朕地方稅法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月三十一日
內閣總理大臣 米內光政
大藏大臣 櫻內幸雄
內務大臣 伯爵 兒玉秀雄
勅令第百九十八號
地方稅法施行令
第一條 本令中府縣ニ關スル規定ハ北海道地方費ニ、市町村ニ關スル規定ハ町村制ニ代ル制ヲ施行スル地ノ町村ニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ府縣知事又ハ府縣稅トアルハ夫々北海道廳長官又ハ北海道地方稅トシ市町村稅トアルハ町村制ニ代ル制ヲ施行スル地ノ町村ノ町村稅トス
本令中市町村ニ關スル規定ヲ北海道ノ市ニ適用スル場合ニ於テハ府縣知事トアルハ北海道廳長官トス
町村組合ニシテ町村事務ノ全部ヲ共同處理スルモノハ本令ノ適用ニ付テハ之ヲ一町村ト看做ス
第二條 數府縣ニ於テ又ハ同一府縣內若ハ數府縣內ノ數市町村ニ於テ營業所ヲ設ケテ營業ヲ爲ス者ハ內務大臣及大藏大臣ノ定ムル所ニ依リ營業稅附加稅(營業稅割ヲ含ム)ノ賦課ニ關シ必要ナル事項ヲ稅務官署又ハ府縣知事ニ屆出ヅベシ
第三條 地方稅法第十二條第一項第二號及第三號ノ規定ニ依リ公共團體ヲ指定スルコト左ノ如シ
府縣組合
市町村組合
町村組合
市町村內ノ區
學區
水利組合
水利組合聯合
北海道土功組合
第四條 地方稅法第六十一條ノ規定ニ依リ府縣知事ノ許可ヲ要スル事項ニシテ左ニ揭グルモノハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受クベシ
一 東京市、京都市、大阪市、橫濱市、神戶市及名古屋市ニ關スルコト
二 人口二十萬以上ノ市(前號ニ揭グル市ヲ除ク)ニ於テ本稅ノ百分ノ二百六十ヲ超エ地租附加稅、家屋稅附加稅又ハ營業稅附加稅ノ賦課率ヲ定ムルコト
三 前二條ニ揭グル市以外ノ市ニ於テ本稅ノ百分ノ二百八十ヲ超エ地租附加稅、家屋稅附加稅又ハ營業稅附加稅ノ賦課率ヲ定ムルコト
四 町村ニ於テ本稅ノ百分ノ三百ヲ超エ地租附加稅、家屋稅附加稅又ハ營業稅附加稅ノ賦課率ヲ定ムルコト
第五條 地方稅法第四十六條又ハ第六十一條ノ規定ニ依ル地租附加稅、家屋稅附加稅又ハ營業稅附加稅ノ賦課率ノ許可ニ付テハ當該地方團體ノ財政ノ情況ニ應ジ年度ヲ限ルコトヲ得
第六條 內務大臣及大藏大臣ノ指定スル稅ニ關スル地方稅法第六十三條第四項ノ許可ノ職權ハ地方稅法第八十四條第二項ノ規定ニ依リ府縣知事ニ之ヲ委任ス
第七條 地方稅法第八十四條第三項ノ規定ニ依リ左ニ揭グル事項ニ付テハ許可ヲ受クルコトヲ要セズ
一 地方稅法第四十六條又ハ第六十一條ノ規定ニ依リ許可ヲ受ケタル賦課率ヲ低減スルコト
二 地方稅法第六十三條第三項、第七十六條第三項又ハ第七十九條第一項ノ規定ニ依ル獨立稅又ハ目的稅ニ付課稅標準ヲ變更スルコトナクシテ賦課率又ハ賦課定額ヲ低減スルコト
第八條 島嶼ニ於ケル府縣稅及其ノ賦課徵收ニ關シ地方稅法ニ依リ難キ事項ニ付テハ府縣條例ヲ以テ之ヲ定ムベシ
島嶼ニ於ケル町村ノ町村稅及其ノ賦課徵收ニ關シ地方稅法ニ依リ難キ事項ニ付テハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ得テ府縣知事之ヲ定ムベシ
第九條 本令又ハ他ノ勅令ニ定ムルモノヲ除クノ外地方稅及其ノ賦課徵收ニ關シ必要ナル事項ハ內務大臣及大藏大臣之ヲ定ム
附 則
第十條 本令ハ昭和十五年度分地方稅ヨリ之ヲ適用ス但シ家屋稅附加稅ニ關スル規定ハ昭和十七年度分ヨリ之ヲ適用ス
第十一條 左ノ助令ハ昭和十四年度分限リ之ヲ廢止ス但シ大正十五年勅令第三百三十九號第一條乃至第六條ノ規定ハ昭和十六年度分迄ニ限リ仍其ノ效力ヲ有ス
大正九年勅令第二百八十二號
大正十五年勅令第百四十三號
大正十五年勅令第二百八十六號
大正十五年勅令第三百三十九號
第十二條 第二條ノ規定ハ地方稅法第八十九條及第九十二條第二項ノ規定ノ適用ニ付之ヲ準用ス
第十三條 昭和十五年度及昭和十六年度分ノ家屋稅ノ賦課率ガ家屋賃貸價格ノ百分ノ三・五ヲ超ユルトキハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受クベシ但シ左ニ揭グル場合ニ於テ賦課率ガ家屋賃貸價格ノ百分ノ三・八五ヲ超エザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 災害應急費、災害復舊費、傳染病豫防費及國營事業費負擔金ニ充ツル爲借入レタル負債ノ元利償還ノ爲費用ヲ要スルトキ
二 災害應急又ハ復舊ノ爲費用ヲ要スルトキ
三 傳染病豫防ノ爲費用ヲ要スルトキ
第十四條 昭和十五年度分及昭和十六年度分ノ家屋稅附加稅ノ賦課率ガ家屋賃貸價格ノ百分ノ三・五ニ相當スル率ヲ超ユルトキハ府縣知事ノ許可ヲ受クベシ但シ左ニ揭グル場合ニ於テ賦課率ガ家屋賃貸價格ノ百分ノ四・二ニ相當スル率ヲ超エザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 小學校營繕費、災害應急費、災害復舊費、傳染病豫防費及國營事業費負擔金ニ充ツル爲借入レタル負債ノ元利償還ノ爲費用ヲ要スルトキ
二 災害應急又ハ復舊ノ爲費用ヲ要スルトキ
三 傳染病豫防ノ爲費用ヲ要スルトキ
前項ノ規定ニ依リ府縣知事ノ許可ヲ要スル事項ニシテ左ニ揭グルモノニ付テハ府縣知事ノ許可ニ代ヘ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受クベシ
一 東京市、京都市、大阪市、橫濱市、神戶市及名古屋市ニ關スルコト
二 人口二十萬以上ノ市(前號ニ揭グル市ヲ除ク)ニ於テ家屋賃貸價格ノ百分ノ四・五五ニ相當スル率ヲ超ユル賦課率ヲ定ムルコト
三 前二號ニ揭グル市以外ノ市ニ於テ家屋賃貸價格ノ百分ノ四・九ニ相當スル率ヲ超ユル賦課率ヲ定ムルコト
四 町村ニ於テ家屋賃貸價格ノ百分ノ五・二五ニ相當スル率ヲ超ユル賦課率ヲ定ムルコト
第十五條 昭和十五年度分及昭和十六年度分ノ都市計畫特別稅家屋稅ノ賦課ノ制限左ノ如シ
府縣稅
家屋賃貸價格ノ百分ノ三・五ノ百分ノ十二・五以內
市町村稅
家屋賃貸價格ノ百分ノ三・五ノ百分ノ三十四以內
朕地方税法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月三十一日
内閣総理大臣 米内光政
大蔵大臣 桜内幸雄
内務大臣 伯爵 児玉秀雄
勅令第百九十八号
地方税法施行令
第一条 本令中府県ニ関スル規定ハ北海道地方費ニ、市町村ニ関スル規定ハ町村制ニ代ル制ヲ施行スル地ノ町村ニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ府県知事又ハ府県税トアルハ夫々北海道庁長官又ハ北海道地方税トシ市町村税トアルハ町村制ニ代ル制ヲ施行スル地ノ町村ノ町村税トス
本令中市町村ニ関スル規定ヲ北海道ノ市ニ適用スル場合ニ於テハ府県知事トアルハ北海道庁長官トス
町村組合ニシテ町村事務ノ全部ヲ共同処理スルモノハ本令ノ適用ニ付テハ之ヲ一町村ト看做ス
第二条 数府県ニ於テ又ハ同一府県内若ハ数府県内ノ数市町村ニ於テ営業所ヲ設ケテ営業ヲ為ス者ハ内務大臣及大蔵大臣ノ定ムル所ニ依リ営業税附加税(営業税割ヲ含ム)ノ賦課ニ関シ必要ナル事項ヲ税務官署又ハ府県知事ニ届出ヅベシ
第三条 地方税法第十二条第一項第二号及第三号ノ規定ニ依リ公共団体ヲ指定スルコト左ノ如シ
府県組合
市町村組合
町村組合
市町村内ノ区
学区
水利組合
水利組合連合
北海道土功組合
第四条 地方税法第六十一条ノ規定ニ依リ府県知事ノ許可ヲ要スル事項ニシテ左ニ掲グルモノハ内務大臣及大蔵大臣ノ許可ヲ受クベシ
一 東京市、京都市、大阪市、横浜市、神戸市及名古屋市ニ関スルコト
二 人口二十万以上ノ市(前号ニ掲グル市ヲ除ク)ニ於テ本税ノ百分ノ二百六十ヲ超エ地租附加税、家屋税附加税又ハ営業税附加税ノ賦課率ヲ定ムルコト
三 前二条ニ掲グル市以外ノ市ニ於テ本税ノ百分ノ二百八十ヲ超エ地租附加税、家屋税附加税又ハ営業税附加税ノ賦課率ヲ定ムルコト
四 町村ニ於テ本税ノ百分ノ三百ヲ超エ地租附加税、家屋税附加税又ハ営業税附加税ノ賦課率ヲ定ムルコト
第五条 地方税法第四十六条又ハ第六十一条ノ規定ニ依ル地租附加税、家屋税附加税又ハ営業税附加税ノ賦課率ノ許可ニ付テハ当該地方団体ノ財政ノ情況ニ応ジ年度ヲ限ルコトヲ得
第六条 内務大臣及大蔵大臣ノ指定スル税ニ関スル地方税法第六十三条第四項ノ許可ノ職権ハ地方税法第八十四条第二項ノ規定ニ依リ府県知事ニ之ヲ委任ス
第七条 地方税法第八十四条第三項ノ規定ニ依リ左ニ掲グル事項ニ付テハ許可ヲ受クルコトヲ要セズ
一 地方税法第四十六条又ハ第六十一条ノ規定ニ依リ許可ヲ受ケタル賦課率ヲ低減スルコト
二 地方税法第六十三条第三項、第七十六条第三項又ハ第七十九条第一項ノ規定ニ依ル独立税又ハ目的税ニ付課税標準ヲ変更スルコトナクシテ賦課率又ハ賦課定額ヲ低減スルコト
第八条 島嶼ニ於ケル府県税及其ノ賦課徴収ニ関シ地方税法ニ依リ難キ事項ニ付テハ府県条例ヲ以テ之ヲ定ムベシ
島嶼ニ於ケル町村ノ町村税及其ノ賦課徴収ニ関シ地方税法ニ依リ難キ事項ニ付テハ内務大臣及大蔵大臣ノ許可ヲ得テ府県知事之ヲ定ムベシ
第九条 本令又ハ他ノ勅令ニ定ムルモノヲ除クノ外地方税及其ノ賦課徴収ニ関シ必要ナル事項ハ内務大臣及大蔵大臣之ヲ定ム
附 則
第十条 本令ハ昭和十五年度分地方税ヨリ之ヲ適用ス但シ家屋税附加税ニ関スル規定ハ昭和十七年度分ヨリ之ヲ適用ス
第十一条 左ノ助令ハ昭和十四年度分限リ之ヲ廃止ス但シ大正十五年勅令第三百三十九号第一条乃至第六条ノ規定ハ昭和十六年度分迄ニ限リ仍其ノ効力ヲ有ス
大正九年勅令第二百八十二号
大正十五年勅令第百四十三号
大正十五年勅令第二百八十六号
大正十五年勅令第三百三十九号
第十二条 第二条ノ規定ハ地方税法第八十九条及第九十二条第二項ノ規定ノ適用ニ付之ヲ準用ス
第十三条 昭和十五年度及昭和十六年度分ノ家屋税ノ賦課率ガ家屋賃貸価格ノ百分ノ三・五ヲ超ユルトキハ内務大臣及大蔵大臣ノ許可ヲ受クベシ但シ左ニ掲グル場合ニ於テ賦課率ガ家屋賃貸価格ノ百分ノ三・八五ヲ超エザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 災害応急費、災害復旧費、伝染病予防費及国営事業費負担金ニ充ツル為借入レタル負債ノ元利償還ノ為費用ヲ要スルトキ
二 災害応急又ハ復旧ノ為費用ヲ要スルトキ
三 伝染病予防ノ為費用ヲ要スルトキ
第十四条 昭和十五年度分及昭和十六年度分ノ家屋税附加税ノ賦課率ガ家屋賃貸価格ノ百分ノ三・五ニ相当スル率ヲ超ユルトキハ府県知事ノ許可ヲ受クベシ但シ左ニ掲グル場合ニ於テ賦課率ガ家屋賃貸価格ノ百分ノ四・二ニ相当スル率ヲ超エザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 小学校営繕費、災害応急費、災害復旧費、伝染病予防費及国営事業費負担金ニ充ツル為借入レタル負債ノ元利償還ノ為費用ヲ要スルトキ
二 災害応急又ハ復旧ノ為費用ヲ要スルトキ
三 伝染病予防ノ為費用ヲ要スルトキ
前項ノ規定ニ依リ府県知事ノ許可ヲ要スル事項ニシテ左ニ掲グルモノニ付テハ府県知事ノ許可ニ代ヘ内務大臣及大蔵大臣ノ許可ヲ受クベシ
一 東京市、京都市、大阪市、横浜市、神戸市及名古屋市ニ関スルコト
二 人口二十万以上ノ市(前号ニ掲グル市ヲ除ク)ニ於テ家屋賃貸価格ノ百分ノ四・五五ニ相当スル率ヲ超ユル賦課率ヲ定ムルコト
三 前二号ニ掲グル市以外ノ市ニ於テ家屋賃貸価格ノ百分ノ四・九ニ相当スル率ヲ超ユル賦課率ヲ定ムルコト
四 町村ニ於テ家屋賃貸価格ノ百分ノ五・二五ニ相当スル率ヲ超ユル賦課率ヲ定ムルコト
第十五条 昭和十五年度分及昭和十六年度分ノ都市計画特別税家屋税ノ賦課ノ制限左ノ如シ
府県税
家屋賃貸価格ノ百分ノ三・五ノ百分ノ十二・五以内
市町村税
家屋賃貸価格ノ百分ノ三・五ノ百分ノ三十四以内