朕奏任及判任待遇監獄職員給與令改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十一年十月十三日
內閣總理大臣 男爵 加藤友三郞
司法大臣 岡野敬次郞
勅令第四百三十八號
奏任及判任待遇監獄職員給與令
第一條 保健技師、保健技手、敎誨師、敎師及作業技手ノ俸給ハ別表ニ依ル但シ月俸七十五圓未滿ノ者ニ限リ各所定ノ最低額ヲ下ラサル範圍內ニ於テ適宜ノ金額ヲ定メ之ヲ給スルコトヲ得
看守ノ月俸ハ三十圓乃至七十圓トス但シ看守部長タル看守ニハ八十圓迄ヲ給スルコトヲ得
敎習中ノ看守ノ月俸ハ二十圓乃至三十六圓トス
女監取締ノ月俸ハ二十圓乃至六十圓トス但シ女監取締部長タル女監取締ニハ七十圓迄ヲ給スルコトヲ得
第二條 保健技師又ハ奏任官ノ待遇ヲ受クル敎誨師ニシテ一級俸ヲ受ケ五年ヲ超エ特ニ功勞アル者ニハ年額七百圓以內ヲ加給スルコトヲ得
保健技手又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル敎誨師、敎師及作業技手ニシテ一級俸ヲ受ケ五年ヲ超エ事務練熟優等ナル者ニハ月額四十圓以內ヲ加給スルコトヲ得
看守又ハ女監取締ニシテ最上額ヲ受ケ二年ヲ超エ事務練熟優等ナル者ニハ月額七圓以內ヲ加給スルコトヲ得但シ看守部長タル看守又ハ女監取締部長タル女監取締ニハ月額十圓以內ヲ加給スルコトヲ得
第三條 保健技師、保健技手、敎誨師、敎師又ハ作業技手ニシテ別表四級俸以上ノ俸給ヲ受クル者ハ一年ヲ經過スルニ非サレハ昇級スルコトヲ得ス
看守及女監取締ノ月俸ノ增給ハ十圓ヲ超ユルコトヲ得ス
第四條 看守又ハ女監取締ニシテ五年以上勤續シ行狀方正勤務勉勵事務熟達ニ因リ其ノ精勤ヲ表彰セラレタル者ニハ月額十圓以內ノ精勤加俸ヲ給スルコトヲ得
第五條 精勤加俸ヲ受クル看守又ハ女監取締其ノ成績佳良ナラスト認メラレタルトキハ其ノ加俸ノ支給ヲ廢止ス
精勤加俸ヲ受クル看守又ハ女監取締懲戒處分ヲ受ケタルトキハ其ノ加俸ノ全部又ハ一部ノ支給ヲ廢止スルコトヲ得
第六條 休職看守ニシテ陸軍又ハ海軍ニ於テ受クル俸給又ハ給料ノ月額休職ヲ命セラレタル當時ノ月俸額ヨリ寡少ナルトキハ其ノ不足額ニ相當スル金額以內ノ休職給ヲ給スルコトヲ得
第七條 通譯其ノ他特別ノ技能ヲ有スル看守又ハ女監取締ニハ月額五十圓以內ノ特別手當ヲ給スルコトヲ得
第八條 非番ノ日ニ於テ臨時勤務ニ服シタル看守及女監取締ニハ一日二圓以內ノ勤務手當ヲ給スルコトヲ得
第九條 訓練中ノ看守ニハ月額二十圓以內ノ訓練手當ヲ給スルコトヲ得
第十條 看守及女監取締ニハ月額二十圓以內ノ宿料ヲ給スルコトヲ得
第十一條 樺太ニ在勤スル保健技師、保健技手、敎誨師、敎師及作業技手ニハ月額八十圓以內看守及女監取締ニハ月額四十二圓以內ノ手當ヲ給ス
第十二條 月俸ハ新任、增俸、減俸又ハ復職ノ場合ニ於テハ其ノ翌日ヨリ、休職又ハ退職ノ場合ニ於テハ其ノ當日迄日割ヲ以テ給ス但シ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニハ當月分ノ全額ヲ給ス
一 職務上ノ傷痍又ハ疾病ニ因リ其ノ職ニ堪ヘス退職シタル者
二 廢職廢廳ノ爲退職シタル者
三 身體若ハ精神ノ衰弱又ハ事務ノ都合ニ依リ退職ヲ命セラレタル者
四 在職中死亡シタル者
第十三條 病氣ノ爲執務セサルコト六十日ヲ踰ユル者又ハ私事ノ故障ニ依リ執務セサルコト二十日ヲ踰ユル者ハ日割ヲ以テ俸給ノ半額ヲ減ス但シ公務ノ爲傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ又ハ服忌ヲ受クル者ハ此ノ限ニ在ラス
第十四條 本令ニ定ムルモノヲ除クノ外俸給ノ支給ニ關シテハ高等官及判任官ノ俸給支給ノ例ニ依ル
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
明治四十年勅令第四十三號ハ之ヲ廢止ス
(別表)
奏任官待遇者年俸
一級
二級
三級
四級
五級
六級
七級
八級
九級
十級
十一級
十二級
保健技師
四千五百圓
四千百圓
三千八百圓
三千四百圓
三千百圓
二千七百圓
二千四百圓
二千圓
千八百圓
千六百圓
千四百圓
千二百圓
敎誨師
三千百圓
二千七百圓
二千四百圓
二千圓
千八百圓
千六百圓
千四百圓
千二百圓
千百圓
千圓
九百圓
八百圓
判任官待遇者月俸
一級
二級
三級
四級
五級
六級
七級
八級
九級
十級
保健技手
作業技手
百六十圓
百三十五圓
百十五圓
百圓
八十五圓
七十五圓
六十五圓
五十五圓
五十圓
四十五圓
敎誨師
敎師
百三十五圓
百十五圓
百圓
八十五圓
七十五圓
六十五圓
五十五圓
五十圓
四十五圓
四十圓
朕奏任及判任待遇監獄職員給与令改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十一年十月十三日
内閣総理大臣 男爵 加藤友三郎
司法大臣 岡野敬次郎
勅令第四百三十八号
奏任及判任待遇監獄職員給与令
第一条 保健技師、保健技手、教誨師、教師及作業技手ノ俸給ハ別表ニ依ル但シ月俸七十五円未満ノ者ニ限リ各所定ノ最低額ヲ下ラサル範囲内ニ於テ適宜ノ金額ヲ定メ之ヲ給スルコトヲ得
看守ノ月俸ハ三十円乃至七十円トス但シ看守部長タル看守ニハ八十円迄ヲ給スルコトヲ得
教習中ノ看守ノ月俸ハ二十円乃至三十六円トス
女監取締ノ月俸ハ二十円乃至六十円トス但シ女監取締部長タル女監取締ニハ七十円迄ヲ給スルコトヲ得
第二条 保健技師又ハ奏任官ノ待遇ヲ受クル教誨師ニシテ一級俸ヲ受ケ五年ヲ超エ特ニ功労アル者ニハ年額七百円以内ヲ加給スルコトヲ得
保健技手又ハ判任官ノ待遇ヲ受クル教誨師、教師及作業技手ニシテ一級俸ヲ受ケ五年ヲ超エ事務練熟優等ナル者ニハ月額四十円以内ヲ加給スルコトヲ得
看守又ハ女監取締ニシテ最上額ヲ受ケ二年ヲ超エ事務練熟優等ナル者ニハ月額七円以内ヲ加給スルコトヲ得但シ看守部長タル看守又ハ女監取締部長タル女監取締ニハ月額十円以内ヲ加給スルコトヲ得
第三条 保健技師、保健技手、教誨師、教師又ハ作業技手ニシテ別表四級俸以上ノ俸給ヲ受クル者ハ一年ヲ経過スルニ非サレハ昇級スルコトヲ得ス
看守及女監取締ノ月俸ノ増給ハ十円ヲ超ユルコトヲ得ス
第四条 看守又ハ女監取締ニシテ五年以上勤続シ行状方正勤務勉励事務熟達ニ因リ其ノ精勤ヲ表彰セラレタル者ニハ月額十円以内ノ精勤加俸ヲ給スルコトヲ得
第五条 精勤加俸ヲ受クル看守又ハ女監取締其ノ成績佳良ナラスト認メラレタルトキハ其ノ加俸ノ支給ヲ廃止ス
精勤加俸ヲ受クル看守又ハ女監取締懲戒処分ヲ受ケタルトキハ其ノ加俸ノ全部又ハ一部ノ支給ヲ廃止スルコトヲ得
第六条 休職看守ニシテ陸軍又ハ海軍ニ於テ受クル俸給又ハ給料ノ月額休職ヲ命セラレタル当時ノ月俸額ヨリ寡少ナルトキハ其ノ不足額ニ相当スル金額以内ノ休職給ヲ給スルコトヲ得
第七条 通訳其ノ他特別ノ技能ヲ有スル看守又ハ女監取締ニハ月額五十円以内ノ特別手当ヲ給スルコトヲ得
第八条 非番ノ日ニ於テ臨時勤務ニ服シタル看守及女監取締ニハ一日二円以内ノ勤務手当ヲ給スルコトヲ得
第九条 訓練中ノ看守ニハ月額二十円以内ノ訓練手当ヲ給スルコトヲ得
第十条 看守及女監取締ニハ月額二十円以内ノ宿料ヲ給スルコトヲ得
第十一条 樺太ニ在勤スル保健技師、保健技手、教誨師、教師及作業技手ニハ月額八十円以内看守及女監取締ニハ月額四十二円以内ノ手当ヲ給ス
第十二条 月俸ハ新任、増俸、減俸又ハ復職ノ場合ニ於テハ其ノ翌日ヨリ、休職又ハ退職ノ場合ニ於テハ其ノ当日迄日割ヲ以テ給ス但シ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニハ当月分ノ全額ヲ給ス
一 職務上ノ傷痍又ハ疾病ニ因リ其ノ職ニ堪ヘス退職シタル者
二 廃職廃庁ノ為退職シタル者
三 身体若ハ精神ノ衰弱又ハ事務ノ都合ニ依リ退職ヲ命セラレタル者
四 在職中死亡シタル者
第十三条 病気ノ為執務セサルコト六十日ヲ踰ユル者又ハ私事ノ故障ニ依リ執務セサルコト二十日ヲ踰ユル者ハ日割ヲ以テ俸給ノ半額ヲ減ス但シ公務ノ為傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ又ハ服忌ヲ受クル者ハ此ノ限ニ在ラス
第十四条 本令ニ定ムルモノヲ除クノ外俸給ノ支給ニ関シテハ高等官及判任官ノ俸給支給ノ例ニ依ル
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
明治四十年勅令第四十三号ハ之ヲ廃止ス
(別表)
奏任官待遇者年俸
一級
二級
三級
四級
五級
六級
七級
八級
九級
十級
十一級
十二級
保健技師
四千五百円
四千百円
三千八百円
三千四百円
三千百円
二千七百円
二千四百円
二千円
千八百円
千六百円
千四百円
千二百円
教誨師
三千百円
二千七百円
二千四百円
二千円
千八百円
千六百円
千四百円
千二百円
千百円
千円
九百円
八百円
判任官待遇者月俸
一級
二級
三級
四級
五級
六級
七級
八級
九級
十級
保健技手
作業技手
百六十円
百三十五円
百十五円
百円
八十五円
七十五円
六十五円
五十五円
五十円
四十五円
教誨師
教師
百三十五円
百十五円
百円
八十五円
七十五円
六十五円
五十五円
五十円
四十五円
四十円