(保証基準価格等)
第五条 この章において「保証基準価格」とは、肉用子牛の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、肉用子牛の再生産を確保することを旨として、毎会計年度、当該年度の開始前に農林水産大臣が定める金額をいう。
2 この章において「合理化目標価格」とは、牛肉の国際価格の動向、肉用牛の肥育に要する合理的な費用の額等からみて、肉用牛生産の健全な発達を図るため肉用子牛生産の合理化によりその実現を図ることが必要な肉用子牛の生産費を基準として、政令で定める期間ごとに農林水産大臣が定める金額をいう。
3 この章において「平均売買価格」とは、肉用子牛の主要な生産地域に所在する家畜市場であつて農林水産大臣の指定するものにおける指定肉用子牛(農林水産省令で定める規格に適合する肉用子牛をいう。次項において同じ。)の売買価格の政令で定める期間ごとの平均額として農林水産省令で定めるところにより算出される金額をいう。
4 保証基準価格及び合理化目標価格(以下「保証基準価格等」という。)は、家畜市場における指定肉用子牛の売買価格として定めるものとする。
5 農林水産大臣は、保証基準価格等を定めるに当たつては、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百八十二号)第二条の二第一項に規定する基本方針に即し、肉用牛生産の近代化を促進することとなるように配慮するものとする。
6 農林水産大臣は、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、保証基準価格等を改定することができる。
7 農林水産大臣は、保証基準価格等を定め、又は改定しようとするときは、政令で定める審議会の意見を聴かなければならない。
8 農林水産大臣は、保証基準価格等を定め、又は改定したときは、遅滞なく、これを告示するものとする。
9 農林水産大臣は、第三項の政令で定める期間の満了後遅滞なく、平均売買価格を告示するものとする。
(生産者補給交付金等の交付)
第六条 事業団は、平均売買価格が保証基準価格を下回る場合には、予算の範囲内で、第十条に定めるところにより、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二十四条の三の五に規定する都道府県肉用子牛価格安定基金協会(以下「協会」という。)であつて都道府県知事の指定を受けたものに対し、当該協会が生産者補給金交付契約(協会が肉用子牛の生産者(肉用子牛を譲り受けてその飼養を行う者にあつてはその譲受けに係る肉用子牛が政令で定める要件に適合するものに限り、法人にあつては政令で定めるものに限る。以下同じ。)に交付する生産者補給金に係る契約であつて、平均売買価格が合理化目標価格を下回る場合における当該生産者補給金の一部に充てるための積立金(以下「生産者積立金」という。)の積立てに要する負担金を肉用子牛の生産者が協会に納付する旨の定めがあるものをいう。以下同じ。)に係る肉用子牛につきその生産者に交付する生産者補給金の全部又は一部に充てるため、生産者補給交付金を交付することができる。
2 事業団は、予算の範囲内で、前項の指定を受けた協会(以下「指定協会」という。)に対し、その生産者積立金の一部に充てるため、政令で定めるところにより、生産者積立助成金を交付することができる。
3 都道府県は、指定協会に対し、その生産者積立金の一部に充てるため、生産者積立助成金を交付することができる。
(協会の指定)
第七条 前条第一項の指定は、都道府県の区域ごとに、その指定を受けようとする協会の申請により、当該都道府県知事が行う。
2 前条第一項の指定を受けようとする協会は、農林水産省令で定める手続に従い、肉用子牛についての生産者補給金の交付の業務(以下「生産者補給金交付業務」という。)に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、これを指定申請書に添えて、当該都道府県知事に提出しなければならない。
3 前条第一項の指定は、その申請が次の要件のすべてに適合している場合でなければ、してはならない。
一 生産者補給金交付業務を適正かつ確実に実施できると認められること。
二 申請者の業務規程によれば、当該都道府県の区域内で生産される肉用子牛の生産者のすべてが申請者と生産者補給金交付契約を締結することができると認められること。
三 申請者の業務規程において、第十条の確認に関する事項、生産者積立金の積立て及びこれに要する負担金の納付に関する事項、生産者積立金から交付する生産者補給金の金額の算定及びその交付の方法に関する事項その他農林水産省令で定める事項が農林水産省令で定める基準に従い定められていること。
四 申請者が第九条第一項の規定により指定を解除され、その解除の日から二年を経過しない者でないこと。
4 都道府県知事は、前条第一項の指定をしたときは、遅滞なく、その旨を、公示し、かつ、農林水産大臣に届け出なければならない。
(業務規程の変更)
第八条 指定協会は、業務規程を変更しようとするときは、農林水産省令で定める手続に従い、当該指定をした都道府県知事の承認を受けなければならない。
2 都道府県知事は、前項の承認の申請に係る業務規程が前条第三項第二号及び第三号の要件に適合している場合でなければ、前項の承認をしてはならない。
(指定の解除)
第九条 都道府県知事は、指定協会が次のいずれかに該当するときは、政令で定めるところにより、第六条第一項の指定を解除することができる。
一 第七条第三項第一号の要件に適合しなくなつたとき。
二 業務規程に違反して生産者補給金交付業務を行つたとき。
三 正当な理由がないのに当該都道府県の区域内で生産される肉用子牛の生産者との生産者補給金交付契約の締結を拒んだとき。
2 第七条第四項の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。
(生産者補給交付金の金額)
第十条 事業団が交付する生産者補給金交付契約に係る肉用子牛についての生産者補給交付金の金額は、第五条第三項の政令で定める期間ごと及び指定協会ごとに、保証基準価格から平均売買価格(その平均売買価格が合理化目標価格を下回る場合にあつては、その合理化目標価格)を控除した金額に、生産者補給金交付契約に係る肉用子牛であつて、当該政令で定める期間内に、その肉用子牛の生産者が政令で定める月齢に達した日以後に販売したこと又はその肉用子牛の生産者が飼養しており、かつ、第二条の政令で定める月齢に達したことにつき、当該指定協会が農林水産省令で定めるところにより確認をしたものの頭数に相当する数を乗じて得た金額とする。
(生産者補給交付金に係る生産者補給金の交付)
第十一条 指定協会は、事業団から生産者補給金交付契約に係る肉用子牛についての生産者補給交付金の交付を受けたときは、その交付を受けた生産者補給交付金の金額に相当する金額を、生産者補給金として、前条の確認を受けた肉用子牛の生産者に対し、当該肉用子牛の頭数に応じて交付しなければならない。
(保証基準価格等が肉用子牛の品種別に定められる場合の読替え)
第十二条 保証基準価格等が肉用子牛の品種別に定められる場合には、第十条中「保証基準価格」とあるのは「肉用子牛の品種別の保証基準価格」と、「平均売買価格」とあるのは「当該品種別の平均売買価格」と、「合理化目標価格」とあるのは「当該品種別の合理化目標価格」と、「控除した」とあるのは「それぞれ控除した」と、「頭数に相当する数を乗じて得た金額」とあるのは「当該品種別の頭数に相当する数をそれぞれ乗じて得た金額を合算した金額」と、前条中「相当する金額」とあるのは「相当する金額を各品種別の肉用子牛に係る部分に区分し、その区分に応じたそれぞれの金額」と、「頭数」とあるのは「当該品種別の頭数」とする。