公立学校官制
法令番号: 勅令第二百十三號
公布年月日: 昭和21年4月1日
法令の形式: 勅令
朕公立學校官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十一年四月一日
內閣總理大臣 男爵 幣原喜重郞
文部大臣 安倍能成
勅令第二百十三號
公立學校官制
第一章 公立大學
第一條 公立大學ニ左ノ職員ヲ置ク
大學總長又ハ大學長
敎授
助敎授
文部敎官
文部事務官
文部技官
大學總長ハ數個ノ學部ヲ有スル大學ニ、大學長ハ一個ノ學部ヲ有スル大學ニ置ク
第二條 大學總長及大學長ハ一級ノ文部敎官又ハ文部事務官ヲ以テ之ニ充ツ文部大臣ノ監督ヲ承ケ公立大學一般ノ事ヲ掌リ所屬職員ヲ統督ス
大學總長又ハ大學長ハ一級官吏及二級官吏ノ進退ニ關シテハ文部大臣ニ具狀シ三級官吏ニ關シテハ之ヲ專行ス
第三條 敎授ハ一級又ハ二級ノ文部敎官ヲ以テ之ニ充ツ學生ヲ敎授シ其ノ研究ヲ指導ス
助敎授ハ二級ノ文部敎官ヲ以テ之ニ充ツ敎授ヲ助ケテ授業及實驗ニ從事ス
第四條 數個ノ學部ヲ置ク大學ニ於テハ各學部ニ學部長ヲ置キ其ノ學部ニ屬スル敎授タル文部敎官ヲ以テ之ニ充ツ大學總長ノ監督ノ下ニ學部ノ事ヲ掌ル
第五條 公立大學醫學部又ハ醫學ニ關スル公立大學ニ附屬醫院ヲ置ク
醫院ニ醫院長及文部技官ヲ置ク
醫院長ハ醫學部ニ屬スル敎授又ハ醫學ニ關スル公立大學ノ敎授タル文部敎官ヲ以テ之ニ充ツ大學總長又ハ大學長ノ命ヲ承ケ醫院ノ事ヲ掌ル
第六條 公立大學ニ豫科ヲ置ク
豫科ニ豫科長、豫科敎授及文部敎官ヲ置ク
豫科長ハ一級又ハ二級ノ文部敎官又ハ文部事務官ヲ以テ之ニ充ツ大學總長又ハ大學長ノ命ヲ承ケ豫科ノ事ヲ掌リ職員ヲ監督ス
豫科敎授ハ一級又ハ二級ノ文部敎官ヲ以テ之ニ充ツ生徒ノ敎育ヲ掌ル
第七條 大學總長又ハ大學長ハ必要アル場合ニ於テ講師ヲ囑託スルコトヲ得
第二章 公立高等學校
第八條 公立高等學校ニ左ノ職員ヲ置ク
學校長
敎授
文部敎官
文部事務官
第九條 學校長ハ一級ノ文部敎官又ハ文部事務官ヲ以テ之ニ充ツ文部大臣ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌リ所屬職員ヲ監督ス
第十條 敎授ハ一級又ハ二級ノ文部敎官ヲ以テ之ニ充ツ高等科生徒ノ敎育ヲ掌ル
第十一條 學校長ハ必要アル場合ニ於テ講師ヲ囑託シ授業ヲ擔任セシムルコトヲ得
第三章 公立專門學校
第十二條 公立專門學校ニ左ノ職員ヲ置ク
學校長
敎授
文部敎官
文部事務官
文部技官
第十三條 學校長ハ一級ノ文部敎官又ハ文部事務官ヲ以テ之ニ充ツ文部大臣ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌リ所屬職員ヲ監督ス
第十四條 敎授ハ一級又ハ二級ノ文部敎官ヲ以テ之ニ充ツ生徒ノ敎育ヲ掌ル
第十五條 醫學ニ關スル公立專門學校ニ附屬醫院ヲ置ク
醫院ニ醫院長及文部技官ヲ置ク
醫院長ハ敎授タル文部敎官ヲ以テ之ニ充ツ學校長ノ命ヲ承ケ醫院ノ事ヲ掌ル
第十六條 學校長ハ必要アル場合ニ於テ講師ヲ囑託シ授業ヲ擔任セシムルコトヲ得
第四章 公立ノ中等學校、靑年學校、盲學校及聾啞學校
第十七條 公立ノ中等學校、靑年學校、盲學校及聾啞學校ニ左ノ職員ヲ置ク
學校長
地方敎官
地方事務官
第十八條 學校長ハ二級又ハ三級ノ地方敎官又ハ地方事務官ヲ以テ之ニ充ツ地方長官ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌リ所屬職員ヲ監督ス
第十九條 地方長官ハ二級官吏ノ進退ニ關シテハ文部大臣ニ具狀シ三級官吏ニ關シテハ之ヲ專行ス
第五章 雜則
第二十條 公立學校專任職員ノ定員ハ文部大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
左ニ揭グル勅令ハ之ヲ廢止ス
公立學校職員制
公立學校職員待遇官等等級令
公立學校職員分限令
公立大學職員俸給令
公立學校職員俸給令
公立大學職員ノ職務俸竝ニ國民學校職員ノ俸給、待遇、進退及分限ニ關シテハ前項ノ規定ニ拘ラズ仍從前ノ例ニ依ル
本令施行ノ際現ニ公立ノ大學、高等學校、專門學校、中等學校、靑年學校、盲學校及聾啞學校ニ於テ左表上欄ノ職員ノ職ニ在ル者別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ夫々中欄ノ官ニ任ゼラレ勅任待遇ノ者ハ一級ニ、奏任待遇ノ者ハ二級ニ、判任待遇ノ者ハ三級ニ敍セラレ且下欄ノ職ニ補セラレタルモノトシ本令施行ノ際現ニ公立ノ大學、高等學校、專門學校、中等學校、靑年學校、盲學校及聾啞學校ニ於テ左表上欄ノ職員トシテ休職中ノ者別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ休職ノ儘夫々中欄ノ官ニ任ゼラレ前段ノ例ニ準ジ各相當ノ級ニ敍セラレタルモノトス
【表】
前項ノ規定ハ官吏任用敍級ノ資格ニ關スル規定ノ適用ヲ妨ゲズ
本令施行ノ際現ニ公立大學職員及公立學校職員タル者別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ現ニ受クル俸給額ニ相當スル官吏俸給令ノ號俸ヲ受クルモノトス但シ現ニ受クル俸給額ニ相當スル號俸ナキトキハ從前ノ俸給ヲ受クルモノトス
前項ノ俸給額トハ本俸ノ月額(年額ヲ以テ本俸ヲ定ムル場合ニ在リテハ其ノ十二分ノ一ニ相當スル額)及公立大學職員俸給令第三條ノ規定若ハ公立學校職員俸給令第六條ノ規定ニ依ル年功加俸ノ十二分ノ一ニ相當スル額又ハ公立大學職員俸給令第五條ノ規定ニ依ル加給ノ月額ノ合計額ヲ謂フ
朕公立学校官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十一年四月一日
内閣総理大臣 男爵 幣原喜重郎
文部大臣 安倍能成
勅令第二百十三号
公立学校官制
第一章 公立大学
第一条 公立大学ニ左ノ職員ヲ置ク
大学総長又ハ大学長
教授
助教授
文部教官
文部事務官
文部技官
大学総長ハ数個ノ学部ヲ有スル大学ニ、大学長ハ一個ノ学部ヲ有スル大学ニ置ク
第二条 大学総長及大学長ハ一級ノ文部教官又ハ文部事務官ヲ以テ之ニ充ツ文部大臣ノ監督ヲ承ケ公立大学一般ノ事ヲ掌リ所属職員ヲ統督ス
大学総長又ハ大学長ハ一級官吏及二級官吏ノ進退ニ関シテハ文部大臣ニ具状シ三級官吏ニ関シテハ之ヲ専行ス
第三条 教授ハ一級又ハ二級ノ文部教官ヲ以テ之ニ充ツ学生ヲ教授シ其ノ研究ヲ指導ス
助教授ハ二級ノ文部教官ヲ以テ之ニ充ツ教授ヲ助ケテ授業及実験ニ従事ス
第四条 数個ノ学部ヲ置ク大学ニ於テハ各学部ニ学部長ヲ置キ其ノ学部ニ属スル教授タル文部教官ヲ以テ之ニ充ツ大学総長ノ監督ノ下ニ学部ノ事ヲ掌ル
第五条 公立大学医学部又ハ医学ニ関スル公立大学ニ附属医院ヲ置ク
医院ニ医院長及文部技官ヲ置ク
医院長ハ医学部ニ属スル教授又ハ医学ニ関スル公立大学ノ教授タル文部教官ヲ以テ之ニ充ツ大学総長又ハ大学長ノ命ヲ承ケ医院ノ事ヲ掌ル
第六条 公立大学ニ予科ヲ置ク
予科ニ予科長、予科教授及文部教官ヲ置ク
予科長ハ一級又ハ二級ノ文部教官又ハ文部事務官ヲ以テ之ニ充ツ大学総長又ハ大学長ノ命ヲ承ケ予科ノ事ヲ掌リ職員ヲ監督ス
予科教授ハ一級又ハ二級ノ文部教官ヲ以テ之ニ充ツ生徒ノ教育ヲ掌ル
第七条 大学総長又ハ大学長ハ必要アル場合ニ於テ講師ヲ嘱託スルコトヲ得
第二章 公立高等学校
第八条 公立高等学校ニ左ノ職員ヲ置ク
学校長
教授
文部教官
文部事務官
第九条 学校長ハ一級ノ文部教官又ハ文部事務官ヲ以テ之ニ充ツ文部大臣ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌リ所属職員ヲ監督ス
第十条 教授ハ一級又ハ二級ノ文部教官ヲ以テ之ニ充ツ高等科生徒ノ教育ヲ掌ル
第十一条 学校長ハ必要アル場合ニ於テ講師ヲ嘱託シ授業ヲ担任セシムルコトヲ得
第三章 公立専門学校
第十二条 公立専門学校ニ左ノ職員ヲ置ク
学校長
教授
文部教官
文部事務官
文部技官
第十三条 学校長ハ一級ノ文部教官又ハ文部事務官ヲ以テ之ニ充ツ文部大臣ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌リ所属職員ヲ監督ス
第十四条 教授ハ一級又ハ二級ノ文部教官ヲ以テ之ニ充ツ生徒ノ教育ヲ掌ル
第十五条 医学ニ関スル公立専門学校ニ附属医院ヲ置ク
医院ニ医院長及文部技官ヲ置ク
医院長ハ教授タル文部教官ヲ以テ之ニ充ツ学校長ノ命ヲ承ケ医院ノ事ヲ掌ル
第十六条 学校長ハ必要アル場合ニ於テ講師ヲ嘱託シ授業ヲ担任セシムルコトヲ得
第四章 公立ノ中等学校、青年学校、盲学校及聾唖学校
第十七条 公立ノ中等学校、青年学校、盲学校及聾唖学校ニ左ノ職員ヲ置ク
学校長
地方教官
地方事務官
第十八条 学校長ハ二級又ハ三級ノ地方教官又ハ地方事務官ヲ以テ之ニ充ツ地方長官ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌リ所属職員ヲ監督ス
第十九条 地方長官ハ二級官吏ノ進退ニ関シテハ文部大臣ニ具状シ三級官吏ニ関シテハ之ヲ専行ス
第五章 雑則
第二十条 公立学校専任職員ノ定員ハ文部大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
左ニ掲グル勅令ハ之ヲ廃止ス
公立学校職員制
公立学校職員待遇官等等級令
公立学校職員分限令
公立大学職員俸給令
公立学校職員俸給令
公立大学職員ノ職務俸並ニ国民学校職員ノ俸給、待遇、進退及分限ニ関シテハ前項ノ規定ニ拘ラズ仍従前ノ例ニ依ル
本令施行ノ際現ニ公立ノ大学、高等学校、専門学校、中等学校、青年学校、盲学校及聾唖学校ニ於テ左表上欄ノ職員ノ職ニ在ル者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ夫々中欄ノ官ニ任ゼラレ勅任待遇ノ者ハ一級ニ、奏任待遇ノ者ハ二級ニ、判任待遇ノ者ハ三級ニ叙セラレ且下欄ノ職ニ補セラレタルモノトシ本令施行ノ際現ニ公立ノ大学、高等学校、専門学校、中等学校、青年学校、盲学校及聾唖学校ニ於テ左表上欄ノ職員トシテ休職中ノ者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ休職ノ儘夫々中欄ノ官ニ任ゼラレ前段ノ例ニ準ジ各相当ノ級ニ叙セラレタルモノトス
【表】
前項ノ規定ハ官吏任用叙級ノ資格ニ関スル規定ノ適用ヲ妨ゲズ
本令施行ノ際現ニ公立大学職員及公立学校職員タル者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ現ニ受クル俸給額ニ相当スル官吏俸給令ノ号俸ヲ受クルモノトス但シ現ニ受クル俸給額ニ相当スル号俸ナキトキハ従前ノ俸給ヲ受クルモノトス
前項ノ俸給額トハ本俸ノ月額(年額ヲ以テ本俸ヲ定ムル場合ニ在リテハ其ノ十二分ノ一ニ相当スル額)及公立大学職員俸給令第三条ノ規定若ハ公立学校職員俸給令第六条ノ規定ニ依ル年功加俸ノ十二分ノ一ニ相当スル額又ハ公立大学職員俸給令第五条ノ規定ニ依ル加給ノ月額ノ合計額ヲ謂フ