朕在外國公使館附陸海軍武官俸給令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十一月二十二日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
海軍大臣 伯爵 西鄕從道
陸軍大臣 伯爵 大山巖
勅令第二百十二號
在外國公使館附陸海軍武官俸給令
第一條 在外國公使館附陸海軍武官ノ俸給ハ分チテ本俸及在勤俸ノ二種トス
第二條 公使館附陸軍武官ノ本俸ハ陸軍給與令ニ定ムル所ノ現役俸及職務俸トス
公使館附海軍武官ノ本俸ハ海軍軍人俸給令中第一表ニ依ル
第三條 公使館附陸海軍武官ノ在勤俸年額ハ別表ニ依ル
陸軍大尉ニシテ公使館附少佐ノ職務心得ヲ命セラレタル者ノ在勤俸ハ陸軍佐官ノ在勤俸額ニ同シ
第四條 淸國公使館附陸海軍武官ニシテ特ニ天津在勤ヲ命セラレタル者ニハ年額三百六十圓以內ヲ增給スルコトヲ得
第五條 在勤俸ハ海外在勤ノ場合ニ於テ本俸ノ外任所到著ノ翌日ヨリ任所出發ノ前日マテ之ヲ給ス
第六條 任所替ヲ命セラレタルトキハ舊任所出發ノ當日ヨリ新任所到著ノ日マテハ在勤俸ヲ給セス
第七條 歸朝若クハ任所替ヲ命セラレタル者其ノ辭令到達ノ日ヨリ三十日ヲ過キ尙出發セサルトキハ其ノ翌日ヨリ在勤俸ヲ給セス但特ニ滯在ヲ命セラレタル者ハ此ノ限ニアラス
第八條 俸給ハ年額ヲ十二分シテ一箇月分トシ每月下旬ニ之ヲ給ス但外國ニ送金ヲ要スルモノハ半箇年分以內ニ於テ前金渡ヲ爲スコトヲ得
第九條 歐米各國ニ在勤スル者ノ在勤俸ハ金貨ヲ以テ支給シ東洋諸國ニ在勤スル者ノ在勤俸ハ銀貨ヲ以テ支給ス
附 則
第十條 本令ハ明治二十七年四月一日ヨリ施行ス
明治二十一年勅令第十八號及本年勅令第六號ハ本令施行ノ日ヨリ廢止ス
(別表)
在外國公使館附陸海軍武官在勤俸
【表】
朕在外国公使館附陸海軍武官俸給令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十一月二十二日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
海軍大臣 伯爵 西郷従道
陸軍大臣 伯爵 大山巌
勅令第二百十二号
在外国公使館附陸海軍武官俸給令
第一条 在外国公使館附陸海軍武官ノ俸給ハ分チテ本俸及在勤俸ノ二種トス
第二条 公使館附陸軍武官ノ本俸ハ陸軍給与令ニ定ムル所ノ現役俸及職務俸トス
公使館附海軍武官ノ本俸ハ海軍軍人俸給令中第一表ニ依ル
第三条 公使館附陸海軍武官ノ在勤俸年額ハ別表ニ依ル
陸軍大尉ニシテ公使館附少佐ノ職務心得ヲ命セラレタル者ノ在勤俸ハ陸軍佐官ノ在勤俸額ニ同シ
第四条 清国公使館附陸海軍武官ニシテ特ニ天津在勤ヲ命セラレタル者ニハ年額三百六十円以内ヲ増給スルコトヲ得
第五条 在勤俸ハ海外在勤ノ場合ニ於テ本俸ノ外任所到著ノ翌日ヨリ任所出発ノ前日マテ之ヲ給ス
第六条 任所替ヲ命セラレタルトキハ旧任所出発ノ当日ヨリ新任所到著ノ日マテハ在勤俸ヲ給セス
第七条 帰朝若クハ任所替ヲ命セラレタル者其ノ辞令到達ノ日ヨリ三十日ヲ過キ尚出発セサルトキハ其ノ翌日ヨリ在勤俸ヲ給セス但特ニ滞在ヲ命セラレタル者ハ此ノ限ニアラス
第八条 俸給ハ年額ヲ十二分シテ一箇月分トシ毎月下旬ニ之ヲ給ス但外国ニ送金ヲ要スルモノハ半箇年分以内ニ於テ前金渡ヲ為スコトヲ得
第九条 欧米各国ニ在勤スル者ノ在勤俸ハ金貨ヲ以テ支給シ東洋諸国ニ在勤スル者ノ在勤俸ハ銀貨ヲ以テ支給ス
附 則
第十条 本令ハ明治二十七年四月一日ヨリ施行ス
明治二十一年勅令第十八号及本年勅令第六号ハ本令施行ノ日ヨリ廃止ス
(別表)
在外国公使館附陸海軍武官在勤俸
【表】