第一條 重要物產ノ生產、製造又ハ販賣ニ關スル營業ヲ爲ス者ハ同業者又ハ密接ノ關係ヲ有スル營業者相集リテ本法ニ依リ同業組合ヲ設置スルコトヲ得
重要物產及密接ノ關係ヲ有スル營業ノ種類ハ農商務大臣ノ認定ニ依ル
第二條 同業組合ハ組合員協同一致シテ營業上ノ弊害ヲ矯正シ其ノ利益ヲ增進スルヲ以テ目的ト爲ス
第三條 同業組合ヲ設置セムトスルトキハ豫メ地區ヲ定メ其ノ地區內ノ同業者三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ定款ヲ議定シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ但シ二種以上ノ營業者相集リ組合ヲ設置セムトスルトキハ各種營業每ニ三分ノ二以上ノ同意ヲ要ス
第四條 同業組合設置ノ地區內ニ於テ組合員ト同一ノ業ヲ營ム者ハ其ノ組合ニ加入スヘシ但シ營業上特別ノ情況ニ依リ農商務大臣ニ於テ加入ノ必要ナシト認ムル者ハ此ノ限ニ在ラス
第五條 同業組合ハ組合相互ノ氣脈ヲ通シ其ノ目的ヲ達スル爲同業組合聯合會ヲ設置スルコトヲ得
同業組合聯合會ヲ設置セムトスルトキハ其ノ創立總會ヲ開キ定款ヲ議定シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
同業組合及同業組合聯合會ハ營利事業ヲ爲スコトヲ得ス
第七條 同業組合及同業組合聯合會ノ定款ノ變更ハ各其ノ定款ノ規定ニ從ヒ之ヲ議定シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第八條 同業組合及同業組合聯合會ハ左ノ役員ヲ置クヘシ
前項ノ役員ノ外定款ノ規定ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
役員ハ同業組合ニ於テハ組合員中ヨリ同業組合聯合會ニ於テハ聯合會ヲ組織スル同業組合ノ組合員中ヨリ之ヲ選擧シ農商務大臣ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第九條 組長ハ其ノ同業組合又ハ同業組合聯合會ヲ統轄シ其ノ事務ヲ擔任ス
副組長ハ組長ノ事務ヲ輔佐シ組長故障アルトキ之ヲ代理ス
評議員ハ組長ノ諮詢ニ應シ及業務施行ノ狀況ヲ監査スルモノトス
副組長及評議員ハ定款ノ規定ニ依リ組長ノ擔任スル事務ノ一部ヲ分掌スルコトヲ得
第十條 同業組合及同業組合聯合會ハ各其ノ定款ニ於テ檢査規定ヲ設ケ組合員ノ營業品ヲ檢査スルコトヲ得
同業組合及同業組合聯合會ハ各其ノ定款ニ於テ違約者ニ關スル規定ヲ設ケ違約者ニ對シ過怠金ヲ徵シ違約物品ヲ沒收スルコトヲ得
第十一條 同業組合及同業組合聯合會ノ經費ノ豫算竝徵收法ハ各其ノ定款ノ規定ニ從ヒ之ヲ議定シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
經費ノ決算及業務成蹟ハ每年少クトモ一囘組合員ニ公示シ農商務大臣ニ報吿スヘシ
第十二條 同業組合及同業組合聯合會ハ其ノ事務ニ關シ行政廳ニ建議スルコトヲ得又其ノ諮問アルトキハ答申スヘシ
第十三條 同業組合及同業組合聯合會ハ農商務大臣又ハ地方長官ノ命シタル官吏ノ臨檢ヲ拒ムコトヲ得ス又其ノ質問ニ對シ確實ニ答辯スヘキモノトス
第十四條 農商務大臣ハ必要ト認ムルトキハ同業組合及同業組合聯合會ヲ設ケシムルコトヲ得
農商務大臣ハ必要ト認ムルトキハ同業組合ノ地區ノ範圍、營業ノ種類又ハ定款ノ變更ヲ命スルコトヲ得
第十五條 同業組合若ハ同業組合聯合會ノ決議又ハ其ノ役員ノ行爲ニシテ法律命令ニ違背シ又ハ公益ヲ害シ又ハ其ノ目的ニ違背シ又ハ監督官廳ノ命シタル事項ヲ執行セサルトキハ農商務大臣ハ左ノ處分ヲ爲スコトヲ得
一 同業組合若ハ同業組合聯合會ノ解散又ハ其ノ業務ノ停止
第十六條 同業組合若ハ同業組合聯合會解散ヲ爲サムトスルトキハ組合員三分ノ二以上ノ同意ニ依リ其ノ事由ヲ具シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第十七條 地方長官ハ其ノ管內ニ於ケル同業組合及同業組合聯合會ヲ監督シ必要アルトキハ意見ヲ具シ農商務大臣ノ處分ヲ請フヘシ
第十八條 農商務大臣ハ同業組合及同業組合聯合會ニ關シ其ノ職權ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第十九條 第四條第十三條ノ規定ニ違背シタル者ハ二圓以上百圓以下ノ過料ニ處ス
前項ノ過料ニ付テハ非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ヲ準用ス
第二十條 同業組合又ハ同業組合聯合會ノ證票若ハ檢査證ヲ營業品ニ僞リテ附シタル者又ハ僞造、變造ノ證票若ハ檢査證ヲ營業品ニ附シタル者ハ十五日以上六月以下ノ重禁錮又ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス