第一條 本法施行地ニ於テ左ニ揭グル家屋ヲ建築(增築及改造ヲ含ム以下同ジ)シタル者ニハ本法ニ依リ建築稅ヲ課ス
二 料理店業、席貸業其ノ他之ニ類スル營業ノ用ニ供スル家屋ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ
三 演劇、活動寫眞、演藝又ハ觀物(相撲、野球、拳鬪其ノ他ノ競技ニシテ公衆ノ觀覽ニ供スルコトヲ目的トスルモノヲ含ム)ノ開催ノ用ニ供スル家屋
第二條 建築稅ハ家屋(附屬工作物ヲ含ム以下同ジ)一構每ニ其ノ建築價額ヲ標準トシテ之ヲ賦課ス
一構ノ家屋ノ一部ガ前條ノ家屋ニ該當スル場合ニ於テハ其ノ部分ヲ以テ一構ノ家屋ト看做ス
第三條 第一條ニ揭グル家屋ヲ新築シタル者新築竣成後一年以內ニ其ノ家屋ト一構ト爲ルベキ建築ヲ爲シタル場合ニ於テハ前後ノ建築ヲ通ジテ一建築ト看做シ本法ヲ適用ス
前項ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スベキ場合ニ於テ旣ニ建築稅ヲ課シタル部分アルトキハ其ノ建築稅ニ相當スル金額ヲ建築稅額ヨリ控除ス
第四條 建築稅ハ建築價額ヨリ五千圓ヲ控除シタル金額ノ百分ノ十ニ相當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第五條 左ニ揭グル家屋ヲ建築シタル場合ニ於テハ建築稅ヲ課セズ
二 公用又ハ公共ノ用ニ供スル爲北海道、府縣、市町村其ノ他命令ヲ以テ指定スル公共團體ガ建築シタル家屋
第六條 左ニ揭グル家屋ヲ建築シタル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ建築稅ヲ免除ス
一 災害ニ因リ滅失又ハ損壞シタル家屋ニ代ヘテ建築シタル家屋
二 法令ニ依リ收用又ハ使用セラレタル家屋ニ代ヘテ建築シタル家屋及法令ニ依ル敷地ノ收用又ハ使用ニ因リ取毀シタル家屋ニ代ヘテ建築シタル家屋
第七條 建築稅ニ付納稅義務アル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ建築價額ヲ政府ニ申吿スベシ
第八條 建築價額ハ前條ノ申吿ニ依リ、申吿ナキトキ又ハ申吿ヲ不相當ト認ムルトキハ政府ノ調査ニ依リ政府ニ於テ之ヲ決定ス
建築價額ヲ決定シタルトキハ政府ハ之ヲ納稅義務者ニ通知スベシ
納稅義務者納稅地ニ現住セザルトキハ建築價額ノ申吿、納稅其ノ他建築稅ニ關スル事項ヲ處理セシムル爲其ノ地ニ於テ納稅管理人ヲ定メ政府ニ申吿スベシ
第十一條 本法ノ適用ニ付テハ被相續人ノ爲シタル家屋ノ建築ハ相續人ノ爲シタルモノト看做シ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ爲シタル家屋ノ建築ハ合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ノ爲シタルモノト看做ス
第十二條 收稅官吏ハ家屋ヲ建築シタル者、建築工事請負人、建築工事管理者若ハ建築材料供給者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ家屋、建築ニ關スル帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
第十三條 詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ建築稅ヲ逋脫シタル者ハ其ノ逋脫シタル稅金ノ三倍ニ相當スル罰金又ハ科料ニ處シ直ニ其ノ稅金ヲ徵收ス但シ自首シ又ハ稅務署長ニ申出デタル者ハ其ノ罪ヲ問ハズ
第十四條 第十二條ノ規定ニ依ル收稅官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者ハ百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
第十五條 第十三條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八條第三項但書、第三十九條第二項、第四十條、第四十一條、第四十八條第二項、第六十三條及第六十六條ノ規定ヲ適用セズ