び支給額は、労働省令で定めなければならない。
3 短時間労働援助センターは、第一項に規定する業務(以下「短時間労働者福祉事業関係業務」という。)の全部又は一部を開始する際、当該業務の種類ごとに、当該業務を開始する日及び当該業務を行う事務所の所在地を労働大臣は届け出なければならない。短時間労働援助センターが当該業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときも、同様とする。
4 労働大臣は、第一項の規定により短時間労働援助センターに行わせる短時間労働者福祉事業関係業務の種類及び前項の規定による届出に係る事項を公示しなければならない。
(業務規程の認可)
第十七条 短時間労働援助センターは、短時間労働者福祉事業関係業務を行うときは、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)を作成し、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 労働大臣は、前項の認可をした業務規程が短時間労働者福祉事業関係業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 業務規程に記載すべき事項は、労働省令で定める。
(短時間労働者福祉事業関係給付金の支給に係る労働大臣の認可)
第十八条 短時間労働援助センターは、短時間労働者福祉事業関係業務のうち第十六条第一項第一号に係る業務(次条及び第二十五条において「給付金業務」という。)を行う場合において、自ら第十六条第二項に規定する労働者災害補償保険法第二十三条又は雇用保険法第六十四条の規定に基づく給付金の支給を受けようとするときは、労働省令で定めるところにより、労働大臣の認可を受けなければならない。
(報告)
第十九条 短時間労働援助センターは、給付金業務を行う場合において当該業務に関し必要があると認めるときは、事業主に対し、必要な事項について報告を求めることができる。
(事業計画等)
第二十条 短時間労働援助センターは、毎事業年度、労働省令で定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 短時間労働援助センターは、労働省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
(区分経理)
第二十一条 短時間労働援助センターは、短時間労働者福祉事業関係業務を行う場合には、短時間労働者福祉事業関係業務に係る経理とその他の業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(交付金)
第二十二条 国は、予算の範囲内において、短時間労働援助センターに対し、短時間労働者福祉事業関係業務に要する費用の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。
(労働省令への委任)
第二十三条 この章に定めるもののほか、短時間労働援助センターが短時間労働者福祉事業関係業務を行う場合における短時間労働援助センターの財務及び会計に関し必要な事項は、労働省令で定める。
(役員の選任及び解任)
第二十四条 短時間労働援助センターの役員の選任及び解任は、労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 短時間労働援助センターの役員が、この章の規定(当該規定に基づく命令及び処分を含む。)若しくは第十七条第一項の規定により認可を受けた業務規程に違反する行為をしたとき、又は第十五条に規定する業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、労働大臣は、短時間労働援助センターに対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第二十五条 給付金業務に従事する短時間労働援助センターの役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(報告及び検査)
第二十六条 労働大臣は、第十五条に規定する業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、短時間労働援助センターに対し、同条に規定する業務若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又は所属の職員に、短時間労働援助センターの事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(監督命令)
第二十七条 労働大臣は、この章の規定を施行するために必要な限度において、短時間労働援助センターに対し、第十五条に規定する業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第二十八条 労働大臣は、短時間労働援助センターが次の各号のいずれかに該当するときは、第十三条第一項の規定による指定(以下「指定」という。)を取り消し、又は期間を定めて第十五条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第十五条に規定する業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
三 この章の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
五 第十七条第一項の規定により認可を受けた業務規程によらないで短時間労働者福祉事業関係業務を行ったとき。
2 労働大臣は、前項の規定により、指定を取り消し、又は第十五条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。
(労働大臣による短時間労働者福祉事業関係業務の実施)
第二十九条 労働大臣は、前条第一項の規定により、指定を取り消し、若しくは短時間労働者福祉事業関係業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は短時間労働援助センターが短時間労働者福祉事業関係業務を行うことが困難となった場合において必要があると認めるときは、当該短時間労働者福祉事業関係業務を自ら行うものとする。
2 労働大臣は、前項の規定により短時間労働者福祉事業関係業務を行うものとし、又は同項の規定により行っている短時間労働者福祉事業関係業務を行わないものとするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。
3 労働大臣が、第一項の規定により短時間労働者福祉事業関係業務を行うものとし、又は同項の規定により行っている短時間労働者福祉事業関係業務を行わないものとする場合における当該短時間労働者福祉事業関係業務の引継ぎその他の必要な事項は、労働省令で定める。
(聴聞)
第三十条 労働大臣は、次に掲げる処分をしようとするときは、労働省令で定めるところにより、あらかじめ、期日及び場所を指定して、聴聞を行わなければならない。
二 第二十八条第一項の規定による指定の取消し又は業務の全部若しくは一部の停止命令
2 前項の聴聞に際しては、当該処分に係る者に、意見を述べ、及び証拠を提出する機会を与えなければならない。