朕公立學校職員制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正六年一月二十七日
內閣總理大臣 伯爵 寺內正毅
文部大臣 岡田良平
勅令第五號
公立學校職員制
第一條 公立ノ專門學校及實業專門學校ニ左ノ職員ヲ置ク
學校長
敎授
助敎授
書記
前項職員ノ外寄宿舍ノ設アル學校ニ舍監ヲ置ク
第二條 師範學校、公立ノ中學校、高等女學校及實業學校ニ左ノ職員ヲ置ク
學校長
敎諭
助敎諭
書記
前項職員ノ外寄宿舍ノ設アル學校ニ舍監、師範學校ニ訓導、附屬幼稚園ヲ置キタル師範學校ニ保姆ヲ置ク
第三條 專門學校及實業專門學校ノ學校長ハ奏任官ノ待遇トス
專門學校及實業專門學校ノ學校長ニシテ高等官三等ノ待遇ヲ受ケ在職七年以上ニ至リ功績顯著ナル者ハ二人ヲ限リ特ニ勅任官ノ待遇ト爲スコトヲ得
學校長ハ地方長官ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌理シ所屬職員ヲ監督ス
第四條 師範學校長ハ奏任トス中學校、高等女學校及實業學校ノ學校長ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス
學校長ハ地方長官ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌理シ所屬職員ヲ監督ス
師範學校長ハ兼ネテ其ノ道府縣內ニ於ケル小學敎育ニ屬スル學事ヲ視察ス
第五條 專門學校及實業專門學校ノ敎授ハ奏任官ノ待遇、助敎授ハ判任官ノ待遇トス生徒ノ敎育ヲ掌ル
第六條 師範學校、中學校、高等女學校及實業學校ノ敎諭ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇、助敎諭ハ判任官ノ待遇トス生徒ノ敎育ヲ掌ル
地方長官ハ師範學校敎諭ノ中ヨリ附屬小學校主事ヲ命シ校務ヲ掌ラシム
師範學校ニ附屬幼稚園ヲ置キタル場合ニ於テハ附屬小學校主事ヲシテ兼ネテ園務ヲ掌ラシム
第七條 師範學校、中學校、高等女學校及實業學校ノ敎諭ニシテ奏任官ノ待遇ト爲スコトヲ得ル者ノ員數ハ當該學校ニ於ケル學級數八學級以下ノ師範學校、中學校及高等女學校又ハ六學級以下ノ實業學校ニ在リテハ三人以內トシ以上三學級ヲ增ス每ニ一人ヲ加フルコトヲ得
學校長ヨリ兼任スル敎諭ハ前項定員ノ外トス
第八條 專門學校、實業專門學校、師範學校、中學校、高等女學校及實業學校ノ舍監ハ敎授若ハ助敎授又ハ敎諭若ハ助敎諭ノ中ヨリ之ニ兼任ス但シ特別ノ事情アルトキハ專任ノ舍監ヲ置クコトヲ得
專任舍監ハ判任官ノ待遇トス
舍監ハ學校長ノ指揮ヲ承ケ寄宿舍ノ事ヲ掌ル
第九條 師範學校ノ訓導ハ判任官ノ待遇トス附屬小學校兒童ノ敎育ヲ掌リ兼ネテ師範學校生徒ノ實地授業ヲ監督ス
第十條 師範學校ノ保姆ハ判任官ノ待遇トス附屬幼稚園幼兒ノ保育ヲ掌ル
第十一條 專門學校、實業專門學校、師範學校、中學校、高等女學校及實業學校ノ書記ハ判任官ノ待遇トス學校長ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第十二條 本令ニ於テ實業學校ト稱スルハ實業專門學校及實業補習學校以外ノ實業學校ヲ謂フ
附 則
本令ハ大正六年二月一日ヨリ之ヲ施行ス
明治二十四年勅令第二百四十四號及師範學校官制ハ之ヲ廢止ス
本令施行ノ際現ニ公立ノ專門學校及實業專門學校ノ敎諭又ハ助敎諭ノ職ニ在ル者別ニ辭令書ヲ交付セラレサルトキハ各當該學校ノ敎授又ハ助敎授ニ任セラレタルモノトス
本令施行ノ際公立ノ專門學校及實業專門學校ノ敎諭又ハ助敎諭ニシテ休職中ノ者ニ關シテハ其ノ休職期間中仍其ノ職ヲ存置シ從前ノ例ニ依ル
朕公立学校職員制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正六年一月二十七日
内閣総理大臣 伯爵 寺内正毅
文部大臣 岡田良平
勅令第五号
公立学校職員制
第一条 公立ノ専門学校及実業専門学校ニ左ノ職員ヲ置ク
学校長
教授
助教授
書記
前項職員ノ外寄宿舎ノ設アル学校ニ舎監ヲ置ク
第二条 師範学校、公立ノ中学校、高等女学校及実業学校ニ左ノ職員ヲ置ク
学校長
教諭
助教諭
書記
前項職員ノ外寄宿舎ノ設アル学校ニ舎監、師範学校ニ訓導、附属幼稚園ヲ置キタル師範学校ニ保姆ヲ置ク
第三条 専門学校及実業専門学校ノ学校長ハ奏任官ノ待遇トス
専門学校及実業専門学校ノ学校長ニシテ高等官三等ノ待遇ヲ受ケ在職七年以上ニ至リ功績顕著ナル者ハ二人ヲ限リ特ニ勅任官ノ待遇ト為スコトヲ得
学校長ハ地方長官ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌理シ所属職員ヲ監督ス
第四条 師範学校長ハ奏任トス中学校、高等女学校及実業学校ノ学校長ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス
学校長ハ地方長官ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌理シ所属職員ヲ監督ス
師範学校長ハ兼ネテ其ノ道府県内ニ於ケル小学教育ニ属スル学事ヲ視察ス
第五条 専門学校及実業専門学校ノ教授ハ奏任官ノ待遇、助教授ハ判任官ノ待遇トス生徒ノ教育ヲ掌ル
第六条 師範学校、中学校、高等女学校及実業学校ノ教諭ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇、助教諭ハ判任官ノ待遇トス生徒ノ教育ヲ掌ル
地方長官ハ師範学校教諭ノ中ヨリ附属小学校主事ヲ命シ校務ヲ掌ラシム
師範学校ニ附属幼稚園ヲ置キタル場合ニ於テハ附属小学校主事ヲシテ兼ネテ園務ヲ掌ラシム
第七条 師範学校、中学校、高等女学校及実業学校ノ教諭ニシテ奏任官ノ待遇ト為スコトヲ得ル者ノ員数ハ当該学校ニ於ケル学級数八学級以下ノ師範学校、中学校及高等女学校又ハ六学級以下ノ実業学校ニ在リテハ三人以内トシ以上三学級ヲ増ス毎ニ一人ヲ加フルコトヲ得
学校長ヨリ兼任スル教諭ハ前項定員ノ外トス
第八条 専門学校、実業専門学校、師範学校、中学校、高等女学校及実業学校ノ舎監ハ教授若ハ助教授又ハ教諭若ハ助教諭ノ中ヨリ之ニ兼任ス但シ特別ノ事情アルトキハ専任ノ舎監ヲ置クコトヲ得
専任舎監ハ判任官ノ待遇トス
舎監ハ学校長ノ指揮ヲ承ケ寄宿舎ノ事ヲ掌ル
第九条 師範学校ノ訓導ハ判任官ノ待遇トス附属小学校児童ノ教育ヲ掌リ兼ネテ師範学校生徒ノ実地授業ヲ監督ス
第十条 師範学校ノ保姆ハ判任官ノ待遇トス附属幼稚園幼児ノ保育ヲ掌ル
第十一条 専門学校、実業専門学校、師範学校、中学校、高等女学校及実業学校ノ書記ハ判任官ノ待遇トス学校長ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第十二条 本令ニ於テ実業学校ト称スルハ実業専門学校及実業補習学校以外ノ実業学校ヲ謂フ
附 則
本令ハ大正六年二月一日ヨリ之ヲ施行ス
明治二十四年勅令第二百四十四号及師範学校官制ハ之ヲ廃止ス
本令施行ノ際現ニ公立ノ専門学校及実業専門学校ノ教諭又ハ助教諭ノ職ニ在ル者別ニ辞令書ヲ交付セラレサルトキハ各当該学校ノ教授又ハ助教授ニ任セラレタルモノトス
本令施行ノ際公立ノ専門学校及実業専門学校ノ教諭又ハ助教諭ニシテ休職中ノ者ニ関シテハ其ノ休職期間中仍其ノ職ヲ存置シ従前ノ例ニ依ル