商業組合法
法令番号: 法律第二十五號
公布年月日: 昭和7年9月6日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル商業組合法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和七年九月五日
內閣總理大臣 子爵 齋藤實
大藏大臣 高橋是淸
商工大臣 男爵 中島久萬吉
法律第二十五號
商業組合法
第一條 商業者ハ其ノ商業ノ改良發達ヲ圖ル爲共同ノ施設ヲ爲ス目的ヲ以テ商業組合ヲ設立スルコトヲ得但シ特別ノ事情アルトキハ二種以上ノ商業者ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ得
前項ノ商業者ノ範圍ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 商業組合ハ法人トス
第三條 商業組合ハ左ノ事業ヲ行フコトヲ得
一 組合員ノ取扱商品ノ仕入、保管、運搬其ノ他組合員ノ營業ニ關スル共同施設
二 組合員ノ營業ニ關スル統制
三 組合員ノ營業ニ關スル指導、硏究、調査其ノ他組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
組合ハ前項ノ事業ノ外組合員ニ對シ其ノ營業ニ必要ナル資金ノ貸付又ハ組合員ノ貯金ノ受入ヲ併セ行フコトヲ得
第一項ニ揭ゲタル組合ノ施設ハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限リ組合員ニ非ザル者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第四條 商業組合ハ其ノ名稱中ニ商業組合ナル文字ヲ用フベシ
商業組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ商業組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第五條 商業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ經費ノ一部ヲ組合員ニ分賦スルコトヲ得
第六條 商業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款違反者ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第七條 商業組合定款ノ定ムル所ニ依リ組合員ノ營業ニ關スル統制ヲ行フ場合ニ於テハ之ニ關スル規程ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ其ノ規程ヲ變更セントスル場合亦同ジ
第八條 營業上ノ弊害ヲ豫防シ又ハ矯正スル爲必要ト認ムルトキハ行政官廳ハ商業組合ニ對シ必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
第九條 營業上ノ弊害ヲ豫防シ又ハ矯正スル爲特ニ必要ト認ムルトキハ行政官廳ハ商業組合ノ組合員又ハ其ノ組合ノ組合員ニ非ズシテ其ノ組合ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ニ對シ其ノ組合ノ統制ニ從フベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十條 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ登記前ニ在リテハ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第十一條 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ其ノ事實ノ生ジタル後二週間以內ニ之ヲ登記スベシ
登記スベキ事項ニシテ行政官廳ノ認可ヲ要スルモノハ其ノ認可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第十二條 商業組合ヲ設立セントスルトキハ豫メ地區ヲ定メ其ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ノ過半數ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ但シ組合員タル資格ヲ有スル者ノ營業ノ種類二以上アルトキハ各其ノ過半數ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
前項ノ同意ヲ得ルコト能ハザルトキト雖モ特別ノ事由アル場合ニ於テハ行政官廳ノ認可ヲ受ケ創立總會ヲ招集スルコトヲ得
第十三條 創立總會ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ設立同意者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ爲ス但シ設立同意者ノ營業ノ種類二以上アルトキハ各其ノ三分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第十四條 設立同意者ハ創立總會ニ於テ代理人ヲ以テ其ノ議決權ヲ行フコトヲ得但シ設立同意者ニ非ザレバ代理人タルコトヲ得ズ
代理人ハ代理權ヲ證スル書面ヲ差出スベシ
第十五條 商業組合ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名稱
三 地區
四 事務所ノ所在地
五 組合員タル資格ニ關スル規定
六 組合員ノ加入及脫退ニ關スル規定
七 出資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
八 剩餘金ノ處分及損失分擔ニ關スル規定
九 準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
十 組合員ノ權利義務ニ關スル規定
十一 事業及其ノ執行ニ關スル規定
十二 役員ニ關スル規定
十三 會議ニ關スル規定
十四 會計ニ關スル規定
十五 存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第十六條 商業組合ハ出資ノ第一囘ノ拂込アリタル後二週間以內ニ各事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ
一 前條第一號乃至第三號、第七號及第十五號ニ揭ゲタル事項
二 事務所
三 出資ノ總口數及拂込ミタル出資ノ總額
四 第十九條ノ組合ニ在リテハ各組合員ノ氏名又ハ名稱、住所及保證金額
五 設立認可ノ年月日
六 理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ揭ゲタル事項中ニ變更ヲ生ジタルトキハ其ノ登記ヲ爲スベシ但シ前項第三號ニ揭ゲタル事項ニ付テハ每事業年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後一月以內ニ登記ヲ爲スコトヲ得
第十七條 組合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
組合員ノ有スベキ出資口數ハ五十口ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ特別ノ事由アルトキハ定款ノ定ムル所ニ依リ之ヲ增加スルコトヲ得
第十八條 組合員ノ責任ハ第五條ノ規定ニ依ル費用負擔ノ外其ノ出資額ヲ限度トス
第十九條 商業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合財產ヲ以テ其ノ債務ヲ完濟スルコト能ハザル場合ニ於テ組合員ノ全員ガ其ノ出資額ノ外一定ノ金額(保證金額)ヲ限度トシテ責任ヲ負擔スルモノト爲スコトヲ得
第二十條 組合員ハ總組合員ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得テ會議ノ目的タル事項及其ノ招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ理事ニ提出シテ總會ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
理事ガ正當ノ理由ナクシテ前項ノ規定ニ依ル請求アリタル後二週間以內ニ總會招集ノ手續ヲ爲サザルトキハ請求者ハ行政官廳ノ認可ヲ受ケ之ヲ招集スルコトヲ得
第二十一條 商業組合ニハ理事及監事ヲ置クベシ
理事及監事ハ總會ニ於テ組合員中ヨリ之ヲ選任ス但シ組合設立當時ノ理事及監事ハ創立總會ニ於テ設立同意者ノ中ヨリ之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ組合員又ハ設立同意者ニ非ザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ選任ニ付行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第一項ノ規定ニ依ル役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
第二十二條 組合員ハ總會ニ於テ各一個ノ議決權ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付議決權總數ノ十分ノ三ヲ超エザル範圍內ニ於テ出資口數ニ應ジ二個以上ノ議決權ヲ有セシムルコトヲ得
第二十三條 經費ノ一部ヲ組合員ニ分賦スル商業組合ニ在リテハ其ノ經費ノ收支豫算及分賦收入方法ハ總會ノ議決ヲ經ベシ但シ組合設立當時ノ經費ノ收支豫算及分賦收入方法ハ創立總會ニ於テ之ヲ議決スベシ
前項ノ總會ノ議決ハ總組合員ノ半數以上出席シ其ノ議決權ノ四分ノ三以上ヲ以テ之ヲ爲スベシ但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四條 組合員タル資格ヲ有スル者商業組合ニ加入セントスルトキハ組合ハ正當ノ理由ナクシテ加入ニ困難ナル條件ヲ附シ又ハ其ノ加入ヲ拒ムコトヲ得ズ
第二十五條 組合員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ一定ノ期間前ニ豫吿ヲ爲シ商業組合ノ承諾ヲ得タル場合ニハ事業年度ノ終ニ於テ脫退スルコトヲ得
組合ハ正當ノ理由ナクシテ前項ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第二十六條 行政官廳必要ト認ムルトキハ商業組合ニ對シ經費ノ收支豫算、其ノ分賦收入方法又ハ定款ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第二十七條 組合ノ事業若ハ組合財產ノ狀況ニ依リ其ノ事業ノ繼續ヲ困難ナリト認ムルトキ又ハ組合ノ行爲ガ法令、定款若ハ行政官廳ノ命令ニ違反シタルトキ若ハ公益ヲ害スル虞アルトキハ行政官廳ハ左ノ處分ヲ爲スコトヲ得
一 總會ノ決議ノ取消
二 役員又ハ淸算人ノ解任
三 組合ノ事業ノ停止
四 組合ノ解散
第二十八條 商業組合聯合會ハ所屬ノ商業組合及商業組合聯合會ノ共同ノ目的ヲ達スル爲之ヲ設立スルコトヲ得
聯合會ハ商業組合又ハ商業組合聯合會ヲ以テ之ヲ組織ス
聯合會ハ法人トス
第二十九條 商業組合聯合會ヲ設立セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ所屬ノ各組合及聯合會ニ於テ選任シタル創立委員ヲ以テ創立委員會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第三十條 創立委員會ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ創立委員總數ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ爲ス
第十四條ノ規定ハ創立委員ニ付之ヲ準用ス
第三十一條 商業組合聯合會ノ理事及監事ハ總會ニ於テ所屬ノ組合及聯合會ノ理事又ハ監事ノ中ヨリ之ヲ選任ス但シ聯合會設立當時ノ理事及監事ハ創立委員會ニ於テ之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ所屬ノ組合及聯合會ノ理事又ハ監事ニ非ザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ選任ニ付行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第三十二條 商業組合ニ關スル規定ハ第三十七條ノ規定ニ依リ準用シタル產業組合法第三十八條ノ二ノ規定ヲ除クノ外商業組合聯合會ニ付之ヲ準用ス但シ第三條中組合員トアルハ所屬ノ組合、聯合會及組合員トス
第三十三條 設立ノ登記ハ理事及監事ノ全員ノ申請ニ因リテ之ヲ爲スベシ
申請書ニハ定款及創立總會、總會又ハ創立委員會ノ決議錄、出資ノ總口數ヲ證スル書面、出資ノ第一囘ノ拂込アリタルコトヲ證スル書面竝ニ理事及監事ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スベシ
第三十四條 事務所ノ新設、移轉其ノ他登記事項ノ變更ノ登記ハ理事又ハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲スベシ但シ合併又ハ出資一口ノ金額若ハ保證金額ノ減少ニ因ル變更ノ登記ハ理事及監事ノ全員ヨリ之ヲ爲スベシ
申請書ニハ申請人ノ資格ヲ證スル書面及登記事項ノ變更ヲ證スル書面ヲ添附スベシ但シ前ニ登記ノ申請ヲ爲シタル申請人ガ同一登記所ニ前項ノ申請ヲ爲ス場合ニ於テハ其ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要セズ
出資一口ノ金額又ハ保證金額ノ減少ノ登記申請書ニハ前項ニ規定スル書面ノ外本法ニ依リ催吿ヲ爲シタルコト及異議ヲ述ベタル債權者アル場合ニ於テハ之ニ對シ辨濟ヲ爲シ又ハ擔保ヲ供シタルコトヲ證スル書面ヲ添附スベシ
第三十五條 解散ノ登記ハ合併ニ因ル解散ノ場合ニ於テハ解散シタルトキノ理事及監事ノ全員、其ノ他ノ場合ニ於テハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲スベシ
申請書ニハ解散ノ事由ヲ證スル書面及理事ガ淸算人タラザル場合ニ於テハ申請人ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スベシ
前條第三項ノ規定ハ合併ニ因ル解散ノ登記ノ申請ニ付之ヲ準用ス
商業組合ガ命令ニ因リテ解散シタルトキハ登記所ハ行政官廳ノ囑託ニ因リテ登記ヲ爲スベシ
第三十六條 淸算結了ノ登記ハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲スベシ
第三十七條 民法第四十四條第一項、第四十五條第二項第三項、第四十八條、第五十條、第五十二條第二項、第五十三條乃至第五十五條、第五十九條、第六十條、第六十一條第一項、第六十二條、第六十四條、第六十六條、第七十條、第七十三條、第七十四條及第七十八條乃至第八十一條、非訟事件手續法第百三十八條、第百三十八條ノ三、第百四十一條乃至第百五十一條ノ六、第百五十四條乃至第百五十八條、第百六十五條、第百七十五條、第百七十六條及第百七十八條竝ニ產業組合法第五條、第六條、第十條、第十一條第一項、第十二條、第十八條乃至第二十二條、第二十四條、第二十六條乃至第三十一條ノ二、第三十三條、第三十四條ノ二第一項、第三十五條乃至第三十七條、第三十八條ノ二乃至第四十六條、第四十八條、第五十一條乃至第五十八條、第六十條、第六十條ノ二、第六十二條(第一項第四號ヲ除ク)、第六十三條第一項、第六十三條ノ二乃至第六十五條、第六十六條第一項、第六十七條、第六十八條、第七十條乃至第七十三條ノ三、第七十四條第一項、第七十四條ノ二第一項、第七十七條第三項、第七十八條、第九十六條、第九十七條及第百四條ノ規定ハ商業組合ニ付之ヲ準用ス但シ民法第四十五條第三項及第四十八條第一項中一週間トアルハ之ヲ二週間トシ產業組合法中主務大臣、地方長官又ハ監督官廳トアルハ之ヲ行政官廳トス
第三十八條 左ノ場合ニ於テハ商業組合ノ理事、監事又ハ淸算人ヲ十圓以上五百圓以下ノ過料ニ處ス
一 本法ニ依リ行政官廳ノ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二 本法ニ依ル登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
三 行政官廳又ハ總會若ハ總代會ニ對シ不實ノ申立ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
四 本法ニ依リ行政官廳ノ徵スル報吿ヲ差出サズ又ハ其ノ檢査ヲ拒ミ其ノ他行政官廳ノ命令又ハ處分ニ從ハザルトキ
五 本法ニ依ル總會又ハ總代會ノ招集ヲ怠リタルトキ
六 本法ニ依リ事務所ニ備置クベキ書類ヲ備ヘザルトキ、其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ又ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ閱覽ヲ拒ミタルトキ
七 本法ニ違反シテ組合員ノ持分ヲ拂戾シタルトキ
八 本法ニ違反シテ組合ガ組合員ノ持分ヲ取得シ又ハ質權ノ目的トシテ之ヲ受ケタルトキ
九 本法ニ違反シテ破產ノ宣吿ヲ請求セザルトキ
十 本法ニ違反シテ出資一口ノ金額若ハ保證金額ヲ減少シ、第三十七條ノ規定ニ依リ準用シタル產業組合法第五十八條ノ責任期間ノ短縮ヲ爲シ又ハ組合ノ合併ヲ爲シタルトキ
十一 本法ニ依ル公吿ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿ヲ爲シタルトキ
十二 淸算ノ場合ニ於テ本法ニ違反シテ辨濟ヲ爲シ又ハ組合財產ノ分配ヲ爲シタルトキ
十三 法令又ハ定款ニ違反シテ剩餘金ヲ處分シタルトキ
十四 組合ノ目的ニ非ザル營利事業ヲ爲シタルトキ
第三十九條 第四條第二項ノ規定ニ違反シタル者ハ十圓以上二百圓以下ノ過料ニ處ス
第四十條 非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前二條ノ過料ニ付之ヲ準用ス
第四十一條 第九條ノ規定ニ依ル行政官廳ノ命令ニ違反シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
商業者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ營業ニ關シ前項ノ命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第四十二條 前條ノ罰則ハ商業者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十三條 商業組合ノ證票若ハ檢査證ヲ不正ニ使用シタル者、行使ノ目的ヲ以テ證票若ハ檢査證ヲ僞造若ハ變造シタル者又ハ僞造若ハ變造ノ證票若ハ檢査證ヲ使用シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十四條 商業組合ノ理事、監事若ハ淸算人又ハ檢査員其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第四十五條 前條第一項ニ揭ゲタル者ニ對シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第四十六條 第四十三條ニ揭ゲタル罪ハ刑法第三條ノ例ニ、第四十四條ニ揭ゲタル罪ハ刑法第四條ノ例ニ從フ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際商業組合ニ非ズシテ其ノ名稱中ニ商業組合ナル文字ヲ用フルモノハ本法施行後六月以內ニ其ノ名稱ヲ變更スルコトヲ要ス
第三十九條ノ規定ハ前項ノ期間內之ヲ前項ニ揭ゲタルモノニ適用セズ
登錄稅法第十九條第七號中「重要輸出品工業組合、重要輸出品工業組合聯合會又ハ輸出組合」ヲ「工業組合、工業組合聯合會、商業組合、商業組合聯合會、輸出組合又ハ輸出組合聯合會」ニ、「重要輸出品工業組合法」ヲ「工業組合法、商業組合法」ニ改ム
印紙稅法第四條第一項第十一號中「重要輸出品工業組合、重要輸出品工業組合聯合會又ハ輸出組合」ヲ「工業組合、工業組合聯合會、商業組合、商業組合聯合會、輸出組合又ハ輸出組合聯合會」ニ改ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル商業組合法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和七年九月五日
内閣総理大臣 子爵 斎藤実
大蔵大臣 高橋是清
商工大臣 男爵 中島久万吉
法律第二十五号
商業組合法
第一条 商業者ハ其ノ商業ノ改良発達ヲ図ル為共同ノ施設ヲ為ス目的ヲ以テ商業組合ヲ設立スルコトヲ得但シ特別ノ事情アルトキハ二種以上ノ商業者ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ得
前項ノ商業者ノ範囲ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 商業組合ハ法人トス
第三条 商業組合ハ左ノ事業ヲ行フコトヲ得
一 組合員ノ取扱商品ノ仕入、保管、運搬其ノ他組合員ノ営業ニ関スル共同施設
二 組合員ノ営業ニ関スル統制
三 組合員ノ営業ニ関スル指導、研究、調査其ノ他組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
組合ハ前項ノ事業ノ外組合員ニ対シ其ノ営業ニ必要ナル資金ノ貸付又ハ組合員ノ貯金ノ受入ヲ併セ行フコトヲ得
第一項ニ掲ゲタル組合ノ施設ハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限リ組合員ニ非ザル者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第四条 商業組合ハ其ノ名称中ニ商業組合ナル文字ヲ用フベシ
商業組合ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ商業組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第五条 商業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ経費ノ一部ヲ組合員ニ分賦スルコトヲ得
第六条 商業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款違反者ニ対シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第七条 商業組合定款ノ定ムル所ニ依リ組合員ノ営業ニ関スル統制ヲ行フ場合ニ於テハ之ニ関スル規程ヲ定メ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ其ノ規程ヲ変更セントスル場合亦同ジ
第八条 営業上ノ弊害ヲ予防シ又ハ矯正スル為必要ト認ムルトキハ行政官庁ハ商業組合ニ対シ必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
第九条 営業上ノ弊害ヲ予防シ又ハ矯正スル為特ニ必要ト認ムルトキハ行政官庁ハ商業組合ノ組合員又ハ其ノ組合ノ組合員ニ非ズシテ其ノ組合ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ニ対シ其ノ組合ノ統制ニ従フベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十条 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ登記前ニ在リテハ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
第十一条 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ其ノ事実ノ生ジタル後二週間以内ニ之ヲ登記スベシ
登記スベキ事項ニシテ行政官庁ノ認可ヲ要スルモノハ其ノ認可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第十二条 商業組合ヲ設立セントスルトキハ予メ地区ヲ定メ其ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ノ過半数ノ同意ヲ得テ創立総会ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ但シ組合員タル資格ヲ有スル者ノ営業ノ種類二以上アルトキハ各其ノ過半数ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
前項ノ同意ヲ得ルコト能ハザルトキト雖モ特別ノ事由アル場合ニ於テハ行政官庁ノ認可ヲ受ケ創立総会ヲ招集スルコトヲ得
第十三条 創立総会ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ設立同意者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ為ス但シ設立同意者ノ営業ノ種類二以上アルトキハ各其ノ三分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第十四条 設立同意者ハ創立総会ニ於テ代理人ヲ以テ其ノ議決権ヲ行フコトヲ得但シ設立同意者ニ非ザレバ代理人タルコトヲ得ズ
代理人ハ代理権ヲ証スル書面ヲ差出スベシ
第十五条 商業組合ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名称
三 地区
四 事務所ノ所在地
五 組合員タル資格ニ関スル規定
六 組合員ノ加入及脱退ニ関スル規定
七 出資一口ノ金額及其ノ払込ノ方法
八 剰余金ノ処分及損失分担ニ関スル規定
九 準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
十 組合員ノ権利義務ニ関スル規定
十一 事業及其ノ執行ニ関スル規定
十二 役員ニ関スル規定
十三 会議ニ関スル規定
十四 会計ニ関スル規定
十五 存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第十六条 商業組合ハ出資ノ第一回ノ払込アリタル後二週間以内ニ各事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ
一 前条第一号乃至第三号、第七号及第十五号ニ掲ゲタル事項
二 事務所
三 出資ノ総口数及払込ミタル出資ノ総額
四 第十九条ノ組合ニ在リテハ各組合員ノ氏名又ハ名称、住所及保証金額
五 設立認可ノ年月日
六 理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ掲ゲタル事項中ニ変更ヲ生ジタルトキハ其ノ登記ヲ為スベシ但シ前項第三号ニ掲ゲタル事項ニ付テハ毎事業年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後一月以内ニ登記ヲ為スコトヲ得
第十七条 組合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
組合員ノ有スベキ出資口数ハ五十口ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ特別ノ事由アルトキハ定款ノ定ムル所ニ依リ之ヲ増加スルコトヲ得
第十八条 組合員ノ責任ハ第五条ノ規定ニ依ル費用負担ノ外其ノ出資額ヲ限度トス
第十九条 商業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合財産ヲ以テ其ノ債務ヲ完済スルコト能ハザル場合ニ於テ組合員ノ全員ガ其ノ出資額ノ外一定ノ金額(保証金額)ヲ限度トシテ責任ヲ負担スルモノト為スコトヲ得
第二十条 組合員ハ総組合員ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得テ会議ノ目的タル事項及其ノ招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ理事ニ提出シテ総会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
理事ガ正当ノ理由ナクシテ前項ノ規定ニ依ル請求アリタル後二週間以内ニ総会招集ノ手続ヲ為サザルトキハ請求者ハ行政官庁ノ認可ヲ受ケ之ヲ招集スルコトヲ得
第二十一条 商業組合ニハ理事及監事ヲ置クベシ
理事及監事ハ総会ニ於テ組合員中ヨリ之ヲ選任ス但シ組合設立当時ノ理事及監事ハ創立総会ニ於テ設立同意者ノ中ヨリ之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ組合員又ハ設立同意者ニ非ザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ選任ニ付行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第一項ノ規定ニ依ル役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
第二十二条 組合員ハ総会ニ於テ各一個ノ議決権ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付議決権総数ノ十分ノ三ヲ超エザル範囲内ニ於テ出資口数ニ応ジ二個以上ノ議決権ヲ有セシムルコトヲ得
第二十三条 経費ノ一部ヲ組合員ニ分賦スル商業組合ニ在リテハ其ノ経費ノ収支予算及分賦収入方法ハ総会ノ議決ヲ経ベシ但シ組合設立当時ノ経費ノ収支予算及分賦収入方法ハ創立総会ニ於テ之ヲ議決スベシ
前項ノ総会ノ議決ハ総組合員ノ半数以上出席シ其ノ議決権ノ四分ノ三以上ヲ以テ之ヲ為スベシ但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四条 組合員タル資格ヲ有スル者商業組合ニ加入セントスルトキハ組合ハ正当ノ理由ナクシテ加入ニ困難ナル条件ヲ附シ又ハ其ノ加入ヲ拒ムコトヲ得ズ
第二十五条 組合員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ一定ノ期間前ニ予告ヲ為シ商業組合ノ承諾ヲ得タル場合ニハ事業年度ノ終ニ於テ脱退スルコトヲ得
組合ハ正当ノ理由ナクシテ前項ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第二十六条 行政官庁必要ト認ムルトキハ商業組合ニ対シ経費ノ収支予算、其ノ分賦収入方法又ハ定款ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
第二十七条 組合ノ事業若ハ組合財産ノ状況ニ依リ其ノ事業ノ継続ヲ困難ナリト認ムルトキ又ハ組合ノ行為ガ法令、定款若ハ行政官庁ノ命令ニ違反シタルトキ若ハ公益ヲ害スル虞アルトキハ行政官庁ハ左ノ処分ヲ為スコトヲ得
一 総会ノ決議ノ取消
二 役員又ハ清算人ノ解任
三 組合ノ事業ノ停止
四 組合ノ解散
第二十八条 商業組合連合会ハ所属ノ商業組合及商業組合連合会ノ共同ノ目的ヲ達スル為之ヲ設立スルコトヲ得
連合会ハ商業組合又ハ商業組合連合会ヲ以テ之ヲ組織ス
連合会ハ法人トス
第二十九条 商業組合連合会ヲ設立セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ所属ノ各組合及連合会ニ於テ選任シタル創立委員ヲ以テ創立委員会ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第三十条 創立委員会ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ創立委員総数ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ為ス
第十四条ノ規定ハ創立委員ニ付之ヲ準用ス
第三十一条 商業組合連合会ノ理事及監事ハ総会ニ於テ所属ノ組合及連合会ノ理事又ハ監事ノ中ヨリ之ヲ選任ス但シ連合会設立当時ノ理事及監事ハ創立委員会ニ於テ之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ所属ノ組合及連合会ノ理事又ハ監事ニ非ザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ選任ニ付行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第三十二条 商業組合ニ関スル規定ハ第三十七条ノ規定ニ依リ準用シタル産業組合法第三十八条ノ二ノ規定ヲ除クノ外商業組合連合会ニ付之ヲ準用ス但シ第三条中組合員トアルハ所属ノ組合、連合会及組合員トス
第三十三条 設立ノ登記ハ理事及監事ノ全員ノ申請ニ因リテ之ヲ為スベシ
申請書ニハ定款及創立総会、総会又ハ創立委員会ノ決議録、出資ノ総口数ヲ証スル書面、出資ノ第一回ノ払込アリタルコトヲ証スル書面並ニ理事及監事ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スベシ
第三十四条 事務所ノ新設、移転其ノ他登記事項ノ変更ノ登記ハ理事又ハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為スベシ但シ合併又ハ出資一口ノ金額若ハ保証金額ノ減少ニ因ル変更ノ登記ハ理事及監事ノ全員ヨリ之ヲ為スベシ
申請書ニハ申請人ノ資格ヲ証スル書面及登記事項ノ変更ヲ証スル書面ヲ添附スベシ但シ前ニ登記ノ申請ヲ為シタル申請人ガ同一登記所ニ前項ノ申請ヲ為ス場合ニ於テハ其ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要セズ
出資一口ノ金額又ハ保証金額ノ減少ノ登記申請書ニハ前項ニ規定スル書面ノ外本法ニ依リ催告ヲ為シタルコト及異議ヲ述ベタル債権者アル場合ニ於テハ之ニ対シ弁済ヲ為シ又ハ担保ヲ供シタルコトヲ証スル書面ヲ添附スベシ
第三十五条 解散ノ登記ハ合併ニ因ル解散ノ場合ニ於テハ解散シタルトキノ理事及監事ノ全員、其ノ他ノ場合ニ於テハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為スベシ
申請書ニハ解散ノ事由ヲ証スル書面及理事ガ清算人タラザル場合ニ於テハ申請人ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スベシ
前条第三項ノ規定ハ合併ニ因ル解散ノ登記ノ申請ニ付之ヲ準用ス
商業組合ガ命令ニ因リテ解散シタルトキハ登記所ハ行政官庁ノ嘱託ニ因リテ登記ヲ為スベシ
第三十六条 清算結了ノ登記ハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為スベシ
第三十七条 民法第四十四条第一項、第四十五条第二項第三項、第四十八条、第五十条、第五十二条第二項、第五十三条乃至第五十五条、第五十九条、第六十条、第六十一条第一項、第六十二条、第六十四条、第六十六条、第七十条、第七十三条、第七十四条及第七十八条乃至第八十一条、非訟事件手続法第百三十八条、第百三十八条ノ三、第百四十一条乃至第百五十一条ノ六、第百五十四条乃至第百五十八条、第百六十五条、第百七十五条、第百七十六条及第百七十八条並ニ産業組合法第五条、第六条、第十条、第十一条第一項、第十二条、第十八条乃至第二十二条、第二十四条、第二十六条乃至第三十一条ノ二、第三十三条、第三十四条ノ二第一項、第三十五条乃至第三十七条、第三十八条ノ二乃至第四十六条、第四十八条、第五十一条乃至第五十八条、第六十条、第六十条ノ二、第六十二条(第一項第四号ヲ除ク)、第六十三条第一項、第六十三条ノ二乃至第六十五条、第六十六条第一項、第六十七条、第六十八条、第七十条乃至第七十三条ノ三、第七十四条第一項、第七十四条ノ二第一項、第七十七条第三項、第七十八条、第九十六条、第九十七条及第百四条ノ規定ハ商業組合ニ付之ヲ準用ス但シ民法第四十五条第三項及第四十八条第一項中一週間トアルハ之ヲ二週間トシ産業組合法中主務大臣、地方長官又ハ監督官庁トアルハ之ヲ行政官庁トス
第三十八条 左ノ場合ニ於テハ商業組合ノ理事、監事又ハ清算人ヲ十円以上五百円以下ノ過料ニ処ス
一 本法ニ依リ行政官庁ノ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二 本法ニ依ル登記ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ為シタルトキ
三 行政官庁又ハ総会若ハ総代会ニ対シ不実ノ申立ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ
四 本法ニ依リ行政官庁ノ徴スル報告ヲ差出サズ又ハ其ノ検査ヲ拒ミ其ノ他行政官庁ノ命令又ハ処分ニ従ハザルトキ
五 本法ニ依ル総会又ハ総代会ノ招集ヲ怠リタルトキ
六 本法ニ依リ事務所ニ備置クベキ書類ヲ備ヘザルトキ、其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ為シタルトキ又ハ正当ノ理由ナクシテ其ノ閲覧ヲ拒ミタルトキ
七 本法ニ違反シテ組合員ノ持分ヲ払戻シタルトキ
八 本法ニ違反シテ組合ガ組合員ノ持分ヲ取得シ又ハ質権ノ目的トシテ之ヲ受ケタルトキ
九 本法ニ違反シテ破産ノ宣告ヲ請求セザルトキ
十 本法ニ違反シテ出資一口ノ金額若ハ保証金額ヲ減少シ、第三十七条ノ規定ニ依リ準用シタル産業組合法第五十八条ノ責任期間ノ短縮ヲ為シ又ハ組合ノ合併ヲ為シタルトキ
十一 本法ニ依ル公告ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告ヲ為シタルトキ
十二 清算ノ場合ニ於テ本法ニ違反シテ弁済ヲ為シ又ハ組合財産ノ分配ヲ為シタルトキ
十三 法令又ハ定款ニ違反シテ剰余金ヲ処分シタルトキ
十四 組合ノ目的ニ非ザル営利事業ヲ為シタルトキ
第三十九条 第四条第二項ノ規定ニ違反シタル者ハ十円以上二百円以下ノ過料ニ処ス
第四十条 非訟事件手続法第二百六条乃至第二百八条ノ規定ハ前二条ノ過料ニ付之ヲ準用ス
第四十一条 第九条ノ規定ニ依ル行政官庁ノ命令ニ違反シタル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
商業者ハ其ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ営業ニ関シ前項ノ命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第四十二条 前条ノ罰則ハ商業者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十三条 商業組合ノ証票若ハ検査証ヲ不正ニ使用シタル者、行使ノ目的ヲ以テ証票若ハ検査証ヲ偽造若ハ変造シタル者又ハ偽造若ハ変造ノ証票若ハ検査証ヲ使用シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第四十四条 商業組合ノ理事、監事若ハ清算人又ハ検査員其ノ職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ処ス因テ不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ処ス
前項ノ場合ニ於テ収受シタル賄賂ハ之ヲ没収ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス
第四十五条 前条第一項ニ掲ゲタル者ニ対シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得
第四十六条 第四十三条ニ掲ゲタル罪ハ刑法第三条ノ例ニ、第四十四条ニ掲ゲタル罪ハ刑法第四条ノ例ニ従フ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際商業組合ニ非ズシテ其ノ名称中ニ商業組合ナル文字ヲ用フルモノハ本法施行後六月以内ニ其ノ名称ヲ変更スルコトヲ要ス
第三十九条ノ規定ハ前項ノ期間内之ヲ前項ニ掲ゲタルモノニ適用セズ
登録税法第十九条第七号中「重要輸出品工業組合、重要輸出品工業組合連合会又ハ輸出組合」ヲ「工業組合、工業組合連合会、商業組合、商業組合連合会、輸出組合又ハ輸出組合連合会」ニ、「重要輸出品工業組合法」ヲ「工業組合法、商業組合法」ニ改ム
印紙税法第四条第一項第十一号中「重要輸出品工業組合、重要輸出品工業組合連合会又ハ輸出組合」ヲ「工業組合、工業組合連合会、商業組合、商業組合連合会、輸出組合又ハ輸出組合連合会」ニ改ム