朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル輕便鐵道補助法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十四年三月二十一日
內閣總理大臣兼大藏大臣 侯爵 桂太郞
法律第十七號
輕便鐵道補助法
第一條 輕便鐵道ニ於テ每營業年度ニ於ケル益金カ建設費ニ對シ一年五分ノ割合ニ達セサルトキハ政府ハ該鐵道營業開始ノ日ヨリ五年ヲ限リ其ノ不足額ヲ補給スルコトヲ得但シ營業收入ノ營業費ニ不足スル金額ニ對シテハ之ヲ補給スルコトヲ得ス
第二條 補助ヲ爲スヘキ輕便鐵道ハ二呎六吋以上ノ軌間ヲ有スルモノニ限ル
第三條 第一條ノ補助金ノ年額ハ明治四十四年度ニ於テハ二十五萬圓爾後每年度二十五萬圓ヲ累加シ百二十五萬圓ニ至リテ止ム
第四條 輕便鐵道ハ每營業年度ニ於テ其ノ益金カ建設費ニ對シ一年八分ノ割合ヲ超過スルニ至リタルトキハ其ノ超過額ノ二分ノ一ヲ以テ政府ノ補給シタル總額ニ達スル迄之カ償還ヲ爲スヘシ
第五條 第一條及第四條ノ建設費、營業費、營業收入及益金ニ關シテハ命令ヲ以テ其ノ算出方法ヲ定ムルコトヲ得
第六條 輕便鐵道ノ管理者カ法令若ハ法令ニ基キテ發スル命令、免許若ハ補助ニ附シタル條件ニ違反シ又ハ公益ヲ害スヘキ行爲ヲ爲シタルトキハ政府ハ其ノ補助ヲ停止又ハ廢止スルコトヲ得
第七條 詐欺ノ所爲ヲ以テ補助金ヲ受ケタルトキハ法定ノ利息ヲ附シテ之ヲ償還セシム
前項ノ償還金ハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得但シ先取特權ノ順位ハ國稅ニ次クモノトス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ日ヨリ十年ヲ經過シタルトキハ新ニ補助ヲ爲スコトヲ得ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル軽便鉄道補助法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十四年三月二十一日
内閣総理大臣兼大蔵大臣 侯爵 桂太郎
法律第十七号
軽便鉄道補助法
第一条 軽便鉄道ニ於テ毎営業年度ニ於ケル益金カ建設費ニ対シ一年五分ノ割合ニ達セサルトキハ政府ハ該鉄道営業開始ノ日ヨリ五年ヲ限リ其ノ不足額ヲ補給スルコトヲ得但シ営業収入ノ営業費ニ不足スル金額ニ対シテハ之ヲ補給スルコトヲ得ス
第二条 補助ヲ為スヘキ軽便鉄道ハ二呎六吋以上ノ軌間ヲ有スルモノニ限ル
第三条 第一条ノ補助金ノ年額ハ明治四十四年度ニ於テハ二十五万円爾後毎年度二十五万円ヲ累加シ百二十五万円ニ至リテ止ム
第四条 軽便鉄道ハ毎営業年度ニ於テ其ノ益金カ建設費ニ対シ一年八分ノ割合ヲ超過スルニ至リタルトキハ其ノ超過額ノ二分ノ一ヲ以テ政府ノ補給シタル総額ニ達スル迄之カ償還ヲ為スヘシ
第五条 第一条及第四条ノ建設費、営業費、営業収入及益金ニ関シテハ命令ヲ以テ其ノ算出方法ヲ定ムルコトヲ得
第六条 軽便鉄道ノ管理者カ法令若ハ法令ニ基キテ発スル命令、免許若ハ補助ニ附シタル条件ニ違反シ又ハ公益ヲ害スヘキ行為ヲ為シタルトキハ政府ハ其ノ補助ヲ停止又ハ廃止スルコトヲ得
第七条 詐欺ノ所為ヲ以テ補助金ヲ受ケタルトキハ法定ノ利息ヲ附シテ之ヲ償還セシム
前項ノ償還金ハ国税滞納処分ノ例ニ依リ之ヲ徴収スルコトヲ得但シ先取特権ノ順位ハ国税ニ次クモノトス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ日ヨリ十年ヲ経過シタルトキハ新ニ補助ヲ為スコトヲ得ス