第一條 大正十五年法律第二十四號第九條ノ家屋トハ住家、倉庫、工場其ノ他各種ノ建物ヲ謂フ
第二條 家屋ノ賃貸價格ハ貸主ガ公課、修繕費其ノ他家屋ノ維持ニ必要ナル經費ヲ負擔スル條件ヲ以テ家屋ヲ賃貸スル場合ニ於テ賦課期日ノ現狀ニ依リ貸主ノ收得スベキ金額ノ年額ヲ以テ之ヲ算定ス
第三條第一項及第二項ノ場合ニ於テハ其ノ家屋ノ賃貸價格ハ前項ノ規定ニ依リテ算定シタル類似ノ他ノ家屋ノ賃貸價格ニ比準シテ之ヲ定ム
第三條 家屋稅ノ賦課期日後建築セラレタル家屋ニ付テハ工事竣成ノ翌月ヨリ月割ヲ以テ家屋稅ヲ賦課ス
大正十五年法律第二十四號第十一條ノ規定ニ基キテ家屋稅ヲ賦課セザル家屋又ハ法律ニ依リテ家屋稅ヲ賦課スルコトヲ得ザル家屋ガ家屋稅ノ賦課期日後之ヲ賦課スルコトヲ得ベキモノト爲リタルトキハ其ノ翌月ヨリ月割ヲ以テ家屋稅ヲ賦課ス
家屋稅ノ賦課期日後家屋ガ滅失シ其ノ他家屋トシテノ效用ヲ失ヒタルトキハ納稅義務者ノ申請ニ依リ其ノ月迄月割ヲ以テ家屋稅ヲ賦課ス大正十五年法律第二十四號第十一條ノ規定ニ基キテ家屋稅ヲ賦課セザル家屋又ハ法律ニ依リテ家屋稅ヲ賦課スルコトヲ得ザル家屋ト爲リタルトキ亦同ジ
家屋稅ノ賦課後前項ノ事實ヲ生ズルモ其ノ賦課額ハ之ヲ變更セズ
第四條 大正十五年法律第二十四號附則第四項ノ規定ニ依リテ府縣ニ於テ家屋稅ヲ賦課スル場合ニ於テハ建物ノ構造、坪數、用途及敷地ノ地位ニ依リ家屋ニ等差ヲ設ケテ之ヲ賦課ス
第五條 大正十五年法律第二十四號附則第四項ノ規定ニ依リテ家屋稅ヲ賦課スル場合ニ於テハ府縣ハ家屋稅總額ヲ市町村ニ配當スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ家屋稅總額ノ半額ハ之ヲ豫算ノ屬スル年度ノ前年度始ニ於ケル市町村內宅地地價ニ、他ノ半額ハ之ヲ豫算ノ屬スル年度ノ前年度始ニ於ケル市町村ノ戶數(法人ノ本店及支店ノ數ヲ含ム)ニ比例シテ配當スベシ
家屋稅ヲ賦課スベキ年度ノ前年度又ハ家屋稅ノ配當前ニ於テ市町村ノ廢置分合又ハ境界變更アリタルトキハ關係市町村ニ於ケル配當標準ハ府縣知事之ヲ定ム但シ配當標準ニ異動ナキ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
家屋稅ノ配當額ハ配當標準ニ異動アルモ配當後ハ之ヲ改定セズ但シ配當標準ニ錯誤アリタルトキハ當該市町村ニ限リ當初ノ配當率ヲ以テ其ノ配當額ヲ改定スルコトヲ得
家屋稅ノ配當後其ノ賦課前ニ於テ市町村ノ廢置分合又ハ境界變更アリタルトキハ府縣知事關係市町村ノ配當額ヲ新ニ定メ又ハ改定ス但シ配當標準ニ異動ナキ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第六條 前二條ノ規定ニ依リ難キ特別ノ事情アル府縣ハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受ケ別ノ賦課方法ニ依リ家屋稅ヲ賦課スルコトヲ得
第七條 第四條及前條ノ規定ハ府縣費ノ全部ノ分賦ヲ受ケタル市ニ於テ大正十五年法律第二十四號附則第四項ノ規定ニ依リテ家屋稅ヲ賦課スル場合ニ關シ之ヲ準用ス
第八條 家屋ノ賃貸價格ニ對スル賦課率ハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受ケ府縣ニ於テ之ヲ定ム
第四條乃至第六條ノ規定ニ依リテ家屋稅ヲ賦課セントスル場合ニ於テハ府縣ハ其ノ豫算總額ニ付內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受クベシ
第九條 前條ノ規定ハ府縣費ノ全部ノ分賦ヲ受ケタル市ニ於テ賦課スベキ家屋稅ニ關シ之ヲ準用ス
第十條 戶數割ヲ賦課スル市町村ニ於テ賦課スベキ家屋稅附加稅ノ賦課率ハ本稅百分ノ五十以內トス
特別ノ必要アル場合ニ於テハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受ケ前項ニ規定スル制限ヲ超過シ其ノ百分ノ十二以內ニ於テ課稅スルコトヲ得
左ニ揭グル場合ニ於テハ特ニ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受ケ前項ニ規定スル制限ヲ超過シテ課稅スルコトヲ得
一 內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受ケテ起シタル負債ノ元利償還ノ爲費用ヲ要スルトキ
前二項ノ規定ニ依リテ制限外課稅ヲ爲スハ特別地稅附加稅ガ大正十五年法律第二十四號第七條ノ規定ニ依リテ制限外課稅ヲ爲ス場合ニ限ル但シ特別地稅附加稅ナキトキハ地租附加稅又ハ段別割ガ明治四十一年法律第三十七號第五條ノ規定ニ依リテ制限外課稅ヲ爲ス場合ニ限ル
第十一條 內務大臣及大藏大臣ガ戶數割ヲ賦課シ難キモノト認メタル市町村ニ於テ賦課スベキ家屋稅附加稅ハ左ノ制限ヲ超ユルコトヲ得ズ
一 市ニ在リテハ其ノ總額當該年度ニ於ケル市稅豫算總額ノ百分ノ三十六但シ明治四十一年法律第三十七號第三條第三項ノ規定ニ依リテ所得稅附加稅ヲ賦課スル場合ニ於テハ當該年度ニ於ケル市稅豫算總額ノ百分ノ三十
二 町村ニ在リテハ其ノ總額當該年度ニ於ケル町村稅豫算總額ノ百分ノ六十但シ明治四十一年法律第三十七號第三條第三項ノ規定ニ依リテ所得稅附加稅ヲ賦課スル場合ニ於テハ當該年度ニ於ケル町村稅豫算總額ノ百分ノ五十五
特別ノ必要アル場合ニ於テハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受ケ前項ニ規定スル制限ヲ超過シテ課稅スルコトヲ得
第十二條 大正十五年法律第二十四號第十五條ノ規定ニ依リ營業稅ヲ賦課スベキ營業ノ種類ヲ定ムルコト左ノ如シ
第十三條 營業收益稅法第二條ニ揭グル營業ニ對スル營業稅ノ賦課額ハ同法ニ依ル個人ノ營業收益稅額ノ最低額未滿トス
第十四條 營業稅ノ課稅標準ハ內務大臣及大藏大臣之ヲ定ム
第十五條 年稅又ハ期稅タル營業稅ノ賦課期日後納稅義務ノ發生シタル者ニ對シテハ其ノ發生ノ翌月ヨリ月割ヲ以テ營業稅ヲ賦課ス
前項ノ營業稅ノ賦課期日後納稅義務ノ消滅シタル者ニ對シテハ其ノ消滅シタル月迄月割ヲ以テ營業稅ヲ賦課ス
第一項ノ營業稅ニ付テハ其ノ賦課後營業ノ承繼アリタル場合ニ於テハ前營業者ノ納稅ヲ以テ後ノ營業者ノ納稅ト看做シ前二項ノ規定ヲ適用セズ
月稅タル營業稅ノ賦課期日後其ノ月十五日迄ニ納稅義務發生シタルトキハ其ノ營業稅ノ全額、十六日以後納稅義務發生シタルトキ又ハ十五日迄ニ納稅義務消滅シタルトキハ其ノ半額ヲ賦課ス
前二項ノ場合ニ一ノ府縣ニ於テ納稅義務消滅シ他ノ府縣ニ於テ納稅義務發生シタルトキハ納稅義務ノ發生シタル府縣ハ納稅義務ノ消滅シタル府縣ニ於テ賦課シタル部分ニ付テハ營業稅ヲ賦課スルコトヲ得ズ
第十六條 營業稅附加稅ノ賦課率ハ本稅百分ノ八十以內トス
特別ノ必要アル場合ニ於テハ府縣知事ノ許可ヲ受ケ前項ニ規定スル制限ヲ超過シテ課稅スルコトヲ得
第十七條 大正十五年法律第二十四號第十九條ノ規定ニ依リ雜種稅ヲ賦課スルコトヲ得ベキモノノ種類ヲ定ムルコト左ノ如シ
遊藝師匠、遊藝人、相撲、俳優、藝妓其ノ他之ニ類スル者
特別ノ必要アル場合ニ於テ第一項ノ種類以外ノモノニ對シ雜種稅ヲ賦課セントスルトキハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受クベシ
第十八條 第十五條ノ規定ハ雜種稅ノ賦課ニ之ヲ準用ス
第十九條 雜種稅ノ課稅標準及其ノ制限率其ノ他賦課ニ關シ必要ナル事項ハ內務大臣及大藏大臣之ヲ定ム
第二十條 雜種稅附加稅ノ總額ハ本稅總額ノ百分ノ八十九以內トス
特別ノ必要アル場合ニ於テハ府縣知事ノ許可ヲ受ケ前項ニ規定スル制限ヲ超過シテ賦課スルコトヲ得
第二十一條 戶數割總額中納稅義務者ノ資產ノ狀況ニ依リ資力ヲ算定シテ賦課スベキ額ハ戶數割總額ノ十分ノ二ヲ超ユルコトヲ得ズ
第二十二條 戶數割納稅義務者ト生計ヲ共ニスル同居者ノ所得ハ之ヲ其ノ納稅義務者ノ所得ト看做ス但シ其ノ納稅義務者ヨリ受クル所得ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十三條 同一人ニ對シ數市町村ニ於テ戶數割ヲ賦課スル場合ニ於テハ各其ノ市町村ニ於ケル所得ヲ以テ其ノ者ノ資力算定ノ標準タル所得トス其ノ所得ニシテ分別シ難キモノアルトキハ關係市町村ニ平分ス
戶數割ヲ納ムル市町村以外ノ地ニ於ケル所得ハ納稅義務者ノ資力算定ニ付住所地市町村ニ於ケル所得ト看做ス
前二項ニ規定スル所得計算ニ付關係市町村異議アル場合ニ於テ其ノ府縣內ニ止マルモノハ府縣知事、數府縣ニ涉ルモノハ內務大臣之ヲ定ム
第二十四條 所得ニ依ル資力算定方法ニ關シテハ第二十一條乃至前條ニ定ムルモノノ外內務大臣及大藏大臣之ヲ定ム
第二十五條 戶數割ノ賦課期日後納稅義務ノ發生シタル者ニ對スル賦課額ハ大正十五年法律第二十四號第二十四條乃至第二十七條及本令第二十一條(又ハ附則第六項)乃至前條ノ規定ニ依リテ定マリタル他ノ納稅義務者ノ賦課額ニ比準シテ之ヲ定ム
第十五條第一項、第二項及第五項ノ規定ハ戶數割ノ賦課ニ之ヲ準用ス但シ戶數割ノ賦課後納稅義務消滅スルモ其ノ賦課額ハ之ヲ變更セズ
第二十六條 市町村長ハ其ノ市町村住民ニ非ザル者(法人ヲ除ク)ノ當該市町村內ニ於テ生ズル其ノ年度分所得及其ノ所得ノ基本タル事實ヲ每年四月末日迄ニ其ノ住所地市町村長ニ通報スベシ但シ當該市町村ニ於テ其ノ者ニ戶數割ヲ賦課スルトキ又ハ其ノ住所地市町村ニ於テ戶數割ノ賦課ナキトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二十七條 戶數割ハ左ノ制限ヲ超ユルコトヲ得ズ
一 市ニ在リテハ其ノ總額當該年度ニ於ケル市稅豫算總額ノ百分ノ三十七
二 町村ニ在リテハ其ノ總額當該年度ニ於ケル町村稅豫算總額ノ百分ノ六十
特別ノ必要アル場合ニ於テハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受ケ前項ニ規定スル制限ヲ超過シテ課稅スルコトヲ得
第二十八條 本令中市町村ニ對スル許可ノ職權ハ內務大臣及大藏大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ府縣知事ニ委任スルコトヲ得
第二十九條 本令中府縣、府縣知事又ハ町村ニ關スル規定ハ北海道ニ付テハ各北海道、北海道廳長官又ハ町村ニ準ズルモノニ之ヲ適用ス
町村組合ニシテ町村ノ事務ノ全部ヲ共同處理スルモノハ第五條ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ一町村ト看做ス
第三十條 北海道移住民ニシテ主トシテ耕作又ハ牧畜ノ事業ニ引續キ從事シ移住ノ日ヨリ三年ヲ經過セザル者ニ對シテハ戶數割ヲ賦課スルコトヲ得ズ