行政官庁法
法令番号: 法律第六十九号
公布年月日: 昭和22年4月18日
法令の形式: 法律
朕は、帝國議会の協賛を経た行政官廳法を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年四月十七日
内閣総理大臣兼外務大臣 吉田茂
國務大臣 男爵 幣原喜重郞
司法大臣 木村篤太郎
國務大臣 齋藤隆夫
逓信大臣 一松定吉
國務大臣 星島二郎
厚生大臣 河合良成
内務大臣 植原悦二郎
大藏大臣 石橋湛山
國務大臣 金森徳次郎
運輸大臣 増田甲子七
商工大臣 石井光次郎
文部大臣 高橋誠一郎
農林大臣 木村小左衞門
國務大臣 田中萬逸
國務大臣 高瀬莊太郎
法律第六十九号
行政官廳法
第一條 内閣総理大臣及び各省大臣の分担管理する行政事務の範囲は、法律又は政令に別段の規定あるものを除くの外、從來の例による。
第二條 各省大臣は、國務大臣の中から、内閣総理大臣がこれを命ずる。但し、内閣総理大臣が、自らこれに当ることを妨げない。
第三條 各大臣の管理する事務は、法律又は政令に別段の規定あるものを除くの外、総理廳、從來の各省及び從來の各大臣の管理する外局で、これを掌る。
第四條 各大臣は、所部の職員の服務につき、これを統督する。
第五條 各大臣は、主任の事務について、法律又は政令の制定、改正又は廃止を必要と認めるときは、案を具えて、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めなければならない。
第六條 各大臣は、主任の事務について法律若しくは政令を執行するために、又は法律若しくは政令の特別の委任に基いて総理廳令又は省令を発することができる。
総理廳令又は省令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは権利を制限する規定を設けることができない。
第七條 各大臣は、主任の事務について、國の機関としての地方公共團体の長の法律に基いてなす行政事務に関しその長を指揮監督することができる。若し、國の機関としての地方公共團体の長の措置が成規に違い、又は権限を侵すものありと認めるときは、その措置を停止し、又は取消すことができる。
前項の規定は、地方公共團体の長の地方自治の本旨に基く法律に基いてなすその地方公共團体の事務に関しては適用しない。
第八條 各大臣の所管する部内に置くべき職員の種類及び所掌事項は、法律又は政令に別段の規定あるものを除くの外、從來の職員に関する通則による。
第九條 内閣官房及び法制局は、政令の定めるところにより、内閣総理大臣の管理する事務を掌ることができる。
第十條 内閣官房及び法制局に夫ゝ内閣官房長官及び法制局長官を置く。各一人一級とする。
内閣官房長官及び法制局長官は、夫ゝ内閣官房又は法制局の事務を統理し、所部の職員の服務につき、これを指揮監督する。
第一項の職員の外、内閣官房及び法制局に置くべき職員の種類及び所掌事項については、法律又は政令に別段の規定あるものを除くの外、從來の例による。
第十一條 第四條乃至第六條の規定を適用するについては、内閣官房及び法制局に係る事項は、これを内閣総理大臣の所掌事項とみなす。
第十二條 総理廳、各省、内閣官房及び法制局には、法律又は政令の定めるところにより、所要の部局及び機関を置く。但し、地方特別官廳の設置及び廃止については、法律の定めるところによる。
第十三條 國務大臣及び別に法律で定める官吏の外、その任免につき、天皇の認証を要する官吏は、特命全権大使、特命全権公使及び戰災復興院総裁とする。
第十四條 官吏の任免、敍級、休職、復職その他官吏の身分上の事項に関する手続につき必要な事項は、法律に別段の規定あるものを除くの外、政令でこれを定める。
附 則
この法律は、日本國憲法施行の日から、これを施行する。
この法律は、施行後一年を限り、その効力を有する。
この法律施行の際現に各省大臣たる者は、別段の辞令を発せられないときは、この法律により、各省大臣となつたものとする。
前項に規定するものの外、この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
内閣法の一部を次のように改正する。
第二條第一項中「及び國務大臣十六人以内」を「並びに從來の各省大臣及び國務大臣の定数以内の國務大臣」に改める。
朕は、帝国議会の協賛を経た行政官庁法を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年四月十七日
内閣総理大臣兼外務大臣 吉田茂
国務大臣 男爵 幣原喜重郎
司法大臣 木村篤太郎
国務大臣 斎藤隆夫
逓信大臣 一松定吉
国務大臣 星島二郎
厚生大臣 河合良成
内務大臣 植原悦二郎
大蔵大臣 石橋湛山
国務大臣 金森徳次郎
運輸大臣 増田甲子七
商工大臣 石井光次郎
文部大臣 高橋誠一郎
農林大臣 木村小左衛門
国務大臣 田中万逸
国務大臣 高瀬荘太郎
法律第六十九号
行政官庁法
第一条 内閣総理大臣及び各省大臣の分担管理する行政事務の範囲は、法律又は政令に別段の規定あるものを除くの外、従来の例による。
第二条 各省大臣は、国務大臣の中から、内閣総理大臣がこれを命ずる。但し、内閣総理大臣が、自らこれに当ることを妨げない。
第三条 各大臣の管理する事務は、法律又は政令に別段の規定あるものを除くの外、総理庁、従来の各省及び従来の各大臣の管理する外局で、これを掌る。
第四条 各大臣は、所部の職員の服務につき、これを統督する。
第五条 各大臣は、主任の事務について、法律又は政令の制定、改正又は廃止を必要と認めるときは、案を具えて、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めなければならない。
第六条 各大臣は、主任の事務について法律若しくは政令を執行するために、又は法律若しくは政令の特別の委任に基いて総理庁令又は省令を発することができる。
総理庁令又は省令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは権利を制限する規定を設けることができない。
第七条 各大臣は、主任の事務について、国の機関としての地方公共団体の長の法律に基いてなす行政事務に関しその長を指揮監督することができる。若し、国の機関としての地方公共団体の長の措置が成規に違い、又は権限を侵すものありと認めるときは、その措置を停止し、又は取消すことができる。
前項の規定は、地方公共団体の長の地方自治の本旨に基く法律に基いてなすその地方公共団体の事務に関しては適用しない。
第八条 各大臣の所管する部内に置くべき職員の種類及び所掌事項は、法律又は政令に別段の規定あるものを除くの外、従来の職員に関する通則による。
第九条 内閣官房及び法制局は、政令の定めるところにより、内閣総理大臣の管理する事務を掌ることができる。
第十条 内閣官房及び法制局に夫ゝ内閣官房長官及び法制局長官を置く。各一人一級とする。
内閣官房長官及び法制局長官は、夫ゝ内閣官房又は法制局の事務を統理し、所部の職員の服務につき、これを指揮監督する。
第一項の職員の外、内閣官房及び法制局に置くべき職員の種類及び所掌事項については、法律又は政令に別段の規定あるものを除くの外、従来の例による。
第十一条 第四条乃至第六条の規定を適用するについては、内閣官房及び法制局に係る事項は、これを内閣総理大臣の所掌事項とみなす。
第十二条 総理庁、各省、内閣官房及び法制局には、法律又は政令の定めるところにより、所要の部局及び機関を置く。但し、地方特別官庁の設置及び廃止については、法律の定めるところによる。
第十三条 国務大臣及び別に法律で定める官吏の外、その任免につき、天皇の認証を要する官吏は、特命全権大使、特命全権公使及び戦災復興院総裁とする。
第十四条 官吏の任免、叙級、休職、復職その他官吏の身分上の事項に関する手続につき必要な事項は、法律に別段の規定あるものを除くの外、政令でこれを定める。
附 則
この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。
この法律は、施行後一年を限り、その効力を有する。
この法律施行の際現に各省大臣たる者は、別段の辞令を発せられないときは、この法律により、各省大臣となつたものとする。
前項に規定するものの外、この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
内閣法の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「及び国務大臣十六人以内」を「並びに従来の各省大臣及び国務大臣の定数以内の国務大臣」に改める。