朕海軍特修兵令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正二年三月二十六日
內閣總理大臣 伯爵 山本權兵衞
海軍大臣 男爵 齋藤實
勅令第二十六號
海軍特修兵令
第一條 海軍下士卒ニシテ志願ニ依リ命令ヲ以テ定ムル學校艦團病院ニ於テ左ノ特別技術ノ一ヲ修メタル者ハ其ノ服役期間之ヲ海軍特修兵トス
一 砲術
二 水雷術
三 運用術
四 信號術
五 電信術
六 軍樂
七 船匠術
八 機關術
九 電機術
十 工術
十一 看護術
十二 掌記術
十三 掌廚術
第二條 特修兵ニハ別ニ定ムル所ニ依リ特技章ヲ付與ス
第三條 第一條第一號乃至第五號又ハ第八號乃至第十號ノ特別技術ヲ修メタル特修兵ヲ特ニ左ノ如ク稱ス
一 砲術 掌砲兵
二 水雷術 掌水雷兵
三 運用術 掌帆兵
四 信號術 掌信號兵
五 電信術 掌電信兵
六 機關術 掌機兵
七 電機術 掌電機兵
八 工術 掌工兵
第四條 海軍大臣ハ特修兵ニ付課程ノ種別ニ從ヒ其ノ課程卒業ノ月ノ始ヨリ起算シ五年以內ノ期間ニ於テ服役ヲ延長スルコトヲ得
第五條 海軍大臣ハ必要アリト認ムルトキハ第一條ノ規定ニ拘ラス特修兵タルノ期間ヲ限定スルコトヲ得
第六條 特修兵禁錮以上ノ刑ニ處セラレタルトキハ所轄長ハ其ノ特技章ヲ褫奪ス但シ刑ノ執行ヲ猶豫セラレタルトキハ其ノ情狀ニ依リ所屬長官ノ認可ヲ經テ之ヲ褫奪セサルコトヲ得
特修兵左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ所轄長ハ所屬長官ノ認可ヲ經テ其ノ特技章ヲ褫奪スルコトヲ得
一 品行不正ニシテ改悛ノ見込ナキトキ
二 實務ノ成績不良ナルトキ
第七條 特修兵第五條ノ規定ニ依リ特修兵タルノ期間ヲ限定セラレタル場合ニ於テ其ノ期間滿了シタルトキ又ハ前條ノ規定ニ依リ特技章ヲ褫奪セラレタルトキハ第四條ノ規定ニ依ル服役ノ義務ハ消滅ス
第八條 特修兵前條ノ規定ニ該當スルニ至リタルトキハ其ノ身分ヲ喪失ス
附 則
本令ハ大正二年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
海軍特修兵條例ハ之ヲ廢止ス
海軍特修兵條例ニ依ル特修兵ハ本令ニ依ル特修兵ト看做ス但シ掌角兵ハ掌信號兵トス
朕海軍特修兵令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正二年三月二十六日
内閣総理大臣 伯爵 山本権兵衛
海軍大臣 男爵 斎藤実
勅令第二十六号
海軍特修兵令
第一条 海軍下士卒ニシテ志願ニ依リ命令ヲ以テ定ムル学校艦団病院ニ於テ左ノ特別技術ノ一ヲ修メタル者ハ其ノ服役期間之ヲ海軍特修兵トス
一 砲術
二 水雷術
三 運用術
四 信号術
五 電信術
六 軍楽
七 船匠術
八 機関術
九 電機術
十 工術
十一 看護術
十二 掌記術
十三 掌厨術
第二条 特修兵ニハ別ニ定ムル所ニ依リ特技章ヲ付与ス
第三条 第一条第一号乃至第五号又ハ第八号乃至第十号ノ特別技術ヲ修メタル特修兵ヲ特ニ左ノ如ク称ス
一 砲術 掌砲兵
二 水雷術 掌水雷兵
三 運用術 掌帆兵
四 信号術 掌信号兵
五 電信術 掌電信兵
六 機関術 掌機兵
七 電機術 掌電機兵
八 工術 掌工兵
第四条 海軍大臣ハ特修兵ニ付課程ノ種別ニ従ヒ其ノ課程卒業ノ月ノ始ヨリ起算シ五年以内ノ期間ニ於テ服役ヲ延長スルコトヲ得
第五条 海軍大臣ハ必要アリト認ムルトキハ第一条ノ規定ニ拘ラス特修兵タルノ期間ヲ限定スルコトヲ得
第六条 特修兵禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルトキハ所轄長ハ其ノ特技章ヲ褫奪ス但シ刑ノ執行ヲ猶予セラレタルトキハ其ノ情状ニ依リ所属長官ノ認可ヲ経テ之ヲ褫奪セサルコトヲ得
特修兵左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ所轄長ハ所属長官ノ認可ヲ経テ其ノ特技章ヲ褫奪スルコトヲ得
一 品行不正ニシテ改悛ノ見込ナキトキ
二 実務ノ成績不良ナルトキ
第七条 特修兵第五条ノ規定ニ依リ特修兵タルノ期間ヲ限定セラレタル場合ニ於テ其ノ期間満了シタルトキ又ハ前条ノ規定ニ依リ特技章ヲ褫奪セラレタルトキハ第四条ノ規定ニ依ル服役ノ義務ハ消滅ス
第八条 特修兵前条ノ規定ニ該当スルニ至リタルトキハ其ノ身分ヲ喪失ス
附 則
本令ハ大正二年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
海軍特修兵条例ハ之ヲ廃止ス
海軍特修兵条例ニ依ル特修兵ハ本令ニ依ル特修兵ト看做ス但シ掌角兵ハ掌信号兵トス