(指定等)
第二十四条 労働大臣は、定年の引上げ等による事業主の雇用する高年齢者の安定した雇用の確保を図るための措置(以下「高年齢者継続雇用措置」という。)に関する事業主の自主的な活動を促進すること等により高年齢者の雇用の安定その他福祉の増進を図るとともに、第四十一条に規定する都道府県高年齢者雇用安定センターの健全な発展を図ることを目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人であつて、次条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、全国を通じて一個に限り、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。
一 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。
二 前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、高年齢者の雇用の安定その他福祉の増進に資すると認められること。
2 労働大臣は、前項の指定をしたときは、同項の指定を受けた者(以下「中央高年齢者雇用安定センター」という。)の名称及び住所並びに事務所の所在地を公示しなければならない。
3 中央高年齢者雇用安定センターは、その名称及び住所並びに事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を労働大臣に届け出なければならない。
4 労働大臣は、前項の届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(業務)
第二十五条 中央高年齢者雇用安定センターは、次に掲げる業務を行うものとする。
一 高年齢者の雇用の安定に関する調査研究を行うこと。
二 事業主その他の関係者に対し、高年齢者継続雇用措置その他高年齢者の雇用に関する講習等を行うこと。
三 高年齢者継続雇用措置その他高年齢者の雇用に関する情報及び資料を総合的に収集し、並びに事業主その他の関係者に対し提供すること。
四 第四十一条に規定する都道府県高年齢者雇用安定センターの業務について、連絡調整を図り、及び指導その他の援助を行うこと。
六 前各号に掲げるもののほか、高年齢者の雇用の安定その他福祉の増進及び第四十一条に規定する都道府県高年齢者雇用安定センターの健全な発展を図るために必要な業務を行うこと。
(中央高年齢者雇用安定センターによる雇用改善事業関係業務の実施)
第二十六条 労働大臣は、中央高年齢者雇用安定センターを指定したときは、中央高年齢者雇用安定センターに雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第六十二条の雇用改善事業のうち次のいずれかに該当するものに係る業務の全部又は一部を行わせるものとする。
一 高年齢者を雇用する事業主に対して支給する給付金であつて労働省令で定めるものを支給すること。
二 高年齢者の雇用に関する技術的事項について、事業主その他の関係者に対して相談その他の援助を行うこと。
三 前二号に掲げるもののほか、高年齢者の雇用の安定を図るために必要な事業を行うこと。
2 前項第一号の給付金に該当する雇用保険法第六十二条の規定に基づく給付金の支給要件及び支給額は、労働省令で定めなければならない。
3 中央高年齢者雇用安定センターは、第一項に規定する業務(以下この章において「雇用改善事業関係業務」という。)の全部又は一部を開始する際、当該業務の種類ごとに、当該業務を開始する日及び当該業務を行う事務所の所在地を労働大臣に届け出なければならない。中央高年齢者雇用安定センターが当該業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときも、同様とする。
4 労働大臣は、第一項の規定により中央高年齢者雇用安定センターに行わせる雇用改善事業関係業務の種類及び前項の規定による届出に係る事項を公示しなければならない。
5 中央高年齢者雇用安定センターは、労働省令で定めるところにより、労働大臣の認可を受けて、雇用改善事業関係業務の一部を第四十一条に規定する都道府県高年齢者雇用安定センターに委託することができる。
(業務規程の認可)
第二十七条 中央高年齢者雇用安定センターは、雇用改善事業関係業務を行うときは、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(以下この節において「業務規程」という。)を作成し、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 労働大臣は、前項の認可をした業務規程が雇用改善事業関係業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 業務規程に記載すべき事項は、労働省令で定める。
(雇用改善事業関係給付金の支給に係る労働大臣の認可)
第二十八条 中央高年齢者雇用安定センターは、雇用改善事業関係業務のうち第二十六条第一項第一号に係る業務(以下この節において「給付金業務」という。)を行う場合において、自ら同条第二項に規定する雇用保険法第六十二条の規定に基づく給付金の支給を受けようとするときは、労働省令で定めることろにより、労働大臣の認可を受けなければならない。
(報告)
第二十九条 中央高年齢者雇用安定センターは、給付金業務を行う場合において当該業務に関し必要があると認めるときは、事業主に対し、必要な事項についての報告を求めることができる。
(事業計画等)
第三十条 中央高年齢者雇用安定センターは、毎事業年度、労働省令で定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 中央高年齢者雇用安定センターは、労働省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
(区分経理)
第三十一条 中央高年齢者雇用安定センターは、雇用改善事業関係業務を行う場合には、雇用改善事業関係業務に係る経理とその他の業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(交付金)
第三十二条 国は、予算の範囲内において、中央高年齢者雇用安定センターに対し、雇用改善事業関係業務に要する費用の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。
(労働省令への委任)
第三十三条 この節に定めるもののほか、中央高年齢者雇用安定センターが雇用改善事業関係業務を行う場合における中央高年齢者雇用安定センターの財務及び会計に関し必要な事項は、労働省令で定める。
(役員の選任及び解任)
第三十四条 中央高年齢者雇用安定センターの役員の選任及び解任は、労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 中央高年齢者雇用安定センターの役員が、この節の規定(当該規定に基づく命令又は処分を含む。)若しくは第二十七条第一項の規定により認可を受けた業務規程に違反する行為をしたとき、又は第二十五条に規定する業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、労働大臣は、中央高年齢者雇用安定センターに対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第三十五条 給付金業務に従事する中央高年齢者雇用安定センターの役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(報告及び検査)
第三十六条 労働大臣は、第二十五条に規定する業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、中央高年齢者雇用安定センターに対し、当該業務若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又は所属の職員に、中央高年齢者雇用安定センターの事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(監督命令)
第三十七条 労働大臣は、この節の規定を施行するために必要な限度において、中央高年齢者雇用安定センターに対し、第二十五条に規定する業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第三十八条 労働大臣は、中央高年齢者雇用安定センターが次の各号のいずれかに該当するときは、第二十四条第一項の指定(以下この条において「指定」という。)を取り消し、又は期間を定めて第二十五条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第二十五条に規定する業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
三 この節の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
四 第二十七条第一項の規定により認可を受けた業務規程によらないで雇用改善事業関係業務を行つたとき。
2 労働大臣は、前項の規定により、指定を取り消し、又は第二十五条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。
(労働大臣による雇用改善事業関係業務の実施)
第三十九条 労働大臣は、前条第一項の規定により、指定を取り消し、若しくは雇用改善事業関係業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は中央高年齢者雇用安定センターが雇用改善事業関係業務を行うことが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該雇用改善事業関係業務を自ら行うものとする。
2 労働大臣は、前項の規定により雇用改善事業関係業務を行うものとし、又は同項の規定により行つている雇用改善事業関係業務を行わないものとするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。
3 労働大臣が、第一項の規定により雇用改善事業関係業務を行うものとし、又は同項の規定により行つている雇用改善事業関係業務を行わないものとする場合における当該雇用改善事業関係業務の引継ぎその他の必要な事項は、労働省令で定める。