昭和五十九年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置等に関する法律
法令番号: 法律第52号
公布年月日: 昭和59年6月30日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

昭和59年度予算において、歳出構造の徹底的な見直しと歳入面の見直しを行い、公債減額に努めた。歳出面ではマイナスシーリングのもと、制度・施策の根本的な改革による節減合理化を実施し、一般歳出を前年度比338億円減額した。歳入面では所得税の大幅減税等の税制改正と、特別会計・特殊法人からの一般会計納付等による増収を図った。しかし、なお財源不足のため特例公債の発行と国債費定率繰り入れ等の停止が必要となった。また、特例公債の償還財源について、借換債を発行しない従来方針を見直さざるを得ない状況となった。これらの財源確保のための特別措置と特例公債償還のための起債特例を定めるため、本法案を提出する。

参照した発言:
第101回国会 衆議院 本会議 第13号

審議経過

第101回国会

衆議院
(昭和59年3月30日)
(昭和59年4月13日)
(昭和59年4月17日)
(昭和59年4月18日)
(昭和59年4月20日)
(昭和59年4月24日)
(昭和59年4月25日)
(昭和59年4月27日)
(昭和59年5月8日)
参議院
(昭和59年5月9日)
(昭和59年5月10日)
(昭和59年5月15日)
(昭和59年5月16日)
(昭和59年6月19日)
(昭和59年6月21日)
(昭和59年6月26日)
(昭和59年6月27日)
昭和五十九年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十九年六月三十日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第五十二号
昭和五十九年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置等に関する法律
目次
第一章
総則(第一条)
第二章
昭和五十九年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置(第二条―第五条)
第三章
特例公債の償還のための起債の特例(第六条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、我が国の財政の現状にかんがみ、昭和五十九年度の財政運営に必要な財源を確保し、もつて国民生活と国民経済の安定に資するため、同年度における公債の発行の特例に関する措置、国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する措置並びに日本電信電話公社及び日本専売公社の国庫納付金の納付の特別措置を定めるとともに、同年度以前の各年度において発行した特例公債について、償還のための起債の特例を定めるものとする。
第二章 昭和五十九年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置
(特例公債の発行等)
第二条 政府は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四条第一項ただし書の規定により発行する公債のほか、昭和五十九年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもつて国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができる。
2 前項の規定による公債の発行は、昭和六十年六月三十日までの間、行うことができる。この場合において、同年四月一日以後発行される同項の公債に係る収入は、昭和五十九年度所属の歳入とする。
3 政府は、第一項の議決を経ようとするときは、同項の公債の償還の計画を国会に提出しなければならない。
(一般会計からの国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例)
第三条 昭和五十九年度において、国債整理基金特別会計法(明治三十九年法律第六号)第二条第一項の規定により一般会計から繰り入れるべき金額のうち国債の元金の償還に充てるべき金額については、同条第二項及び同法第二条ノ二第一項の規定は、適用しない。
(日本電信電話公社の臨時国庫納付金の納付)
第四条 日本電信電話公社は、昭和五十九事業年度において、前事業年度の経営上生じた利益のうち二千億円に相当する金額を昭和六十年三月三十一日までに国庫に納付しなければならない。
2 日本電信電話公社は、昭和五十八事業年度の経営上生じた利益の処理については、日本電信電話公社法(昭和二十七年法律第二百五十号)第六十一条第一項の規定にかかわらず、当該利益の額から前項の規定により国庫に納付すべき金額を控除した残額を同条第一項の規定による積立金として整理するものとする。
(日本専売公社の臨時国庫納付金の納付)
第五条 日本専売公社は、昭和五十九事業年度において、日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)第四十三条の十三第一項の規定による専売納付金及び同法附則第四項の規定により国庫に納付すべき金額を納付するほか、前事業年度の損益計算上生じた利益のうち三百億円に相当する金額を昭和六十年三月三十一日までに国庫に納付しなければならない。
2 日本専売公社は、昭和五十八事業年度の損益計算上生じた利益の処理については、日本専売公社法第四十三条の十三の二第一項の規定にかかわらず、当該利益の額から前項の規定により国庫に納付すべき金額を控除した残額を同条第一項の規定による利益積立金として整理するものとする。
第三章 特例公債の償還のための起債の特例
(特例公債の償還のための起債の特例)
第六条 政府は、第二条第一項の規定及び次の各号に掲げる規定により発行した公債については、国債整理基金特別会計法第五条の規定による償還のための起債は、国の財政状況を勘案しつつ、できる限り行わないよう努めるものとする。
一 昭和五十年度の公債の発行の特例に関する法律(昭和五十年法律第八十九号)第一条
二 昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律(昭和五十一年法律第七十三号)第二条
三 昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律(昭和五十二年法律第五十号)第二条
四 昭和五十三年度における財政処理のための公債の発行及び専売納付金の納付の特例に関する法律(昭和五十三年法律第四十三号)第二条第一項
五 昭和五十四年度の公債の発行の特例に関する法律(昭和五十四年法律第二十六号)第二条
六 昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律(昭和五十五年法律第三十七号)第二条
七 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律(昭和五十六年法律第三十九号)第二条第一項
八 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律(昭和五十七年法律第四十一号)第二条
九 昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律(昭和五十八年法律第四十五号)第二条第一項
2 政府は、第二条第一項の規定及び前項各号に掲げる規定により発行した公債について国債整理基金特別会計法第五条の規定による償還のための起債を行つた場合においては、その速やかな減債に努めるものとする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律の一部改正)
第二条 昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第五条を削る。
(昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律の一部改正)
第三条 昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第五条を削る。
(昭和五十三年度における財政処理のための公債の発行及び専売納付金の納付の特例に関する法律の一部改正)
第四条 昭和五十三年度における財政処理のための公債の発行及び専売納付金の納付の特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第二条第四項を削る。
(昭和五十四年度の公債の発行の特例に関する法律の一部改正)
第五条 昭和五十四年度の公債の発行の特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第五条を削る。
(昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律の一部改正)
第六条 昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第五条を削る。
(財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律の一部改正)
第七条 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律の一部を次のように改正する。
第二条第四項を削る。
(昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律の一部改正)
第八条 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第五条を削る。
(昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律の一部改正)
第九条 昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律の一部を次のように改正する。
第二条第四項を削る。
第三条中「国債整理基金特別会計法」の下に「(明治三十九年法律第六号)」を加える。
大蔵大臣 竹下登
郵政大臣 奥田敬和
内閣総理大臣 中曽根康弘