(電子証明書の発行)
第三条 住民基本台帳に記録されている者は、その者が記録されている住民基本台帳を備える市町村(特別区を含む。以下同じ。)の市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)を経由して、当該市町村を包括する都道府県の都道府県知事に対し、自己に係る電子証明書(利用者署名検証符号が当該利用者に係るものであることを証明するために作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)の発行の申請をすることができる。
2 前項の申請をしようとする者(以下この条において「申請者」という。)は、その者が記録されている住民基本台帳を備える市町村の市町村長(以下「住所地市町村長」という。)に対し、政令で定めるところにより、当該申請者に係る住民票に記載されている事項のうち住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第七条第一号から第三号まで及び第七号に掲げる事項(同号に掲げる事項については、住所とする。)を記載した申請書(以下この条において「申請書」という。)を提出しなければならない。
3 住所地市町村長は、前項の規定により申請書の提出を受けたときは、申請者が当該市町村の備える住民基本台帳に記録されている者であることの確認(以下この条において「利用者確認」という。)をするものとし、利用者確認のため、総務省令で定めるところにより、これを証明する書類の提示又は提出を申請者に求めることができる。
4 住所地市町村長により利用者確認を受けた申請者は、住所地市町村長の使用に係る電子計算機を用いて、総務省令で定める基準により、利用者署名符号及びこれと対応する利用者署名検証符号を作成し、これらを住民基本台帳法第三十条の四十四第一項に規定する住民基本台帳カードその他の総務省令で定める電磁的記録媒体(電磁的記録に係る記録媒体をいう。以下同じ。)に記録するとともに、当該利用者署名検証符号を住所地市町村長に通知するものとする。
5 住所地市町村長は、総務省令で定めるところにより、利用者確認をした申請者に係る申請書の内容及び利用者署名検証符号を都道府県知事に通知するものとする。
6 前項の規定による通知を受けた都道府県知事は、総務省令で定めるところにより、当該都道府県知事が電子署名を行った当該申請に係る電子証明書を発行し、これを住所地市町村長に通知するものとする。
7 前項の規定による通知を受けた住所地市町村長は、総務省令で定めるところにより、当該通知に係る電子証明書を第四項の電磁的記録媒体に記録して申請者に提供するものとする。
8 第五項の規定による申請書の内容及び利用者署名検証符号の通知並びに第六項の規定による電子証明書の通知は、総務省令で定めるところにより、住所地市町村長又は都道府県知事の使用に係る電子計算機から電気通信回線を通じて相手方である都道府県知事又は住所地市町村長の使用に係る電子計算機に送信することによって行うものとする。
(利用者署名符号の適切な管理)
第四条 利用者は、総務省令で定めるところにより、当該利用者に係る利用者署名符号の漏えい、滅失及びき損の防止その他利用者署名符号の適切な管理を行わなければならない。
(電子証明書の有効期間)
第五条 電子証明書の有効期間は、当該電子証明書の発行の日から起算して三年とする。
(電子証明書の二重発行の禁止)
第六条 利用者は、当該利用者に係る電子証明書が第十五条第一項の規定により効力を失わない限り、重ねて電子証明書の発行を受けることができない。
(電子証明書の記録事項)
第七条 電子証明書には、次に掲げる事項を記録するものとする。
一 電子証明書の発行の番号、発行年月日及び有効期間の満了する日
二 利用者署名検証符号及び当該利用者署名検証符号に関する事項で総務省令で定めるもの
三 利用者に係る住民票に記載されている事項のうち住民基本台帳法第七条第一号から第三号まで及び第七号に掲げる事項(同号に掲げる事項については、住所とする。)
(発行記録の記録)
第八条 電子証明書を発行した都道府県知事は、総務省令で定めるところにより、当該電子証明書(当該電子証明書について当該都道府県知事が行った電子署名に係る電磁的記録を含む。以下「発行記録」という。)を電磁的記録媒体に記録し、これを発行した日から政令で定める期間保存しなければならない。
(電子証明書の失効を求める旨の申請)
第九条 利用者は、当該利用者に係る電子証明書を発行した都道府県知事に対し、当該電子証明書の失効を求める旨の申請をすることができる。
2 第三条第二項、第三項、第五項及び第八項の規定は、前項の申請について準用する。この場合において、同条第五項中「申請書の内容及び利用者署名検証符号」とあるのは「申請書の内容」と、同条第八項中「申請書の内容及び利用者署名検証符号の通知並びに第六項の規定による電子証明書の通知」とあるのは「申請書の内容の通知」と、「住所地市町村長又は都道府県知事」とあるのは「住所地市町村長」と、「都道府県知事又は住所地市町村長」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。
3 利用者は、前項において準用する第三条第二項、第三項、第五項及び第八項の規定によるほか、総務省令で定めるところにより、当該利用者の使用に係る電子計算機から電気通信回線を通じて当該利用者に係る電子証明書を発行した都道府県知事の使用に係る電子計算機に送信することにより第一項の申請をすることができる。この場合においては、当該利用者は、同条第四項の規定により作成した利用者署名符号を用いて、当該申請に電子署名を行わなければならない。
4 第一項の規定による申請については、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条の規定は、適用しない。
(利用者署名符号の漏えい等があった旨の届出)
第十条 利用者は、第三条第四項の規定により作成した利用者署名符号が漏えいし、滅失し、若しくはき損したとき、又は当該利用者署名符号を記録した同項の電磁的記録媒体が使用できなくなったときは、住所地市町村長を経由して、速やかに当該利用者に係る電子証明書を発行した都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
2 第三条第二項、第三項、第五項及び第八項の規定は、前項の届出について準用する。この場合において、同条第二項中「申請をしようとする者」とあるのは「届出をしようとする者」と、「申請者」とあるのは「届出者」と、「申請書」とあるのは「届出書」と、同条第三項中「申請書」とあるのは「届出書」と、「申請者」とあるのは「届出者」と、同条第五項中「申請者」とあるのは「届出者」と、「申請書の内容及び利用者署名検証符号」とあるのは「届出書の内容」と、同条第八項中「申請書の内容及び利用者署名検証符号の通知並びに第六項の規定による電子証明書の通知」とあるのは「届出書の内容の通知」と、「住所地市町村長又は都道府県知事」とあるのは「住所地市町村長」と、「都道府県知事又は住所地市町村長」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。
(失効申請等情報の記録)
第十一条 第九条第一項の規定による申請又は前条第一項の規定による届出を受けた都道府県知事は、直ちに、当該申請又は届出に係る電子証明書の発行の番号、第九条第一項の規定による申請があった旨又は前条第一項の規定による届出があった旨及びこれらの事項をこの条の規定により記録する年月日(以下「失効申請等情報」という。)を、総務省令で定めるところにより、電磁的記録媒体に記録し、これを当該記録をした日から政令で定める期間保存しなければならない。
(異動等失効情報の記録)
第十二条 都道府県知事は、利用者について、住民基本台帳法第三十条の八第三項に規定する通知があったときは、直ちに、当該通知に係る利用者に発行した電子証明書の発行の番号、当該通知があった旨及びこれらの事項をこの条の規定により記録する年月日(以下「異動等失効情報」という。)を、総務省令で定めるところにより、電磁的記録媒体に記録し、これを当該記録をした日から政令で定める期間保存しなければならない。
(記録誤り等に係る情報の記録)
第十三条 都道府県知事は、前条に定めるもののほか、当該都道府県知事が発行した電子証明書に記録された事項について、当該電子証明書に係る利用者に係る住民票に記載されている事項と異なるものがあることその他の記録誤り又は記録漏れ(以下「記録誤り等」という。)があることを知ったときは、直ちに、当該記録誤り等があった電子証明書の発行の番号、記録誤り等があった旨及びこれらの事項をこの条の規定により記録する年月日(以下「記録誤り等に係る情報」という。)を、総務省令で定めるところにより、電磁的記録媒体に記録し、これを当該記録をした日から政令で定める期間保存しなければならない。
(発行者署名符号の漏えい等に係る情報の記録)
第十四条 都道府県知事は、当該都道府県知事が発行した電子証明書に係る発行者署名符号(当該電子証明書を発行した都道府県知事が当該電子証明書について電子署名を行うために用いた符号をいう。以下この条において同じ。)が漏えいし、滅失し、又はき損したこと(以下この条において「発行者署名符号の漏えい等」という。)を知ったときは、直ちに、当該発行者署名符号を用いて電子署名を行った電子証明書の発行の番号、発行者署名符号の漏えい等があった旨及びこれらの事項をこの条の規定により記録する年月日(以下「発行者署名符号の漏えい等に係る情報」という。)を、総務省令で定めるところにより、電磁的記録媒体に記録し、これを当該記録をした日から政令で定める期間保存しなければならない。
(電子証明書の失効)
第十五条 電子証明書は、次の各号のいずれかに該当するときは、その効力を失う。
一 都道府県知事が第十一条の規定により失効申請等情報を記録したとき。
二 都道府県知事が第十二条の規定により異動等失効情報を記録したとき。
三 都道府県知事が第十三条の規定により記録誤り等に係る情報を記録したとき。
四 都道府県知事が前条の規定により発行者署名符号の漏えい等に係る情報を記録したとき。
2 都道府県知事は、前項第三号の規定により電子証明書の効力が失われたときは、記録誤り等があった電子証明書の発行を受けた利用者に対し、速やかに当該電子証明書に記録誤り等があった旨及び当該電子証明書の効力が失われた旨を通知しなければならない。
3 都道府県知事は、第一項第四号の規定により電子証明書の効力が失われたときは、総務省令で定めるところにより、遅滞なくその旨を公表しなければならない。
(失効情報ファイルの作成等)
第十六条 都道府県知事は、総務省令で定めるところにより、失効情報ファイル(一定の時点において保存されている失効情報(第十一条の規定により保存する失効申請等情報、第十二条の規定により保存する異動等失効情報、第十三条の規定により保存する記録誤り等に係る情報及び第十四条の規定により保存する発行者署名符号の漏えい等に係る情報をいう。以下同じ。)の集合物であって、それらの失効情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。以下同じ。)を定期的に作成し、これを作成した日から政令で定める期間保存しなければならない。