司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百三十八号
公布年月日: 平成14年12月6日
法令の形式: 法律
司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十四年十二月六日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百三十八号
司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律
(司法試験法の一部改正)
第一条 司法試験法(昭和二十四年法律第百四十号)の一部を次のように改正する。
題名の次に次の目次及び章名を付する。
目次
第一章
司法試験(第一条―第十一条)
第二章
司法試験委員会(第十二条―第十六条)
第三章
補則(第十七条)
附則
第一章 司法試験
第四条第一項中「一に」を「いずれかに」に改め、同項第四号中「外」を「ほか」に、「司法試験管理委員会規則」を「法務省令」に改める。
第六条第四項中「司法試験管理委員会は」を「法務大臣は」に、「司法試験管理委員会規則」を「法務省令」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(司法試験委員会の意見の聴取)
第六条の二 法務大臣は、第四条第一項第四号又は前条第四項の法務省令を制定し、又は改廃しようとするときは、司法試験委員会の意見を聴かなければならない。
第七条の見出し中「施行」を「実施」に改め、同条中「司法試験は、」の下に「司法試験委員会が」を加える。
第八条第一項中「よつて定める」を「よる判定に基づき、司法試験委員会が決定する」に改め、同条第二項及び第三項を削る。
第十条の見出しを「(合格の取消し等)」に改め、同条中「不正の」を「司法試験委員会は、不正の」に、「司法試験管理委員会規則」を「この法律に基づく法務省令」に、「停止し、又は」を「受けることを禁止し、」に、「取り消す」を「取り消し、又は情状により五年以内の期間を定めて司法試験を受けることができないものとする」に改める。
第十一条の次に次の章名を付する。
第二章 司法試験委員会
第十二条を次のように改める。
(司法試験委員会の設置及び所掌事務)
第十二条 法務省に、司法試験委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 司法試験を行うこと。
二 法務大臣の諮問に応じ、司法試験の実施に関する重要事項について調査審議すること。
三 司法試験の実施に関する重要事項に関し、法務大臣に意見を述べること。
四 その他法律によりその権限に属させられた事項を処理すること。
3 委員会は、その所掌事務を行うため必要があると認めるときは、関係行政機関又は関係のある公私の団体に対し、必要な資料の提供その他の協力を求めることができる。
第十二条の二及び第十二条の三を削る。
第十三条を次のように改める。
(委員)
第十三条 委員会は、委員七人をもつて組織する。
2 委員は、裁判官、検察官、弁護士及び学識経験を有する者のうちから、法務大臣が任命する。
3 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
5 委員は、非常勤とする。
第十四条第一項中「基き」を「基づき」に改め、同条第二項中「司法試験管理委員会」を「委員会」に改める。
第十五条及び第十六条を次のように改める。
(司法試験考査委員)
第十五条 委員会に、司法試験における問題の作成及び採点並びに合格者の判定を行わせるため、司法試験考査委員を置く。
2 司法試験考査委員は、委員会の推薦に基づき、司法試験を行うについて必要な学識経験を有する者のうちから、法務大臣が試験ごとに任命する。
3 司法試験考査委員は、非常勤とする。
(政令への委任)
第十六条 第十二条から前条までに定めるもののほか、委員会の委員及び司法試験考査委員に関する事項その他委員会に関し必要な事項は、政令で定める。
第十六条の次に次の章名を付する。
第三章 補則
第十七条を次のように改める。
(法務省令への委任)
第十七条 この法律に定めるもののほか、司法試験の実施に関し必要な事項は、法務省令で定める。
附則第二項及び第三項を削り、附則第四項を附則第二項とし、附則第五項を削り、附則第六項を附則第三項とする。
第二条 司法試験法の一部を次のように改正する。
目次中「第一章 司法試験」を「第一章 司法試験等」に改める。
第一章の章名を次のように改める。
第一章 司法試験等
第一条の見出しを「(司法試験の目的等)」に改め、同条に次の一項を加える。
3 司法試験は、第四条第一項第一号に規定する法科大学院課程における教育及び司法修習生の修習との有機的連携の下に行うものとする。
第二条から第五条までを次のように改める。
(司法試験の方法等)
第二条 司法試験は、短答式(択一式を含む。以下同じ。)及び論文式による筆記の方法により行う。
2 司法試験の合格者の判定は、短答式による筆記試験の合格に必要な成績を得た者につき、短答式による筆記試験及び論文式による筆記試験の成績を総合して行うものとする。
(司法試験の試験科目等)
第三条 短答式による筆記試験は、裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な専門的な法律知識及び法的な推論の能力を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行う。
一 公法系科目(憲法及び行政法に関する分野の科目をいう。次項において同じ。)
二 民事系科目(民法、商法及び民事訴訟法に関する分野の科目をいう。次項において同じ。)
三 刑事系科目(刑法及び刑事訴訟法に関する分野の科目をいう。次項において同じ。)
2 論文式による筆記試験は、裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な専門的な学識並びに法的な分析、構成及び論述の能力を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行う。
一 公法系科目
二 民事系科目
三 刑事系科目
四 専門的な法律の分野に関する科目として法務省令で定める科目のうち受験者のあらかじめ選択する一科目
3 前二項に掲げる試験科目については、法務省令により、その全部又は一部について範囲を定めることができる。
4 司法試験においては、その受験者が裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を備えているかどうかを適確に評価するため、知識を有するかどうかの判定に偏することなく、法律に関する理論的かつ実践的な理解力、思考力、判断力等の判定に意を用いなければならない。
(司法試験の受験資格等)
第四条 司法試験は、次の各号に掲げる者が、それぞれ当該各号に定める期間において、三回の範囲内で受けることができる。
一 法科大学院(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第六十五条第二項に規定する専門職大学院であつて、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とするものをいう。)の課程(次項において「法科大学院課程」という。)を修了した者 その修了の日後の最初の四月一日から五年を経過するまでの期間
二 司法試験予備試験に合格した者 その合格の発表の日後の最初の四月一日から五年を経過するまでの期間
2 前項の規定により司法試験を受けた者は、その受験に係る受験資格(同項各号に規定する法科大学院課程の修了又は司法試験予備試験の合格をいう。以下この項において同じ。)に対応する受験期間(前項各号に定める期間をいう。以下この項において同じ。)においては、他の受験資格に基づいて司法試験を受けることはできない。前項の規定により最後に司法試験を受けた日後の最初の四月一日から二年を経過するまでの期間については、その受験に係る受験資格に対応する受験期間が経過した後であつても、同様とする。
(司法試験予備試験)
第五条 司法試験予備試験(以下「予備試験」という。)は、司法試験を受けようとする者が前条第一項第一号に掲げる者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし、短答式及び論文式による筆記並びに口述の方法により行う。
2 短答式による筆記試験は、次に掲げる科目について行う。
一 憲法
二 行政法
三 民法
四 商法
五 民事訴訟法
六 刑法
七 刑事訴訟法
八 一般教養科目
3 論文式による筆記試験は、短答式による筆記試験に合格した者につき、次に掲げる科目について行う。
一 前項各号に掲げる科目
二 法律実務基礎科目(法律に関する実務の基礎的素養(実務の経験により修得されるものを含む。)についての科目をいう。次項において同じ。)
4 口述試験は、筆記試験に合格した者につき、法的な推論、分析及び構成に基づいて弁論をする能力を有するかどうかの判定に意を用い、法律実務基礎科目について行う。
5 前三項に規定する試験科目については、法務省令により、その全部又は一部について範囲を定めることができる。
第六条を削る。
第六条の二中「第四条第一項第四号又は前条第四項」を「第三条第二項第四号若しくは第三項又は前条第五項」に改め、同条を第六条とする。
第七条の見出しを「(司法試験等の実施)」に改め、同条中「司法試験は」を「司法試験及び予備試験は、それぞれ」に、「、官報」を「官報」に改める。
第八条中「、司法試験考査委員」を「司法試験考査委員」に改め、「基づき、」の下に「予備試験の合格者は司法試験予備試験考査委員の合議による判定に基づき、それぞれ」を加える。
第九条中「の各試験」を「又は予備試験」に改める。
第十条中「よつて司法試験」の下に「若しくは予備試験」を、「定めて司法試験」の下に「若しくは予備試験」を加える。
第十一条第一項中「の各試験」を「又は予備試験」に改め、「者は、」の下に「それぞれ」を加え、同条第二項中「司法試験」を「当該試験」に改める。
第十二条第二項第一号から第三号までの規定中「司法試験」の下に「及び予備試験」を加える。
第十五条の見出しを「(司法試験考査委員等)」に改め、同条第一項中「、司法試験考査委員」を「司法試験考査委員を置き、予備試験における問題の作成及び採点並びに合格者の判定を行わせるため司法試験予備試験考査委員(以下この条及び次条において「予備試験考査委員」という。)」に改め、同条第二項中「司法試験考査委員」の下に「及び予備試験考査委員」を加え、「司法試験を」を「当該試験を」に改め、同条第三項中「司法試験考査委員」の下に「及び予備試験考査委員」を加える。
第十六条中「及び司法試験考査委員」を「、司法試験考査委員及び予備試験考査委員」に改める。
第十七条中「司法試験」の下に「及び予備試験」を加える。
附則第二項を削り、附則第三項中「高等試験」を「旧高等試験令(昭和四年勅令第十五号)による高等試験」に改め、同項を附則第二項とする。
(裁判所法の一部改正)
第三条 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
第六十七条第一項中「一年六月間」を「一年間」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年一月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 第二条並びに附則第七条第一項及び第二項、第八条から第十条まで並びに第十九条から第二十八条までの規定 平成十七年十二月一日
二 第三条及び附則第十一条の規定 平成十八年四月一日
(司法試験管理委員会規則に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に効力を有する司法試験管理委員会規則であって第一条の規定による改正前の司法試験法第四条第一項第四号及び第六条第四項の規定に基づくものは、この法律の施行後は、第一条の規定による改正後の司法試験法の相当規定に基づく法務省令としての効力を有するものとする。
(司法試験管理委員会の行為等に関する経過措置)
第三条 この法律の施行前に、第一条の規定による改正前の司法試験法の規定に基づいて司法試験管理委員会がした処分その他の行為は、この法律の施行後は、同条の規定による改正後の司法試験法の相当規定に基づいて司法試験委員会がした処分その他の行為とみなす。
2 前項に定めるもののほか、この法律の施行前に、法令の規定により司法試験管理委員会又はその委員長がした処分その他の行為は、この法律の施行後は、当該法令の相当規定により法務大臣がした処分その他の行為とみなす。
3 この法律の施行の際現に第一条の規定による改正前の司法試験法の規定に基づいて司法試験管理委員会に対してされている出願その他の行為は、この法律の施行後は、同条の規定による改正後の司法試験法の相当規定に基づいて司法試験委員会に対してされた出願その他の行為とみなす。
4 前項に定めるもののほか、この法律の施行の際現に法令の規定により司法試験管理委員会又はその委員長に対してされている請求その他の行為は、この法律の施行後は、当該法令の相当規定により法務大臣に対してされた請求その他の行為とみなす。
5 この法律の施行の際現に司法試験考査委員である者は、この法律の施行の日に、第一条の規定による改正後の司法試験法第十五条の規定により、司法試験考査委員として任命されたものとみなす。
(不正受験者に対する措置に関する経過措置)
第四条 司法試験委員会は、この法律の施行前に行われた司法試験を不正の手段によって受けた者又は第一条の規定による改正前の司法試験法若しくは同法に基づく司法試験管理委員会規則に違反した者に対しては、司法試験管理委員会がした合格の決定を取り消すことができる。
(沖縄の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法の規定の読替え)
第五条 この法律の施行後に行われる沖縄の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法(昭和四十五年法律第三十三号)第四条第三項の規定による合格の決定の取消しについては、同項中「司法試験管理委員会」とあるのは、「司法試験委員会」とする。
(新司法試験の実施のために必要な行為に関する経過措置)
第六条 法務大臣は、第二条の規定による改正後の司法試験法(以下「新法」という。)第三条第二項第四号又は第三項の法務省令を制定しようとするときは、第二条の規定の施行の日前においても、司法試験委員会の意見を聴くことができる。
2 法務大臣は、第二条の規定の施行の日前においても、新法第十五条の規定の例により、新法の規定による司法試験(以下「新司法試験」という。)に係る司法試験考査委員を任命することができる。
3 新司法試験の実施に必要な公告その他の準備行為は、第二条の規定の施行の日前においても、行うことができる。
(旧司法試験の実施)
第七条 司法試験委員会は、平成十八年から平成二十三年までの間においては、新司法試験を行うほか、従前の司法試験(平成二十三年においては、平成二十二年の第二次試験の筆記試験に合格した者に対する口述試験に限る。)を行うものとする。この場合において、第二条の規定による改正前の司法試験法(以下「旧法」という。)第二条から第六条の二まで及び附則第二項の規定(これらの規定に基づく法務省令の規定を含む。)は、第二条の規定の施行後も、なおその効力を有する。
2 前項の規定により行われる司法試験(以下「旧司法試験」という。)については、新法第一条第一項及び第二項、第七条から第十一条まで並びに第二章及び第三章の規定を適用する。この場合において、新法第一条第一項中「司法試験」とあるのは「司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律(平成十四年法律第百三十八号)附則第七条第一項の規定により行われる司法試験(以下「旧司法試験」という。)」と、新法第七条中「司法試験及び予備試験は、それぞれ」とあるのは「旧司法試験は」と、新法第八条中「司法試験の」とあるのは「旧司法試験の」と、「予備試験の合格者は司法試験予備試験考査委員の合議による判定に基づき、それぞれ司法試験委員会」とあるのは「司法試験委員会」と、新法第九条及び第十一条第一項中「司法試験又は予備試験」とあるのは「旧司法試験の各試験」と、新法第十条中「司法試験若しくは」とあるのは「旧司法試験、司法試験若しくは」と、新法第十二条第二項第一号から第三号まで及び第十七条中「司法試験及び予備試験」とあるのは「旧司法試験」と、新法第十五条第一項中「司法試験に」とあるのは「旧司法試験に」と、「置き、予備試験における問題の作成及び採点並びに合格者の判定を行わせるため司法試験予備試験考査委員(以下この条及び次条において「予備試験考査委員」という。)を置く」とあるのは「置く」とする。
3 前条の規定は、旧司法試験について準用する。この場合において、同条第一項中「第二条の規定による改正後の司法試験法(以下「新法」という。)第三条第二項第四号又は第三項」とあるのは「次条第一項の規定によりなお効力を有するものとされる第二条の規定による改正前の司法試験法第四条第一項第四号又は第六条第四項」と、同条第二項中「新法第十五条」とあるのは「次条第二項の規定により読み替えて適用される第二条の規定による改正後の司法試験法第十五条」と読み替えるものとする。
(新司法試験及び旧司法試験の受験)
第八条 平成十八年から平成二十三年までの各年においては、法務省令で定める手続に従い、あらかじめ選択して出願するところにより、新司法試験又は旧司法試験のいずれか一方のみを受けることができる。
2 新法第四条第一項第一号の受験資格(同号に規定する法科大学院課程の修了をいう。以下この条において同じ。)に基づいて新司法試験を受けようとする者が、その受験前に旧法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験の受験(当該新司法試験の受験に係る受験資格を得る前の受験については、当該受験資格を得た日前二年間のものに限る。以下この条において「旧司法試験等の受験」という。)をしているときは、その旧司法試験等の受験(次項の規定により他の受験資格に基づく新司法試験の受験とみなされたものを除く。)を、当該受験資格に基づいて既にした新司法試験の受験とみなして、新法第四条第一項の規定を適用する。
3 前項に規定するもののほか、新法第四条第一項第一号の受験資格に基づいて新司法試験を受けた者については、当該新司法試験の受験前の旧司法試験等の受験及び当該新司法試験の受験後の旧司法試験の第二次試験の受験を、当該受験資格に基づく新司法試験の受験とみなして、同条の規定を適用する。
(予備試験の実施時期)
第九条 新法第五条に規定する予備試験は、新法第七条の規定にかかわらず、平成二十三年から行うものとする。
(旧法の規定による司法試験又は旧司法試験に合格した者に関する経過措置)
第十条 旧法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者は、新司法試験に合格した者とみなす。
(司法修習生の修習期間等に関する経過措置)
第十一条 第三条の規定の施行前に採用され、その施行後も引き続き修習をする司法修習生の修習期間については、なお従前の例による。
2 新法附則第二項又は前条の規定により新司法試験に合格した者とみなされた者であって、第三条の規定の施行後に採用された司法修習生については、最高裁判所の定めるところにより、同条の規定による改正後の裁判所法第六十七条第一項の修習において裁判官、検察官又は弁護士としての実務に必要な能力を十全に修得させるため、必要な修習期間の伸長その他の措置を講ずることができる。
(国家行政組織法の一部改正)
第十二条 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
別表第一法務省の項中「司法試験管理委員会」を削る。
(住民基本台帳法の一部改正)
第十三条 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。
別表第一の三十の項中「司法試験管理委員会」を「法務省」に改める。
(司法試験法の一部を改正する法律の一部改正)
第十四条 司法試験法の一部を改正する法律(平成三年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
附則中第二項の前の見出し、同項及び第三項を削り、第一項の見出し及び項番号を削る。
(特定非営利活動促進法の一部改正)
第十五条 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)の一部を次のように改正する。
第四十四条の二中「、司法試験管理委員会規則」を削る。
(法務省設置法の一部改正)
第十六条 法務省設置法(平成十一年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二節 司法試験管理委員会(第二十七条)」を「第二節 削除」に改める。
第五条中「検察官適格審査会」を
司法試験委員会
検察官適格審査会
に改め、同条の次に次の一条を加える。
(司法試験委員会)
第五条の二 司法試験委員会については、司法試験法(昭和二十四年法律第百四十号。これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第二十六条中「司法試験管理委員会」を削る。
第四章第二節を次のように改める。
第二節 削除
第二十七条 削除
(行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の一部改正)
第十七条 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第十二条中「、司法試験管理委員会規則」及び「、司法試験管理委員会」を削る。
(人権擁護法の一部改正)
第十八条 人権擁護法(平成十四年法律第▲▲▲号)の一部を次のように改正する。
第六十八条第二項、第七十二条第三項、第七十三条第三項、第七十八条第三項及び第七十九条第三項中「、司法試験管理委員会規則」を削る。
(公認会計士法の一部改正)
第十九条 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項中「一に」を「いずれかに」に改め、同項第三号中「、司法試験第一次試験」を削り、同項第四号中「外」を「ほか」に改め、同項に次の一号を加える。
五 司法試験予備試験に合格した者
第九条第二項第四号中「司法試験第二次試験」を「司法試験」に改め、「受験した科目」の下に「(司法試験においては、商法及び民法)」を加える。
(公認会計士法の一部改正に伴う経過措置)
第二十条 旧法の規定による司法試験の第一次試験若しくは第二次試験又は旧司法試験の第一次試験若しくは第二次試験に合格した者に係る公認会計士試験の第一次試験の免除又は第二次試験の一部免除については、なお従前の例による。
(税理士法の一部改正)
第二十一条 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項第四号中「司法試験第二次試験」を「司法試験」に改める。
(税理士法の一部改正に伴う経過措置)
第二十二条 旧法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者に係る税理士試験の受験資格については、なお従前の例による。
(不動産の鑑定評価に関する法律の一部改正)
第二十三条 不動産の鑑定評価に関する法律(昭和三十八年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。
第六条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第三号中「、司法試験第一次試験」を削り、同条に次の一号を加える。
五 司法試験予備試験に合格した者
第八条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第四号中「司法試験第二次試験」を「司法試験」に改め、「科目」の下に「(司法試験においては、民法)」を加える。
(不動産の鑑定評価に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第二十四条 旧法の規定による司法試験の第一次試験若しくは第二次試験又は旧司法試験の第一次試験若しくは第二次試験に合格した者に係る不動産鑑定士試験の第一次試験の免除又は第二次試験の一部免除については、なお従前の例による。
(住民基本台帳法の一部改正)
第二十五条 住民基本台帳法の一部を次のように改正する。
別表第一の三十の項中「同法第五条第一項の第二次試験」を「司法試験」に改める。
(住民基本台帳法の一部改正に伴う経過措置)
第二十六条 前条の規定の施行の日から平成二十三年十二月三十一日までの間においては、同条の規定による改正後の住民基本台帳法別表第一の三十の項中「司法試験の実施」とあるのは、「司法試験の実施又は司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律(平成十四年法律第百三十八号)附則第七条第一項の規定により行われる司法試験の第二次試験の実施」とする。
(社会保険労務士法の一部改正)
第二十七条 社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
第八条第三号中「司法試験第一次試験」を「司法試験予備試験」に改める。
別表第二第一号の免除資格者の欄中1を削り、2を1とし、3を2とし、同欄4中「から3まで」を「及び2」に改め、同欄4を同欄3とする。
(社会保険労務士法の一部改正に伴う経過措置)
第二十八条 旧法の規定による司法試験の第一次試験又は旧司法試験の第一次試験に合格した者に係る社会保険労務士試験の受験資格については、なお従前の例による。
2 旧法の規定による司法試験の第二次試験に合格した者で労働法を選択したものに係る社会保険労務士試験の試験科目の一部免除については、なお従前の例による。
内閣総理大臣 小泉純一郎
総務大臣 片山虎之助
法務大臣 森山眞弓
財務大臣 塩川正十郎
厚生労働大臣 坂口力
国土交通大臣 林寛子
司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十四年十二月六日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百三十八号
司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律
(司法試験法の一部改正)
第一条 司法試験法(昭和二十四年法律第百四十号)の一部を次のように改正する。
題名の次に次の目次及び章名を付する。
目次
第一章
司法試験(第一条―第十一条)
第二章
司法試験委員会(第十二条―第十六条)
第三章
補則(第十七条)
附則
第一章 司法試験
第四条第一項中「一に」を「いずれかに」に改め、同項第四号中「外」を「ほか」に、「司法試験管理委員会規則」を「法務省令」に改める。
第六条第四項中「司法試験管理委員会は」を「法務大臣は」に、「司法試験管理委員会規則」を「法務省令」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(司法試験委員会の意見の聴取)
第六条の二 法務大臣は、第四条第一項第四号又は前条第四項の法務省令を制定し、又は改廃しようとするときは、司法試験委員会の意見を聴かなければならない。
第七条の見出し中「施行」を「実施」に改め、同条中「司法試験は、」の下に「司法試験委員会が」を加える。
第八条第一項中「よつて定める」を「よる判定に基づき、司法試験委員会が決定する」に改め、同条第二項及び第三項を削る。
第十条の見出しを「(合格の取消し等)」に改め、同条中「不正の」を「司法試験委員会は、不正の」に、「司法試験管理委員会規則」を「この法律に基づく法務省令」に、「停止し、又は」を「受けることを禁止し、」に、「取り消す」を「取り消し、又は情状により五年以内の期間を定めて司法試験を受けることができないものとする」に改める。
第十一条の次に次の章名を付する。
第二章 司法試験委員会
第十二条を次のように改める。
(司法試験委員会の設置及び所掌事務)
第十二条 法務省に、司法試験委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 司法試験を行うこと。
二 法務大臣の諮問に応じ、司法試験の実施に関する重要事項について調査審議すること。
三 司法試験の実施に関する重要事項に関し、法務大臣に意見を述べること。
四 その他法律によりその権限に属させられた事項を処理すること。
3 委員会は、その所掌事務を行うため必要があると認めるときは、関係行政機関又は関係のある公私の団体に対し、必要な資料の提供その他の協力を求めることができる。
第十二条の二及び第十二条の三を削る。
第十三条を次のように改める。
(委員)
第十三条 委員会は、委員七人をもつて組織する。
2 委員は、裁判官、検察官、弁護士及び学識経験を有する者のうちから、法務大臣が任命する。
3 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
5 委員は、非常勤とする。
第十四条第一項中「基き」を「基づき」に改め、同条第二項中「司法試験管理委員会」を「委員会」に改める。
第十五条及び第十六条を次のように改める。
(司法試験考査委員)
第十五条 委員会に、司法試験における問題の作成及び採点並びに合格者の判定を行わせるため、司法試験考査委員を置く。
2 司法試験考査委員は、委員会の推薦に基づき、司法試験を行うについて必要な学識経験を有する者のうちから、法務大臣が試験ごとに任命する。
3 司法試験考査委員は、非常勤とする。
(政令への委任)
第十六条 第十二条から前条までに定めるもののほか、委員会の委員及び司法試験考査委員に関する事項その他委員会に関し必要な事項は、政令で定める。
第十六条の次に次の章名を付する。
第三章 補則
第十七条を次のように改める。
(法務省令への委任)
第十七条 この法律に定めるもののほか、司法試験の実施に関し必要な事項は、法務省令で定める。
附則第二項及び第三項を削り、附則第四項を附則第二項とし、附則第五項を削り、附則第六項を附則第三項とする。
第二条 司法試験法の一部を次のように改正する。
目次中「第一章 司法試験」を「第一章 司法試験等」に改める。
第一章の章名を次のように改める。
第一章 司法試験等
第一条の見出しを「(司法試験の目的等)」に改め、同条に次の一項を加える。
3 司法試験は、第四条第一項第一号に規定する法科大学院課程における教育及び司法修習生の修習との有機的連携の下に行うものとする。
第二条から第五条までを次のように改める。
(司法試験の方法等)
第二条 司法試験は、短答式(択一式を含む。以下同じ。)及び論文式による筆記の方法により行う。
2 司法試験の合格者の判定は、短答式による筆記試験の合格に必要な成績を得た者につき、短答式による筆記試験及び論文式による筆記試験の成績を総合して行うものとする。
(司法試験の試験科目等)
第三条 短答式による筆記試験は、裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な専門的な法律知識及び法的な推論の能力を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行う。
一 公法系科目(憲法及び行政法に関する分野の科目をいう。次項において同じ。)
二 民事系科目(民法、商法及び民事訴訟法に関する分野の科目をいう。次項において同じ。)
三 刑事系科目(刑法及び刑事訴訟法に関する分野の科目をいう。次項において同じ。)
2 論文式による筆記試験は、裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な専門的な学識並びに法的な分析、構成及び論述の能力を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行う。
一 公法系科目
二 民事系科目
三 刑事系科目
四 専門的な法律の分野に関する科目として法務省令で定める科目のうち受験者のあらかじめ選択する一科目
3 前二項に掲げる試験科目については、法務省令により、その全部又は一部について範囲を定めることができる。
4 司法試験においては、その受験者が裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を備えているかどうかを適確に評価するため、知識を有するかどうかの判定に偏することなく、法律に関する理論的かつ実践的な理解力、思考力、判断力等の判定に意を用いなければならない。
(司法試験の受験資格等)
第四条 司法試験は、次の各号に掲げる者が、それぞれ当該各号に定める期間において、三回の範囲内で受けることができる。
一 法科大学院(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第六十五条第二項に規定する専門職大学院であつて、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とするものをいう。)の課程(次項において「法科大学院課程」という。)を修了した者 その修了の日後の最初の四月一日から五年を経過するまでの期間
二 司法試験予備試験に合格した者 その合格の発表の日後の最初の四月一日から五年を経過するまでの期間
2 前項の規定により司法試験を受けた者は、その受験に係る受験資格(同項各号に規定する法科大学院課程の修了又は司法試験予備試験の合格をいう。以下この項において同じ。)に対応する受験期間(前項各号に定める期間をいう。以下この項において同じ。)においては、他の受験資格に基づいて司法試験を受けることはできない。前項の規定により最後に司法試験を受けた日後の最初の四月一日から二年を経過するまでの期間については、その受験に係る受験資格に対応する受験期間が経過した後であつても、同様とする。
(司法試験予備試験)
第五条 司法試験予備試験(以下「予備試験」という。)は、司法試験を受けようとする者が前条第一項第一号に掲げる者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし、短答式及び論文式による筆記並びに口述の方法により行う。
2 短答式による筆記試験は、次に掲げる科目について行う。
一 憲法
二 行政法
三 民法
四 商法
五 民事訴訟法
六 刑法
七 刑事訴訟法
八 一般教養科目
3 論文式による筆記試験は、短答式による筆記試験に合格した者につき、次に掲げる科目について行う。
一 前項各号に掲げる科目
二 法律実務基礎科目(法律に関する実務の基礎的素養(実務の経験により修得されるものを含む。)についての科目をいう。次項において同じ。)
4 口述試験は、筆記試験に合格した者につき、法的な推論、分析及び構成に基づいて弁論をする能力を有するかどうかの判定に意を用い、法律実務基礎科目について行う。
5 前三項に規定する試験科目については、法務省令により、その全部又は一部について範囲を定めることができる。
第六条を削る。
第六条の二中「第四条第一項第四号又は前条第四項」を「第三条第二項第四号若しくは第三項又は前条第五項」に改め、同条を第六条とする。
第七条の見出しを「(司法試験等の実施)」に改め、同条中「司法試験は」を「司法試験及び予備試験は、それぞれ」に、「、官報」を「官報」に改める。
第八条中「、司法試験考査委員」を「司法試験考査委員」に改め、「基づき、」の下に「予備試験の合格者は司法試験予備試験考査委員の合議による判定に基づき、それぞれ」を加える。
第九条中「の各試験」を「又は予備試験」に改める。
第十条中「よつて司法試験」の下に「若しくは予備試験」を、「定めて司法試験」の下に「若しくは予備試験」を加える。
第十一条第一項中「の各試験」を「又は予備試験」に改め、「者は、」の下に「それぞれ」を加え、同条第二項中「司法試験」を「当該試験」に改める。
第十二条第二項第一号から第三号までの規定中「司法試験」の下に「及び予備試験」を加える。
第十五条の見出しを「(司法試験考査委員等)」に改め、同条第一項中「、司法試験考査委員」を「司法試験考査委員を置き、予備試験における問題の作成及び採点並びに合格者の判定を行わせるため司法試験予備試験考査委員(以下この条及び次条において「予備試験考査委員」という。)」に改め、同条第二項中「司法試験考査委員」の下に「及び予備試験考査委員」を加え、「司法試験を」を「当該試験を」に改め、同条第三項中「司法試験考査委員」の下に「及び予備試験考査委員」を加える。
第十六条中「及び司法試験考査委員」を「、司法試験考査委員及び予備試験考査委員」に改める。
第十七条中「司法試験」の下に「及び予備試験」を加える。
附則第二項を削り、附則第三項中「高等試験」を「旧高等試験令(昭和四年勅令第十五号)による高等試験」に改め、同項を附則第二項とする。
(裁判所法の一部改正)
第三条 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
第六十七条第一項中「一年六月間」を「一年間」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年一月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 第二条並びに附則第七条第一項及び第二項、第八条から第十条まで並びに第十九条から第二十八条までの規定 平成十七年十二月一日
二 第三条及び附則第十一条の規定 平成十八年四月一日
(司法試験管理委員会規則に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に効力を有する司法試験管理委員会規則であって第一条の規定による改正前の司法試験法第四条第一項第四号及び第六条第四項の規定に基づくものは、この法律の施行後は、第一条の規定による改正後の司法試験法の相当規定に基づく法務省令としての効力を有するものとする。
(司法試験管理委員会の行為等に関する経過措置)
第三条 この法律の施行前に、第一条の規定による改正前の司法試験法の規定に基づいて司法試験管理委員会がした処分その他の行為は、この法律の施行後は、同条の規定による改正後の司法試験法の相当規定に基づいて司法試験委員会がした処分その他の行為とみなす。
2 前項に定めるもののほか、この法律の施行前に、法令の規定により司法試験管理委員会又はその委員長がした処分その他の行為は、この法律の施行後は、当該法令の相当規定により法務大臣がした処分その他の行為とみなす。
3 この法律の施行の際現に第一条の規定による改正前の司法試験法の規定に基づいて司法試験管理委員会に対してされている出願その他の行為は、この法律の施行後は、同条の規定による改正後の司法試験法の相当規定に基づいて司法試験委員会に対してされた出願その他の行為とみなす。
4 前項に定めるもののほか、この法律の施行の際現に法令の規定により司法試験管理委員会又はその委員長に対してされている請求その他の行為は、この法律の施行後は、当該法令の相当規定により法務大臣に対してされた請求その他の行為とみなす。
5 この法律の施行の際現に司法試験考査委員である者は、この法律の施行の日に、第一条の規定による改正後の司法試験法第十五条の規定により、司法試験考査委員として任命されたものとみなす。
(不正受験者に対する措置に関する経過措置)
第四条 司法試験委員会は、この法律の施行前に行われた司法試験を不正の手段によって受けた者又は第一条の規定による改正前の司法試験法若しくは同法に基づく司法試験管理委員会規則に違反した者に対しては、司法試験管理委員会がした合格の決定を取り消すことができる。
(沖縄の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法の規定の読替え)
第五条 この法律の施行後に行われる沖縄の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法(昭和四十五年法律第三十三号)第四条第三項の規定による合格の決定の取消しについては、同項中「司法試験管理委員会」とあるのは、「司法試験委員会」とする。
(新司法試験の実施のために必要な行為に関する経過措置)
第六条 法務大臣は、第二条の規定による改正後の司法試験法(以下「新法」という。)第三条第二項第四号又は第三項の法務省令を制定しようとするときは、第二条の規定の施行の日前においても、司法試験委員会の意見を聴くことができる。
2 法務大臣は、第二条の規定の施行の日前においても、新法第十五条の規定の例により、新法の規定による司法試験(以下「新司法試験」という。)に係る司法試験考査委員を任命することができる。
3 新司法試験の実施に必要な公告その他の準備行為は、第二条の規定の施行の日前においても、行うことができる。
(旧司法試験の実施)
第七条 司法試験委員会は、平成十八年から平成二十三年までの間においては、新司法試験を行うほか、従前の司法試験(平成二十三年においては、平成二十二年の第二次試験の筆記試験に合格した者に対する口述試験に限る。)を行うものとする。この場合において、第二条の規定による改正前の司法試験法(以下「旧法」という。)第二条から第六条の二まで及び附則第二項の規定(これらの規定に基づく法務省令の規定を含む。)は、第二条の規定の施行後も、なおその効力を有する。
2 前項の規定により行われる司法試験(以下「旧司法試験」という。)については、新法第一条第一項及び第二項、第七条から第十一条まで並びに第二章及び第三章の規定を適用する。この場合において、新法第一条第一項中「司法試験」とあるのは「司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律(平成十四年法律第百三十八号)附則第七条第一項の規定により行われる司法試験(以下「旧司法試験」という。)」と、新法第七条中「司法試験及び予備試験は、それぞれ」とあるのは「旧司法試験は」と、新法第八条中「司法試験の」とあるのは「旧司法試験の」と、「予備試験の合格者は司法試験予備試験考査委員の合議による判定に基づき、それぞれ司法試験委員会」とあるのは「司法試験委員会」と、新法第九条及び第十一条第一項中「司法試験又は予備試験」とあるのは「旧司法試験の各試験」と、新法第十条中「司法試験若しくは」とあるのは「旧司法試験、司法試験若しくは」と、新法第十二条第二項第一号から第三号まで及び第十七条中「司法試験及び予備試験」とあるのは「旧司法試験」と、新法第十五条第一項中「司法試験に」とあるのは「旧司法試験に」と、「置き、予備試験における問題の作成及び採点並びに合格者の判定を行わせるため司法試験予備試験考査委員(以下この条及び次条において「予備試験考査委員」という。)を置く」とあるのは「置く」とする。
3 前条の規定は、旧司法試験について準用する。この場合において、同条第一項中「第二条の規定による改正後の司法試験法(以下「新法」という。)第三条第二項第四号又は第三項」とあるのは「次条第一項の規定によりなお効力を有するものとされる第二条の規定による改正前の司法試験法第四条第一項第四号又は第六条第四項」と、同条第二項中「新法第十五条」とあるのは「次条第二項の規定により読み替えて適用される第二条の規定による改正後の司法試験法第十五条」と読み替えるものとする。
(新司法試験及び旧司法試験の受験)
第八条 平成十八年から平成二十三年までの各年においては、法務省令で定める手続に従い、あらかじめ選択して出願するところにより、新司法試験又は旧司法試験のいずれか一方のみを受けることができる。
2 新法第四条第一項第一号の受験資格(同号に規定する法科大学院課程の修了をいう。以下この条において同じ。)に基づいて新司法試験を受けようとする者が、その受験前に旧法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験の受験(当該新司法試験の受験に係る受験資格を得る前の受験については、当該受験資格を得た日前二年間のものに限る。以下この条において「旧司法試験等の受験」という。)をしているときは、その旧司法試験等の受験(次項の規定により他の受験資格に基づく新司法試験の受験とみなされたものを除く。)を、当該受験資格に基づいて既にした新司法試験の受験とみなして、新法第四条第一項の規定を適用する。
3 前項に規定するもののほか、新法第四条第一項第一号の受験資格に基づいて新司法試験を受けた者については、当該新司法試験の受験前の旧司法試験等の受験及び当該新司法試験の受験後の旧司法試験の第二次試験の受験を、当該受験資格に基づく新司法試験の受験とみなして、同条の規定を適用する。
(予備試験の実施時期)
第九条 新法第五条に規定する予備試験は、新法第七条の規定にかかわらず、平成二十三年から行うものとする。
(旧法の規定による司法試験又は旧司法試験に合格した者に関する経過措置)
第十条 旧法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者は、新司法試験に合格した者とみなす。
(司法修習生の修習期間等に関する経過措置)
第十一条 第三条の規定の施行前に採用され、その施行後も引き続き修習をする司法修習生の修習期間については、なお従前の例による。
2 新法附則第二項又は前条の規定により新司法試験に合格した者とみなされた者であって、第三条の規定の施行後に採用された司法修習生については、最高裁判所の定めるところにより、同条の規定による改正後の裁判所法第六十七条第一項の修習において裁判官、検察官又は弁護士としての実務に必要な能力を十全に修得させるため、必要な修習期間の伸長その他の措置を講ずることができる。
(国家行政組織法の一部改正)
第十二条 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
別表第一法務省の項中「司法試験管理委員会」を削る。
(住民基本台帳法の一部改正)
第十三条 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。
別表第一の三十の項中「司法試験管理委員会」を「法務省」に改める。
(司法試験法の一部を改正する法律の一部改正)
第十四条 司法試験法の一部を改正する法律(平成三年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
附則中第二項の前の見出し、同項及び第三項を削り、第一項の見出し及び項番号を削る。
(特定非営利活動促進法の一部改正)
第十五条 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)の一部を次のように改正する。
第四十四条の二中「、司法試験管理委員会規則」を削る。
(法務省設置法の一部改正)
第十六条 法務省設置法(平成十一年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二節 司法試験管理委員会(第二十七条)」を「第二節 削除」に改める。
第五条中「検察官適格審査会」を
司法試験委員会
検察官適格審査会
に改め、同条の次に次の一条を加える。
(司法試験委員会)
第五条の二 司法試験委員会については、司法試験法(昭和二十四年法律第百四十号。これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第二十六条中「司法試験管理委員会」を削る。
第四章第二節を次のように改める。
第二節 削除
第二十七条 削除
(行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の一部改正)
第十七条 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第十二条中「、司法試験管理委員会規則」及び「、司法試験管理委員会」を削る。
(人権擁護法の一部改正)
第十八条 人権擁護法(平成十四年法律第▲▲▲号)の一部を次のように改正する。
第六十八条第二項、第七十二条第三項、第七十三条第三項、第七十八条第三項及び第七十九条第三項中「、司法試験管理委員会規則」を削る。
(公認会計士法の一部改正)
第十九条 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項中「一に」を「いずれかに」に改め、同項第三号中「、司法試験第一次試験」を削り、同項第四号中「外」を「ほか」に改め、同項に次の一号を加える。
五 司法試験予備試験に合格した者
第九条第二項第四号中「司法試験第二次試験」を「司法試験」に改め、「受験した科目」の下に「(司法試験においては、商法及び民法)」を加える。
(公認会計士法の一部改正に伴う経過措置)
第二十条 旧法の規定による司法試験の第一次試験若しくは第二次試験又は旧司法試験の第一次試験若しくは第二次試験に合格した者に係る公認会計士試験の第一次試験の免除又は第二次試験の一部免除については、なお従前の例による。
(税理士法の一部改正)
第二十一条 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項第四号中「司法試験第二次試験」を「司法試験」に改める。
(税理士法の一部改正に伴う経過措置)
第二十二条 旧法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者に係る税理士試験の受験資格については、なお従前の例による。
(不動産の鑑定評価に関する法律の一部改正)
第二十三条 不動産の鑑定評価に関する法律(昭和三十八年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。
第六条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第三号中「、司法試験第一次試験」を削り、同条に次の一号を加える。
五 司法試験予備試験に合格した者
第八条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第四号中「司法試験第二次試験」を「司法試験」に改め、「科目」の下に「(司法試験においては、民法)」を加える。
(不動産の鑑定評価に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第二十四条 旧法の規定による司法試験の第一次試験若しくは第二次試験又は旧司法試験の第一次試験若しくは第二次試験に合格した者に係る不動産鑑定士試験の第一次試験の免除又は第二次試験の一部免除については、なお従前の例による。
(住民基本台帳法の一部改正)
第二十五条 住民基本台帳法の一部を次のように改正する。
別表第一の三十の項中「同法第五条第一項の第二次試験」を「司法試験」に改める。
(住民基本台帳法の一部改正に伴う経過措置)
第二十六条 前条の規定の施行の日から平成二十三年十二月三十一日までの間においては、同条の規定による改正後の住民基本台帳法別表第一の三十の項中「司法試験の実施」とあるのは、「司法試験の実施又は司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律(平成十四年法律第百三十八号)附則第七条第一項の規定により行われる司法試験の第二次試験の実施」とする。
(社会保険労務士法の一部改正)
第二十七条 社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
第八条第三号中「司法試験第一次試験」を「司法試験予備試験」に改める。
別表第二第一号の免除資格者の欄中1を削り、2を1とし、3を2とし、同欄4中「から3まで」を「及び2」に改め、同欄4を同欄3とする。
(社会保険労務士法の一部改正に伴う経過措置)
第二十八条 旧法の規定による司法試験の第一次試験又は旧司法試験の第一次試験に合格した者に係る社会保険労務士試験の受験資格については、なお従前の例による。
2 旧法の規定による司法試験の第二次試験に合格した者で労働法を選択したものに係る社会保険労務士試験の試験科目の一部免除については、なお従前の例による。
内閣総理大臣 小泉純一郎
総務大臣 片山虎之助
法務大臣 森山真弓
財務大臣 塩川正十郎
厚生労働大臣 坂口力
国土交通大臣 林寛子