(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、改正後の不動産登記法(以下「新法」という。)第百二十七条及び附則第四条第四項の規定は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行の日(平成十七年四月一日)又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。
(経過措置)
第二条 新法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、改正前の不動産登記法(以下「旧法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。
2 この法律の施行前にした旧法の規定による処分、手続その他の行為は、この附則に特別の定めがある場合を除き、新法の適用については、新法の相当規定によってしたものとみなす。
第三条 新法第二条第五号及び第九号、第十二条、第五十一条第五項及び第六項(第五十三条第二項において準用する場合を含む。)並びに第百十九条の規定は、登記所ごとに電子情報処理組織(旧法第百五十一条ノ二第一項の電子情報処理組織をいう。第三項において同じ。)により取り扱う事務として法務大臣が指定した事務について、その指定の日から適用する。
2 前項の規定による指定は、告示してしなければならない。
3 前二項の規定にかかわらず、この法律の施行の際現に旧法第百五十一条ノ二第一項の指定を受けている登記所において電子情報処理組織により取り扱うべきこととされている事務については、この法律の施行の日に第一項の規定による指定を受けたものとみなす。
4 第一項の規定による指定がされるまでの間は、同項の規定による指定を受けていない事務については、旧法第十四条から第十六条ノ二まで、第二十一条第一項(登記簿の謄本又は抄本の交付及び登記簿の閲覧に係る部分に限る。)及び第三項並びに第二十四条ノ二第一項及び第三項の規定は、なおその効力を有する。
5 第一項の規定による指定がされるまでの間における前項の事務についての新法の適用については、新法本則(新法第二条第六号、第十五条及び第二十五条第二号を除く。)中「登記記録」とあるのは「登記簿」と、新法第二条第六号及び第二十五条第二号中「登記記録として」とあるのは「登記簿に」と、新法第二条第八号及び第十一号中「権利部」とあるのは「事項欄」と、新法第十五条中「登記簿及び登記記録」とあるのは「登記簿」と、第百二十二条中「、登記簿」とあるのは「、登記簿(附則第三条第四項の規定によりなおその効力を有することとされる旧法第二十四条ノ二第一項の閉鎖登記簿を含む。)」とする。
6 新法第百十九条第四項の規定は、第四項の規定によりなおその効力を有することとされる旧法第二十一条第一項(第四項の規定によりなおその効力を有することとされる旧法第二十四条ノ二第三項において準用する場合を含む。)の手数料の納付について準用する。この場合において、新法第百十九条第四項中「第一項及び第二項」とあるのは、「附則第三条第四項の規定によりなおその効力を有することとされる旧法第二十一条第一項(附則第三条第四項の規定によりなおその効力を有することとされる旧法第二十四条ノ二第三項において準用する場合を含む。)」と読み替えるものとする。
7 新法第百十九条第五項の規定は、同項の請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所における第一項の規定による指定(第三項の規定により指定を受けたものとみなされるものを含む。)を受けていない事務については、適用しない。
第四条 前条第一項の規定による指定(同条第三項の規定により指定を受けたものとみなされるものを含む。)がされた際現に登記所に備え付けてある当該指定を受けた事務に係る閉鎖登記簿については、旧法第二十四条ノ二第三項の規定は、なおその効力を有する。
2 新法第百十九条第四項の規定は、前項の規定によりなおその効力を有することとされる旧法第二十四条ノ二第三項において準用する旧法第二十一条第一項の手数料の納付について準用する。この場合において、新法第百十九条第四項中「第一項及び第二項」とあるのは、「附則第四条第一項の規定によりなおその効力を有することとされる旧法第二十四条ノ二第三項において準用する旧法第二十一条第一項」と読み替えるものとする。
3 第一項の閉鎖登記簿(その附属書類を含む。次項において同じ。)については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の規定は、適用しない。
4 第一項の閉鎖登記簿に記録されている保有個人情報(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第二条第三項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第四章の規定は、適用しない。
第五条 この法律の施行前に交付された旧法第二十一条第一項(旧法第二十四条ノ二第三項において準用する場合を含む。)に規定する登記簿の謄本又は抄本は、民法、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)その他の法令の適用については、これを登記事項証明書とみなす。附則第三条第四項の規定によりなおその効力を有することとされる旧法第二十一条第一項(附則第三条第四項の規定によりなおその効力を有することとされる旧法第二十四条ノ二第三項において準用する場合を含む。)又は前条第一項の規定によりなおその効力を有することとされる旧法第二十四条ノ二第三項の規定において準用する旧法第二十一条第一項に規定する登記簿の謄本又は抄本も、同様とする。
第六条 新法第十八条第一号の規定は、登記所ごとに同号に規定する方法による登記の申請をすることができる登記手続として法務大臣が指定した登記手続について、その指定の日から適用する。
2 前項の規定による指定は、告示してしなければならない。
3 第一項の規定による指定がされるまでの間、各登記所の登記手続についての新法の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる新法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
読み替える規定 |
読み替えられる字句 |
読み替える字句 |
第二十一条の見出し |
登記識別情報の通知 |
登記済証の交付 |
第二十一条 |
登記識別情報を通知しなければ |
登記済証を交付しなければ |
第二十一条ただし書 |
登記識別情報の通知 |
登記済証の交付 |
第二十二条の見出し |
登記識別情報の提供 |
登記済証の提出 |
第二十二条 |
登記識別情報を提供しなければ |
旧法第六十条第一項若しくは第六十一条の規定により還付され、若しくは交付された登記済証(附則第八条の規定によりなお従前の例によることとされた登記の申請について旧法第六十条第一項又は第六十一条の規定により還付され、又は交付された登記済証を含む。)又は附則第六条第三項の規定により読み替えて適用される第二十一条若しくは第百十七条第二項の規定により交付された登記済証を提出しなければ |
第二十二条ただし書 |
登記識別情報が通知されなかった |
登記済証が交付されなかった |
|
登記識別情報を提供する |
旧法第六十条第一項若しくは第六十一条の規定により還付され、若しくは交付された登記済証(附則第八条の規定によりなお従前の例によることとされた登記の申請について旧法第六十条第一項又は第六十一条の規定により還付され、又は交付された登記済証を含む。)又は附則第六条第三項の規定により読み替えて適用される第二十一条若しくは第百十七条第二項の規定により交付された登記済証を提出する |
第二十三条第一項 |
登記識別情報を提供する |
登記済証を提出する |
第百十七条の見出し |
官庁又は公署の嘱託による登記の登記識別情報 |
官庁又は公署の嘱託による登記の登記済証 |
第百十七条第一項 |
登記識別情報 |
登記済証 |
|
通知しなければ |
交付しなければ |
第百十七条第二項 |
登記識別情報の通知 |
登記済証の交付 |
|
通知しなければ |
交付しなければ |
第七条 前条第一項の規定による指定を受けた登記手続において、同項の規定による指定がされた後、旧法第六十条第一項若しくは第六十一条の規定により還付され、若しくは交付された登記済証(次条の規定によりなお従前の例によることとされた登記の申請について旧法第六十条第一項又は第六十一条の規定により還付され、又は交付された登記済証を含む。)又は前条第三項の規定により読み替えて適用される新法第二十一条若しくは第百十七条第二項の規定により交付された登記済証を提出して登記の申請がされたときは、登記識別情報が提供されたものとみなして、新法第二十二条本文の規定を適用する。
第八条 この法律の施行前にされた登記の申請については、なお従前の例による。
第九条 不動産登記法の一部を改正する等の法律(昭和三十五年法律第十四号)附則第五条第一項に規定する土地又は建物についての表示に関する登記の申請義務については、なお従前の例による。この場合において、次の表の上欄に掲げる同項の字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
読み替えられる字句 |
読み替える字句 |
第一条の規定による改正後の不動産登記法第八十条第一項及び第三項 |
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第三十六条 |
第八十一条第一項及び第三項 |
第三十七条第一項及び第二項 |
第八十一条ノ八 |
第四十二条 |
第九十三条第一項及び第三項 |
第四十七条第一項 |
第九十三条ノ五第一項及び第三項 |
第五十一条第一項(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物に係る部分を除く。)及び第二項 |
第九十三条ノ十一 |
第五十七条 |
第十条 担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律(平成十五年法律第百三十四号)附則第七条に規定する敷金については、なお従前の例による。この場合において、同条中「第二条の規定による改正後の不動産登記法第百三十二条第一項」とあるのは、「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第八十一条第四号」と読み替えるものとする。
第十一条 行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成十六年法律第八十四号)の施行の日がこの法律の施行の日後となる場合には、行政事件訴訟法の一部を改正する法律の施行の日の前日までの間における新法第百三十条の規定の適用については、同条中「第七項まで」とあるのは、「第六項まで」とする。
(罰則に関する経過措置)
第十二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
2 新法第五十一条第一項及び第四項並びに第五十八条第六項及び第七項の規定は、この法律の施行前に共用部分である旨又は団地共用部分である旨の登記がある建物についてこれらの規定に規定する登記を申請すべき事由が生じている場合についても、適用する。この場合において、これらの規定に規定する期間(新法第五十一条第四項又は第五十八条第七項に規定する期間にあっては、この法律の施行の日以後に所有権を取得した場合を除く。)については、この法律の施行の日から起算する。
(法務省令への委任)
第十三条 この附則に定めるもののほか、この法律による不動産登記法の改正に伴う登記の手続に関し必要な経過措置は、法務省令で定める。