簡易生命保険令
法令番号: 勅令第二百六號
公布年月日: 大正5年8月18日
法令の形式: 勅令
朕簡易生命保險令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正五年八月十七日
內閣總理大臣 侯爵 大隈重信
遞信大臣 箕浦勝人
勅令第二百六號
簡易生命保險令
第一條 簡易生命保險ハ終身保險及養老保險トス
第二條 終身保險ニ在リテハ被保險者死亡シタルニ因リテ保險金額ノ支拂ヲ爲スモノトス
第三條 養老保險ニ在リテハ被保險者ノ生存中保險期間滿了シ又ハ其ノ期間滿了前被保險者死亡シタルニ因リテ保險金額ノ支拂ヲ爲スモノトス
第四條 養老保險ハ左ノ七種トス
一 十年滿期養老保險
二 十五年滿期養老保險
三 二十年滿期養老保險
四 二十五年滿期養老保險
五 三十年滿期養老保險
六 三十五年滿期養老保險
七 四十年滿期養老保險
第五條 新ニ被保險者タルコトヲ得ル者ノ年齡ハ十二歲以上六十歲以下トス
第六條 保險證書作成ノ後被保險者ノ年齡ニ付錯誤アルコトヲ發見シタル場合ニ於テ其ノ作成ノ日ノ年齡カ前條ノ範圍內ナルトキハ當初ヨリ其ノ年齢ニ基キテ保險契約ヲ爲シタルモノト看做シ其ノ年齡カ十二歲未滿ナルトキハ十二歲ニ達シタル日ニ於テ保險證書ヲ作成シタルモノト看做シ保險金額ヲ更正ス
前項ノ規定ニ依リ保險金額ヲ更正スル場合ニ於テ其ノ金額カ二百五十圓ヲ超過スルトキハ當初ヨリ最高ノ保險金額ニ基キテ保險契約ヲ爲シタルモノト看做ス
第七條 保險料ハ左ノ基礎ニ依リ計算ス
一 明治四十五年內閣統計局ノ發表シタル第二表ノ男子死亡率ニ二割ヲ增加シテ作成シタル死亡生殘表
二 年三分五厘ノ豫定利率
被保險者ノ爲ニ積立ツヘキ金額ハ前項ノ基礎ニ依リ純保險料式ヲ以テ之ヲ計算ス
第八條 簡易生命保險法第八條ノ規定ニ依リ支拂フヘキ保險金額ハ左ノ區別ニ依ル
保險契約ノ效力發生後一年內ナルトキ 死亡迄ニ拂込ムヘキ保險料ニ相當スル金額
保險契約ノ效力發生後二年內ナルトキ 保險金額ノ二分ノ一
前項ノ規定ニ依リ支拂フヘキ金額カ被保險者ノ爲ニ積立テタル金額ニ滿タサルトキハ其ノ積立テタル金額ニ依ル
第九條 簡易生命保險法第二十三條第一項ノ規定ニ依リ支拂フヘキ保險金額ハ左ノ區別ニ依リ保險契約復活ノ效力發生ノ日ニ於テ被保險者ノ爲ニ積立テタル金額ニ左ノ金額ヲ加ヘタルモノトス
復活ノ效力發生後六月內ナルトキ 復活ノ效力發生後死亡迄ニ拂込ムヘキ保險料ニ相當スル金額
復活ノ效力發生後一年內ナルトキ 保險金額ト復活ノ效力發生ノ日ニ於テ被保險者ノ爲ニ積立テタル金額トノ差額ノ二分ノ一
第十條 簡易生命保險法第八條及第二十三條第二項ノ規定ニ依リ支拂フヘキ保險金額ハ左ノ區別ニ依ル
保險契約ノ效力發生後二年內ニシテ復活ノ效力發生後一年內ナルトキ 復活ノ效力發生ノ日ニ於テ被保險者ノ爲ニ積立テタル金額ニ復活ノ效力發生後死亡迄ニ拂込ムヘキ保險料ニ相當スル金額ヲ加ヘタル金額
保險契約ノ效力發生後二年內ニシテ復活ノ效力發生後一年ヲ超ユルトキ 保險金額ノ二分ノ一
第八條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第十一條 簡易生命保險法第二十五條ノ規定ニ依リ還付スヘキ金額ハ被保險者ノ爲ニ積立テタル金額ノ百分ノ八十乃至九十八ノ範圍內ニ於テ遞信大臣ノ定ムル所ニ依ル
遞信大臣ノ定ムル所ニ依リ保險契約ノ效力發生後一定ノ期間ヲ經過セサル契約ニ付テハ前項ノ金額ヲ還付セサルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ未タ拂込ヲ爲ササル保險料ハ之ヲ拂込ムコトヲ要セス
附 則
本令ハ簡易生命保險法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕簡易生命保険令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正五年八月十七日
内閣総理大臣 侯爵 大隈重信
逓信大臣 箕浦勝人
勅令第二百六号
簡易生命保険令
第一条 簡易生命保険ハ終身保険及養老保険トス
第二条 終身保険ニ在リテハ被保険者死亡シタルニ因リテ保険金額ノ支払ヲ為スモノトス
第三条 養老保険ニ在リテハ被保険者ノ生存中保険期間満了シ又ハ其ノ期間満了前被保険者死亡シタルニ因リテ保険金額ノ支払ヲ為スモノトス
第四条 養老保険ハ左ノ七種トス
一 十年満期養老保険
二 十五年満期養老保険
三 二十年満期養老保険
四 二十五年満期養老保険
五 三十年満期養老保険
六 三十五年満期養老保険
七 四十年満期養老保険
第五条 新ニ被保険者タルコトヲ得ル者ノ年齢ハ十二歳以上六十歳以下トス
第六条 保険証書作成ノ後被保険者ノ年齢ニ付錯誤アルコトヲ発見シタル場合ニ於テ其ノ作成ノ日ノ年齢カ前条ノ範囲内ナルトキハ当初ヨリ其ノ年齢ニ基キテ保険契約ヲ為シタルモノト看做シ其ノ年齢カ十二歳未満ナルトキハ十二歳ニ達シタル日ニ於テ保険証書ヲ作成シタルモノト看做シ保険金額ヲ更正ス
前項ノ規定ニ依リ保険金額ヲ更正スル場合ニ於テ其ノ金額カ二百五十円ヲ超過スルトキハ当初ヨリ最高ノ保険金額ニ基キテ保険契約ヲ為シタルモノト看做ス
第七条 保険料ハ左ノ基礎ニ依リ計算ス
一 明治四十五年内閣統計局ノ発表シタル第二表ノ男子死亡率ニ二割ヲ増加シテ作成シタル死亡生残表
二 年三分五厘ノ予定利率
被保険者ノ為ニ積立ツヘキ金額ハ前項ノ基礎ニ依リ純保険料式ヲ以テ之ヲ計算ス
第八条 簡易生命保険法第八条ノ規定ニ依リ支払フヘキ保険金額ハ左ノ区別ニ依ル
保険契約ノ効力発生後一年内ナルトキ 死亡迄ニ払込ムヘキ保険料ニ相当スル金額
保険契約ノ効力発生後二年内ナルトキ 保険金額ノ二分ノ一
前項ノ規定ニ依リ支払フヘキ金額カ被保険者ノ為ニ積立テタル金額ニ満タサルトキハ其ノ積立テタル金額ニ依ル
第九条 簡易生命保険法第二十三条第一項ノ規定ニ依リ支払フヘキ保険金額ハ左ノ区別ニ依リ保険契約復活ノ効力発生ノ日ニ於テ被保険者ノ為ニ積立テタル金額ニ左ノ金額ヲ加ヘタルモノトス
復活ノ効力発生後六月内ナルトキ 復活ノ効力発生後死亡迄ニ払込ムヘキ保険料ニ相当スル金額
復活ノ効力発生後一年内ナルトキ 保険金額ト復活ノ効力発生ノ日ニ於テ被保険者ノ為ニ積立テタル金額トノ差額ノ二分ノ一
第十条 簡易生命保険法第八条及第二十三条第二項ノ規定ニ依リ支払フヘキ保険金額ハ左ノ区別ニ依ル
保険契約ノ効力発生後二年内ニシテ復活ノ効力発生後一年内ナルトキ 復活ノ効力発生ノ日ニ於テ被保険者ノ為ニ積立テタル金額ニ復活ノ効力発生後死亡迄ニ払込ムヘキ保険料ニ相当スル金額ヲ加ヘタル金額
保険契約ノ効力発生後二年内ニシテ復活ノ効力発生後一年ヲ超ユルトキ 保険金額ノ二分ノ一
第八条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第十一条 簡易生命保険法第二十五条ノ規定ニ依リ還付スヘキ金額ハ被保険者ノ為ニ積立テタル金額ノ百分ノ八十乃至九十八ノ範囲内ニ於テ逓信大臣ノ定ムル所ニ依ル
逓信大臣ノ定ムル所ニ依リ保険契約ノ効力発生後一定ノ期間ヲ経過セサル契約ニ付テハ前項ノ金額ヲ還付セサルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ未タ払込ヲ為ササル保険料ハ之ヲ払込ムコトヲ要セス
附 則
本令ハ簡易生命保険法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス