(基幹道路の整備)
第十四条 過疎地域における基幹的な市町村道並びに市町村が管理する基幹的な農道、林道及び漁港関連道で政令で定める関係行政機関の長が指定するもの(以下「基幹道路」という。)の新設及び改築については、他の法令の規定にかかわらず、都道府県計画に基づいて、都道府県が行うことができる。
2 都道府県は、前項の規定により市町村道の新設又は改築を行う場合においては、政令で定めるところにより、当該市町村道の道路管理者(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。)に代わつてその権限を行うものとする。この場合において、都道府県が代わつて行う権限のうち政令で定めるものは、当該都道府県を統轄する都道府県知事が行う。
3 第一項の規定により都道府県が行う基幹道路の新設及び改築に係る事業(以下「基幹道路整備事業」という。)に要する経費については、当該都道府県が負担する。
4 基幹道路整備事業に要する経費に係る国の負担又は補助については、基幹道路を都道府県道又は都道府県が管理する農道、林道若しくは漁港関連道とみなす。
5 第三項の規定により基幹道路整備事業に要する経費を負担する都道府県が後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律(昭和三十六年法律第百十二号。以下この条において「負担特例法」という。)第二条第一項に規定する適用団体である場合においては、基幹道路整備事業(北海道及び奄美群島の区域における基幹道路整備事業で当該事業に係る経費に対する国の負担割合がこれらの区域以外の区域における当該事業に相当する事業に係る経費に対する通常の国の負担割合と異なるものを除く。)を同条第二項に規定する開発指定事業とみなして、負担特例法の規定を適用する。
6 北海道及び奄美群島の区域における基幹道路整備事業で当該事業に係る経費に対する国の負担割合がこれらの区域以外の区域における当該事業に相当する事業に係る経費に対する通常の国の負担割合と異なるものについては、第三項の規定により当該基幹道路整備事業に要する経費を負担する都道府県が負担特例法第二条第一項に規定する適用団体である場合においては、国は、第一号に掲げる国の負担割合が第二号に掲げる国の負担割合を超えるものにあつては、第一号に掲げる国の負担割合により算定した額に相当する額を、第一号に掲げる国の負担割合が第二号に掲げる国の負担割合を超えないものにあつては、第二号に掲げる国の負担割合により算定した額に相当する額を負担し、又は補助するものとする。
一 北海道及び奄美群島の区域以外の区域における当該基幹道路整備事業に相当する事業に係る経費に対する通常の国の負担割合をこれらの区域における当該基幹道路整備事業に係る経費に対する国の負担割合として負担特例法第三条第一項及び第二項の規定により算定した国の負担割合
二 北海道及び奄美群島の区域における当該基幹道路整備事業に係る経費に対する国の負担割合
(医療の確保)
第十五条 都道府県知事は、過疎地域における医療を確保するため、都道府県計画に基づいて、無医地区に関し次の各号に掲げる事業を実施しなければならない。
2 都道府県知事は、前項に規定する事業を実施する場合において特に必要があると認めるときは、病院又は診療所の開設者又は管理者に対し、次の各号に掲げる事業につき、協力を要請することができる。
二 巡回診療車(巡回診療船を含む。)による巡回診療
3 国及び都道府県は、過疎地域内の無医地区における診療に従事する医師又は歯科医師の確保その他当該無医地区における医療の確保(当該診療に従事する医師又は歯科医師を派遣する病院に対する助成を含む。)に努めなければならない。
4 都道府県は、第一項及び第二項に規定する事業の実施に要する費用を負担する。
5 国は、前項の費用のうち第一項第一号から第四号までに掲げる事業及び第二項に規定する事業に係るものについて、政令で定めるところにより、その二分の一を補助するものとする。ただし、他の法令の規定により二分の一を超える国の負担割合が定められている場合は、この限りでない。
第十六条 国及び都道府県は、過疎地域における医療を確保するため、過疎地域の市町村が市町村計画に基づいて前条第一項各号に掲げる事業を実施しようとするときは、当該事業が円滑に実施されるよう適切な配慮をするものとする。
(老人福祉の増進)
第十七条 国は、過疎地域における老人福祉の増進を図るため、過疎地域の市町村が市町村計画に基づいて高齢者の自主的活動の助長と福祉の増進を図るための集会施設の建設をしようとするときは、予算の範囲内で、当該建設に要する費用の一部を補助することができる。
(交通の確保)
第十八条 国の行政機関の長は、過疎地域の交通を確保するため、過疎地域の市町村が、その区域内で他に一般乗合旅客自動車運送事業を経営する者がない地域について、一般乗合旅客自動車運送事業を経営し、又は自家用自動車を共同で使用し、若しくは有償で運送の用に供するときは、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)に基づく免許、許可又は認可について適切な配慮をするものとする。
(小規模校における教育の充実)
第十九条 国及び地方公共団体は、過疎地域に所在する小規模の小学校及び中学校における教育の特殊事情にかんがみ、その教育の充実について適切な配慮をするものとする。
(農地法等による処分についての配慮)
第二十条 国の行政機関の長又は都道府県知事は、過疎地域内の土地を市町村計画に定める用途に供するため農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該地域の振興が図られるよう適切な配慮をするものとする。
(国有林野の活用)
第二十一条 国は、市町村計画の実施を促進するため、国有林野の活用について適切な配慮をするものとする。
(農林漁業金融公庫等からの資金の貸付け)
第二十二条 農林漁業金融公庫又は沖繩振興開発金融公庫は、過疎地域において農業(畜産業を含む。)、林業又は漁業を営む者に対し、その者が農林水産省令で定めるところにより作成した農林漁業経営改善計画であつて農林水産省令で定める基準に適合する旨の都道府県知事の認定を受けたものを実施するために必要な資金の貸付けを行うものとする。
(中小企業に対する資金の確保)
第二十三条 国及び都道府県は、過疎地域の中小企業者が行う事業であつて第一条の目的の達成に資すると認められるものの実施に関し、当該事業者が必要とする資金の確保に努めなければならない。
(住宅金融公庫等からの資金の貸付け)
第二十四条 住宅金融公庫又は沖繩振興開発金融公庫は、市町村計画のうち集落の整備に関する事項に係る計画にのつとつて過疎地域の市町村の住民が行う住宅の建設又は住宅の建設に附随する土地若しくは借地権の取得が円滑に行われるよう必要な資金の貸付けについて適切な配慮をするものとする。
(事業用資産の買換えの場合の課税の特例)
第二十五条 過疎地域以外の地域にある事業用資産を譲渡して過疎地域内にある事業用資産を取得した場合においては、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の定めるところにより、特定の事業用資産の買換えの場合の課税の特例の適用があるものとする。
(減価償却の特例)
第二十六条 過疎地域内において製造の事業の用に供する設備を新設し、又は増設した者がある場合において、当該新設又は増設により、当該過疎地域内における雇用の増大に寄与すると認められるときは、当該新設又は増設に伴い新たに取得し、又は製作し、若しくは建設した機械及び装置並びに工場用の建物及びその附属設備については、租税特別措置法の定めるところにより、特別償却を行うことができる。
(地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置)
第二十七条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条の規定により、地方公共団体が、過疎地域内において製造の事業の用に供する設備を新設し、若しくは増設した者について、その事業に対する事業税、その事業に係る工場用の建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税若しくはその事業に係る機械及び装置若しくはその事業に係る工場用の建物若しくはその敷地である土地に対する固定資産税を課さなかつた場合若しくは過疎地域内において畜産業、水産業若しくは薪炭製造業を行う個人について、その事業に対する事業税を課さなかつた場合又はこれらの者について、これらの地方税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が政令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法第十四条の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条の規定にかかわらず、自治省令で定める方法によつて算定した当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(事業税又は固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあつては、これらの措置がされた最初の年度以降三箇年度(個人の行う畜産業、水産業及び薪炭製造業に対するものにあつては、政令で定める期間に係る年度)におけるものに限る。)について同条の規定により当該地方公共団体の当該各年度における基準財政収入額に算入される額に相当する額を同条の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が自治省令で定める日以後において行われたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。