(目的)
第一条 この法律は、漁業者等に対し水産業協同組合又は農林中央金庫が行なう長期かつ低利の施設資金の融通を円滑にするため、国が、都道府県の行なう利子補給の措置に対して助成し、又は自ら利子補給を行なう措置を講ずることとし、もつて漁業者等の資本装備の高度化を図り、その経営の近代化に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「漁業者等」とは、次に掲げる者をいう。
三 漁業を営む法人(水産業協同組合を除く。)であつて、その常時使用する従業者の数が三百人以下であり、かつ、その使用する漁船(漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項に規定する漁船をいう。以下同じ。)の合計総トン数が千トン(水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十八条第四項の規定により組合員たる資格を有する者を特定の種類の漁業を営む者に限る漁業協同組合の組合員たる法人にあつては、二千トン)以下であるもの
五 水産加工業を営む法人(水産業協同組合を除く。)であつて、その常時使用する従業者の数が四十人以下であるもの
2 この法律において「融資機関」とは、次に掲げる者をいう。
一 水産業協同組合法第十一条第一項第一号の事業を行なう漁業協同組合
二 水産業協同組合法第八十七条第一項第一号及び第二号の事業をあわせ行なう漁業協同組合連合会
三 水産業協同組合法第九十三条第一項第一号の事業を行なう水産加工業協同組合
四 水産業協同組合法第九十七条第一項第一号及び第二号の事業をあわせ行なう水産加工業協同組合連合会
3 この法律において「漁業近代化資金」とは、漁業者等の資本装備の高度化及び経営の近代化に資するため、融資機関が当該漁業者等に対して貸し付ける資金(漁船の改造、建造又は取得に要するもの及び漁具、養殖施設、水産物処理施設、水産物保蔵施設、水産物加工施設その他の施設の改良、造成又は取得に要するものに限る。)で政令で定めるもののうち、次の各号に該当するものをいう。
一 一漁業者等に係る貸付金の合計額が、第一項第六号から第九号までに掲げる者に貸し付ける場合にあつては一億円(特別の理由がある場合において農林大臣が承認したときは、その承認した額)以内、同項第一号から第五号までに掲げる者のうち、政令で定める者に貸し付ける場合にあつては四千万円(特別の理由がある場合において農林大臣が承認したときは、その承認した額)以内、その他の者に貸し付ける場合にあつては一千万円の範囲内で政令で定める額(特別の理由がある場合において農林大臣が承認したときは、その承認した額)以内のものであること。
二 償還期限が、二十年の範囲内において政令で定める期限以内のものであること。
三 据置期間が、三年の範囲内において政令で定める期間以内のものであること。
四 利率が、年七分以内で政令で定める利率以内のものであること。
(都道府県の行なう利子補給に係る政府の助成)
第三条 政府は、都道府県に対し、予算の範囲内で、政令で定めるところにより、都道府県が融資機関との契約により当該融資機関が貸し付けた漁業近代化資金につき利子補給を行なうのに要する経費の一部を補助することができる。
(政府の行なう利子補給)
第四条 政府は、農林中央金庫が漁業近代化資金(前条の規定による政府の助成に係るものを除く。)を貸し付けるときは、会計年度ごとに、政令で定めるところにより、当該貸付けについての利子補給契約(利子補給金を支給する旨の契約をいう。)を農林中央金庫と結ぶことができる。
2 前項に規定する利子補給契約により政府が利子補給金を支給することができる年限は、当該利子補給契約をした会計年度以降二十二年度以内とする。
3 政府は、第一項の規定により利子補給契約を結ぶ場合には、利子補給金の総額が予算で定める金額をこえることとならないようにしなければならない。
4 第一項の規定により結ばれる利子補給契約により政府が支給する利子補給金の額は、当額利子補給契約において定める利子補給金の支給に係る期間ごとに、当該利子補給契約に係る漁業近代化資金の各貸付残高(当該貸付残高が、当該貸付けの条件に従い償還されるものとした場合における計算上の貸付残高をこえるときは、その計算上の貸付残高)につき年五厘以内で農林大臣が定める利率により計算する額の合計額を限度とする。
(農林中央金庫法の特例)
第五条 農林中央金庫が第三条の規定による政府の助成又は前条の規定による政府の利子補給に係る漁業近代化資金を貸し付ける場合における当該貸付けについての農林中央金庫法(大正十二年法律第四十二号)第十五条ノ二の規定の適用については、同条中「主務大臣ノ認可ヲ受ケ十箇年以内」とあるのは、「二十箇年以内」とする。